国内だけでもさまざまな企業が存在するゲーム業界。専門的な知識・スキルを求められる業界でもあり、企業や職種によって活かせるスキルもまちまち。一般的な転職ノウハウがしっくりこない傾向もあるだろう。

弊誌はそんなゲーム業界での転職について、ゲーム人材の紹介・派遣サービスで30年の実績を誇るIMAGICA GEEQに気になる質問をさまざまぶつけていく。実績ある同社から得られた回答を連載で紹介していこう。本稿はその第4回となる。

IMAGICA GEEQは、ゲーム制作のEtoEサービスを掲げ東京・大阪・新潟などに拠点を置く一方、全国でゲーム転職サービスを展開する企業だ。直近ではカプコンやCygamesなど有名企業が多数参加する転職イベント「ゲームクリエイターズドラフト」を主催している。8月には同イベントの「新卒×2D・3DCGデザイナー」版も開催予定だ。

・【予告】ゲームクリエイターズドラフト(2D・3DCGデザイナー×新卒) 開催決定

第4回を迎えた本稿では、ゲーム業界における「転職理由」を、引き続き同社エージェント部の副ゼネラルマネージャー・菅原芳樹氏に伺った。なお、IMAGICA GEEQは転職エージェントであるため、ポジショントーク要素もあるかと思われ、その点を留意していただければ幸いだ。

Q. 転職活動ではどれくらい応募するのが理想?

A.
今回のテーマは応募数ですね。こちらも状況によって複数のパターンがありますの、当社内でのおすすめとして紹介をさせていただきます。

大前提として、質を重視

2024年から2025年において、ゲーム業界市場の全体の求人数は微減しています。理由は様々ありますが、一番求人数が多かった年と比べると、応募できる企業数に限りがある状態といえます。そのため、ある程度の求人数に応募し、面接に至ったら1件1件対策をして臨むことが重要です。

個人的にも当社としても、一度に大量に応募をすることはおすすめしておりません。

今の時代、システム的にまとめて複数の企業に応募することが容易になっておりますが、容易だからこそ受ける企業が求めるものを精査しきれず、本命企業に対しても汎用的な書類とポートフォリオの提出をしてしまいがちです。そうするとその企業に向けての意欲が伝わらず書類で選考落ち、仮に面接まで進んだとしても企業理解が不足していることからお見送りになってしまいます。

また、大量応募すると、過去にどの企業のどんな職種を受けたのかや、どこがダメだったのかを自分自身でも把握しきれなくなってしまう可能性もあります。

書類や面接のパフォーマンスを上げるためにも、ある程度、志望動機やテーマごとに絞って転職活動をされることをおすすめしております。

最適な応募件数とは?

私がキャリアアドバイザーをする際、大きく3パターンに分かれます。

第一に「在職中に転職活動をする」場合です。

こちらは、最大5社前後を、希望に合った企業順に紹介を進めることをおすすめしています。5社以上になりますと、面接になった際に情報の整理ができなかったり、面接を受けきる時間がなかったりしますので、私は5社をおすすめしています。

また、希望に合った企業順を進めている理由は、求人は突然無くなってしまうことがあるからです。面接は非日常の場ですので、皆さん慣れておらず、何社か本命企業の前に受けておきたいという希望があると思うのですが、先に別の方で就業決定してしまう場合や、企業側で組織改変があると募集が終了してしまうケースがあるので、求人が出ているうちに応募することをおすすめしています。

第二に「在職をしておらず、すぐに就業先を決めたい」場合です。

私の場合はまず10社前後にご応募することをおすすめしています。在職中の方よりは時間に余裕があるため、情報整理や面接調整がし易いことが理由です。ただし、今出ているすべての求人に応募することはおすすめしません。先ほども述べた通り面接は非日常であり、市場も変動があるため、1度にすべて受けきってしまうと、書類上や面接を受けた結果の悪い点を修正し次に活かすことができないんですよね。その結果、なんとなく落ちてしまったり、応募できる企業が現状ではもうない、といったことになってしまいます。

当社では、担当するエージェントが企業にご紹介する前に必ず全ての書類に目を通し、気になる点があれば修正に関するご提案をしております。ところが、個人等で活動した方で直接希望企業に大量応募したため成果を出しきれず、その後に当社サービスをご利用されるケースが非常に多いです。最初からお力になれることもあるかと思いますので、これから活動される方はお気軽にご相談ください。

また、個人で活動する場合、不採用の場合は「お祈り」メールが来るだけで、あまり理由がはっきりしないことが多いですが、当社では可能な限り、不採用の理由もきちんと回収しますので、それを次の面接に活かしていただけるというのも大きなメリットです。

面接にもPDCAサイクルがあり、第三者の観点や情報がないと改善されないことが多いため、すべての募集に対し最初からお独りで受けきらないことをおすすめします。

第三は「応募したい企業が1〜2社しかない」場合です。

上記の場合、まずは希望企業に集中して応募に向けた準備をしていただくことをおすすめします。

ただし、当社担当エージェントが客観的にみて、お持ちのご経験値と親和性が高かったり、より働き方がマッチする求人が見つかることが多々あり、その場合は追加で求人をご案内することもあります。

ご提案を受けて応募・入社された方で、長期就業に繋がっていたり、環境や条件に満足されている方がたくさんいらっしゃいますので、ご提案があった場合は候補としてご検討ください。

最後になりますが、早いもので本連載も4回目を迎え、実際にお問い合わせ等もいただくようになりました。ありがとうございます。

本連載では、私の職務や経験を基にインタビュー形式で回答していますが、公的なメディアの場ですので、できるだけ汎用的な情報のご提供を心掛けております。そのため、転職でお悩みの際はぜひ以下まで個別にご連絡いただけますと幸いです。

・個別相談のお問い合わせ

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