明石商(兵庫)を全国区に押し上げた立役者と言っても過言ではない。投手の中森俊介と中堅手の来田涼斗。1年春から互いに高め合ってきた2人は、新型コロナウイルスの影響で特異となった夏の経験を糧に、今も努力を続ける。
中森は最速151キロの直球を誇り、2年時には春夏連続甲子園4強に導いた右腕。この夏の甲子園交流試合でも9回2失点で完投勝ちをした。ただ、「高校では『逃げの投球』じゃないけど、変化球でかわすようなことが多かった」と振り返る。2年冬にフォームを改造してから、上半身と下半身のバランスが崩れていたのが原因とみる。変化球を多めにしたのは勝つために模索したスタイルだが、理想は「圧倒的で、相手がかすりもしない直球」。野球部を引退後は一からフォームを見直すために体作りをテーマに掲げ、毎日ウェートトレーニングに励む。
主将としてチームをまとめてきた来田も「プロ志望届を出したことで、より一層頑張れる」と練習に精を出す。100人超の大所帯の野球部で、1年春から1番打者としてチームを牽引してきた。昨春の選抜大会準々決勝で先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放ち、脚光を浴びたが、「たまたま当たっただけだから、(ダイヤモンドを)回っていて恥ずかしかった」と謙虚だ。
入学時から高校通算40本塁打を目標にしてきたが、わずかに届かず34本に終わった。交流試合でも内野安打1本に終わり、「確実性に欠けていた。悔しい」。その気持ちをバネに、タイミングを取るために上げていた右足を、すり足打法に変えて打撃強化に取り組んでいる。
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