アヌシー国際アニメーション映画祭でも話題を呼び、映画音楽で評価されたストップモーションアニメ映画『リビング・ラージ!』から、ラストシーンで流れるバンドのライブパフォーマンスを収めた本編映像が解禁された。

本作は、ミニシアター系で興行収入2億円越えの大ヒットを記録した映画『ロボット・ドリームズ』のクロックワークスが配給したストップアニメーション映画。

チェコのアニメーション作家クリスティーナ・ドゥフコヴァが13年前に出会った1冊の小説から構想を重ね、12年の歳月を経て、ひとつの映画として形になった。

この度解禁された本編シーンは、ラストシーンで流れるバンドのライブパフォーマンスシーン。

主人公・ベンは友だちとバンドを組み、ラップを書き、キッチンに立つ時間を心から楽しんでいる。学校ではあまり目立たない彼は、自身の思いを他人に伝えることも苦手…。

だが解禁された映像では、友だちと一緒に組んだバンド活動を捉えたシーンとなり、ライブ会場を盛り上げている。

「僕はダイエット中の太っちょ。学校じゃはみだし者。いじめっこ子にはバカにされる」といった、ボーカルを務めるベンのバックグランドを表現した歌詞から始まるが、この後に心の変化と成長を感じるリフが紡がれていく。

「ずっと押し込めてた。でももう隠したくない変わりたいんだ。僕を見れば分かるはずこれが生まれ変わった姿」といったうまく言えなかった気持ちや整理のつかない想いを歌いながら、曲のサビで感情を一気に込めていく。

「リビング・ラージ! でっかい心で生きてやる。フルチャージ! 新しいスタートだ。人の目なんて気にしない」という歌詞で、子どもから大人へと成長している心の機微を感じることができる。バンド仲間との美しい旋律も見事に重なり、身体を揺らしたくなるポップアンセムが奏でられる。

本作のキャッチコピーとして謡われる、“うたって、笑って、悩んで、自分を好きになる!自分らしさを鳴らすポップアンセム”を体現した、魂を揺さぶるライブパフォーマンス。自分自身で「自分の価値に気づいたとき、はじめて他者からの受容も得られる」という前向きなテーマを、最大限に表現している。

そして本作の監督クリスティーナ・ドゥフコヴァから、日本の観客に向けたコメントも到着。

「原作には音楽の要素はありませんでしたが、思春期の子どもにとって音楽がいかに大切か、母親として日々実感していました。“ベンの音楽への愛を、もっと映画全体に反映させよう”という提案に共感し、この方向性を選びました」と音楽を重視した意図を明かす。

「音楽は作品全体の魅力を大きく引き上げてくれたと感じています。大人には、自分自身の思春期をそっとふり返るような時間を。子どもたちには、いま感じていることを別の角度から見つめ直す機会を届けたいと思っています。ベンの視点を通じて、“自分だけじゃないんだ”と思ってもらえたら、それ以上に嬉しいことはありません」と語り、本作の見どころを紐解いた。

『リビング・ラージ!』は10月3日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。

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