キャプラー、ごめんなさい。【2021年SFジャイアンツの強さを分析する】

ツイッター:https://twitter.com/Nuts_baseball3

2020年5月、コロナの影響でメジャーリーグの開幕が遅れていた頃、私はある動画を作った。主旨は別のものだが、その動画の最後で私はこんな感じのナレーションをつけた。「その年よりサンフランシスコ・ジャイアンツの監督にゲーブ・キャプラーが就任した。近年低迷しているサンフランシスコ・ジャイアンツ。キャプラーが監督になったことで、暗黒時代がこれ以上続かなければいいけど」と。
そのあまりに適当な推論は、大いに外れた。
2021年、キャプラー率いるサンフランシスコ・ジャイアンツは、球団創設以降最多の107勝で地区優勝を果たしたのだった。今回の動画は、反省の意味もこめて、なぜサンフランシスコ・ジャイアンツは強かったのか、私なりに考えてみたものである。

【編集後記】
サンフランシスコ・ジャイアンツの強さについて、まだまだ補足すべきことがあるので、概要欄に追記したいと思う。
動画のなかで、私は「ベテランの活躍」と「マネーボール流の過小評価された選手の発掘」を挙げた。しかし、考えてみたら、他にもチームのデプスを強化するアプローチにサンフランシスコ・ジャイアンツは成功していたことに気づく。つまり、SFジャイアンツは、アスレチックスのように金欠球団でないため、ケビン・ゴウスマンやクリス・ブライアントといった金を使った補強もしっかりやった。そして、ローガン・ウェブやカミロ・ドバルといった若手の育成もいい感じである。要するに、2021年のサンフランシスコ・ジャイアンツは思い浮かぶ全ての観点での強化に成功したのだと思う。
それから、組織力についても、サンフランシスコ・ジャイアンツの強さの秘密である。データを重視する一方で、選手の意向に耳を傾けるという、一見矛盾した方向性を調整するためか、ジャイアンツはコミュニケーションに長けたコーチ陣を採用し、活用したらしい。また、コーチ陣の多様性も特筆すべきものである。日本では、若干ファッション感覚で語られることもある「多様性」であるが、移民で成り立っており、様々なバックグラウンドを持つ人が暮らすアメリカでは、組織の多様性は組織の結束力に直結する。サンフランシスコという土地柄では、尚更だろう。アジア系アメリカ人のカイ・コレア、MLB初の女性コーチであるアリッサ・ナッケンなど、SFジャイアンツの多様性はメジャーのなかで突出している。そして、2022年シーズンからは、植松泰良がコーチに就任することになる。素晴らしい。
本当は、キャプラーのパーソナルな部分にも触れたかったのだが、やめにした。彼は(巨人時代の成績がかすむくらい)なかなかの変人である。まあ、そこら辺は各自で調べてください。

※1:Fangraphsを参照。打数、得点数に関しては、当サイトで確認できる2002年までで最多の数字である。
https://www.fangraphs.com/leaders/splits-leaderboards?splitArr=94&splitArrPitch=&position=B&autoPt=false&splitTeams=false&statType=team&statgroup=1&startDate=1930-03-01&endDate=2021-11-01&players=&filter=&groupBy=season&sort=10,1

【参考】
Fangraphs
https://www.fangraphs.com/
Baseball Reference
https://www.baseball-reference.com/
spotrac
https://www.spotrac.com/

Thompson: Gabe Kapler, on his way from fired to first place, always made allowance for the doubters
https://theathletic.com/2835521/2021/09/21/thompson-gabe-kapler-on-his-way-from-fired-to-first-place-always-made-allowance-for-the-doubters/?

The Giants’ Gabe Kapler has changed hearts and minds, but what kind of postseason manager will he be?
https://theathletic.com/2876265/2021/10/08/the-giants-gabe-kapler-has-changed-hearts-and-minds-but-what-kind-of-postseason-manager-will-he-be/?article_source=search&search_query=%20Gabe%20Kapler

Kawakami: Inside the Farhan Zaidi-Gabe Kapler dynamic and how it’s pushing the Giants
https://theathletic.com/2716025/2021/07/21/giants-farhan-zaidi-gabe-kapler-relationship/?article_source=search&search_query=%20Gabe%20Kapler

The 2021 standings could look like this
https://www.mlb.com/news/2021-pecota-projections-breakdown

Report: Dodgers’ managerial search down to two candidates
https://www.foxnews.com/sports/report-dodgers-managerial-search-down-to-two-candidates

【素材・フェアユース含む】
・MLB.com

・SF GIANTS


Buster Posey – Ian D’Andrea
https://en.wikipedia.org/wiki/Buster_Posey#/media/File:Buster_Posey_in_2018_(cropped).jpg

Sports media personality James Vincent Michael O’Brien aka Jomboy on the Weekly Dumb in September 2021 – Jomboy Media
https://en.wikipedia.org/wiki/Jomboy_(sports_media_personality)#/media/File:20210920%E2%80%94Jimmy_O’Brien_(Jomboy),_Weekly_Dumb_screenshot_(03m47s)(edited).jpg

Billy Beane – General Manager Oakland A’s – Leaders (Executive Sport Ltd.)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3c/Billy_Beane_-_General_Manager_Oakland_As_%285964095428%29.jpg

Mike Yastrzemski – Bryan Green
Mike Yastrzemski

Anthony DeSclafani – Erik Drost
Cleveland Indians vs. Cincinnati Reds

Jomboy Media
https://www.youtube.com/c/JomboyVideos/featured

【音楽】
・MUSOPEN
https://musopen.org/
・Wikicommons
https://commons.wikimedia.org/wiki/Main_Page
・YouTube オーディオライブラリ

23 Comments

  1. 就任時にキャプラーdisってた人いたなーと思ったら本人だったかw
    しかしーあの激戦だったNL西地区で多額の年棒を出してスター級の選手を集めるドジャース相手に、最後までギリギリの戦いを見せて、最終的には球団史上最多勝利を記録して地区優勝したのはマジでMLBを面白くしてくれたと思う。
    誰かが「今年のポストシーズンはスター選手の大谷やタティスやゲレーロもいないし、ハーパーもいないつまらない」とか言ってたけど、そういうスター選手を相手にチーム力、総合力で戦い、勝ち抜いてポストシーズンに進んだわけで、シーズンが始まる前までは予想だにしない展開になったから、スター選手がいなくてもそれはそれで面白かった。結果的にシーズンで1番勝利数が少なくて、シーズン前半戦は3位、4位に低迷していたチームがワールドシリーズを制覇したんだから

  2. これをユーチューブホームページで見た時に驚いた。2021SFジャイアンツについて動画を作って感謝します。野球ファンなら、誰でもに面白いと思います。

  3. SFファンだけどまじ優勝するとは思わんかった、嬉しい

  4. いつも歴史、野球に関する素晴らしい動画、ありがとうございます。
    ところで、音声はどうやって作っているんでしょうか?

    もしよければ、教えていただけると嬉しいです。

  5. 考えてみたらNBAのスーパースターだった今は亡きコービーだって性的スキャンダルを犯していたし、バスケットボールの神様と言われるレジェンド中のレジェンドのM.ジョーダンだってかなりのギャンブルをしていたし、そして相手にも非があったとは言えあのイチローでさえも不倫していたからなぁ…。問題は誤ちを犯してから心底から更生して(極端だが)世界中の社会に貢献出来る様に出来るかどうかだと私は強く思う。やはり大きな誤ちを犯して真のヒーローになろうと巧くキャラ達を描いたマーベルコミックスを世界的大ヒットさせたスタンリーは富野由悠季や宮崎駿と共に本当に天才だよ‼︎(寧ろ、ずっと見かけはクリーンで良い人格そうだった人の方が実は長く卑怯な事を裏でしていた…って事が多いにあるから、そこの方がとっても厄介だよ…。最近だと改革派のファイターに見えた某元議員の貸金関連での違反なんかも例に挙げられるし、後某イケメン?声優も不倫や盗みらしき行為もしたのがバレて離婚&引退寸前だし…。)

  6. 誰か知っていたら教えてください。タイガースタジアムの最終戦にキャプラーが先発出場してるんですが、背番号がありません。なぜなんでしょうか🤔まるで少年野球の練習着みたいで面白いです😁

  7. キャプラーをダメ助っ人というので片付けるのは凄く可哀相な気がします。
    ソースは定かではないのですが、ミセリから始まり、清原、ローズなどにもイジメを受けていたというのも有り、日本時代はいい思い出が無いと語っていたのは、単に成績が残せなかっただけでは無いと思います。
    当時の堀内ジャイアンツは"史上最強打線"を要しながら3位、堀内と清原ローズらの確執などまともに統制が取れておらず、キャプラー自身もメジャー復帰後の方が成績を残しています。

    まあ何はともあれキャプラー最優秀監督賞おめでとう。
    そして素晴らしい動画をありがとうございます。

  8. 何気にドジャースのシーズン106勝もすごい。

  9. 今年はやはりというか結構苦戦してましたね。戦力ダウンをカバーしきれなかったのか

  10. 個人的にキャプラーは人生で初めて生観戦したときにサード守ってたから思い入れある笑
    ちなみにその時ホームに送球する際にサードランナーのヘルメットに当てて今思えば草です笑

  11. 多くの評論家が自分の吐いた唾を飲み込まずにいけしゃあしゃあと評論を続ける中、自分の意見が間違ったらしっかり謝罪できるこのチャンネルの中の人を評論家と呼ぶべき!

  12. キャプラーが監督になっていたとは知らなくて驚きました。😂

  13. '80年代に『ミラクルメッツ』の立役者だったジョンソン監督は、'70年代に読売の助っ人で『ジョン損』と言われる位、活躍出来なかった。
    '21年のサンフランシスコの躍進をみて、ふと↑の事を思い出した。

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