不動産業界で長年の実績を持つ企業が、全くの異分野であるゲーム開発に参入した。しかも、第一弾として世に送り出すのは本格的なホラーゲーム。

1984年創業の東京ディフェンス株式会社が、新設したゲーム制作部署から、FORTNITE(フォートナイト)で遊べる『放課後の呪声』をリリースした。

建築のプロが描く、生々しい空間の恐怖

『放課後の呪声』は、都市伝説の舞台とされる廃校「桜ヶ丘小学校」に閉じ込められた主人公となり、隠された手がかりを辿って悲劇の真相に迫る没入型のホラーゲーム。

最大の特徴は、不動産会社が長年培ってきた建築CG技術を駆使して生み出された、圧倒的にリアルな空間表現にある。

© 東京ディフェンス株式会社

薄暗い廊下、埃を被った教室、静まり返った音楽室。廃校の細部に至るまで徹底的に作り込まれたグラフィックは、視覚や聴覚を通して、まるでその場にいるかのような生々しい臨場感を生み出す。

プレスリリースによれば、これは単なるゲームグラフィックではなく、“空間を知り尽くしたプロ”だからこそ創造できる究極の没入型恐怖体験だそうだ。

© 東京ディフェンス株式会社

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新卒社員の情熱が恐怖を形に

この革新的なプロジェクトを企画から制作まで牽引したのは、なんと今年4月に入社したばかりの新入社員だという。

大学で建築CGを学んだ野村氏は、「CGを通してたくさんの人にゲームや建築の魅力を伝えたい」という情熱を抱き、ゲーム開発は未経験ながら、この大役を任された。

入社からわずか3ヶ月で本格的なホラーゲームを完成させられた背景には、本人の専門知識と情熱に加え、それを支える同社の育成環境があったようだ。

東京ディフェンス代表取締役の山田邦博氏は、「入社間もない新人が、これほどまでにクオリティの高いホラーゲームを完成させたことに、私自身も大きな驚きと期待を抱いています」とコメントしている。

デジタルエンタメへ挑む「PIXEL PROMO」

今回のゲームを制作した「PIXEL PROMO」は、東京ディフェンスが新たに立ち上げた部署。今後は『放課後の呪声』のようなオリジナルコンテンツ開発を続けるとともに、企業向けのFORTNITEオリジナルゲーム制作事業を本格的に展開していく。

建築CGで培った技術を活かし、高品質なゲームを50万円からという価格で提供することで、企業のZ世代向けマーケティングに新たな選択肢を示す。不動産会社によるデジタルエンターテイメントへの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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Top image: © 東京ディフェンス株式会社

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