アニメ界に金字塔を打ち立てたサイバーパンクSF

士郎正宗が1989年に発表したSF漫画を原作に、映像作品によりファンを拡張し続ける『攻殻機動隊』。初のアニメ作品である押井守監督の映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(95)は、映像美や哲学的なテーマから国内外で高い評価を得た。SF大作『マトリックス』(99)などハリウッド映画にも多大な影響を与え、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)として実写化もされた。

押井作品から26年7月スタートのテレビシリーズまで、全アニメ作品を振り返る『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』が1月30日、東京・虎ノ門ヒルズTOKYO NODE GALLERYで開幕した(4月5日まで)。原画などの制作資料1600点超をはじめ、歴代監督のインタビュー映像、現代アーティストのトリビュート作品を公開する。

原画、セル画、絵コンテ、設定資料、美術背景など、初公開を含む膨大な資料を展示
原画、セル画、絵コンテ、設定資料、美術背景など、初公開を含む膨大な資料を展示

95年と04年の劇場アニメを手掛けた押井監督ら、制作者4人のインタビューを放映
95年と04年の劇場アニメを手掛けた押井監督ら、制作者4人のインタビューを放映

本シリーズは義体(サイボーグ)技術が躍進し、脳が情報ネットワークに接続可能となった近未来を舞台に、政府の特殊部隊の戦いを描く。全身義体のヒロイン・草薙素子や、人格を持つかのような人工知能を通じて、「人間を定義するものはゴースト(精神・魂)かシェル(肉体・外殻)か」と見る者に問いかける。その世界観を表現するため、AIやXR(現実と仮想空間の融合)など先端技術も駆使。ARグラスやインスタレーションによって、電脳ネットにダイブしたり、情報の海を泳いだりする疑似体験が楽しめる。

会期中、クリエーターやアーティストの対談や音楽ライブも開催される。閉会後には海外巡回展も予定。作品世界にダイブし、人間とテクノロジーの境界が揺らぐ未来を体感しよう。

プロジェクション映像に包まれ、電脳ダイブした気分で『攻殻機動隊』全アニメ作品を検索。37年前の原作ラストシーンで草薙素子がつぶやく名せりふ「ネットは広大だわ」を実感
プロジェクション映像に包まれ、電脳ダイブした気分で『攻殻機動隊』全アニメ作品を検索。37年前の原作ラストシーンで草薙素子がつぶやく名せりふ「ネットは広大だわ」を実感

人気キャラ、AI搭載戦車「フチコマ」(手前)と「タチコマ」の実物大模型
人気キャラ、AI搭載戦車「フチコマ」(手前)と「タチコマ」の実物大模型

ARグラスを装着するとタチコマが現れ、展示を解説する「電脳VISION」(有料)。デバイスはXREAL社製、コンテンツはKDDIが制作した
ARグラスを装着するとタチコマが現れ、展示を解説する「電脳VISION」(有料)。デバイスはXREAL社製、コンテンツはKDDIが制作した

アニメ制作者のPCデスクトップを自由に閲覧できるコーナー
アニメ制作者のPCデスクトップを自由に閲覧できるコーナー

複製原画を収めたカット袋を掘り起こし、持ち帰りできる有料体験
複製原画を収めたカット袋を掘り起こし、持ち帰りできる有料体験

特殊なTシャツでAI監視カメラに認識されなくなったり、顔を“笑い男”にハッキングされたりと、アニメが描いた未来技術をモチーフにした体験型コンテンツ
特殊なTシャツでAI監視カメラに認識されなくなったり、顔を“笑い男”にハッキングされたりと、アニメが描いた未来技術をモチーフにした体験型コンテンツ

草薙素子をモデルにした空山基の新作彫像《Sexy Robot_The Ghost in the Shell type 1》 © Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA. © Shirow Masamune / KODANSHA
草薙素子をモデルにした空山基の新作彫像《Sexy Robot_The Ghost in the Shell type 1》 ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA ©Shirow Masamune / KODANSHA

国内外のアーティストやブランドとのコラボアイテムが80種類以上。会場でお披露目した草薙素子1/1スケールスタチュー(上)は、50体限定の受注販売で132万円
国内外のアーティストやブランドとのコラボアイテム80種類以上がそろう。会場でお披露目した草薙素子1/1スケールスタチュー(上)は132万円、50体限定の受注販売

『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』

会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C(東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45F)
開催期間:1月30日~4月5日
開場時間:月・金曜日 正午~午後6時、火~木曜日 正午~午後9時、土・日曜日・祝日 午前10時~午後9時 (最終入場は30分前まで) ※イベント開催日は時間変動あり
入場料金:一般当日2700円、高校生・中学生1900円、小学生1200円
※詳細は『攻殻機動隊展』公式ホームページを参照

©士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 製作委員会

取材・文・写真=ニッポンドットコム編集部

バナー写真:『攻殻機動隊展』内覧会風景

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