中国のインターネット大手、テンセント・ホールディングス(騰訊)は成長を続けるゲーム事業をさらに強化するため、ネクソンとの取引を検討している。買収も視野に入っていると、事情に詳しい関係者が明らかにした。

  深圳に本社を置くテンセントは、ネクソンの創業者で2022年に死去した金正宙(キム・ジョンジュ)氏の遺族と接触。買収の可能性について協議を始めた。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。遺族はアドバイザーらと共に今後の選択肢を検討しているという。

  遺族側はネクソン株をファミリー企業で投資会社のNXCを通じて保有。関連会社NXMHと合わせた持ち株比率は6月30日時点で44.4%だと、ネクソンの報告書は示している。NXCの約67.6%は金氏の妻と娘たちが保有している。

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  関係者によると、NXCがネクソン株の売却にどの程度前向きかは不明で、テンセントの取り組みが実際の取引に発展するかどうかも現時点では分からないという。取引の枠組みもまだ確定していないと関係者は説明した。

  テンセントの担当者はコメント要請に応じなかった。ネクソンとNXCもコメントを控えた。

  テンセントは19年にもネクソンの買収を試みた経緯があり、今回の動きは韓国資産への新たな関心の表れともいえる。

  テンセントの子会社は今年5月、ソウルに本社を置く大手芸能事務所エスエム・エンタテインメントの株式約10%を取得することで合意した。中国本土で事実上のK-POP禁止措置が緩和される中での動きだった。

  ネクソンは1994年に韓国で設立された。「メイプルストーリー」などのロールプレーイングゲームで知られる。2011年には日本で上場し、当時としては最大級のテクノロジー関連新規株式公開(IPO)だった。今年に入りネクソンの株価は東京市場で10%余り上昇しており、現在の時価総額は約2兆円を超えている。

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原題:Tencent Said to Study Deal for $15 Billion Game Developer Nexon (抜粋)

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