関税かけまくる誰かさんにも見習ってほしい。

PC版『フォートナイト』でおなじみのデジタルゲームストア、Epic Games Store。運営しているEpic Gamesは2025年5月2日、年間収益が100万ドル(およそ1億4000万円)に達するまでアプリからは手数料を取らないとの新方針を発表しました。

従来、開発者が同ストアに払う手数料は12%でした。ゲームがヒットするまではこの手数料を取らなくなったかたちですね。新施策は2025年6月よりスタートします。

業界でもぶっちぎりに安いEpic税がゼロに

Epic Games Storeのようなデジタルストアでは、ふつう売上から一定の割合のお金を「販売手数料」として徴収していきます。メルカリとかと同じしくみですね。

手数料は低品質なゲーム/アプリのフィルタリングなど、ストアを健全に保つために必要なものですが、高すぎる手数料は「Tax(税金)」と皮肉られることも多いです。

Epic Games Store場合、有料アプリの支払いのうち12%がEpicの取り分。従来であればどんな開発者へも一律12%だったのが、今年6月からは年間収益100万ドルを超えるまで、ここがゼロになるわけです。

Epic Gamesは、リリースから6ヶ月は手数料がゼロになる「Epic First Run」というプログラムも以前より実施していました。

一方、よそを見てみると、PCゲームストア・Steamの手数料は20~30%の変動性。Google Playの場合は約15%、Apple Storeは約30%の手数料がかかっています。Apple税の高さは厳正さや市場の維持などと言われていますが、Epic Games Storeの倍以上の手数料であることは事実。

なお、Epicはストアを運営するプラットフォーマーですが、一方でスマートフォン向けにゲームアプリを販売するゲームメーカーでもありました。かつて、メーカーがストアに支払う手数料について、Epic GamesはGoogleやAppleとバッチバチに法廷で争った過去があります。

新しいショップも登場予定

また、新しい決済機能「Epic Games Store ウェブショップ」を2025年6月にリリースとのこと。

これは開発者がEpic Games Storeをベースとしたウェブショップを開設できるようになる機能とのことで、開発者にとってはEpic Games Storeの旨味である低手数料での販売が可能になります。

また、Epic Gamesはゲーム開発ツール「Unreal Engine」で開発したゲームを販売する場合、ゲームエンジンロイヤリティを従来の5%から3.5%に引き下げる施策も実施しており、さらにお得さを追求することも可能です。

PCでゲームを遊ぼうと思ったとき、ストアの選択肢はいくつかありますが、品ぞろえで考えると現状はやはりSteam一強。

Epic Gamesも『フォートナイト』や毎週無料ゲームプログラムとは違う角度でのパンチが欲しいだろうし、低手数料で開発者を集めたい意図がありそうです。

Source: Gigazine, Epic Gems Store

WACOCA: People, Life, Style.