カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、2021年に裁判所が下した命令にAppleが故意に違反した認定した上で、法定侮辱罪の疑いがあるとして新たに調査を開始した。

Epic GamesとAppleの訴訟

 Epic Gamesは、App Storeで配信していた「フォートナイト」で、App Store外での決済システムを通じてゲーム内通貨を販売していたことから、App Storeのガイドラインに違反するとして、App Storeからの配信が停止となった。

 App Storeでの配信停止に対して、Epic GamesはAppleが独占禁止法に違反しているとして提訴した。なお、GoogleのGoogle Playでも同様の経緯と理由で同じように配信が停止され、Epic GamesがGoogleを訴えている。

 Epic GamesとAppleの一連の訴訟では、Epic Games側に不利な判決も多く出されたが、2021年にはApp Storeで配信するアプリがサードパーティ製の決済手段利用を禁止する、「アンチステアリング条項」を撤廃するように命じていた。今回、裁判所はAppleが意図的にこの命令に違反したと判断し、サードパーティ製の決済手段を直ちに認めるように命じた。

 同裁判所によると、AppleのPhillip Schiller(フィル・シラー)氏は2021年に裁判所が下した命令に従うべきだと主張したが、CEOのTim Cook(ティム・クック)氏はこの主張を無視し、CFOのLuca Maestri(ルカ・マエストリ)氏と彼のチームによって説得されたという。なお、ルカ・マエストリ氏は2025年1月1日付けでCFOを退任し、ティム・クック氏の直属となっている。

 Epic GamesのCEO兼創業者であるティム・スウィーニー氏は同氏のXアカウントにおいて、今回の判決を受けて、来週中に米国のApp Storeで「フォートナイト」を配信予定であると発表した。また、米国内での裁判のように、サードパーティによる決済手段の提供が認められるのであれば、「フォートナイト」を全世界のApp Storeで配信するうえ、本件に関連する現在および将来の訴訟を取り下げる考えを示した。

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