注目され始めたのは、最速153キロをたたき出した大学2年の頃。だが、球速に頓着しなくなったのもこの時期だ。「結局、大事なのは球のキレ。それが分かり始めた」
愛知大学リーグで通算32勝を挙げ、心待ちした2年前のドラフト会議で、指名から漏れた。集まった報道関係者が一人ずつ去っていくのを見ながら思った。「もう、人に迷惑はかけられない」。プロへの思いはいったん切れた。
だが、社会人野球の環境がステップアップへの転機に。カーブ、フォーク、カットボールを操るが、縦に大きく割れるカーブは、特に大きな武器となった。
「参考にしているのは(オリックスの)山岡泰輔投手。体ごと上から縦に腕を回し、直球を逆回転させるイメージ。普通のカーブのように球を抜くのではなく、下に落とす感覚を大事にしている」