巨人 × 日本ハム 中井大介 最強に最高です 2014/5/26 得点ハイライト
◆交流戦 巨人4x―3日本ハム(26日・東京ドーム)

 巨人が今季2度目のサヨナラ勝ちで、2位タイに浮上した。3―3の9回、鈴木の内野安打とバントで1死二塁とすると、中井が左翼線へ適時二塁打。最後の最後に日本ハムを突き放した。3回に高橋由の今季1号2ランで先制したが、6回に先発・杉内が同点を許し、さらに打球を左太ももに受けるアクシデントにも見舞われて降板。嫌なムードを今季スタメン2試合目の中井が、一振りで吹き飛ばした。

 野球人生初のサヨナラ打。中井は試合後のお立ち台で、腹の底から声を張り上げた。「最強に最高で~す。本当に気持ちよかったです」。本家の阿部から使うように促された「最高で~す」のフレーズ。「橙魂デー」でオレンジに染まった東京ドームが沸き立った。

 今季初出場だった25日に続く「1番・左翼」でのスタメン。同点で迎えた9回1死二塁。増井の外角スライダーを左翼線にはじき返した。「前の打席(7回1死二塁)で、一番やっちゃいけない三振をしてしまった。フェアゾーンに落ちてくれと思っていました」

 サヨナラ打の直前、無死一塁では、7回にバントを失敗した長野が代打を送られていた。厳しい表情で、ベンチに引き返した背番号7。「長野さんには、守備で助けてもらっている」。広い守備範囲を誇る中堅手の思いも、バットに込めた。

 キャンプ中盤の2月22日に、右肘痛を訴えて離脱。昨年に痛めた左膝が回復してきた中でのアクシデントだった。「気持ちの整理がつかなかった」。イースタン・西武戦で実戦復帰した3月28日。試合後、自宅で1軍の開幕戦をテレビ観戦した。悔しさからか、気が付くと何度も画面から目を背けていたという。

 それでも、リハビリ生活を「よりよいものにつなげる期間」と考え、前を向いた。昨年のプチブレークを知る江藤2軍打撃コーチから「間を取って打て」と助言され、上体が突っ込む打撃フォームを修正。振り込みの量を増やした結果、体重は昨年から3キロ増えた。硬式球より肘が安定した状態で投げることができるソフトボールを用いたキャッチボールで、地道に練習した。

 「橙魂デー」は今季4戦4勝で、12年から17勝4敗。連勝に導いた1番打者を原監督は「思い切りもいい。なかなか1番バッターがいない苦しい状況だが、しっかりと存在感を見せている」とたたえた。

 「自分の居場所をつくらないといけない。これからが開幕だと思って頑張りたい」と中井。逆襲の第一歩を踏み出した。

WACOCA: People, Life, Style.