数々の競技にスポットライトが当たった東京オリンピック。メダリスト誕生で知名度が上がった競技の一つがアーチェリーです。岐阜県の高校に通う新たなエース候補に迫りました。
岐阜県大垣市内の公立高校。そこに通う、一見ごく普通の高校生。
Q.得意教科は?
「体育です」
Q.苦手な教科は?
「体育以外、全般です」
大好きな体育の授業では、バレーボール部員顔負けのスパイク!
運動神経抜群の彼の正体は…アーチェリー界の次世代エース候補、大垣西高校3年、斉藤史弥選手です。
今年3月、高校日本一を決める大会「全国高等学校アーチェリー選抜大会」で史上2人目となる2連覇を達成。
さらに、去年まで2年連続で若い世代のニッポン代表に選出され、今年はなんと、オリンピック出場選手もいるトップチームに飛び級で参加しています。
【斉藤選手の経歴】
2020年 U-17ナショナルチーム
2021年 U-20ナショナルチーム
2022年 ナショナルチーム
顧問の本間先生とは「親友を超えた友達」
「(アーチェリーは)楽しい。10点に入る時もうれしいし、爽快感があるので」(斉藤史弥選手)
そんな斉藤選手の活躍を支えてきたのが、大垣西高校の顧問、本間隼人先生。
「指導者なんですけど、友達(という感じ)の方が強い。『これやって』って言われても嫌とか言えるような」(斉藤選手)
「色々なことを言い合えるし、親友を超えた友達かもしれないです」(本間隼人先生)
ここまで仲がいいのには、理由があります。
小学5年で出会い“二人三脚”で歩んできた師弟
実は、本間先生と出会ったのは小学5年の時。
斉藤選手がアーチェリーを始めるきっかけとなった岐阜県の育成プロジェクト。その講師を務めていたのが、本間先生でした。
その後、中学で本格的に指導をあおぎ始め、日本一に。(2019年 全日本小学生・中学生アーチェリー選手権大会優勝)
そして、部活の顧問と生徒という間柄になった高校では、世界大会に出場するまでになりました。
Q.どのあたりが本間先生で良かったと思いますか?
「なんでもおごってくれるとか。あとは…ないね(笑)」(斉藤選手)
「おおらかなところっていうか。自分で言わなきゃいけないの?(笑)」(本間先生)
「面倒見てくれるところかな」(斉藤選手)
公立高校ならでは…練習時間の少なさは集中力でカバー
親友のように信頼する恩師と二人三脚で成長。しかし、公立高校の部活動がゆえに、苦労する部分もあります。
「(練習時間が)めちゃくちゃ少ない」(斉藤選手)
「めちゃくちゃ少ないと思います。時間で言うと、平日が1時間から1時間半くらい。土曜日が3時間」(本間先生)
授業や宿題もしっかりやりながらの部活動。
同じナショナルチームの選手と比べると、練習量が半分以下の日もあるといいます。
それでも日本トップクラスにまで成長した秘訣こそ、抜群の集中力。
「気が抜ける瞬間ってみんな誰しもあると思うんですけど、それが彼にはない。(練習でも)ふざけているようにみえるんですけど、外さないように射っているなって」(本間先生)
スポーツテストは学年1位 先生も驚く運動神経
さらに、体育教師でもある本間先生がスゴイと思っているのが…
「(斉藤選手は)スポーツテストも学年1位なんですよ。バレーボールやってもバドミントンやってもサッカーをやらせても、しかも足も速いっていう。本当にすごい運動神経を持っているなって」(本間先生)
大垣西高校アーチェリー部の部員は、なんと62人! 県内屈指の強豪校です。
その絶対的エースとして、入学以来、常にトップを走り続けてきました。
「負けず嫌いなので、練習でも外すと悔しいんでしょうね」(本間先生)
Q.そういう自覚はあります?」
「ないです!」(斉藤選手)
「ないの?」(本間先生)
「ない。でも(チームメイトと)同時に射ったりするときに相手の方が点数高かったらイラっとします」(斉藤選手)
「そういうことやろ(笑)」(本間先生)
目標は今年の3冠 パリ五輪は?
卒業後は、本間先生の母校である強豪・日本体育大学への進学を希望している斉藤選手。
今年が、二人三脚で歩む最後の1年となります。
「とりあえずインターハイで個人優勝して2冠をとり、国体で優勝ができたら3冠(が目標)」(斉藤選手)
去年、東京オリンピックで史上初となる男子団体のメダル獲得で盛り上がった日本のアーチェリー界。
次は、2年後に迫るパリオリンピック。今年は、その足がかりとなる大切な年でもあります。
「昔からなんですけど、遠い目標を設定するのが嫌いなんで。オリンピックが近づいてきたら多分目標に入ってくるんですけど、今はまだ入ってないんで。少しずつやっていきたいなと思います」(斉藤選手)
(5月19日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』じもスポ コーナーより)
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