いよいよ来週行われるプロ野球のドラフト会議。2022年も運命の瞬間を待つ選手たちが数多くいます。この地方の大学からプロ入りを目指す、2人の注目選手に迫ります。
「縞々の画像を交互に高速で点滅させてそれをカメラで撮ってそれを復調する形で実験をしています」(本田投手)
なにやら難しそうな研究を行っているのが1人目のドラフト候補。名古屋大学4年・春日井市出身の本田健悟投手(21)。
実は、名古屋大学に通う秀才なんです。
「可視光通信といって目に見える通信を行う研究をしています」(本田投手)
ひとたび、マウンドに上がれば、最速151キロのプロ注目のピッチャーです。
「なかなか制球力もいい。フォークも決め球になるし、良いピッチャーだなという印象」(中日ドラゴンズスカウト部 米村明シニアD)
「コントロールの部分と、直球・変化球のコンビネーションが武器なのでその両方をスカウトにアピールしようと、心掛けて投げた」(本田投手)
きっかけは松田亘哲投手の存在
プロを意識したのは、今から3年前。
名古屋大学から初めてドラフト指名を受けたドラゴンズ・松田亘哲投手の存在でした。
「自分自身、高校時代は、あまりいい成績を残せなくて自分の能力のなさに、コンプレックスを抱いていた。松田さんが頑張っている姿を見て、カッコイイと思うと同時に自分もこうなりたいと思った」(本田投手)
たゆまぬ努力で道を切り開き、プロの世界で奮闘し続ける松田投手。そんな憧れの先輩を目標に、4年間、文武両道に励んできました。
「本田投手の野球に対する熱量は、同期生に対しても刺激になるしすごく練習をするので本当に感心している」(名古屋大4年 神谷岳 主将)
「野球部の練習も大変だと思うが、全然、研究の方にも支障を来していなくてよく両立してやっているなと感心する。正直言うと…(研究室に)残ってほしい」(名古屋大学 岡田啓 准教授)
野球一本に絞り、不退転の覚悟
周囲の進路先が決まる中、自身は野球一本に絞り、不退転の覚悟。
「他の人が、自分の好きなことを仕事にしたいと思うのと同じで自分も野球が好きで野球を自分の仕事にしたい。やっぱり人生一回切りなので、そこに後悔を残したくない。チームやファンから期待されて、それに応えられる選手になりたい」(本田投手)
「打てるキャッチャー」大学日本代表にも選出 名城大学4年・野口泰司選手
ドラフト注目の地元選手。続いては「打てるキャッチャー」として大学日本代表にも選出された知立市出身、名城大学4年の野口泰司選手(21)。
秋のリーグ戦では、多くのスカウトが訪れる中、2試合連続でホームランを放ち守備でも自慢の肩を見せつけプロ入りに向け好アピールを続けています。
「大学に入った時から4年間、プロを目指して野球をやってきたのでなんとかプロに入りたい気持ちでいっぱいです」(野口選手)
高校では指名漏れを経験
現在、ドラゴンズを含む7球団から調査書が届くなどプロから熱い視線を注がれている野口選手。
しかし、栄徳高校時代の4年前…。
「高校の時、プロ志望届提出したんですけど指名漏れを経験して悔しい気持ちでいっぱいだったんですけどなんとかやり返してやろうという気持ちでやってきた」(野口選手)
夢を叶えるため、努力を惜しまなかった4年間。全体練習が終わっても、バットを振り続けたこの日。気付けば時計の針は夜11時を回っていました。
女手一つで育ててくれた母の存在
野口選手を支えるのが母・縁さんです。
「(Qソーセージの量は)大体このくらい。多いかな?」(野口選手の母・縁さん)
毎日、栄養バランスを考えた食事で彼の胃袋を支えています。
ちなみにこの場所、家ではなく、縁さんがオーナーをつとめる「食堂カフェ 瀬里奈」。
お店を切り盛りしながら女手一つで、息子をここまで育て上げました。
「高校生の時、食べても全然大きくならなかったのでこんなに大きくなるとは思わなかった」(野口選手の母・縁さん)
母の献身的なサポートもありこの4年間で体重は20キロもアップ。高校時代と比べてもその差は歴然。自慢のパワーにさらなる磨きがかかりドラフト注目選手へと成長を遂げました。
「20キロ増えたのも一人の力ではできなかったですし、やっぱり母に作ってもらった体だと思います」(野口選手)
「感謝の気持ちをしっかり伝えたいと思います」
好きな言葉は「謙虚」先輩後輩問わずチームの誰からも慕われています。
「本当に野球に対してすごくマジメ。気分が乗らない日でもしっかり残って練習してるのが成長に繋がっているのかな」(名城大 山内壮馬コーチ)
「キャッチャーのすべてのレベルが高くて、憧れの先輩です。(Q普段はどんな会話してる)恋愛の事とか面白い話を聞かせてくれます。」(名城大1年 門田実 選手)
「恋愛話は結構します。結構真面目な恋愛話なのでちょっとここで言える内容ではないですね」(野口選手)
何事に対しても真面目な野口選手。そんな息子の頑張りを母・ゆかりさんも理解しています。
「やっぱり高校の時に指名漏れあったから、すごく努力してるなって言うのは思いましたね」(野口選手の母・縁さん)
「理想はね。お母さんのために頑張りますみたいな」(叔母・里奈さん)
「まったくそんなん無くて」(母・縁さん)
Q本人はお母さんに感謝してるって言ってましたよ
「してくれないと~そのくらい小さい時からずっとね~。ね~。ほんとだよ~」(叔母・里奈さんと母・縁さん)
4年越しの夢を叶え、母に伝えたい思い。
「野球を始めて今までありがとうという言葉は(母に)まだまだ伝えきれていないのでドラフトにしっかり指名されて感謝の気持ちをしっかり伝えたいと思います」(野口選手)
(10月13日 15:40~放送メ~テレ『アップ!』じもスポ!コーナーより)