コンビーフ, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=64281 / CC BY SA 3.0

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コンビーフ

コンビーフ () とは牛肉を塩漬けにした食品である。日本やブラジル、アルゼンチンでは缶詰にした物が多い。

日本では一般にほぐした牛肉の缶詰のことであるが、本来は長期航海用や軍需品として使うための保存食料である、塩漬け牛肉のことを言う。そのため欧米では、缶詰ではなくほぐした状態でもない、ブロック肉であることが一般的である。

「コーン」は現在はトウモロコシを指すが、中期英語までは穀物全般、ひいては一般に粒状のものを意味した。「corned」とは、岩塩を砕いた粒状の粗塩で肉を漬けることを意味する。

日本農林規格(JAS)では、「畜産物缶詰又は畜産物瓶詰のうち、牛肉を塩漬(せき)し、煮熟した後、ほぐし又はほぐさないで、食用油脂、調味料、香辛料等を加え又は加えないで詰めたものをいう」と定義される。そのまま食べたり、サンドイッチや炒め物などの材料にしたりする。

日本の消費者には市販されているコンビーフは先細りの缶(英語:tapered can)で形が台形の缶(英語:trapezoid-shaped can)が馴染み深い。日本で近世に使われ始めた箱枕に似ており、「枕缶」と呼ばれる。1875年、アメリカの食品会社・リビー()が、薄切りを作る為に中身を一つの塊として取り出しやすい缶として発明し、採用したとされている。開缶は、缶付属の「巻き取り鍵(まきとりかぎ)」などと呼ばれる缶切りの一種で缶側面の一部を帯状に巻き取って行う。当時は、欧米で缶詰が普及するきっかけとなったと言われている第一次世界大戦の前で、一般人が安全に開缶できる缶切りは普及していない。
尚、同様の分野の商品とされるランチョンミート缶の類が世に登場するのはコンビーフ缶の数十年後で、枕缶は使われていない。例えば、アメリカのがスパム()を生産開始したのは1937年である。

日本では1948年に国産コンビーフの市販を瓶詰めで初めて開始した商社・野崎産業の食品部門(現・川商フーズ)が1950年に国産初のコンビーフ缶詰を発売している。この商品の開発と製造は日東食品製造(現・日東ベスト)が担当している。
枕缶を使う理由として、製造する際に面積が大きい側から肉を詰め、缶内部の空気を抜く(脱気する)事で肉の酸化を防止できるとしている。一方、製造時に食品を入れた容器を密封前に加熱して内部の空気を抜く事は「加熱脱気」と呼ばれる。加熱脱気は密閉容器を使って食品を長期保存する発明の基本原理である。この方法は簡易なものになる場合が有るが、家庭で瓶詰めを手作りする際にも使われる。
日本で生産された缶詰の出荷量が輸出より国内向けが多くなるのは1955(昭和30)年以後とされる。国産コンビーフ缶詰が発売された頃の日本国内での缶詰の普及状況は、先に述べたアメリカと似た様なものであった。

枕缶の人気は圧倒的に高いとされ、バリエーションが存在する。標準的な丸型の缶詰は”ノザキのコンビーフ860g”、”ノザキのニューコンミート860g”や、自衛隊の副食用缶詰の一種として防衛省仕様書(DSP-Defense Specifications)番号N 5106で定義されるコーンドミート缶詰等、少数派となっている。

しかし枕缶には、巻き取り鍵を失くしたり、開ける途中で缶の帯が千切れる事がある、開缶方法が分からない人がいるなどという問題点が有り、プルトップ缶とも呼ばれるEO缶が発売されている。缶詰は容器のままの保存がしにくい、ゴミ分別に手間が掛かるなどの不便を解消した事などをアピールした可燃容器入りの商品も販売されている。

北米では缶詰ではない、ブリスケットなどのブロック肉を塩漬けした生のコンビーフが販売されている。アメリカやヨーロッパで一般的な生コンビーフの料理としてはルーベンサンドと呼ばれるサンドイッチが有名なほか、キャベツと煮こんだコンビーフ・アンド・キャベジは、アメリカにおけるアイルランド料理の定番となっている。
アルゼンチンやブラジルなどでは缶詰にしたものが主流で、牛肉をほぐさず茹でる方法で調理される。2011年現在ブラジルが世界の缶詰コンビーフの80%を供給している。

イギリスでは第一次世界大戦の頃から同陸軍や同海軍でこの缶詰が食料として用いられていた。イギリスではBully beefとも呼ばれる。アメリカで一般的な生のコンビーフはイギリスではSalt Beefと呼ばれる。

ウルグアイでは“フライ・ベントス”の名前で1873年よりイギリスなどへ輸出され始めた。

4月6日の「コンビーフの日」は1875年…

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