いよいよ6月5日に発売を迎える任天堂の新しいゲーム機「Nintendo Switch 2」。気軽にフレンドとボイスチャットができる「ゲームチャット」やJoy-Con 2のマウス操作といった新機能だけでなく、最大フレームレートが120fpsへ引き上げられたほか、TVモードでは4K解像度に対応するなどハードウェアも大幅に進化を遂げた。

 そんなSwitch 2の新機能を見て、聴いて、触って楽しめる「Nintendo Switch 2 のひみつ展」がダウンロード専用ソフトとして6月5日に発売される。本作では、任天堂の最新のゲーム機に使われている技術や仕組みをゲーム感覚で知ることができる。本稿では“遊べる説明書”とも呼ぶことができる本作のインプレッションをお届けしよう。

【Nintendo Direct: Nintendo Switch 2 – 2025.4.2(Nintendo Switch 2 のひみつ展パート)】

Switch 2の“中身”がわかる学習&クイズパート

 「Nintendo Switch 2 のひみつ展(以下、ひみつ展)」はSwitch 2のローンチタイトルで、ポジション的にはゲームを遊びながらハードの新機能を紹介する「はじめてのWii」や「1-2-Switch」のようなミニゲーム集だ。だが「ひみつ展」は、先ほど挙げたタイトルたちとは少し趣が異なる。

 例えば、Nintendo Switchのローンチタイトル「1-2-Switch」は、HD振動の細かさを伝える「カウントボール」やモーションIRカメラを使った「大食いコンテスト」など、Switchの機能を駆使したミニゲームを多数収録している。だが「1-2-Switch」はゲーム主体であり、HD振動やモーションIRカメラのすごさはわかるが、それらがどのような仕組みで機能しているのかまではわからない。

Switchのローンチタイトルだった「1-2-Switch」HD振動を駆使した「カウントボール」モーションIRカメラを使った「大食いコンテスト」などを収録していた

 だが「ひみつ展」では、まずSwitch 2の新機能とそこに使われている技術を“知る”フェーズがあり、その後に新機能を活かしたクイズやゲームに挑戦するのだ。この“知る”フェーズはかなり深掘りされており、Joy-Con 2の磁石による脱着の仕組み、マウスセンサーの仕組み、ゲームカードの仕組みまで、公式ページや技術仕様に書かれていないことも織り交ぜられている。

 これだけを聞くと「少し難しそう」と思うかもしれないが、そんなことは一切ない。今回はネタバレ防止のため、学習パートやクイズについて詳しく紹介しないが、難しい数式などはなく、説明もかなり噛み砕いた文章になっており、読みがなもあって子どもでも楽しめる。そしてハードウェアに詳しい人であれば、本体に関する説明やクイズで「そうだったんだ!」と新たな発見が見つかるはずだ。

何度も挑戦したくなる! Switch 2の新機能を活かしたミニゲーム

 もちろん「ひみつ展」は学んでクイズを解くだけでなく、ミニゲームも豊富に収録している。今回はJoy-Con 2のマウス機能やHD振動2に関連するミニゲームを中心にプレイしてみた。まずはマウス機能を活用した「トゲトゲよけ」。その名の通りマウスでUFOを操作して、落下してくるトゲトゲを回避するミニゲームだ。

 20秒以上回避するとメダル1個、30秒以上回避すると追加でメダル1個を獲得できるのだが、途中から落ちてくるトゲトゲの量が増えるため、なかなか30秒間回避するのが難しい。気が付けば取材を忘れて何度もプレイしており、危うく他のミニゲームをプレイできなくなるところだった。

 また、筆者は今回初めてJoy-Con 2に触れたのだが、想像以上に滑らかなマウス操作ができて非常に驚いた。今回は机上でプレイしたが、ソファや膝の上など様々な状況下でマウス操作することを想定しているとのこと。だが「トゲトゲよけ」は正確な操作が求められるので、筆者的には机上でのマウス操作をオススメしたい。

 ミニゲームで獲得したメダルに応じて、新たなミニゲームが開放されていく。先ほどの「トゲトゲよけ」もメダルを集めていくと「トゲトゲよけ2 スターゲット」が開放され、より難易度の高いミニゲームに挑戦できるのだ。

 このほかにもHD振動2を活かした「強振動探し」や素早いマウス操作を試す「スピード迷路」をプレイしたが、どれもシンプルでありながら、メダル獲得を目指し何度でもやりたくなるミニゲームに仕上がっていた。特にメダルを2個獲得できた時の爽快感と達成感は非常に気持ちいい。

 また、今回は機材の関係上プレイは叶わなかったが「フレームレートクイズ 120fps見極め」やSwitch 2本体のフリーストップスタンドを活用した「角度感覚」など、Nintendo Switch 2の新機能を活かしたミニゲームを多数収録しているので、個人的にも製品版のプレイが楽しみだ。

Switch 2では最大フレームレートが120fpsに向上。これを活用したミニゲームも収録されている携帯モードで楽しめる「角度感覚」。ぜひ製品版でプレイしてみてほしいSwitch 2の凄さがわかる。「ひみつ展」のテックデモ

 「ひみつ展」にはクイズやミニゲームだけでなく「テックデモ」も収録されている。こちらはゲームではないが、Switch 2の新機能を実際に体験できるコーナーだ。今回はJoy-Con 2から音が鳴る「HD振動2サウンドデモ」を体験した。

 はじめにTVや本体スピーカーを消音にするよう案内された後、Joy-Con 2のボタンを押してみる。最初は振動だけが伝わってくるが、何度も押していると徐々に音が鮮明になっていく。途中から「スーパーマリオ」シリーズのコインを拾う音に変わり、最後には1UPするサウンドが流れた。これは「HD振動2」を活用したもので、Joy-Con 2自体にスピーカーはないものの、「HD振動2」のモーターを振動させて音を鳴らすことができる、というデモなのだ。

 ちなみにNintendo Switchでも一部タイトルでは「HD振動」を活用し、Joy-Conから音を鳴らしていた。だが、今回「HD振動2」に進化したことで、よりクリアな音を表現できるようになったという。実際、筆者も「実はスピーカーを搭載しているのでは……?」と疑ってしまうほど、Joy-Con 2から綺麗な音が流れていた。

 このほかにも様々なテックデモが収録されており、Switch 2の新機能を実際に見て、聴いて、触って体験できる。まるで博覧会に来て、パビリオンを回っているような感覚で体験できるので、ぜひ楽しんでみてほしい。

HDRを活用したテックデモも。パビリオンを回っているような感覚で楽しいいつの間にか“Switch 2博士”に! マニアックだけど楽しい「Nintendo Switch 2 のひみつ展」

 ここまで「Nintendo Switch 2 のひみつ展」のインプレッションをお届けしてきた。本作は“Switch 2の新機能や技術をストレートに紹介する”という任天堂タイトルとしては珍しい内容だが、いつも何気なく遊んでいるゲーム機の裏側を見ることができ、非常に好奇心をくすぐられるタイトルに仕上がっている。

 本作は少しマニアックな内容も含むが、何度も楽しめるミニゲームを多数収録し、プレイしていればいつの間にかSwitch 2について詳しくなっているはずだ。そして何よりも「SwitchからSwitch 2でこんなに進化したんだ」と手軽に体感できるので、ぜひ一度「Nintendo Switch 2 のひみつ展」をプレイしてみてほしい。

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