夏の高校野球県大会の注目校、春の大会で準優勝し強力打線を武器に挑む、岩手・盛大附属高校。自慢のパワーを生み出す伝統のウエイトトレーニングと影で支えるOBを取材。
春の県大会準優勝の盛大附属。
体が大きな選手が目立つ。今大会登録メンバー20人の平均体重は78キロ。
県内61チームの平均67.6キロを11キロ上回り、最も重いチームだ。
大きな体を育てる伝統のトレーニングがある。
馬久地壮行記者
「バッティング練習が終わったようです。選手は休憩に入るのかと思いきや…向かったのはベンチプレスです」
全力のバッティング練習のあとに、上半身を鍛える「ベンチプレス」。50キロをあげる。わずかな待ち時間も打球を遠くへ飛ばす努力を惜しまない。
打線の中心は、松本龍哉選手(3年)。
松本龍哉選手(3年)
「(打撃練習からの筋トレは)けっこうきつい練習。打球の飛距離もだんだん伸びてきたなと実感がある」
ベンチプレスもチーム1の120キロを持ち上げる松本選手。
高校通算のホームランは63本と、県内ナンバーワンの呼び声高い強打者。
松本龍哉選手(3年)
「絶対に甲子園に行って、ホームランや勝負強いバッティングができるように頑張りたい」
もうひとり、ひときわ、体が大きいのは小針遼梧選手(3年)。
身長185センチ、体重95キロと恵まれた体格で、積み上げたホームランは高校通算46本にのぼる。
小針遼梧選手(3年)
「趣味は筋トレです。(自慢は)筋肉の三頭筋です。冬ずっと鍛えていて三頭筋はだれにも負けません」
小針遼梧選手(3年)
「ホームランを5本打ちます。筋肉は裏切りません」
投手陣も負けていない。
エースは渡辺翔真投手(3年)。ストレートの最速は140キロ。多彩な変化球を組み合わせて的を絞らせない。
また、急成長しているのは、ひときわ背が高い千葉雄介投手(3年)。
あの大谷翔平選手と同じ身長193センチ。
角度のあるストレートと鋭く落ちるフォークボールで、春の大会からどんどん調子が上がっている。
岩手出身の長身のピッチャーである大谷翔平選手や佐々木朗希投手にも刺激を受けている。
千葉雄介投手(3年)
「(大谷選手などの投球を)連続写真とかみて勉強している。絶対決勝投げるという気持ちで、チームを甲子園に導けたらいいと思う」
最後の夏にかける選手たちを支えるOBがいる。
週に一回ストレッチなどの体づくりを教えている米沢康平さん(栃内病院)。
理学療法士とスポーツトレーナーの資格をもつ米沢さんは、15年前に卒業した野球部の先輩。高校時代、ケガに悩まされた経験もあり、親身にアドバイスを送る。
米沢康平さん
「けがをせず、無理をせず、頑張ってほしい。OBと言う立場ではなんとしても優勝をつかみ取ってほしい。思う存分暴れてほしい」
米沢さんの支えを追い風に、自慢の強力打線を発揮する準備はできた。
4年ぶり11回目となる夢の切符をつかみにいく。
田屋瑛人主将(3年)
「甲子園に行くことが第一目標。その先に全国制覇という目標がある。サポートしてくれる人の感謝や恩返しという形でプレーで示せたらなと」
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