死に満ちたタイピングゲームの世界へご招待『DYPING ESCAPE』試遊レポート【東京ゲームダンジョン8】
2025年5月4日、東京都立産業貿易センター浜松町館にて「東京ゲームダンジョン8」が開かれました。
本稿では、そこで展示されていた、ヘビサイドクリエイションが手掛けるタイピング×ホラーゲームの『DYPING ESCAPE』の試遊について、その内容をお届けいたします。
そのタイプは、死への誘い……呪いの言葉を紡ぐ異色のホラーゲーム
本作は、巨大な目玉に睨まれながら、彼の言う通りにタイピングをこなすゲームです。不安感を煽るダークな色合いで、常に背後が気になってしまいます。
まず現在時刻を入力し(この時点で1秒でもズレていると怒られます)その後は名前や誕生日を聞かれます。そんな調子でひとつひとつ情報を明け渡していくことになり、そのうちに目玉の要求はエスカレートしていきます。
まず描画の権限を要求されます。anatanibyouganokengenwowatasimasu……といった感じの長文をタイピングすると、その通り画面は乱れ、目玉が心底楽しそうにPCの一部を占拠したことを宣告してきます。これはただのタイピングゲームのはずなのに「自分は怖ろしいことをしてしまったのか……?」というイヤ〜な感覚に陥ります。
次に目玉はグラフィックの解像度をいじる権限を要求してきます。こちらもanatanikaizoudonokengenwowatasimasu……とタイピングすると、さっきまでフルHDでくっきりと表示されていた画面が、一昔前のザラザラした画面(おそらく360p程度)に変わってしまいました。文字もかなり読み辛くなってしまっています。どんどん奴のペースになっていきますが、もう止められません……。
最後はすべての権限を要求され、その通りにすると、PCをすべて乗っ取られゲームオーバーになってしまいました。や、やっぱり……!
どうやら愚直に提示された文章をタイピングするのではなく、設定から自分の名前を変えたり、タイピング文章をスキップしたりすることで、目玉の罠を回避することができるようです。
本作はunityroomで発表された『DYPING』という無料ゲームを下地にしております。気になる人はまずこの作品から遊んでみるのも良いでしょう。
試遊の後、開発者にインタビューさせていただきました。
身近だけど怖い表現 タイピングをベースに様々なギミックを盛り込んだ
――本作の開発期間はどれくらいでしょうか?
ヘビサイドクリエイション(たらひろ):半年くらいになります。『DYPING』が昨年の12月に公開したので、そこから作り続けています。
――発売はいつ頃になりますか?
ヘビサイドクリエイション(たらひろ):そんなに長くかけたくはないですが、半年後には開発を終えられたらいいなと思っています。
――ゲームの基本的なギミックはタイピングのままでしょうか?
ヘビサイドクリエイション(たらひろ):そうですね。ベースは維持しつつ、色々なギミックを用意していきたいです。まだエンディングの数も決まっていませんが、そこまでたくさん作るつもりはないですね。
――本作の最大のセールスポイントは何でしょうか?
ヘビサイドクリエイション(たらひろ):タイピングゲームというシンプルなテーマながら、署名させたり権限を渡してしまったりと、身近だけど怖いというのを演出したつもりです。そのあたりを楽しんでください。
ホラー×タイピングという珍しい取り合わせの本作……何とかして目玉の罠をかいくぐり、すべての秘密を解き明かしたいですね!
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