RSK山陽放送では2022ドラフト会議を前に、過去の岡山・香川ゆかりのドラフト指名選手の「その時」をシリーズで紹介していきます。原稿は当時のまま掲載します。

【2019年1月放送】

今年期待のアスリートに聞く新春インタビューです。きょうは、プロ野球・楽天からドラフト3位指名を受けた引地秀一郎選手です。倉敷商業で学んだことと、高校の先輩・星野仙一さんへの思いを胸にプロの世界に飛び込みます。

残り少ない高校生活を、グラウンドでの走り込みや筋力トレーニングなどに打ちこむ、引地秀一郎選手です。

もちろん、プロでの活躍が目標ですが、自分のためだけではありません。

(引地秀一郎選手)
「自分が選ばれたことに関してはうれしかったんですけど、自分が選ばれたことをみんなが喜んでくれたのがうれしかった」

「楽天に3位で指名されたんですけど、楽天っていう球団は、星野さんが監督をして日本一に導いている球団なので、それもなにかの縁なのかなって思って、自分も楽天でがんばって日本一になって日本一のピッチャーになりたいです」

188センチの長身から投げ下ろす、最速151キロのストレートが武器です。マウンド上で闘志をむき出しにして投げ込む姿は、「星野2世」とも言われています。

「星野さんのようなピッチャーにもなりたい。星野さんみたいに岡山とつながりをもつじゃないですけど、影響力のある人になりたい」

昨年亡くなった星野仙一さんは、倉敷商の先輩です。結果を出し続けた星野さんを尊敬していますが、目指すのは「星野2世」ではありません。

「星野2世って言われるのは、今はうれしいんですけど、ゆくゆくは2世じゃなくって引地秀一郎で覚えてほしい」

引地選手の将来性に高校1年から注目してきた、楽天の山下担当スカウトです。敢えて高い目標を声に出すところも魅力のひとつだと話します。

楽天 山下勝己スカウト
「いけるなっていうか、やってくれるなって確信してとってます。でっかいこというなと、でもそんな嫌味じゃないので、やってくれそうな気がする」

グラウンドの近くの山で走り込みです。これまでの部活動よりもさらに自主性が求められるプロの世界。自分の決めたメニューでトレーニングを続けます。

「もう一月からいっちゃう=寂しい?卒業式帰ってくるしな」

支えあってきた仲間と過ごすのも、あと少しです。

「寂しい部分もあるんですけど、自分たちの代表としてもがんばってきてほしい、期待する部分のほうが大きい。一軍のマウンドで投げているのを見たいのでがんばってもらいたい。見に行きます」

(倉敷商 森光監督)
「入れたらいいっていう感覚の選手を見てきているところもあるので、入ることが目標ではないと思うので、そこで活躍して、倉敷だったり後輩たちに、おれたちもなんかやれるんだっていう気持ちにさせてくれるような選手になってくれれば」

厳しい言葉を投げかける森光監督の気持ちは、引地選手に届いています。プロでも常に心に留めていたいと話すのは、森光監督から学んだスローガン「一へのこだわり」です。甲子園出場経験がなく、中学でも高校でも日本一になったことがない引地選手にとって、大切な言葉です。

「一へのこだわりは、自分の中では一番になること。沢村賞もとりたいし、日本一もなったことがないので、プロの舞台でなりたいなって」

楽天で一番の投手に、そして日本一を目指して、1年目の挑戦が始まります。

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