
カシオ計算機は、耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」のバーチャル展開を進める「VIRTUAL G-SHOCK」プロジェクトの一環として、Web3ゲーミングメタバース「The Sandbox」とのコラボを発表した。The Sandbox内にG-SHOCKの世界観を再現した仮想空間「G-SHOCK CITY」や、限定アバター「G-SHOCK DROID」、NFTアイテム「G-SHOCK WEAR&CREATION」を9月3日より順次展開する。
G-SHOCK CITYは、G-SHOCKの誕生秘話およびこれまでの歴史をタイムスリップして辿れるアドベンチャーゲームと、G-SHOCKの耐久試験を題材にしたサバイバルレースを楽しめる無料ゲーム。9月24日11時より提供開始する。

G-SHOCK CITY
G-SHOCK DROIDは、G-SHOCKの定番モデルである「DW-5600」、「DW-6900」、「GA-110」、「GA-2100」のほか、4月発売の新作「GA-V01」の計5モデルをモチーフにしたロボット型のアバター。8月5日から優先購入権(アローリスト)の登録が始まっており、9月3日11時より数量限定で発売する。
価格はレアリティに応じて異なり、The Sandbox内の仮想通貨SANDで、コモンが19SAND、アンコモンが49SAND、レアが99SAND、エピックが199SAND、レジェンダリーが399SAND。
G-SHOCK WEAR&CREATIONでは、G-SHOCKをモチーフとして作られたウェアラブルやコレクティブルのNFTコレクションをアバターにあわせて発売する。
G-SHOCK WEAR&CREATIONVIRTUAL G-SHOCKプロジェクトについて
VIRTUAL G-SHOCKについて
本コラボに関する報道関係者向けイベントでは、VIRTUAL G-SHOCKプロジェクトのこれまでの取り組みについて説明。同プロジェクトは2023年より始動し、NFTやメタバース領域を中心に、新たなコンテンツの創出やユーザーコミュニティを構築している。
2023年10月には、VRChat上に仮想店舗「G-SHOCK STORE」を開設し、ワールド内でアバターに装着できるG-SHOCKを販売したほか、同年12月にはG-SHOCKの未来の耐久試験を疑似体験できるアトラクション型コンテンツ「G-SHOCK THE RIDE」を公開した。
2024年には、NFTを代表するDoodlesや、Web3ライフスタイルアプリ「STEPN GO」ともコラボしている。
G-SHOCK生みの親「リアルからバーチャルへ、大きな変換点に来ている」
左から、のろいちゃん、伊部 菊雄氏、Sebastien Borget氏
イベントでは、G-SHOCK開発者のカシオ計算機 伊部 菊雄氏や、The Sandbox共同創業者のSebastien Borget(セバスチャン・ボルジェ)氏が登壇。G-SHOCK誕生秘話、本コラボのきっかけなどについて語られた。
カシオ計算機/G-SHOCK開発者 伊部 菊雄氏
伊部氏は、G-SHOCKの開発に至るきっかけとして、高校の入学祝いで手に入れた愛用の腕時計を入社後に落として壊してしまった体験を挙げ、丈夫な時計が必要だと感じたことが原点だったと振り返った。
開発当初は、作業中に壊してしまうため時計が付けられなかった道路工事の作業員をターゲットにしていたが、時代とともに若者へ、さらに女性や家族層に広がった。そのG-SHOCKが、まさかバーチャルの世界で展開されるとは想像していなかったとし、大きな時代の変換点に来ていると述べた。
同氏は、G-SHOCK開発当時のエピソードとして、試作品を会社の3階トイレの窓からコンクリートに落とす実験を何百回と繰り返していた時に、上り下りにエレベーターは一度も使わず、成功への期待感や改善点を考える時間のために、階段を上り下りしたという裏話も披露した。
また、自身が所持するG-SHOCKは3本だけだといい、すべてDW-5600で黒、白、赤を季節によって使い分けていると述べた。特に赤は幼少期に見ていた戦隊ヒーローのリーダーを思い出させる存在で、最も愛着があると語っていた。

G-SHOCK CITYでは、伊部氏によるG-SHOCK開発を追体験できる
同氏は、本コラボを光栄だとしたうえで、G-SHOCK CITYについて、G-SHOCKのもつ独特な世界観をうまく表現しており、そのクオリティの高さやプレイ中に感じられるワクワク感とドキドキ感に大変驚き、感動したと語った。
今後のG-SHOCKにおけるメタバース体験については、今回のG-SHOCKの開発経緯や耐久試験のようなリアルの再現だけでなく、宇宙人とG-SHOCKについて語り合うような、現実では不可能な体験を作れたら面白いと述べた。本コラボに対しては無限の可能性を感じているとし、The Sandboxに期待を寄せた。
The Sandbox COO セバスチャン・ボルジェ氏
ボルジェ氏は、自身もG-SHOCKの長年のファンで、今回のコラボが約1年前にカシオ計算機の担当者と出会ったことがきっかけだったと明かした。移動中のタクシー内でThe Sandboxのビジョンを説明し、その場でコラボが決まったという。
G-SHOCK DROIDのアバターデザインについては、G-SHOCKの要素を細部に落とし込むためにスケッチ段階から多くの時間を費やしたといい、装備品も含めてG-SHOCKらしさが表現されてよう工夫を施したという。そして、リアルなG-SHOCKを集めるのと同じようにアバターを欲しくなることを目指したと述べた。
G-SHOCK DROIDのアバターデザインに関するスケッチ
最初期のデザインのスケッチ
G-SHOCK WEAR&CREATIONに関するスケッチG-SHOCK CITYの先行体験も
のろいちゃんとヤオジェン チャン氏によるG-SHOCK CITY先行体験の様子
イベントではこのほか、Web3クリエイターでインフルエンサーののろいちゃんと、The Sandbox リードゲームプロデューサーのヤオジェン チャン氏による、G-SHOCK CITYの先行体験も行なわれた。
チャン氏によると、本ゲームのプレイ時間はおよそ30~40分といい、特にサバイバルレースはG-SHOCKの過酷な耐久試験を追体験できるよう、The Sandboxでも最高難度のゲームとなっているという。
G-SHOCK CITYのプレイ画面
ボクセルで表現されたG-SHOCK
G-SHOCKの耐衝撃構造が生まれるきっかけとなった、ゴムボールで遊ぶキャラもゲーム内に登場する
伊部氏によると、開発時に会社を辞めようとしていたのも事実通りだという
