MSI MPG 346CQRF X24
MSIの新作ゲーミングモニター「MPG 346CQRF X24」は、従来方式より4倍高速なRAPID VA液晶パネルの採用により、UWQHD解像度(3,440×1,440ドット)で240Hz/0.5msの高速駆動を実現したモデルだ。
高い没入感が特徴のウルトラワイド湾曲ゲーミングモニターは、表示速度より表示品質を重視したモデルが多いのだが、ゲームでのパフォーマンスに特化したMPG 346CQRF X24は、競技性の高いゲームにも好適な高速性を獲得している。スペック値通りに、表示性能や機能が優れたモデルなのか確かめてみよう。
240Hz/0.5ms駆動のウルトラワイド湾曲パネルをゲームでテストウルトラワイド対応ゲームでは高速駆動と高い没入感を両立
今回は、ウルトラワイド湾曲パネルを採用しつつ、240Hz/0.5msという表示性能を備えるMPG 346CQRF X24のゲーミング性能を確かめるべく、ウルトラワイド解像度に対応する「エーペックスレジェンズ」をプレイしてみた。
バトルロイヤルFPSのエーペックスレジェンズは、ウルトラワイド解像度に対応するゲームのひとつ
エーペックスレジェンズはウルトラワイド解像度も正式にサポート、240Hzの表示性能は60Hz表示の一般向けモニターとは比べ物にならない視認性の高さを感じさせてくれる
競技性の高いバトルロイヤルFPSであるエーペックスレジェンズは、高いフレームレートとリフレッシュレートでプレイすることが好成績に結びつきやすいタイトルだ。
実際、標準的な60Hz表示とゲーム向けの240Hz表示では、視認性はもちろん操作感の面でも大きな違いを実感できる。MPG 346CQRF X24を試してみた限り、AIMの面でも表示速度の面でも不満を感じるような場面はなく、高性能ゲーミングモニターらしい特性を感じられた。競技向けゲームの場合は表示速度が操作のしやすさや勝敗に影響してくるので、こだわる価値はある。
また、画面の左右端がギリギリ視野に収まるくらいの距離で使用すると、ウルトラワイド湾曲パネルの素晴らしい没入感を味わえる。正式にウルトラワイド解像度に対応するエーペックスレジェンズでは、標準的なアスペクト比16:9のモニターより広い領域を表示可能となっており、さらに視野角を適宜設定することで表示範囲の調整が可能だ。
標準のFOV=90。エーペックスレジェンズでは横方向の視野が拡張されている
最大のFOV=110。非常に広い領域を画面内に収めることができる
かなり快適にエーペックスレジェンズをプレイできるMPG 346CQRF X24なのだが、エーペックスレジェンズはHUDの位置を変更することができず、アスペクト比21:9ではHUDが左右両端に配置される。テストしている限りでは気にならなかったが、実際のプレイでこのレイアウトが許容できるかどうかでゲームの快適さの評価は分かれるかもしれない。
なお、ウルトラワイド解像度に対応するゲームには、HUDの位置を調整する機能を備えたものもあるが、エーペックスレジェンズのように調整不能なタイトルで、どうしてもそれがプレイの支障になるという場合は、あえてアスペクト比を16:9に落としてプレイしてみるのも一つの手段だ。
MPG 346CQRF X24は16:9の画面比率の解像度(2,560×1,440ドットなど)でも240Hzのリフレッシュレートをサポートしているので、高速性を損なうことなくアスペクト比16:9でのゲームをプレイできる。どうしてもウルトラワイド解像度だと遊びにくいとなった場合は試してもらいたい。
アスペクト比21:9。パネル全体を活用できるが、エーペックスレジェンズではHUDが両端に寄ってしまう
アスペクト比16:9のWQHD(2,560×1,440ドット)表示。両サイドに黒帯が表示されるが、240Hz駆動は可能
240Hz/0.5ms駆動の高速な表示と、ウルトラワイド湾曲パネルの高い没入感により、優れたゲーム体験が得られるMPG 346CQRF X24だが、発色に関してはやや淡泊な印象を受けた。実際、MPG 346CQRF X24の色再現性はsRGBカバー率=92%、DCI-P3カバー率=85%となっており、RAPID VA液晶パネルの優れた高速性が、発色と引き換えになっていることがスペックからもうかがえる。
販売価格や仕様を考慮すれば量子ドットを用いた高額な有機ELゲーミングモニター並みの発色を期待するのは酷であり、ゲームプレイ中はさほど気にならない程度の色味でもあるので、ここは表示性能を優先した割り切った仕様と理解すべきところだろう。
ゲームプレイに支障があるほどでは無いが、RAPID VA液晶パネルの発色はやや淡泊な印象だ
色再現もそれほど高くなく、RAPID VA液晶パネルが表示の高速性に特化したものであることが伺えるUSB接続したPC上からモニターの設定を変更できる「Gaming Intelligence」モニターに接続したUSB機器を共有するKVM機能も搭載
MPG 346CQRF X24は、ユーティリティソフトの「Gaming Intelligence」に対応しており、アップストリーム用のUSBポート(Type-B)、またはUSB Type-Cポートに接続したPC上から、モニターの設定を変更することができる。
USB接続したPC上からモニターの設定変更が可能なユーティリティ「Gaming Intelligence」
Gaming Intelligenceには、モニターのOSDメニューで設定可能な項目が集約されており、キーボードとマウスによるシンプルな操作でモニターの設定を簡単に変更できる。また、指定したゲームやアプリを起動した際に、任意のモニター設定を適用するプロファイルの作成も可能だ。
モニターのOSDメニューで設定可能な項目が集約されており、キーボードとマウス操作で簡単に設定変更が可能
指定したアプリケーションが起動した際に、モニターを任意の設定に変更するプロファイルを作成可能
また、MPG 346CQRF X24は、モニター本体のUSB 2.0 Type-Aに接続したUSB機器を共有するKVM機能を搭載。アップストリーム用USBポートとUSB Type-Cポートに接続したPC間でUSB機器を共有できる。
なお、USB Type-Cポートに接続したPCが、DP Alt modeによって画面出力を行っている場合、KVM機能は画面に表示している映像ソースに応じて自動的にUSB機器の接続先を変更することが可能だ。逆にUSB Type-CポートのDP Alt modeを使用していない場合、Gaming IntelligenceやOSDメニューから手動でKVM機能を操作する必要がある。
モニターに接続したUSB機器を2台のPC間で共有するKVM機能を搭載。USB Type-Cポートに接続したPCがDP Alt modeで映像出力を行っている場合、KVMスイッチは自動でUSB機器の接続先を切り替えるが、そうでない場合は手動で接続先を指定する必要がある240Hz対応でゲームの勝敗にもこだわれる性能のウルトラワイド湾曲ゲーミングモニター
MSIのMPG 346CQRF X24は、UWQHD解像度/1500Rのパネルを採用し没入感を高めつつも、240Hz/応答速度0.5ms対応で競技向けゲームで使える性能を備えたモデルだ。採用しているRAPID VA液晶パネルの特性により、高い色再現性や美しい発色を求めるユーザー向けではないが、没入感と高速性を高レベルで両立した貴重な1台と言えるだろう。
また、すべての映像入力端子で240Hzの高速駆動と可変リフレッシュレート機能が利用できる点は素晴らしい。複数のゲーミングPCや家庭用ゲーム機を所有するゲーマーにも好適な仕様となっている。
記事執筆時点での実売価格は7万4千円~8万円前後で、34インチのウルトラワイドゲーミングモニターの中では中価格帯の比較的手が出しやすいモデルでもある。没入感と高速な表示速度を両立したいユーザーは検討する価値のあるゲーミングモニターだ。
●キャッシュバックキャンペーンとレビューキャンペーンが期間限定で開催中
MSIは同社製モニター購入者向けに「ゲーミングモニターキャッシュバックキャンペーン」と「モニターレビューキャンペーン」を実施している。
ゲーミングモニターキャッシュバックキャンペーンは、対象モデルを購入しMSIメンバーセンターで購入製品を登録、その後アンケートに回答すると「えらべるPay®」3,000円分がプレゼントされる。期間は2025年10月17日(金)まで。
平面タイプの一般的なゲーミングモニターはもちろん、湾曲ゲーミングモニターや有機ELパネル搭載ゲーミングモニターなど多数のモデルが対象となっている。対象モデルの詳細はキャンペーンサイトを参照のこと。
モニターレビューキャンペーンは、対象となる販売店でMSIのゲーミングモニター/ビジネスモニター/クリエイターモニターを購入し、購入店の販売サイトにレビューを投稿したのち、購入した製品と投稿したレビューのURLをMSIメンバーセンターに登録することで「えらべるPay®」2,000円分がプレゼントされる。販売店のサイトにレビュー投稿の機能が無い場合、SNSにレビューを投稿することでも代用可能で、その際は「#MSIレビュー_PR」とハッシュタグを入れて投稿する必要がある(ハッシュタグが無い場合は無効)。期間は2026年1月31日(土)まで。
多数の販売店とモデルが対象となっており、詳細はキャンペーンサイトを参照のこと。