パ・リーグ   ソフトバンク0-1日本ハム ( 2025年8月24日    エスコンフィールド )

<日・ソ22>3回、郡司をニゴロに打ち取ったモイネロ(撮影・高橋 茂夫)
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 ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)が24日、日本ハム戦で8回を無失点に抑えた。連続イニング無失点を29とし、防御率は1・07に良化。1956年の稲尾和久(西鉄)のパ・リーグ記録1・06を更新する可能性もある驚異的な安定感だ。試合は延長10回の激闘の末に0―1でサヨナラ負け。3連敗で0・5ゲーム差に迫られたが、無双左腕が優勝争いに決着をつける切り札になる。

 気合がほとばしっていた。8回1死から清宮幸に対して際どいコースがボールとなり四球を出すと、普段はひょうひょうと投げるモイネロが思わずマウンドでしゃがみ込んだ。

 「投手戦が続いていて、そういう意味では感情も出ていたと思います」

 それでも集中力が途切れることなどあるはずもない。1死一塁となった場面で郡司のバットにチェンジアップで空を切らせ、続くレイエスにはフルカウントから渾身(こんしん)の149キロの直球を投げ込む。ファウルチップが捕手・海野のミットに収まった瞬間、ガッツポーズして雄叫びを上げた。126球の熱投だった。

 日本ハムとの2週前の直接対決と同じく相手エース・伊藤との投げ合い。1―0で投げ勝った前回10日同様に白熱した投手戦となった。2回1死満塁では田宮を二ゴロ併殺に仕留めてピンチ脱出。6~8回も走者を背負いながら強力打線にホームを踏ませなかった。

 「毎回(伊藤と)投げるときは、なるべく点を取られないようにという意識で投げています。いい試合にはなると思っていました」。8回を投げて5安打無失点。延長戦の末にチームが敗れたとあって悔しさもにじませたが、さすがの投球で今季のデーゲームは4試合で計31イニング無失点となった。

 失点は7月29日の日本ハム戦の初回に1失点したのが最後で、以降29イニング連続無失点。防御率は1・07と良化した。1956年の稲尾和久(西鉄)のパ・リーグ記録1・06を更新する可能性もある。救援時代の22年に1・03、23年には0・98をマークしているが、先発でのこの数字は驚異的だ。

 1勝でもすれば優勝マジックが点灯した3連戦で全敗し、日本ハムが0・5ゲーム差に迫ってきた。それでも優位な状況は変わらず、最短で27日にマジックが点灯する。小久保監督は「前回(9~11日の)本拠地で3つやって、今回3つやられただけなので。またあさってからです」と前を向いた。

 残り30試合。日本ハムとの直接対決は9月に9、18、30日と3試合ある。難敵相手に7試合で4勝0敗、防御率0・87のモイネロの存在は頼もしい。(木下 大一)

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