「無極伝統古法拓印」は中国河北省無極県に伝わる伝統拓本技法で、主に古代の彫刻や石碑文、さまざまな人物や花鳥、動物の石板彫刻を題材にしている。烏金拓(うきんたく)や蝉翼拓(せんよくたく)、彩拓、朱砂拓など多くの手法を用いる。無極伝統古法拓印は、文字の輪郭が明確で、図案の濃淡に味わいがあるのが特徴で、奥行きと質感を備えている。2019年に同省の省級無形文化遺産リストに登録された。
 同技法の伝承者、張平然(ちょう・へいぜん)さんは近年、拓本技法を紹介した郷土教材「無極古法拓印」を編さんした。地元の学校教育に取り入れられ、多くの生徒や芸術家が民間伝統技巧を理解し、習得するのに役立っている。

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