日刊スポーツ評論家の西本聖氏(62)が、春季キャンプ恒例企画「解体新書」の特別編として、西武松本航投手(22=日体大)の投球フォームを分析。
完成度の高い松本航は、最近では少なくなったワインドアップ。足をゆっくりと上げて投げる独特のフォームだけに、全身をゆったりと使いたい気持ちが強いのだろう。大きく振りかぶって始動している。左足を上げてきた<3>から<5>の時点でつま先を三遊間の方向に放り出すように“間”を取っている。変則の“2段モーション”で、軸足にしっかりと体重を乗せられる。左足もゆっくりと下ろしていくだけに、この2段モーションとの相乗効果で、打者はタイミングを取りづらいだろう。素晴らしいのは<8>の「しなり」。全身が弓のようにバランス良くしなっている。この角度からだと分かりづらいが、テークバックでもボールが頭の後ろに隠れている。打者からすると、いきなりボールがリリースされるような感じがして、かなりの体感スピードになるのではないか。下半身をゆっくり使うと、上半身とのバランスを取るのが難しくなり、フォームが崩れやすくなる。難易度の高いフォームだが、下半身と体幹の筋力が強いから実践できている。<8>から<10>での左足の曲がる角度も良く、安定感がある。フォームを見ただけでも、ローテーション入りする力量があると感じさせる

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