ガッツリ考察ではありません 普通にエヴァをみての感想回
ネタバレも多少あります
素直な感想とすこし突っ込んだ情報で映画を観たくなってもらえるような内容でお届けします
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シン・エヴァンゲリオン劇場版
総監督/庵野秀明
監督/鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
脚本/庵野秀明
声の出演/緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、石田彰 ほか
「Q」から9年。「序」から14年をえて後悔される「エヴァンゲリオンシリーズ」の最終作。
「破」から14年後の世界の「Q」の正当な続編として見事に完結。
衝撃的な展開だった「Q」
批判的な声が多かったのは過去の庵野監督の作品を知っていればこそだったと思う。
トップをねらえ!の最終話のモノクロ
ふしぎの海のナディアのネオノーチラス号を含めた急展開
TV版 新世紀エヴァンゲリオンの 25話、26話
完結すると思って観ると愕然とする「シト新生」
本当に終わると思っていたのに、ラストに驚く「Air/まごころを、君に」
さらに再編集版となる
「DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に」
「REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に」
もう 何が何やらついていけないのに、なぜか庵野秀明 という監督名を観ると観てしまう、期待してしまう
25年を超えてエヴァが本当に終わるかどうかがポイントだった。
Story
ニアサードインパクトにより変容した世界。
パリで作戦を実行するヴィレメンバー。
旧ユーロネルフの基地に眠るエヴァパーツを回収し、破損した2号機の改修とマリの8号機の改造をするためだ。
そこに現れるのは、ネルフのエヴァマーク44A(ツーフォーエー)、ポジトロンライフルの陽電子砲をもつ エヴァマーク4444C(フォーフォーシー)の軍団。マリの活躍によって撃退。ヴィレは無事に作戦を成功させる。
シンジとレイ(仮)はアスカに連れられる形でニアサードインパクトを生き延びた人たちが集う村に到着する。そこでレイ(仮)は人としての感情を学んでいく。
シンジは無気力のままだったが、とある事変をキッカケに立ち直り、ヴンダーに再度乗船することを決意する。
ヴンダーは旧南極に移動するネルフ本部に最終口撃をするために作戦を開始するのだった。
エヴァの劇場版は旧劇を含めて言えるのは、
庵野秀明監督からの別れと成長の促進と思える。
エヴァファンは年令を問わずいるが、コアなファンは熱心だ。
それらのファン心理を突き放すような、旧劇シリーズ。
その時あった、実写のインサートは
「アニメばかり観るのではなく現実も観た上で成長しないさい」
を揶揄するものだと言える。
今作でもそのシーンはあるのだが、そこに一樽までの全てでエヴァファンに「感謝」ともいえる「物語の終焉」を示唆している。
そして最後の最後で
「アニメばかり観るのではなく現実も観た上で成長しなさい」
というメッセージを観ている側に投げかけているのだろう
TV版の書き文字は庵野監督
新劇場版の手書き文字は 奥さんの安野モヨコ
シンでの各個人のサインは声優本人のもの
式波・アスカ・ラングレー
惣流・アスカ・ラングレーだったが、劇場版では式波・アスカ・ラングレーに変更された。
惣流と式波 の違いは明確だったが、当初から式波=惣流とは別の人格説というのはあった
理由としてはエヴァのキャラクターの名前は艦船名や飛行機から引っ張ってきているのだが、
海上自衛隊にある
あやなみ型護衛艦の4番艦が敷波(しきなみ)
ちなみに旧日本帝国軍の駆逐艦だと吹雪型の11番艦が綾波、12番艦が敷波だったりする
正確には一等駆逐艦 I型(吹雪型) 改I型(浦波型)、II型(綾波型)III型(あかつき型)があっって、II型(綾波型)の2番艦が敷波
ちなみに蒼龍(そうりゅう)という名前の艦艇もあって、
旧日本海軍の空母
海上自衛隊だと潜水艦で存在している。
以前からエヴァはループの物語と言われていたが、その答えが明確に今回出ている。
月のカヲルが目覚める棺桶がそれを示唆している。そのループを終わらせたのが今回の「シン・エヴァンゲリオン」
マリの存在
冬月先生との会話ででてきたのが、
イスカリオテのマリア
この言葉には3つの意味合いをかけ合わせているのではないかと思われる
イスカリオテのユダ は 聖書の中に記載されている
聖書の中には、イスカリオテのマティア というのもある
ユダは多くの人が知る、イエス・キリストの12使徒のひとりでありながら銀貨30枚で裏切った。ユダ=裏切り を揶揄する表現としてよく使われている。
ということは、マリはもともとはゲヒルン→ネルフとなる後ろに隠れていた ゼーレのメンバーのひとりだったが、裏切ったのではないか?ということ
漫画版エヴァンゲリオンの最終巻で、マリはユイに恋心を描いていて、また同じ大学に通っている中、留学が決まっている。ちなみにに留学の餞別に近い形で、ユイからメガネをもらい、劇中ではそれを使うなどしている。
ただ、レズビアンではなくバイセクシャル的と言われている。
一方のマティア
マティアは12使徒のユダの裏切りによって空いたポジションに付く予定のひとり(もうひとりはヨセフ)ただ、12使徒に着任したあとすぐに名前が消えてしまっている
ユダを表す イスカリオテ
12使徒に昇格するマティア
を考えると、彼女自身はゼーレのメンバーの予定ひとりだったが裏切ったと解釈できる
ただ、劇中では マティアではなくマリアと呼ばれている。
このマリアにも2人の意味合いを兼ね合わせたのではないかと思われる
1人目のマリアは イエス・キリストの母親としてのマリア
マリアは知っての通り、処女懐胎でイエス・キリストを出産した。そのため聖母マリアともいわれている
聖母マリアとしては、神を生みし者 として意味合いもあるが、子ども(ひとびち)に向けての深い愛情を持つ人 という意味合いも持っている。
マリがシンジに対して「どこにいても探しに行く」というのは、母親的思考ともいえる。それは好きだった 碇ユイの息子のシンジを母親のような愛情を持って救済する という意味合いにも取れる。
そしてもうひとりのマリアはマグダラのマリアとしてのポジション
マグダラのマリアは12使徒の中で多々ひとりの女性。(過去のゼーレのなかで女性の声はなかったはず)
また、マグダラのマリアは福音書から引用するならば、イエス・キリストを生涯をほぼともにした女性と描かれている。
映画「ダ・ヴィンチ・コード」では、イエス・キリストと結婚して子どもを作っていた…というニュアンスで締めくくられている
また聖書/福音書にあるイエス・キリストの復活でも登場する。
処刑後、3日するとイエス・キリストが復活をするのだが、この復活の瞬間を目にしているのが、マグダラのマリア
要はイエス・キリストを支えた女性であり、イエスの復活(碇シンジの新世界への復活)とともにあったのがマグダラのマリア となると、彼女が最後にシンジを支え新たな世界へ導いたのは当然かも知れません
シン・エヴァンゲリオン劇中の救出するまでのマリは聖母としての、母親としてのマリだが、最後の、エヴァそのものを消し去ったのちに、新世紀/新世界への復活を促すシンジとともにいたのは、マグダラのマリアとおなじポジションはマリといえる
また、シン・エヴァンゲリオンの世界でヒロインポジションだった
綾波レイ
式波・アスカ・ラングレー
はどちらも人工の生命体
TV版エヴァとの差異はもちろんループ、円環の物語なのであるが、知っての通り、TV版は 惣流・アスカ・ラングレーは存在していたが、シン・エヴァンゲリオンでは、惣流・アスカ・ラングレーはラスト前の浜辺でしか登場しない。また、式波・アスカ・ラングレーのオリジナルは13号機に取り込まれる直前に出てきただけ。
序、破の綾波も登場するが、彼女はクローンのひとり。
庵野監督の
アニメばかりではなく、現実世界も観なさい
という全体のテーマ性に合わせてみると、
アニメの女性ではなく現実の女性とともに社会を生きていきなさい
という意味合いを含めたと考えると、ラストのヒロインはエヴァの呪縛はあったとしても、現実に存在してる生身の女性 マリという結果になったのではないか?と思われる。