第14回山口 翔web演奏会【10分で琴古流本曲(5)「九州鈴慕」】
ふだんなかなか耳にする機会のない琴古流尺八本曲を
聴きやすい「10分程度」の演奏でお届けするシリーズです。

琴古流本曲36曲の第5曲目は「九州鈴慕(きゅうしゅうれいぼ)」です。

「鈴慕(れいぼ)」とは、尺八本曲の曲名・ジャンル名であり、
古伝三曲の一つ「霧海篪鈴慕」と関係を持つ楽曲群を広く指すようです。

虚無僧に関する伝説「虚鐸伝記」に、普化宗の祖と仰がれる普化禅師が、
中国・唐代に街中を鈴(鐸)を振りながら練り歩き「四打の偈」を唱えてまわったこと、
それを慕った弟子の張伯が、その鈴の音を模して竹の笛を吹き、
これが虚無僧尺八の源泉となったこと、などが記載されています。

この伝説に関連させて付けられた尺八の曲名「鈴慕」が生まれ、
日本各地の虚無僧寺に伝わる楽曲の多くが「○○鈴慕」となったり、
単に「尺八の曲名」という意味をなす接尾語のように使われたりして、
広まっていったようです。

「九州鈴慕」は、「九州地方に伝わる鈴慕」という意味に解釈できます。
実際にはいくつかの流派にそれぞれ違った伝承があり、
「同名異曲」(名前が同じでも異なった楽曲)が複数存在する楽曲です。

琴古流本曲の「九州鈴慕」は、虚無僧寺の総本山である、下総小金・
一月寺の本則、福田傳次(義好)より初世黒沢琴古が伝授されました。

※「山口 翔web演奏会」は、ふだんなかなか耳にする機会のない
尺八音楽を、インターネット上で公開する取り組みです。

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