「都市伝説解体センター」
夏といえばホラーの季節。恐怖で背筋がぞっとする快感を求めている人は多いのではないだろうか。
そこで今回オススメしたいのが、集英社ゲームズ販売、墓場文庫が開発を行なう形で2月13日に発売されたプレイステーション 5/Nintendo Switch/Steam用ミステリーアドベンチャー「都市伝説解体センター」だ。
本稿では同作の大まかなストーリーや面白いポイントに触れつつ、「どれくらい“コワい”ゲームなのか」を紹介していきたい。
【「都市伝説解体センター」ローンチトレーラー】
コワさのレベルはほどほど! “嫌な感じ”を味わう人怖系ホラー
それでは同作のホラー要素はどれくらい強いのだろうか。結論から言うと、「ホラーはあまり得意ではない」という人もある程度安心して楽しめる内容だと思われる。
というのもゲームの主なコンセプトが怪異を“解き明かす”ことにあり、プレーヤーに恐怖を与えることを第一の目的としていないからだ。たんに怖い話を追体験するのではなく、「なぜ不思議な現象が起きたのか」を推理することで、恐怖を乗り越えていく構成となっている。
基本的には「人怖」(ヒトコワ)と呼ばれるジャンルに近く、人間の心の闇や悪意、狂気などに焦点を当てた物語となっているため、ある程度ホラー要素にブレーキがかかっている。
また急にプレーヤーを驚かせるような演出も少なめなので、よほどジャンプスケアが苦手な人でなければ、問題はないはずだ。
集めた情報をもとに怪異の正体を探る
とはいえ、もちろんホラー要素もしっかり存在。ドット絵によって醸し出される独特の雰囲気、あざみに襲い掛かる超常現象、「念視」発動中の不気味な影やおどろおどろしいBGMなど、ここぞというポイントは抑えられている。
飛び上がるほど怖いわけではないが、ぞわぞわと背筋を撫でられるような“嫌な感じ”を味わえるゲームと言えるだろう。


ここ数年、さまざまな界隈でホラーブームが巻き起こっており、ゲーム業界でも「8番のりば」や「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」などのホラー要素を取り入れたヒット作が生み出されてきた。そんななかで怪異の“解体”というテーマを打ち出した「都市伝説解体センター」は、独特の輝きを放っている。
そしてストーリーを最後まで進めることで、驚くべき体験をさせてくれるのも同作の魅力。ホラーに苦手意識がある人にこそプレイしてみてほしい一作だ。
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