野手 #北村拓己 の九回登板に神宮びっくり  #ヤクルト #高津監督「したくなかった」

野手 #北村拓己 の九回登板に神宮びっくり  #ヤクルト #高津監督「したくなかった」

9月某日の神宮球場で行われた東京ヤクルトスワローズ対巨人の一戦。試合終盤、観客席からどよめきが起こったのは九回表のマウンドに立ったのが野手・北村拓己だったからだ。普段は内野手として出場している北村が突然ピッチャーとして登場するという、まさに異例の采配だった。

この場面はすでに点差が大きく開いており、試合の勝敗自体はほぼ決していた。消耗戦を避けたいベンチの意向で、やむを得ず野手が登板するという「緊急事態」となったわけだ。スタンドのファンも一瞬何が起きているのか理解できず、ざわつきが広がった。

北村は明徳義塾高から亜細亜大を経てプロ入りし、バットコントロールや内野守備の堅実さで評価されてきた選手。投手経験は高校時代に少しあったとされるが、プロの公式戦でマウンドに立つのは初めてのことだった。

球速は130キロ前後。変化球はほとんどなく、ストレート中心の配球で打者に立ち向かった。観客からは驚きと笑い、そして大きな拍手が送られ、スタンド全体が不思議な一体感に包まれた。

対戦したヤクルト打線もプロとして全力で打ちにいきながらも、内心では「これは特別な瞬間だ」と感じていた様子。真剣勝負の中に独特の緊張感と和やかさが同居していた。

結果として北村は失点を許したものの、最後まで堂々と投げ切り、球場からは温かい拍手が起こった。打者としてもチームを支える選手が、投手として貴重な体験をした瞬間だった。

試合後、高津臣吾監督は記者の質問に答え、「本当はしたくなかった采配」と本音を漏らした。投手陣を酷使する状況を避けるための苦渋の決断だったことを明かした。

それでも監督は北村の奮闘を高く評価し、「チームのために嫌な顔ひとつせずマウンドに上がってくれた。立派だった」と称賛の言葉を送った。

一方でファンの間では「珍しい場面を見られてラッキー」「北村の意外な才能が見られた」とSNSで大きな話題に。瞬く間にトレンド入りするなど、試合以上に注目を集める出来事となった。

プロ野球の世界では稀に野手が登板することがあるが、それはチームの苦境を象徴する場面でもある。同時に、ファンにとっては忘れられない思い出を提供する瞬間だ。今回の北村拓己の登板は、神宮の夜を特別なものにしたに違いない。

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