第12回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(3)「秋田菅垣」】
ふだんなかなか耳にする機会のない琴古流尺八本曲を
聴きやすい「10分程度」の演奏でお届けするシリーズです。

琴古流本曲36曲の第3曲目は「秋田菅垣(あきたすががき)」です。
「すががき」とは、古来、和琴や雅楽の箏などの奏法用語だったものが、
17世紀中頃から箏、三味線、一節切など、楽器の垣根を越えた
共通の要素を持つ楽曲名となったもの。
「六段の調」も、昔は「六段菅垣」と呼ばれていたそうで、
この「すががき」が原曲になって多種多様な楽器の楽曲が
成立・伝承されていったようです。
つまり、琴古流に伝わる「秋田菅垣」と箏曲の「六段」は、
元をたどれば先祖が同じ、とも言えるわけですね。
拍節が明瞭ではない曲が大半の尺八本曲の中にあって、
「○○菅垣」というタイトルを持つ曲は、比較的拍子がはっきり
しているものが多く、糸の曲が元になっていることを伺わせます。
琴古流本曲としては、秋田にて、梅翁子から初代黒沢琴古が伝授。
東北らしい重厚な前半部と、美しい下降旋律が特徴的な後半部からなり、
山口五郎先生の十八番のうちの一つとしても有名です。

※「山口 翔web演奏会」は、ふだんなかなか耳にする機会のない
尺八音楽を、インターネット上で公開する取り組みです。

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