任天堂の新型ゲーム機「スイッチ２」が、世界で好調な販売を維持し、米国市場で歴代最速で売れたゲーム機という新記録を打ち立てた。
市場調査会社サーカナによると、任天堂は６月、米国で価格450ドルのスイッチ２を160万台販売し、米国でのゲーム機の発売月としては過去最高の数字を記録した。これまでの最高は、2013年にソニーのプレイステーション４が記録した110万台だった。
スイッチ２の好調な販売により、ゲームハード全体の支出は３倍以上に増加した。米国では６月、全ブランドの新型ゲーム機や周辺機器への支出が９億7800万ドル（約1433億円）に達し、同月としては過去最高となった。年間を通じてゲーム関連支出が低調な中では、異例の成果だ。
スイッチ２は任天堂のゲーム事業全体の存続にも関わる重要なハードで、最大市場の米国でユーザーの支持を瞬く間に集めた。日本国内でも、ゲーム情報メディア「ファミ通」の最新小売データによると、スイッチ２は史上最速で売れているゲーム機となっている。
一方で、サーカナのエグゼクティブディレクター、マット・ピスカテラ氏は、任天堂の長期的な見通しには注意が必要としている。同氏はオンライン上での投稿で「新型ゲーム機の発売直後に購入するユーザーは、熱心で価格に対しては敏感でない層であることが常だ。一般層の価格感度をより的確に測るには、年末商戦まで待つ必要があるだろう」と指摘した。
初代スイッチで、携帯型と据え置き型を統合した単一ハード戦略に転換したことで、任天堂にはハード・ソフト両面での成功が強く求められた。同社は人気ソフトを次々に投入し、スイッチの人気を長期間維持してきた。そしてスイッチ２でも、順調な滑り出しを見せている。
７月17日に発売された「ドンキーコング バナンザ」は批評家から高評価を受けており、夏後半に向け、さらなる販売拡大の後押しになりそうだ。
原題：Nintendo Switch 2 Sets Record as Fastest-Selling Console in US（抜粋）
(詳細を加え更新します)