中国ゲーム大手ネットイース(網易)の株価が約4年ぶりに過去最高値更新に迫っている。若年層の消費行動が国内ゲーム株の新たな支えとなっている。
ネットイースは人気ゲーム「エギーパーティー」などを手がける。同社の株価は香港市場で2021年に付けた過去最高値まであと3%未満になっている。香港上場の中国テクノロジー企業で構成されるハンセンテック指数や、世界のゲーム関連銘柄を対象とする株価指数の年初来上昇率でも上位に入っている。
中国では景気が減速する中、ささやかなぜいたくを求める若年層の消費がゲームメーカーの追い風となっている。また、国内における規制や競争環境改善に加え、ゲーム株が米国による関税や半導体輸出規制の影響を受けにくいとされる点もプラスに働いている。
ネットイース株に人気を集める背景には割安感もある。同社やテンセント・ホールディングス(騰訊)は利益に基づくバリュエーションが任天堂の半分以下、米テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアの約4分の1にとどまる。
エドモン・ド・ロスチャイルド・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、シャドン・バオ氏は「中国人の消費行動は高額な物品から満足感が得られる手頃なサービスに移行しており、これがゲームの底堅さを支えている」とした上で、「デフレ傾向が続く限り、人気ゲームや大手企業に消費者の資金が集中する流れはすぐには変わらないだろう」と語った。
ネットイースの株価は今年に入って45%上昇。テンセントも22%値上がりしており、いずれも旧作タイトルの堅調さが株価を支える要因となっている。
原題:NetEase Shares Near Record High as China’s Gen Z Embraces Games(抜粋)