COMPUTEXのMSIブースで注目を集めていた“浮世絵ノートPC”

 2025年5月20日より4日間の日程で、IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2025」が台湾・台北市で開催された。

 MSIはメイン展示会場の南港展覧館にブースを構え、個性的な製品を多数展示。蒔絵の技法によるプリントを施したノートPCや、Ryzen搭載のポータブルゲーミングPC、背面コネクタ仕様のマザーボードや新型ビデオカード、AI制御を活用した有機ELゲーミングモニターなど、様々な製品が展開されていた。今回のレポートではその中から目立った展示物を紹介しよう。

Founders Editionインスパイア?MSIから新デザインのGeForce RTX 5080が登場「GeForce RTX 5080 16G EXPERT OC」

 ベイパーチャンバーと独自のエアフローで高い冷却効果を実現したとする「GeForce RTX 5080 16G EXPERT OC」は、高級車のフロントグリルのようなユニークなデザインで注目を集めていた。

 デザインはNVIDIAのFounders Editionのような路線で、MSI製ビデオカードの中ではシックな方向性のものになる。ファンは表面と裏面の2か所に設置されており、GeForce RTX 40シリーズのFounders Editionを彷彿とさせる構造。

背面プレート側映像出力端子カードの後部側はまでしっかりカバーで覆われているEXPERTシリーズのモデルとして市場に投入される予定だ

 どちらかというと、同社の「INSPIRE」シリーズに近い印象も受けるが、独立した「EXPERT」シリーズの1モデルとして投入される。このモデルの追加で、MSI製のGeForce RTX 50シリーズビデオカードは、「SUPRIM」、「VANGUARD」、「GAMING」、「INSPIRE」、「VENTUS」、「EXPERT」と、6シリーズ展開になる。

AI活用で有機ELモニター特有の“メンテ中断”が限りなくなくせる「MPG 271QR QD-OLED X50」

 高画質かつ高レスポンスで近年ゲーミング界隈での人気が高いQD-OLED(有機EL)ディスプレイ。その最新かつ最上位モデルとしてMSIからリリースされるのが「MPG 271QR QD-OLED X50」だ。

「MPG 271QR QD-OLED X50」

 ゲーミング用途に最適な26.5型、WQHD(2,560×1,440ドット)解像度で、リフレッシュレート最大500Hzを誇る高性能モニター。だが、一番のポイントは、有機ELの宿命である焼き付きへの対処が一段とスマートになった「OLED Care 3.0」を搭載することだ。

 有機ELモニターにおいては、焼き付きを防ぎ、映像品質を維持するため、定期的にピクセルシフトを行なったり、積極的に画面をオフもしくは輝度を下げたりなどの対策をとっている。

 MSIもOLED Care 2.0によってそうした処理を行ない、ディスプレイを長く使えるようにしているが、3.0ではモニターが搭載するセンサーとNPUを活用したAI技術によってモニター前に存在する人を正確に検出し、ディスプレイの負荷を低減する仕組みになっている。

モニター下部に人体検出するためのセンサーが搭載されているAIによる制御やメンテナンス機能は「AI Care Sensor」対応モデルと記載されるとのこと

 たとえばモニターの前から人がいなくなったと判断すると即座に画面をオフにし、人が現れると即座に復帰する。また、視線がモニターから外れたことを検知した場合には画面を一時的に暗くするといった処理も行なう。

センサーを隠す(人が検出できなくなる)とすぐに画面がオフ人を検出すると再び画面が素早くオンになる。この処理をモニター側の機能で行なっているのがミソ

 これまでMSIの有機ELモニターでは最長でも16時間に1回は必ずパネルのリフレッシュ処理が必要になっており、そのために10分程度使用できなくなる時間帯が発生していた。が、このOLED CARE 3.0のAI検知を活用することで、人がモニター前にいない時を見計らって処理することが可能になる。中断を意識することなく、ゲームや業務に集中できるというわけだ。

 なお、OLED Care 3.0搭載のMPG 271QR QD-OLED X50では、デフォルトで強制リフレッシュ処理が最長16時間ごとから最長24時間ごとに延長される。

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