任天堂はニンテンドーeショップのストアランキングを、本数ベースから金額ベースに変更したようだ。Xユーザーのnaruki氏が報告している。粗製な安価ゲームがランキング入りし脚光を浴びる構造が変わるようだ。

ニンテンドーeショップにはストアランキング機能が搭載されている。このランキングは、ダウンロード本数ベースであるとされてきた。ゲームの金額に関係なく、売れたゲームがランキング入りする仕組み。つまり本数ベースである。この仕組み自体は一般的なものながら、時として正常に機能しない時もあった。「安ければ目立てる」仕組みでもあったのだ。

たとえばあるゲームは定価を高く設定し90%オフセールなどをすることで叩き売り。そうすればランキング入りしやすくなる。セール後も少しランキングに残ることで、“売れてるゲーム”として演出できる。あるいは単純に定価を極めて安く設定することで目立とうとするゲームも見られる。その両方の手法を使うパブリッシャーもいるだろう。ランキングの仕組みを使った濫用といっても過言ではない。しかしこの仕様は長らく健在であった。

Nintendo Switch 2のリリースが迫る中、任天堂はニンテンドーeショップのランキング仕様を、「ダウンロード数ベース」から「金額ベース」に変更。具体的には、「過去3日の売上金額」をベースにランキングが形成されるようだ。さっそくダウンロード専用ランキングには6980円の『LUNAR リマスターコレクション』や9900円の『HUNDRED LINE -最終防衛学園- デジタルデラックスエディション』がワンツーフィニッシュを果たしている。低価格・叩き売りゲームはほぼ見られず、ランキングの様相がすでに変化し始めているわけだ。

金額ベースといえばSteamのセールスランキングがあげられるだろう。定価の高い大作が比較的に上がってきやすい仕組み。逆にいうと安価なユニークなゲームが露出しづらくなるともいえる。Steamでは売上トップランキングだけでなく「話題の新作」などさまざまなキュレーションカテゴリを設けることで、大作への露出に集中しないような工夫がなされている。今後もNintendo Switch 2ローンチに向けて改造されていくニンテンドーeショップが、どのようなキュレーション機能を備えるかは見どころになりそうだ。ひとまずは、ランキングをハックしたゲームはしばらくでてこなさそうである。

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