西武・高橋光成「ずっと泣きそうだった…いつ泣いてもおかしくなかったです」ファン、仲間の声援に万感(スポニチ)

◇パ・リーグ 西武7―1楽天(2025年4月29日 ベルーナD)

 長かった…ついに勝った!西武の高橋光成投手(28)が29日、楽天戦(ベルーナD)に今季5度目の先発登板。6回4安打2奪三振2四球無失点の力投を見せ、2023年9月10日の日本ハム戦(エスコンF)以来597日ぶりとなる白星をつかんだ。

 9回。マウンドのE・ラミレスが2死満塁のピンチを招きながら最後は4番・鈴木大を一ゴロに仕留めた。勝利の瞬間、ベンチで見守っていた高橋光は笑顔全開で仲間たちからの祝福に応え、ウイニングボールを手渡されると、照れ笑いを浮かべながら手にした右腕を突き上げファンの大歓声に応えた。

 高橋光は、改めて勝利の瞬間の気持ちを聞かれると「もう訳わかんない感情になりましたね。久々すぎて。でもうれしかったです」とニッコリ。「もうずっと泣きそうだったんですけど、こらえてましたね。チームメートからハイタッチしてもらったりだとか、ファンの皆さんからの声援聞いた時に危なかったですね。いつ泣いてもおかしくなかったです」と明かした。

 23年9月10日以来597日ぶり。くじけそうな時には「もがくことしかできなかったので…何やってもかみ合わなくて、自分自身もうまく投げられなくて、というところで、しんどかったです。それがちょっと今日は光が見えたというか、どんどん自分に流れが来るなというところと、チームにもっと流れを引き寄せられると思った」としみじみと語った。

 この長い間の支えは「誰っていうのは…みんなですね。みんなに支えてもらってるのは、こういう良くない結果になって得るものって凄くたくさんあって、そういうのを感じられたりだとか、この経験っていうのは今後の野球人生だけじゃなくて、自分の人生にも生きてくると思うので。本当に今日の勝利は大きいです」とここまでの道のりやこの日の1勝の意味を口にした高橋光。「今はハッピーで埋め尽くして。ハッピーっすね」と涙を最後まで流すことなく、高橋光らしい笑顔で、苦難の末につかんだ通算66勝目の「ハッピー」をかみしめた。

西武・西口監督「打線が援護してくれたおかげで勝てた」高橋光成、597日ぶりに白星、自身の連敗を13で止める!(BASEBALLKING)

西武の高橋光成が29日の楽天戦に先発し、6回・88球、4被安打、無失点で23年9月10日の日本ハム戦以来、登板21試合ぶり、597日ぶりに白星を手にした。自身の連敗を13で止めた。

 ヒーローインタビューに登場した高橋は「お待たせしました!すいません。いや、もう久々すぎて、なんかわけわかんない感情です」とファンに挨拶。

 初回連続四球で無死一、二塁のピンチも、「きょうはもう、どうなるかと思いましたけど、満員のファンの皆さんの後押しをもらって、なんとかゼロで帰って来れたので良かったです」と無失点で切り抜ける。

 直後の1回裏に先制点をもらうと、4回までに5点の援護をもらった。「本当にいつも助けてもらっていますし。僕がこんど助けられるような、もっといいピッチングをして。そうしたら、もっともっとチームは強くなると思うんで。どんどん上を目指してやっていきたいなと思います」と打線に感謝した。

 597日ぶりの白星で自身の連敗を止めた高橋だが、連敗中について「いや、しんどかったですよ。やっぱりしんどいし、いろいろ、もがいてやってきて。やっときょう勝てたということで、きょうからまたどんどん勝てるようにやっていきたいと思います」と振り返った。

 西口文也監督は「きょうはあまり良くなかったように見えたんで。とりあえず立ち上がり見たときは、なんとか5回までもってくれたらいいなという感じで見ていました」と高橋の投球を振り返り、「ほんとにきょうは打線が援護してくれたおかげで勝てたと思います。打線の援護がなければね、まあ、そこまでもったかどうか、というような内容だと思います」と厳しめの評価。

 高橋光成との試合後のやりとりについて報道陣に問われた西口監督は「背番号13なんでね、連敗もやっぱり13で止まったな、と」と明かした。

2025年4月29日
埼玉西武ライオンズ vs 東北楽天ゴールデンイーグルス
ベルーナドーム

ライオンズ スターティングメンバー
先発 高橋 光成
1(中) 西川 愛也
2(右) 長谷川 信哉
3(左) 渡部 聖弥
4(一) ネビン
5(指) 中村 剛也
6(三) 外崎 修汰
7(捕) 古賀 悠斗
8(遊) 滝澤 夏央
9(二) 児玉 亮涼
監督 西口 文也

イーグルス スターティングメンバー
先発 古謝 樹
1(二) 小深田 大翔
2(三) 村林 一輝
3(指) 浅村 栄斗
4(一) 鈴木 大地
5(右) 渡邊 佳明
6(左) 阿部 寿樹
7(遊) 宗山 塁
8(捕) 堀内 謙伍
9(中) 中島 大輔
監督 三木 肇

高橋光成は「苦しそうだった」 597日ぶりの白星を演出…正捕手が見せた“機転”(full-Count)

一昨年9月10日の日本ハム戦以来「久々すぎてわけがわからない」

昨季0勝11敗、今季も2敗で白星がなかった西武・高橋光成投手が29日、本拠地ベルーナドームで行われた楽天戦に先発し、6回4安打無失点。一昨年9月10日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、597日ぶりに勝利投手となった。チームは7-1の快勝を収めた。

「これは貴重なボールですね。どのボールよりも……」。これがプロ通算66勝目の高橋は、ウイニングボールを手に実感を込めて言葉を絞り出した。「久々すぎて、わけのわからない感情になりました。試合後はずっと泣きそうだったのですが、こらえていました。チームメートからハイタッチをしてもらった時や、お立ち台でファンの皆さんからの声援を聞いた時には、危なかったですね。いつ泣いてもおかしくなかったです」と打ち明けた。しかし、群馬のからっ風にあおられながら育った男は、最後まで涙を見せなかった。

 立ち上がりは“最悪”だった。初回はストレートが指に引っ掛かりすぎて、先頭の小深田大翔内野手、続く村林一輝内野手に連続四球を与え、早くも内野陣がマウンドに集まった。

「みんなが集まってくれるだけで、力になりました」と高橋は粘る。3番の浅村栄斗内野手をフォークで空振り三振、4番の鈴木大地内野手もフォークで中飛に仕留める。そして渡邊佳明内野手に対しては、6球全てがフォーク。極端な配球で一ゴロに打ち取り、先取点を許さなかった。

 すると味方打線がその裏、ドラフト2位ルーキー・渡部聖弥外野手の中前適時打で先制したのをはじめ、6回までに大量7点を奪った。高橋の連敗中は打線の援護も少なく、勝てない一因となっていた。連敗中の援護点は最高でも「4」止まり。今季も過去4試合の援護率(登板中に味方打線が挙げた得点を、9イニング当たりで表した数値)は「1.44」に過ぎなかった。最悪と言える調子の試合で、破格の援護があったのだから皮肉なものだ。

相手がまさかのヒットエンドランを失敗「びっくりしました」

 バッテリーを組んだ古賀悠斗捕手は「立ち上がりの光成さんは、真っすぐの制球がばらけていて苦しそうだったので、変化球主体に変えました。光成さんとも、今日は三振を狙うよりも打たせて取っていこうと話し合いました」と明かす。

 幸運にも助けられた。1点リードの2回、1死三塁のピンチを招き、打席に左打者の堀内謙伍捕手を迎えた。相手はカウント2-2からの5球目に、三塁走者がスタートを切り、まさかのヒットエンドランを仕掛けてきた。内角を狙った高橋のスライダーは、たまたますっぽ抜けて外角のボールゾーンへ。堀内はバットに当てることができず空振り三振。三塁走者も三本間で挟殺され、西武は際どく無失点でしのいだのだった。バッテリーは「(相手の作戦には)びっくりしました」と口をそろえた。仮に投球が狙い通り内角に行っていたら、最低でも内野にゴロを転がされて同点にされ、試合の展開はまた違っていたかもしれない。

 それにしても、2023年までは3年連続開幕投手を務め、エースの座に君臨していた高橋が、20か月近くも勝てなかった苦しさは想像を絶している。捕手として一緒に悪戦苦闘してきた古賀悠は「それでも、苦しい仕草を見せないのが光成さんでした。勝てていなくても、全くぶれずに投げない日もしっかりトレーニングをして、スコアラーさんと話し合いながら相手打者への対策を練っていた光成さんを、ずっと見てきました。相当我慢をされていたと思います。そこが、もともとエースと呼ばれていた人の立ち姿なのだと思います」と述懐。「僕自身も見習うべき姿だと思います」とうなずいた。

 高橋は「こういう経験はなかなかできない。ポジティブにとらえて、今後の野球人生につなげていけたらと思います」と苦笑した。転んでもただでは起きない。高橋はこれから、597日間の苦しみの中でつかんだ教訓を結果とともに披露するはずだ。

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4 Comments

  1. こんなに勝てない投手プロ野球見始めて38年なんですがどんだけ運に見放されてたんだって感じですかね
    次回も勝てるよう頑張って

  2. 光成選手の本当の笑顔が見れたヒーローインタビューでしたね!
    次も頑張れ!

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