『泥の河』
宮本輝:作
橋爪功:朗読
1977年(昭和52年)『文芸展望』7月号(筑摩書房)掲載
2005年発売の新潮CDブックより。宮本輝のデビュー作である名品を橋爪功の朗読でお楽しみください。ゼロ年代に流行したような、所謂「昭和レトロ」(「レトロ」の辞書的定義は「疑似的な懐古趣味」です)では回収されない「昭和のリアル」を味わってみましょう。
私事ですが投稿者は、黒い酸液のような悪臭を放つ「泥の河」の底からあぶくが浮き、貯木の上に亀が甲羅を干し、そして製材所の鋸の音の聞こえる大阪・道頓堀川のそばで1982年に生まれていまして、幼少期にはこの小説のような風景も(流石に春を鬻ぐ船はありませんでしたが)辛うじて「近代」として残っていましたから、今のように水質浄化が進んで観光船が通う「大阪」の河を見ると、なんとも隔世の感を感じて「あの頃」を偲んでしまうものです。
小栗康平監督の映画(1981年公開)も名作ですよ!皆さんも機会があれば、ぜひどうぞ(投稿者は大阪の有名ミニシアターで35mmフィルム上映を通して3回観ています)。
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