マジックのカードやデッキについて探求することでこのコンテンツのクールさを再確認する企画、今週のCool Deck。さて今回のネタは……これしかないだろう。
「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2025」!日本独自のトーナメントで、MTGアリーナを舞台に毎年開催されているシリーズ、その最新の大会だ。参加費無料にして上位には賞金もあるという、クールすぎるこのトーナメント。今年は『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』という最高にクールな題材がある、これを逃す手はない!さらに競技的なバランスを取るために、このセットに『ファウンデーションズ』を添えたフォーマットが採用された。「FINAL FANTASY」シリーズのキャラクターやアイテム、名シーンがMTGアリーナで飛び交う!一次予選を通過したプレイヤーが二次予選に、二次予選を勝ち抜いたプレイヤーが決勝大会にという形式で行われたこのトーナメント……一次予選参加者はなんと約6,000名、そのうち二次予選へと駒を進めたのは568名という大盛況。こいつぁクールですよ……優勝者には賞金50万円とレッドブル1年分が贈られるとのことで、プライズもクールすぎるぜ。日本独自のお祭りを行ってくれたすべての関係者に感謝。
この特殊なフォーマットで遊ぶ機会は今後ないかもしれないが……折角なので印象的なデッキをアーカイブとして残しておく、これもクールな行いになるだろう。というわけで今回はジャパンオープンで躍動したデッキをご紹介。
「黒単セフィロス」
マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2025 / 特殊フォーマット (2025年7月6日)[MO] [ARENA]
17 《》
4 《》
4 《》
-土地(25)-
4 《》
4 《》
4 《》
4 《》
2 《》
4 《》
4 《》
-クリーチャー(26)-
4 《》
4 《》
1 《》
-呪文(9)-
4 《》
2 《》
4 《》
4 《》
1 《》
-サイドボード(15)-

まずは決勝戦進出を果たしたデッキ、黒単色の……《》!「FINAL FANTASY」シリーズでも一番知られているキャラクターの一人だろう、そのビジュアルも設定もクールすぎる悪役として世に知られている。テーマ曲も唯一無二のクールさのセフィロス、マジックのカードとしてはクリーチャーの生け贄に関するカードとしてデザインされている。戦場に出るか攻撃するとクリーチャーを生け贄にして1ドロー、そしてクリーチャーが死亡すると対戦相手のライフを1点ドレインする能力も持っており、セットで使えば手札を増やしつつライフを攻められる。この死亡に関する誘発は対戦相手のクリーチャーでも引き起こされ、合計が4回になると変身。片翼の天使の姿になると、人間だった頃の能力を強化したものになる。このセフィロスとマナ域が同じで、クリーチャーの死亡に関する能力を持つ《》も採用されていることから、クリーチャーを生け贄に捧げるなどで能動的に死亡させることがデッキのテーマというのがわかる。

戦場に出た時の能力で役目を果たした《》、そして《》や《》といった死亡時に能力が通初するクリーチャーらを揃え、これらをセフィロスや《》で生け贄に。それによって損することなく、いやむしろ手札などのリソースが増えてお得という動きで、対戦相手との差をつけていく。じりじりと攻めるこのデッキ、真綿で首を締める系のデッキが好きな人に響くものだろう。
《》や《》で手札を増やすが、その際にはライフを失ってしまう。セフィロスが居たり紋章があれば、その損失もカバーできるが……必ずしもそんな嬉しい状況になるとは限らない。であればライフが減ることを逆にメリットにとらえて《》をパラディンへと変身させる下準備にしてしまえばよい。変身後は4/4絆魂持ちで減ったライフを再浮上させつつ、攻撃クリーチャーに破壊不能をつけるのでセフィロスが討ち取られる心配なく攻撃を仕掛けられる。細かいカードのかみ合わせで戦い抜く、クールな黒単だ。
「青単テンポ」
マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2025 / 特殊フォーマット (2025年7月6日)[MO] [ARENA]
20 《》
3 《》
-土地(23)-
4 《》
4 《》
-クリーチャー(8)-
4 《》
4 《》
3 《》
4 《》
4 《》
2 《》
1 《》
4 《》
3 《》
-呪文(29)-
4 《》
2 《》
2 《》
3 《》
1 《》
1 《》
2 《》
-サイドボード(15)-


こちらはトップ4進出の青単。上位4つのデッキはいずれも単色であり、これはやはりカードプールが限られているため単色デッキの方が安定して動けたということではないだろうか。この青単は所謂テンポデッキ。《》《》《》など1マナの呪文が多く、それらで手数の勝負を仕掛けるアーキタイプだ。クリーチャーにはスタンダードでもお馴染みの《》の姿が。戦闘ダメージをプレイヤーに与えると孵化カウンターを得て、これを3つ消費することで2/2飛行のドレイクを生成。通常時はパワー1なので地道にカウンターを乗せていくことになるが、果敢を持つため非クリーチャー呪文を唱えてパワーを引き上げられる。《》《》で相手のクリーチャーをどかしたり《》でブロックさせなくするなどしつつ、果敢を誘発して打点アップ。攻撃を通してドレイクを並べ、どんどんと盤面を強くしていく。《》は2枚目のカードを引くたびにこちらも飛行持ちのフェアリーを生成するので、一見貧弱に見えるクリーチャーらが飛行軍団をずらりと並べて空から攻める、意外にもパワフルなクールデッキに仕上がっている。


非クリーチャー呪文、そしてドローとくれば《》。これの誘発もガンガン促して、英雄はもちろんのこと、そこから付け替えた飛行クリーチャーも強化して縦の軸の攻めでも戦えるようになっている。横軸のトークン戦術と合わさることでデッキに二面性を持たせられる仕組みだ。天球儀のための3枚目のドローという条件を満たしたいので《》や《》などは重要なカードであり、無駄にドローせず勝負所をキッチリ図って使っていけばクールな結果に繋がるだろう。
7月25日、スタンダードではローテーションが行われる。一部のセットが退場し風景がガラリと変わるため、そういった環境でのデッキを組むなら今回のような特殊フォーマットのデッキが参考になるかもしれない。こういったセットを限定した構築フォーマットも面白いものなので、これから新商品が出るたびに仲間内でやってみるのもクールな遊び方だ。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Thanks for JAPAN OPEN!!
