ただ先発はやや不安。WBC代表に抜擢されたエース今永昇太、大貫晋一の2枚看板に濵口遥大と石田健大が続き、昨季途中入団のガゼルマンがローテー候補だが、ロメロの92回3分の1を誰で埋めるのか。波が激しかった上茶谷大河、1勝に終わった東克樹、2勝の京山将弥、0勝の坂本裕哉らの台頭に現役ドラフトで獲得した中日の笠原祥太郎の復活、そしてドラフト2位の吉野光樹(トヨタ自動車)が戦力にならないと優勝を狙う余裕は出てこないだろう。
 昨季、阪神は9勝16敗と横浜DeNAにカモにされた。特に横浜スタジアムでは相性が悪く、同一カード3連敗を3度も喫している。優勝を逃した理由は対横浜DeNAの借金7にあったと言っても過言ではない。それだけに岡田監督が三浦ベイスターズに要注意マークをつけるのも当然かもしれない。
 実は、岡田監督と三浦監督は、昔から“深い”関係にある。大阪・玉造の岡田監督の実家近くで、三浦監督の父親が生花店を経営。三浦監督の父親が岡田監督の現役時代の後援会である「岡田会」に入っていた関係で、幼少の頃に三浦監督は岡田監督のサインをもらい「岡田会」のソフトボール大会などで一緒にプレーしたこともある。三浦監督と岡田監督の関係性の深さから、2008年オフに三浦監督がFA権を得た際には、阪神移籍が噂されたほど。ちょうど岡田監督が監督を退任したことも影響したのか、結局「阪神の番長」は実現しなかったが、すべてが不思議な糸で結ばれ、2023年に2人は監督として対決することになったのである。

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