ソニーグループ傘下のカナダ拠点のゲーム開発スタジオ、ヘイブン・スタジオ(Haven Studios)の創業者で最高経営責任者(CEO)だったジェイド・レイモンド氏が退社した。

  ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の経営陣はレイモンド氏の退社理由をヘイブンのスタッフに明かしていない。事情に詳しい複数の関係者が匿名で明らかにしたところでは、退社の数週間前には、同スタジオが開発中のオンラインシューティングゲーム「フェアゲームズ(Fairgames)」の外部テストが行われていた。一部の開発担当者の間では、ゲームの評価や開発の進捗(しんちょく)状況に不安が広がっていたという。

  SIEの広報担当者は発表資料で、「ジェイド・レイモンド氏は素晴らしいパートナーであり、ビジョンを持ってヘイブン・スタジオを設立した。これまでのリーダーシップと貢献に心から感謝するとともに、今後の活躍を期待する」とした上で、SIEとして、同スタジオを引き続き支援していく方針を示した。

  2023年に制作が発表されたフェアゲームズはSIEが数年前に開発を承認したライブサービスゲームの一つ。同社は当初、継続的な収益を見込めるライブサービスゲームを12本余り発売する計画だったが、多くは中止や失敗に終わっている。昨年リリースされたオンラインシューティングゲーム「コンコード」は発売から2週間足らずで販売が停止された。

  関係者によると、フェアゲームズは当初、今年秋に発売予定だったが、来春に延期された。

  レイモンド氏にコメントを求めたがすぐに返答はなかった。同氏は長年にわたりゲーム業界で活躍しており、これまでにユービーアイソフト・エンターテインメントやエレクトロニック・アーツ(EA)、グーグルのスタディアなどに在籍していた。ヘイブン・スタジオは21年にレイモンド氏によって設立された。

原題:PlayStation Executive Jade Raymond Leaves Studio She Founded(抜粋)

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