2025年8月4日にベルーナドームで行われたパ・リーグ公式戦、西武ライオンズ対北海道日本ハムファイターズの一戦は、まさに“戦術と勢い”が融合した一試合となった。試合を決定づけたのは、三回に訪れた日本ハムの猛攻。その中でも特に注目を集めたのが、万波中正選手による“2ランスクイズ”というプロ野球でも極めて珍しいプレーだった。
序盤、両先発投手は順調な立ち上がりを見せ、1回・2回とスコアボードに0を刻んだ。西武の隅田知一郎投手はキレのあるストレートと変化球を駆使して日本ハム打線を封じ、日本ハムの上沢直之投手も持ち前の制球力で西武の主軸を押さえ込んでいた。
しかし試合が動いたのは三回表。日本ハムは先頭の松本剛選手がヒットで出塁すると、田宮裕涼選手が確実に送りバントを決め、加藤豪将選手が四球を選んでチャンスを拡大。ここで打席に立ったのが万波中正選手である。
この場面で日本ハムベンチが仕掛けたのは、まさかのスクイズ。しかも、走者が2人いる場面でのスクイズは極めて稀。だが、このプレーは見事に決まった。三塁走者の松本選手が素早くスタートを切りホームイン。一方、加藤選手も好判断で一気に二塁から本塁を狙い、見事に生還した。
まさに“2ランスクイズ”が成功した瞬間、球場中がどよめきに包まれた。西武ベンチや守備陣は虚を突かれた形で、完全にリズムを崩されてしまった。
このプレーにより、日本ハムは一気に流れを引き寄せた。その後も攻撃の手を緩めず、中島卓也選手が内野安打で出塁。さらに今川優馬選手がタイムリーヒットを放ち、追加点を奪う。続く万波選手も再び犠牲フライで得点を加え、三回だけで5点を奪取する猛攻となった。
守っては先発の上沢投手が安定した投球を披露。中盤以降も落ち着いたマウンドさばきで、西武打線に得点を許さなかった。四回以降は北山亘基投手、宮西尚生投手、そして田中正義投手が無失点リレーを見せ、日本ハムは完封勝利を収めた。
試合後のヒーローインタビューでは、万波選手が登場。「打席に入る前にスクイズのサインが出て、自分の判断も交えながら実行した。走者がよく走ってくれた」と語り、チームプレーの重要性を強調した。また「こういう試合ができるのは、全員が勝利に向かって一つになっている証拠」とも述べ、チームの結束力を感じさせた。
この勝利により、日本ハムは順位を一つ上げ、チームの勢いに拍車がかかった。若手選手の成長、ベテランとの融合、そして栗山監督（※現在の監督に変更の可能性あり）の采配がすべて噛み合った試合であった。
SNS上では「万波スクイズ」がトレンド入りし、スポーツニュース各社でも大きく報道された。「こんなスクイズ見たことない」「戦術の勝利だ」「ファイターズの野球が面白すぎる」といった声が多く寄せられ、ファンのみならず野球ファン全体を熱狂させた。
今後の試合でも、日本ハムの攻撃的で創造的な野球に注目が集まることは間違いない。次戦の楽天戦に向けても、チームの士気は高く、さらなる白星が期待されている。
この試合は、単なる1勝以上の価値があった。若手の勢いと、チーム全体の一体感。そして、何より野球というスポーツが持つ奥深さと予測不能な面白さを、改めて我々に教えてくれた試合だった。
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