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 ゲーミングPCが欲しい。でも、あの“いかにもな”デザインとサイズ感にはちょっと抵抗がある。そんな人たちのロマンを掻き立てるのが、超小型のケースに超パワフルなパーツを組み込んだミニPCです。発熱? 冷却ファンの音? そんなものはロマンPCの前では屁でもありません。
 

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 ゲームはしたいけど、部屋の景観や家族の目も気になる――かくいう自分もその一人で、「黒くてピカピカ光ってる巨大な箱」をリビングやワンルームの一角に置く勇気が持てませんでした。ASUSの「ROG NUC」ならこの矛盾を解消してくれます。

「NUC」とはインテルが提唱した超小型PCのカテゴリで、「Next Unit of Computing」の略。これまで主にビジネス向けや省スペース志向のPCが多かったこのジャンルに、ROGというASUSのゲーミングブランドが本気で参入してきたというわけです。

 初見の印象は、とにかく「小さいのに強い」。なんと厚さは約6cm。両手に収まるようなボディの中に、Intel Core Ultra 9とNVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPUを内蔵しているという、もはや反則級の中身です。

 でも見た目は落ち着いていて、「これがゲーミングPC?」と思うほど生活に馴染むデザイン。それでいて性能はバケモノ級。設置場所を選ばず、机の上でもテレビラックの隅でもOK。普通の家庭や、一人暮らしの狭い部屋でも抵抗なく導入できるところが最大のポイントです。

 もちろん「価格は30万円超」「騒音はそれなり」など、気になる点はあります。でもそれを理解した上で選べば、これは“ゲームに妥協しない大人の選択肢”といえる存在。今回は、そんなASUS「ROG NUC」を実際に触って感じた良さと、気になった点を、できるだけリアルにお伝えしていきます。

ROG NUCを使う3つのメリット

ポイント1:1世代前とはいえ、ハイエンドゲーミングPC並みのGPU性能

 ROG NUCに搭載されているのは、NVIDIAのGeForce RTX 4070 Laptop GPU。モバイル向けのチップではありますが、AAA級ゲームも快適に動かせる実力派。

 もちろん最新のGeForce RTX 50シリーズに比べれば前の世代になってしまいますが、2025年の現役ゲーム環境では「必要十分以上」と言っていいスペックです。

 実際に『サイバーパンク2077』や『モンスターハンターワイルズ』などの重量級タイトルもWQHD解像度で高設定プレーが可能。DLSS3にも対応しているため、AIによるフレーム補完によってパフォーマンスをさらに引き上げられます。

 Laptop GPUとはいえ「NUCサイズでここまでやれるのか」と素直に驚かされました。正直、GPUの型番だけを見て「40シリーズか」とスルーしてしまうのはもったいない。静かな見た目に反して、この小さなボディが放つ火力は侮れません。

おすすめポイント2:本棚やテレビラックにも収まる“生活に溶け込む”サイズ感

 最大の特徴は、やはりこのサイズ感。ROG NUCは縦置きでも横置きでも使え、高さが約6cm・横幅が約27cmという薄型ボディは、ほぼ据え置きゲーム機と同じ感覚で設置できます。

 本棚の一角、テレビボードの横、机の隅──どこに置いても自然に馴染むコンパクトさは、まさに「家庭に導入できるゲーミングミニPC」といった趣。

 従来のゲーミングデスクトップといえば、ゴツくて派手で場所を取る。家族からの「なにこの大きいやつ?」という視線が地味にツラい……。でもROG NUCは、そういった視線も回避できる“ステルス性能”を備えています。

 また、電源アダプターはノートPC用の大型タイプですが、ACアダプターと本体の合計でもそこまでかさばりません。リビング用のハイスペックゲーム端末として、あるいはオフィスPC兼ゲーミング機としても成立する汎用性の高さは大きな魅力です。

おすすめポイント3:好きなキーボードやモニターを使えて“プレー感”が段違い

 これはゲーミングノートPCと比べたときの話ですが、ROG NUCのようなミニデスクトップPCの利点は入出力デバイスの「自由度の高さ」にあります。

 ディスプレーやキーボード、マウス、オーディオ機器まで、すべて自分の好みに合わせて構築可能。これがゲーム体験の質を一段も二段も引き上げてくれます。

 たとえば144Hzや240Hzの高速ゲーミングモニターを活かしたFPSプレイや、メカニカルキーボードの細かい入力でのMMORPGなど、ゲーミングノートPCとは段違いの操作性。ノート型だと限界があった画面サイズや拡張性も、NUCスタイルなら思いのままです。

 加えて、Thunderbolt 4やUSB4、HDMI 2.1、2.5Gbps LANなど、拡張ポートもかなり豊富。あとからモニターを増設したり、今まで使っていた周辺機器をつないだりと、伸びしろがしっかり用意されているのも◎。最初はライトな構成で、後から本気のセットアップに移行する、といった楽しみ方もできます。

購入時に注意すべき側面

ポイント1:価格は30万円超。普通のゲーミングノートも選択肢になる

 性能と省スペース性を両立したROG NUCですが、今回紹介した上位モデルの価格は30万円台とかなり高価です。これだけ出せば、ディスプレー付きの高性能ゲーミングノートPCも購入できますし、ミドルタワーの本格ゲーミングPCも選択肢に入ってきます。

 特に「すぐにゲームを始めたい」という人にとっては、ディスプレイ・キーボード・マウスを別途用意しなければならない点もハードル。逆に、すでに周辺機器を持っていて、「小さくて性能の高い本体だけが欲しい」人にはピッタリですが、初めてゲーミングPCを買う人は慎重に検討したいところです。

ポイント2:小型ゆえに冷却ファンは全開

 もうひとつのネックは、動作音と発熱。高性能パーツを小さな筐体に詰め込んでいるため、冷却ファンはかなり頑張って回る必要があります。「音は気にしない」と思っていても、高負荷なゲームプレー中はそれなりのファンノイズが発生します。

 発熱についても、本体が熱くなるだけでなく、排気が机や周辺機器に当たる可能性も。静音性重視のユーザーや、静かな部屋での使用を想定している人は店舗等で実機を見ておいたほうがいいかもしれません。ゲームプレー時はイヤホンやヘッドセットの併用を前提に考えたほうがいいでしょう。

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まとめ:スペースがない、でも妥協したくない。そんな欲張りに応える本命NUC

 ASUS「ROG NUC」は、一言でいえば“妥協を嫌うミニマリスト”のためのゲーミングPCです。

 サイズ感はあくまでミニ、でも中身はガチ。RTX 4070 Laptop GPUという準ハイエンドクラスのグラフィックス性能を、厚さ6センチのボディに押し込んだその設計力は、もはや執念すら感じます。

 デスクトップPCを置く場所がない。でもノートPCでは拡張性やプレー感に限界がある。そんな状況に悩んでいた人にとって、これはまさに「待ってました!」と言いたくなるプロダクトでしょう。

  本棚やラックにも収まるサイズ、生活感に溶け込むデザイン、そして周辺機器は自分好みに選べる自由。どこを切っても、実に“わかってる”仕様です。

 もちろん、完璧ではありません。30万円台という価格帯は決して安くありませんし、発熱もそれなりで、音も決して静かとは言えません。でもそのあたりを冷静に受け止められる人にとって、このPCは「大きくないからこそ、ゲームをもっと身近にしてくれる」存在になるはずです。

 筆者としては、こういう“生活に馴染むゲーミング体験”が広がっていくことに、ものすごく未来を感じます。単なるスペックの競争ではなく、“どう遊ぶか”を重視した設計。

 とにかく省スペースでヘビーなゲームをプレーしたいという人は購入する価値がある製品の1つ。売り切れも続出しているみたいなので、購入を検討している人はお早めに。

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詳細なスペック

OS:
 Windows 11 Home

CPU:
 インテルCore Ultra 9 185H

GPU:  
 NVIDIA GeForece RTX 4070

メモリー:
 32GB(16GB×2)DDR5-5600

ストレージ:
 1TB SSD

インターフェース:
 前面
  SDカードリーダー(UHS-I)×1
  USB 3.2 Gen2 Type-A×2
  3.5mm ヘッドセットジャック×1

 背面
  Thunderbolt 4 Type-C w/ DisplayPort 2.1×1
  USB 3.2 Gen 2 Type-A×2
  USB 2.0 Type-A×2
  HDMI 2.1×1
  DP 1.4a×2
  RJ45 LAN×1
  DC-in×1
  Kensington Lock×1

無線対応:
 インテル Killer Wi-Fi 6E AX1690 i (Gig+)
 Bluetooth 5.3 wireless card

製品サイズ:
 幅27×奥行18×高さ6cm

重さ:
 2.6kg

熱も音も関係ねぇ!デスクトップ並みの性能が詰まっているロマンPCがここにあるROG NUC

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