【異世界漫画】勇者パーティーを追放された白魔導師、Sランク冒険者に拾われる ~この白魔導師が規格外すぎる。 1~48,2【マンガ動画】

どうした?何を戸惑って嫌がるよ。どうせ あと数年で破れる封印だ。てめも魔術師 なら見れば分かるだろう。どうせ全員 ぶっ殺すところを今壊してくれれば命だけ は助けてやろうって言うんだ。悪い話じゃ ねえはずだが。グリモールは俺を見て ニヤニヤ笑っている。まさか俺が首を盾に 振ると思っているのだろうか。俺の答えは もちろん決まっている。断るな。驚く グリモワールに言葉を続ける。国を 滅ぼそうとするような悪いやをの話にする わけがないだろう。封印は俺がし直して おくよ。もう1000年くらいは壊れない ようにね。ま、まままま待ってくれ。俺が 本に触れようとするのをグリモワールは 慌てて止める。悪かったよ。久しぶりに人 と話したからおかしなテンションになっ ちまったんだ。すまねえ、謝る。この鳥だ 。よく考えたら俺様を封じたのは何百年も 前の人間だもんな。この国の人間たちに 恨みはねえ。もちろん殺すわけがねえ。 心妙な顔で言うグリモワールを俺はと 見つめる。本当に?ああ、だからよ。封印 は解いてくれればお前さんの願いは何でも 叶えてやるぜ。そうだ。ロイド、お前さん を大金持ちにしてやるよ。俺は黄金を 生み出せるんだ。そう言ってグリモワール が手を開くとそこから金の粒が溢れ出す。 ええ、生成系統の魔術か。どうだい? ロイドが欲しいだけいくらでもくれてやる ぜ。俺は金の粒を積み上げるとふむと頷き 指で潰した。翌日、大量の剣と共に アルベルトが俺の部屋を訪れた。100本 以上はあるだろうか。煮を引く従車も とても重そうにしている。アルベルトは いつも通り爽やかな笑を向けてきた。や、 おはよう。約束通りこの絵の剣を集めてき たよ。これはすごいですね。昨日のことを みんなに話したら、今朝こんなにたくさん の件を持ってきてね、1人で30本持って きたものもいたくらいだよ。よほど不魔術 をかけて欲しいらしいね。多分違うな。 アルベルトが俺のことを話したからその 点数稼ぎとして剣を持ってきたのだろう。 主人が剣を集めよと言えばそれに使える 騎士たちなら剣の10本や20本集めて くるよな。そこまで考えてなかったが 嬉しい誤参だ。ロイドが不魔術を使うよう 見てみたかったがこれから経済の授業でね 。とても残念だがこれで失礼するよ。 ありがとうございます。アルベルト兄さん 。アルベルトは俺にウインクを1つして扉 を閉めた。良かったですね、ロイド様。 これだけありゃアイクラでも不魔術を試せ ますぜ。そうだな。冬魔術は武器にかなり の負担をかけるし、失敗の可能性も高い。 数はあるに越したことはない。不術に使用 するまずい液だが、あまり強力な術式を 編み込むと武器を汚染する。それは金属の つがりを蝕み、その結果簡単にへし折れて しまうかと言って術式を弱めれば貴重な液 を使った効果が薄い。濃すぎてもダめ、薄 すぎてもダめ。その見極めがとても難しい のだ。しかも同じ武器でも金属疲労などに より同じ術式でも負荷になる可能性もある 。その辺りは身体で覚える必要があるため 不魔術は大量の練習が不可欠なのだ。さて 始めるか。安そうな武器から扱っていこう 。とはいえどれも良いものばかりだな。 編み物の鉄を焼いて強くした鋼の武器が主 だが、中にはかなり高華そうな件もある。 魔剣か?これアルベルトに差し出す武器だ し、安物というわけにもいかないか。まあ いいや。遠慮なく使わせてもらおう。まず 手に取ったのは1番数のある鋼の剣。この 辺りから試してみるか。鋼の剣用にまずい 液を小分けにして術式を編み込んでいく。 とりあえず強度増加を30プラス男性増加 くらいでやってみるか。あの鉄の探検と 同じくらいの容量はあるだろう。術式を 編み込んだまずい液を1本目の鋼の剣に 塗りかけて乾かす。もちろんいいわよ。 ロイドならきっとできると思うから。本当 ですか?ええ、そうね。まず大切なのは たっぷり貯めた後アリーゼはにっこりと 笑った。あいよ。一瞬の沈黙。アリーゼは 言葉を続ける。私思うの。愛こそが言葉の 通じない私たちをつぐ絆なんだって。 どんな魔獣だってこちらから愛を与えて あげれば絶対に分かり合えるわ。目を輝か せながらようと語るアリーゼを見てエリス は疲れた顔で息を吐く。わあ、アリーゼ様 は生まれつき勝手に動物が寄ってくる 余精査のような方です。そんな特殊事例 など参考になるはずがないでしょう。妖精 さ、ちょっとエリス、それはひどいわ。 本当のことです。2人は言い争いを始めた 。争いというか、じレ合いというか、この 2人は姉妹のようである。難しいこと なんて必要ないわ。ふわっとしてパーっと すればいいのよ。ねえ、リル、私の思い、 私の言葉よく伝わるでしょう。ほら、ウン リルはそうだとばかりに頷くとアリーゼに 頭をすりつける。アリーゼが手を広げ楽し そうにくるくる回るとその周囲に鳥や ウさぎなどの小動物が集まってきた。 まるで花でも浮かんでいるような空気 メルヘンでファンタジーな絵本みたいで ある。エリスはそれを見てドん引きしてい た。確かに余さだ。ゼックしていたグリモ がようやく口を開く。ロイド様ありゃダめ ですぜ。よく言えば天才派。悪く言えばお 花畑でさ。まともに話のできるタイプじゃ ねえですよ。ひどいこと言うな、お前。 まあ、概同意見だけど、各かにアリーゼは 理屈な話ができるタイプではない。ただ それでもやり用はあるのだ。なるほど。 大体分かりました。アリーゼさんな。今 ロイド様が使われたのは魔獣使いの技。 アリーゼの力は天生の際によるもの。自覚 がないがゆえにアンコントローラブルです が、ロイド様は確実に自覚して使われてい た。しかも他の魔獣使いはアリーゼ様の前 ではまともにコントロールできなくなって いたのに、あれほど見事にこのまま アリーゼを超える魔獣使いの技を習得して いただければ集まってくる動物たちを 追い払っていただけるかもしれません。 ここが動物だけなせいで他のメイドたちは 怖がって近寄りもしないし餌やり汗も大変 。おかげで私の休みはなくショッピングや カフェに行く暇もなし。ええ、そうですと も。ここは是非ともロイド様に頑張って いただかねば。何か強烈な念を感じ 振り向くとエリスが期待を込めたような目 で俺をじっと見つめている。ロイド様また いらしてください。アリーゼ様はもっと 色々なことを教えられるようですよ。まあ 、ナイスだわ、エリス。え、そうよろ。私 はもっとたくさんのことを教えてあげられ ますから。だから是非また来てね。各かに 魔獣使いの技がこれだけなはずがないよな 。また何か疑問が生まれたら聞きに来ると しよう。あまりまともな返事は期待でき ないけどな。よしろ。いい子だぞ。オン宣 投げたボールを取ってきた白の頭を撫でて やる。魔力の性質変化を利用したイメージ の共有はかなり便利でこれを使えば大抵の 行動はさせられるようになっていた。 ちなみにさっきもただ普通に投げたわけで はなくめちゃくちゃ高く投げた。風景 トマ術を使って白の上壁くらいの高さにだ 。それを壁と壁の間を登らせて鳥に行かせ たのである。 魔獣ならではの動きだ。やるな白。ただ 動き回る白を常時魔力で繋いでおくのは それなりに負担なため魔力刻印を用いて 命令したい時だけ魔力を飛ばして白と 繋がることで解決した。とりあえずこれで 日常生活に慣れさせていくか。ヤーロイド 。そんなことを考えていると芝フの向こう からアルベルトが歩いてくる。愛に王子 アルベルト俺のこの上の兄で金髪聴の イケメンだ。魔術に関してはかなりの腕前 で俺をよく魔術の訓練に連れて行って くれる。ちなみに大い継承候補と噂されて いるようだ。方向を上げながら突っ込んで くるベアウルフ。この絵たちは剣を 構え迎え打つかだめ。ベアウルフは斬撃を もともせずこの絵たちを吹き飛ばした。 その勢いのままこちらへと向かってくる。 お2人ともお下がりください。シルファが スカートを昼が返し、俺たちの前に立つ。 しらりと見えたスカートの裏側からは無数 の投げナイフが見えた。それを目にも 止まらぬ速さで抜き放ちベアウルフに到的 する。1本は額、2本は固め、もう1本は 大きく開けた口の中へと命中した。 [音楽] 円 苦しみ暴れるベアウルフにアルベルトが 巨大な炎の塊を放つ ズんと炎がベアウルフに命中し大毛を 焼き尽くしていく。しばらく暴れ回ってい たが、魔術の炎は消えず、そのうち力つき てしまった。だがあ、ベアウルフは 埋めき声をあげ倒れふした。動かなくなっ たベアウルフを見てこの絵たちが完成を あげる。うお、さすがはアルベルト様だ。 素晴らしい魔術でございました。あっと いう間にアルベルトはこの絵たちに 取り囲まれてしまう。あげでもしそうな 勢いだ。け、あれはロイド様の魔剣の おかげですぜ。奴自身の力じゃねえ。 ドイツもこいつも見る目がねえっすな。 グリモがそれを見て毒づいている。なんだ か苛立っている様子だ。何を起こってるん だ?そりゃ怒りやすぜ。評価されるべきは ロイド用なのになんであいつが言いかけて グリモは口をつむな。何を言ってんだ、俺 様は。こいつがみんなに評価されたら後で 利用しにくくなるじゃねえか。むしろ 高都合のはずなのに。クそわけが分から ねえだが。なんだこの苛立ちは。そして またいつものようにブツブツ言い始めた。 相変わらずよくわからんやだ。ロイド、 この絵たちの中からアルベルトが声を 張り上げた。お前が付与してくれた魔剣の おかげだぞ。 そう言ってブンブンと手を振ってくる。俺 は愛そ笑いをしながら同じようにして返し た。とりあえず付与した魔剣はうまく作用 しているようだな。うん。うん。おお、 ここがダンジョンか。目の前にぽっかりと 開いた穴を見て俺の口元が思わず緩む。 様々な種類の魔物、さらに魔道具などのお 宝、ダンジョン自体なぜ生まれるのかよく 分かっておらず、内部は危険なのでろな 調査がされてないのだ。だから1度入って みたかったんだよな。ワクワクしていると タオが追いついてきた。わあわロベルト お前めっちゃ足早いあるな。息きらし ながら呼吸を整える。あ、すまん。忘れて た。ふう。あっという間に呼吸を整える タオ。魔法も使わず俺の失踪についてくる なんて。これが木の力か。もちろんタオの 持つ木も興味がある。いや、しょっぱな からこんなにいろんなものが見れて外に出 て本当に良かったな。ってこれダンジョン あるか?うん。さっきゴブリンたちがここ へ逃げていくのがちらっと見えたんだ。俺 は中に入るけどタオはどうする?俺の問い にタオは考え込んでいる。ダンジョン正直 危険あるでも危険度が高い分ロベルトの 好感度を上げやすいはずね。見たところ ロベルトはかなりの2部人。100回は 助けないと私を好きにさせるには難しそう ね。しばらくブツブツ行った後タオは頷い た。分かったよ。ロベルトが行くなら私も 行くね。よし、決まりだ。というわけで、 俺たちはダンジョンへと足を踏み入れる。 中は岩石に囲まれた洞窟。明りはないが 全く見えないというわけでもない。光る石 が各所に埋まっており、それが光原になっ ているようだ。これは確か三石だったか。 術式もなしでこれだけの光を放つとは 素晴らしいな。魔術の実験に利用できそう だし、いくつか持って帰ろう。その様子を タオは呆きれた様子で見ている。そんな もの持って帰ってどうするよ。三師は ダンジョンから外に出すとただの石頃に なるね。いいんだよ。理屈を知りたいだけ だから。ふん。変わってるな。魔術師とし て大切なものはまずは家柄。次に才能。 そして最後に努力である。魔術師の素 ウィリアムボルド。学園の入学式学長の 挨拶で1番最初に言われた言葉だ。魔術師 というのはまず家柄と血筋が大事でそれ から才能努力なんてものはほとんど意味が ないと続けられた。家柄は言わずもがな、 古くから続く勇正しい家には非少な魔術書 と唸るほどの材力が受け継がれ、代々 積み重ねられた決脈は魔術師として有利に なるようより濃く深く洗練されていく。 才能も当然大事だ。魔術を扱うセンス、 独力、再現力、理解力、身体能力、才能に 優れたものはしばしば家柄の確保も量する 。そして最後に努力だが、これは努力が 無駄というわけではない。努力はただの 前提。魔術師を心す以上心身ともに 鍛え上げ、日々の修行は欠かさず魔術書を 読み込むなんてことはみんながやっている 。だから日々懸命に励みなさい。挨拶は そうめくられた。まあしかしそんなことは どうでも良かった。俺は庶民の生まれで 大した才能もないと言われていたが、魔術 がただ好きだった。何もないところから炎 や氷、雷が生まれる神秘。 術式によって様々な顔を見せる奇跡。それ が自分の手で行われるという私服。あっと いう間に魔術の取った俺にとってこの魔術 学園での生活は最高だった。だがそんな日 は終わりを迎えることとなる。ことの発端 はとある公爵家借難の魔術書が盗難された 事件。誇りある貴族が盗みなどするはずが ない。そう言って彼が疑いの目を向けたの は魔術学園唯一庶民の生まれである俺だっ た。さて、お宝をもらって帰るとするか。 ボスのいた部屋のさらに奥に小部屋がある 。そこには豪華な宝箱が置かれていた。 あれね、宝箱。ロベルトが開けるといいよ 。いいのか。このダンジョンはほとんど タオが1人で攻略したようなもんだろう。 でもロベルトがいなかったら私死んでたよ 。だからロベルトに開ける資格あるね。 分かった。そういうことなら俺は宝箱の前 に進みおむに開けた。中には探検が1本 入っていた。お探検か。どれどれちょっと 見せるね。俺の後ろでそれを見ていたタオ が探検をじっと見つめる。そしてペチンと おでこを叩いた。あ、じゃあ残念。はれ あるな。そうなのか。何かの魔力が込め られている感じがするが。うん。言う通り 。これは魔術の付与された探検だけど 大したものじゃないよ。まず元となって いるこの探検が何の変哲もない鉄ナイフだ し何の装飾もさえてない。そんな探検には 強い魔術が付与できないよ。多分付与の 練習台あるな。何者かが練習用に魔術付与 した探検ね。見た感じ少し箱ぼれもして いるし、使い込んだ後もある。まるで誰か が所持していたようなものだ。それが ダンジョンのお宝になっているのは変だな 。そんなことを考えていると宝箱が地面に ゆっくり埋まっていく。 まさか俺は突っさに風景魔術風説で風の歯を生み出すと宝箱の一部を切断した。取った宝箱の一部からはとても強い魔力を感じる。そうか。これがダンジョンのとも言える存在。いつは普段は中に生息し、誰かの落とした魔道具などを取り込んでジョンとして成長するのだ。 そして攻略されそうになったら宝箱の振り をして中身を差し出しその隙に逃げると なるほど面白い よくできている負けたもの使いとはその名 の通り魔獣と契約使い間として操る者たち の総称でその期限は使い間を愛する魔術師 たちがより刺益する能力に特化させていく 過程で生まれたらしい。彼らは使い間を 操るのにも術式は使わずに魔力を利用して 念じるだけで支配するらしく、俺はそれを 試しているのだが。白と呼んでみたが、白 は俺の次の命令をキラキラした目で待つ のみだ。恋と念じてみたのだが、どうやら 伝わらないようだ。白はとても頭が良く俺 の言葉をほとんど理解しているので声に 出せば大抵のことは伝わる。ただし、お手 、伏、ま、お変わり、ちんちん、取って こいなどの簡単な命令はともかく、例えば 3週回ってワンとけのような複雑なもので は話が変わってくる。どれくらいの速さで どこを回ってどう泣くのか。そこまでの 意味を込めるのはその一言では無理だ。 念じるだけで言うことを聞かせられるなら その辺りもなんとかなりそうなんだがな。 ロイド様、術式を使って命令はできないん ですかい?術式は世界に効率よく干渉す べく特殊な魔術言語で書かれたものだから な。それを理解できない城には通じないよ 。ていうか、術式を理解してモテれる魔術 師はかなり少ないしな。俺でも現状は単語 を組み換えるのが限界だ。そういう観点 から見ても日々の読書で理解力を鍛えるの は大事なのである。結局は言葉を魔力に 乗せて伝えるのが1番早いのだ。お座り恩 というわけで俺は魔力と言葉を同時に出し 反復訓練にて地道に覚えさせていた。うん 。だがこれは時間がかかる上に柔軟性が ないしな。細かいニュアンスは伝わらない し、何かもっといい方法はないだろうか。 考えていた俺は太ある人物を思い出す。 そうだ。アリーゼさんならサルーム王国第 6王女アリーゼディサルーム。俺の3つ上 の姉で俺と同じように大い継承権もなく 好きなことをして暮らしている。その対象 はもっぱら動物。犬猫はもちろん中類に 鳥類。果ては魔獣まで飼育している奇粋の 動物好きである。俺が白を買っても何も 言われなかったのはアリーゼという前例が あるからというのも大きいだろう。あまり 気は進まないけど会いに行ってみるか。お 、俺の言葉に白は元気よく答えるのだった 。向かった先は城の離れにある大きな塔。 その周りにある広い庭にはリスやウサギ などの小動物が俺たちを興味深ぶかげに見 ており、木々の上では色取り取りの鳥たち が咲えずっていた。 わあ、こいつら全部ロイド様の姉が買っ てるんですかい?こんな風に話しにされて て逃げないもんすかね。うん。アリーゼ姉 さんは昔から動物に好かれやすくてね。今 思えば魔力によるものなのかもと考えたん だ。わあわあさ。さすがに疲れてきたな。 もう何十回気候団を打っただろうか。魔術 ならともかく木に関しては初心者だ。呼吸 にも気を使うし、精神的疲労が溜まってい た。でも大分慣れてきたぞ。最初の時と 比べると明らかに気を寝る速度が上がって いる。速度だけではない。飛距離も威力も やればやるほど上達を感じられてすごく 楽しい。魔獣たちとの戦いもいい感じで き行してるし。この戦いもっと長引かない かな。そんなことを考えていると隣にいた アルベルトが息を荒らげているのに気づく 。魔獣どもの数が一向に減らない。この絵 たちもシルファも顔には出さないが動きが かなり鈍くなっている。それにロイドも かなり息が上がっているな。あの年齢で あれだけの魔術を使っているのだ。無理も ないかなんて人のことを気にしている余裕 はないな。僕の方もそろそろきつくなって きた。だが兄として情けない姿を見せる わけにはいかない。笑え笑うんだ アルベルト。こういう時こそ不に何か ブツブツ言いながらアルベルトは口元に笑 を浮かべている。おさすがアルベルト。 まだまだ余裕ありそうだな。ロイドまだ 頑張れるか?はい。まだまだいくらでも 行けますよ。いい子だ。さて、ここからが 踏ん張りどころだぞ。魔剣を振い演球を 放つアルベルト。本来ならモートックに 魔力キれを起こしていてもおかしくはない はずなのにあんな顔をしているということ は魔剣により威力が上がっているのが 嬉しいんだろう。やはり攻撃魔術は威力と いう分かりやすい指標があるからやる気が 維持しやすいもんだ。うんうん。俺も負け てられない。何か特別な要素。例えば スケットでも来なければき行状態は続く だろうし、その間はずっと木の練習をして ほったと考えていると規制と共に小柄な 一影タオが飛び込んでくる。飛び蹴り一戦 。それを食らったベアウルフは湖にまで 吹っ飛んでいった。くるりと空中で回転し 着地したタオはビシッとポーズを決めた。 美味しいよ、シルファ。ああ、さっき取っ たばかりの獣の肉なのにちな臭さを ほとんど感じない。見事な腕だ。 アルベルトも下つみを打っている。お口に 合って良かったです。肉の中でも特に血の 匂いが薄い部を使いましたので、それに 役みもたくさん生えていましたので身消し にとええ、詳しいんだね。やっぱり シルファはすごいな。との並みですので うやうやしく頭を下げるシルファ 思う存分食事を楽しむのだった。ふう。 満腹みるく。食後のお茶が終わり俺たちは ゆっくりしていた。すでに日は落ちかけて いるので魔ガりは明日の朝からの予定で ある。デザートの甘い果実を食べていると アルベルトが難しい顔をしているのに 気づく。どうしたんですか?アルベルト 兄さん。いや、妙だと思ってね。夜けに たくさんの獣が取れすぎている。うさぎも 鹿もイノシシも活動時期が微妙にずれて いるんだ。にも関わらずこんなにあっさり 取れるのはやはり何かおかしい。 アルベルトは顎に手を当て考え込んでいる 。あまり物の生体は分からないが言われて みればこの森には入った時から何か違和感 を感じていた。何かあるのだろうか。 うおおん。突如獣の方向が響く。音の方を 向くと森の中から巨大な狼が出てくるのが 見えた。ま、魔獣だ。ゆっくり休んでいた この絵たちは慌てながらも武器を手に 立ち上がり魔獣を取り囲む。針金のような 分厚く黒い毛にシンクの瞳。大きな口から は鋭い牙が覗いている。そして狼というに はあまりにも巨大な身体。あれは確か ベアウルフ。魔力により化した身体はクと 見うほどだ。やるぞ。ロイドも来い。はい 。言われるまでもなく俺は立ち上がり アルベルトに続く 。手間のかかり具合も全く違うのでかなり 効果らしく俺も見るのは初めてだ。こんな もんをポンと不用に差し出せるとはこの国 は豊かなんですな。全くもってその通りで ある。俺がこうして気まに魔術で遊べるの も国が豊かなおかげだな。父チャールズに は感謝しかない。それじゃあ魔剣への不与 試してみるか。魔剣はすでに式が編み込ま れているため、それに付与を加えるのは かなり何度が高いとされている。相性の 悪い付与だと術式が総裁し事態が破壊され てしまうのだ。慎重に行かないとな。俺は 魔剣に手を触れ意識を集中。術式を 読み取っていく。ふむ。剣に編み込まれて いるのは魔術増幅の術式だな。魔剣には2 つのタイプがあり、1つはそれ自体に魔術 が込められたもの。もう1つは魔術を増幅 するもので、これは校舎だ。アルベルトも 魔術師だし、間違いある前。増幅なら術式 を書き換えて売化にしてみるか。見た ところ増幅倍率は2割増しといったところ か。これを2倍増しにすれば格段に効果は 向上する。ただ一部とはいえ術式を 書き換えるのもまた結構なリスクを伴うん だよな。下手したらこなご々なになって しまう。だったら付与するのは補強の術式 だな。つまり強度を上げるものである。 これを塗付すれば多分耐えられるだろう。 多分。まあアずるよりうむが優しいという しやってみるか。まずは術式の書き換え。 2割増しの術式を2倍増しへと書き換えて いく。 書き換えが終わると剣から白い煙が登り 始める。ロイド様やべえですよ。何度か剣 を破壊したから分かる。これは壊れる兆候 だ。早く補強の付与を終わらせる。俺は 呼吸を落ち着かせながらまずい液を塗布し ていく。すると煙が収まる。術式が馴染ん だのか安定してきたようだ。ふう。 危なかったな。 危うく高価な魔剣がへしれるところだった 。ちょっぴり日々が入ってるがギリギリ 政府だとあれ多少の犠牲は出したものの 無事付与は終わったのである。部屋に帰っ た俺はベッドに寝転んでいた。頭の中は 全国試した20章魔術でいっぱいだ。 なるほど。なるほど。2つの異なる影で 魔術を発動させた場合、単純に1+1が2 になるわけではなく、全く別物となるのか 。円列火球も滝列水求もあのような先行 爆発を引き起こす要素はない。おそらく 呪文が重なり合うことで新たな現象を 生み出したのだろう。そんな話を城の書物 で読んだことがある。それは1人ではなく 2人で使う二重だったが、それにしても他 の魔術ではどんな反応が起こるのだろうか 。色踊りじめしてみたいよな。なあ、グリ も空間Y曲魔術とかで別次元に部屋とか 作れないかなのできるわけねえっすよ。つ かなんすかそれ聞いたこともねえですよ。 さすがに難しいか。空間系統の魔術はこれ にとっても難易度が高く1つ2つしか使え ない。魔術の実験ができるほどの巨大な 空間を制御するのはさすがに無理だ。うん 。実験場所が欲しいところだな。射撃場を 使うわけにもいかないしかと言って屋上も 今回の件で警備が厳重化したからな。城の 外でやればいいんじゃないっすかね。上外 か。確かに城の外には広大な大地が広がっ ている。試しには持ってこいだろう。 しかし城の外に勝手に出たことを知られる とかなり怒られそうだ。第7とはいえ一応 王子である。自由にしていいとは言われて いるがそこまでの勝手な行動は許されてい ない。え、こっそり抜け出せばいいんすよ 。どうせわかりゃしませんって。抜け出す だけならともかくそんな長時間の間バレず に住むのは無理だな。特に問題なのは ご衛権世話役であるシルファだ。毎日現術 ごっこに誘ってくるのだが、どこで隠れて 本を読んでいてもあっさり見つかって しまうのである。いや、待てよ。よく考え たら今はグリモがいるし、あれを使えば短 時間ならごまかせるかもしれないな。少し 試したいことがある。付き合ってくれるか い?グリももちろんでさ、試したいことと いうのは魔術による身代わりだ。俺は手を 広げると鏡を前にして自分の姿を見ながら 目の前に魔力を集めていく。中心に小さな 種が生まれ、それが目を出しぐんぐんと 空中に根を伸ばしていく。根は次第に人を 形づり始めた。期源で花歌を歌いながら俺 たちの戦闘を行くを行先が同じだからと 同行を申し出アルベルトもそれを許可した のだ。もちろんただついてくるわけでは なく魔物が出てきたら戦闘もこなしている 。戦闘力はこの絵たちより2段は上といっ たところかというか以前あった時より技が さえている気がする。あれから修行でも 積んだのだろうか。1人で魔物を半分 くらいは倒している。その強さと性格から 最初は警戒していたこの絵たちもタオに心 を許し始めていた。全くアルベルト様も あんな怪しげな少女に同行を許すなんて どうかしています。ねえ、ロイド様。あ、 そうだね。ただシルファはタオのことが気 に入らないのか。不機嫌そうだ。俺もタオ とは目を合わさないようにしているのだが 。ちラチラこちらを見てくる。まさか俺の こと気づいてないよな。じ、いつの間にか タオが俺の近くにまで来てじっと見つめて いた。うお、びっくりするじゃないか。 ねえ、君、私たちどこかで会ったことない か?さ、さあ、わからないな。いきなりの 質問についが泳いでしまう。ムー、なんだ か怪しいね。でも会ってるはずがないのは 私にも分かるなのに何なのこの感じやばい な。この視線怪しまえている気がする。 その原因は間違いなく木の呼吸だ。つい さっきまで修行のために木の呼吸をしてい たからな。呼吸の仕方がロベルトと似て いるから怪しんでいるのだろう。しくじっ たとはいえいきなりやめたら不自然だし、 ここは知らぬゾで押し通すしかない。あの 時姿を変えていたのは不幸中の幸いだった な。ロイド様森の方を見てくだせ。あの娘 が探しているという祠らあれがそうじゃ ないんですかい。グリモの声に従い森の方 へ視線を向けるとヒ々の隙間からぼけた石 の建物が見えた。アイスだりも追い払う チャンスである。タおあれが君の向かおう としている祠じゃないのかい?おお、 まさしくあの祠よ。ありがとね。兵士の皆 さんにもお世話になったね。それでは私は これで失礼するよ。タオは慌たしく頭を 下げるとすごい速さで走っていった。ふう 。よかった。なんとかバレる前に追い払え たか。ありがとなグリモ。へ、気にしない でくだせえ。ロイド様の使い間として当然 のことをしただけっすよ。それにこの程度 であんたの信頼を変えるなら安易もんだぜ 。くん。何か言ったか?いえ、何も。そ、 それよりあの祠らなんだか妙な感じがし ますぜ。そうなのか。クリモワールは勢い よく返事すると黒いになり俺の右手に入っ ていくな。なんだこりゃ。体内の魔力密度 が半端じゃね。こんなギチギチに詰まって やがったら俺が入るがねえ。ミ牛では無理 だならせめて手首からグだめだ。指先1本 すら入れねえ。おお。 方向の後、手のひに 1 本の線が入り、グパッと口が開いた。グリモワールはぜと息を吐いている。はあ。はあ。テのヒアの皮川 1 枚が限界だった。何つ魔力密度だ。何かブツブツ言ってるが無事入れたようである。お、その手もしかして二重してた時のか。 え、え、そうでさ。 ロイド様が20重賞に興味を持っていたの は分かって癒したからね。もちろんこの 身体はロイド様のものですから自分の意思 で動かせます。本当か?それは面白そうだ 。20章か。使い方によっては色々なこと ができそうだ。うん。ワクワクしてきた。 後で早速試してみよう。身体を乗っるのは 無理だったが、こうして取り入っておけば 奴もそのうち油断するだろう。何焦ること はねえじわじわ行くぜ。くひ。ん、何か 言ったか?グリモール。い、いえ、何も。 そ、そうだ。ロイド様、自分のことは グリモでいいっすよ。そっか。これからも よろしくな。グリモ。え、イエイ。噴 ロイド様のために働かせていただきますぜ 。そうこうしているうちに部屋の片付けが 終わり、俺は諸庫から外へ出て部屋へ戻り 、そのまま眠りに着いた。翌日俺は城の 屋上へ来ていた。ロイド様、こんなところ に来て一体何をなさるんで。早速二重賞を 試してみようと思ってね。今は昼休みなの で見張の兵士たちも休憩に行っており誰も いない。当然結界は展開済み。時間は短い が今なら心起きなく魔術の実験ができるの だ。それじゃ力を貸してくれるか。グリモ 。まずは影合わせをしてみよう。演列火球 の影はできるかい?もちろんでさ。おお。 何なんすかそりゃ。輸系トマ術木型台だよ 。特定系統に存在する片は魔力で木や石 などを形づり様々なものを生み出す魔術。 特に受系統魔術による片しは樹目を育てて 形とするため弾力と硬さに富み繊細な造形 を可能とするのだ。あっという間に俺と 全く同じ姿の人形が完成した。こんな成功 な片は見たことありませんぜ。 全くこりゃ頭げたもんだ。ロイド様 そっくりじゃねえすか。そういう風に作っ たからね。似ているのは外見だけではない 。土系統も加えることで骨を石、肉を泥、 皮膚を受脂、全身に根をはわせ神経とし、 血流のように魔力を流し動力としているの で当然動かすこともできる。土と木で作っ ているためかなりが注ぎ込む魔力次第では 数日は活動可能である。確かに見た目だけ なら問題はないんだが、どうにも動かすの に手がかかってね、作り出した物体を人間 のように動かすのはかなり気を使う。 とてもじゃないが、身代わりを動かし ながら外出し、魔術の実験なんて不可能だ 。そりゃ自分の身体を2つ制御するような もんでしょう。人間技じゃねえですよ。 うん。だからこいつの制御をグリモに 頼もうと思うな。驚愕の表情を浮かべる グリモに言葉を続ける。グリモは実態と 精神体の間にいるような構造だろう。だっ たら身体の部分を俺の右手に残し精神体を この人形に宿らせるなんてこともできるん じゃないのか。そりゃまあ増作もねえこと ですが、会話の受けえから大丈夫だ。 グリモは状況に合わせて身体を動かして くれればいい。俺の問にグリモはなぜか そワそわしている。そのですがいいんです かい?ロイド様の思う通りに振る舞えると は限りませんぜ。俺が頼んでいるんだから 構わないだろう。早速その中に入ってみて くれ。え、じゃあ俺が忙すとブリモは いかしむように人形の身体に入っていく。 人形の目が開き、動作を確認するように 手足を動かすグリモ。うん。問題はなさ そうだ。グリモは立ち上がってグリぐリと 首を動かした後、俺に背を向け元をに焼け させた。ぐひ、信じられないぜ。もう こんな自由がもらえるとはよ。よほど信用 されてるのか。こいつが1人で外へ行っ てる間に周りの人間をうまく使えばグリモ 。えい。声をかけるとグリモは驚いたのか 君と肩を振わせた。なぜか恐る恐る 振り向くグリモにっこり微笑みかける。 頼んだよ。そう言うとグリモは放けた顔で 俺をじっと見つめてくる。どうかしたかい ?いえ、なんでもないでさ。パタパタと手 を振りながら俺から視線を外す。あの顔 何かんでやがるのかはそうか。俺様を試し てやがるんだ。自由に泳がせていると 見せかけ裏切りの気配を見せたら殺す つもりだな。く、気づいてよかったぜ。奴 の魔術は得体が知れねえからな。その くらいの術式は余裕で組んでいても おかしくはない。ならば今下手に動くのは 特策じゃねえよな。まずは奴の信頼を得る ことに集中すべきか。そしてまた何やら ブツブツ言い始めた。一体どうしたの だろうか。どうしたぐりも大丈夫か? いえいえ。なんでもないでさ。ともかく このグリもロイド様のために奮やらせて いただきますぜ。ええへ。ぎこちなく グリモを見て俺は首をかしげる。なんだか 独り言の多いやである。慣れない人間世界 での生活で精神的に疲れているのかもしれ ないな。うん。さすがにそろそろこの本も 読み飽きてきたかな。俺は開いていた魔術 書を読みながら呟いた。この本を読み直す のももう何十回目だろうか。魔術書は魔力 の込められた文字で書かれており、それを 理解することによって魔術の発言が可能と なる。それだけなら1度か2度読めば十分 だが、何度も読み込み理解を深めることで 魔術の習得度は飛躍的に上昇していくのだ 。ゆえに魔術師は魔術書を完全に理解 できるまで何度でも読む。だが俺はもう 図書館の魔術書は完全に理解したので現状 はずっと復讐をしているような状態だ。 もちろん復讐も大事である。せっかく覚え た魔術も使わなければ忘れるし、そうなる と習得度はガクンと落ちる。まあそんな 日々を送っているわけだがさすがにその 繰り返しは退屈だ。そろそろ新しい刺激が 欲しいところである。母はロイドは魔術書 ばかり読んでいるからな。 たまには別の本を読んだらどうだい?目の 前で本を読んでいたアルベルトが言った。 俺は首を振って答える。図書館にある魔術 書は全て読みましたから。え、ではテスト してもいいかい?アルベルトはいたずら っぽい微笑みを浮かべると俺に問いかけて きた。土水花風。これは魔術の基礎4系統 魔術と言われているわけだが、この図書館 にはれに関する魔術書は何冊ある?メイン として取り扱っているのは145冊ですね 。サブテーマとして取り扱っているのも 含めると232冊。あ、でもゴーレムとか に関する本はどっちに含めればいいのか 迷うな。俺の中では制御系統なんですが、 ボディの整形には基礎4系等魔術が大きく 関わってくるわけですし、どう思います? アルベルト兄さん。俺が視線を上げると、 アルベルトは目を丸くしていた。まさか 本当に全部読んだというのかい?あ、いや と言ってもまだあまりよく理解してないと いうか。あわ、やはり魔術は奥が深いです ね。あ、危なかった。図書館の本を全部 読んでいるくらい普通だと思ったけど、 この驚きからするとそうでもないようだ。 アルベルトの居ぶかしむような視線が痛い 。町を出た俺たちはまっすぐに森へと 向かう。魔獣の出た場所は森の奥にある 小さな村。その奥にある巨大な湖だ。昔 から村の水源として重宝していたのだが、 ある日突然魔獣が現れるようになった らしい。困った村人たちは冒険者ギルドに 討伐を依頼したが、報酬も安い上にまで 行って魔獣を退治するなんて依頼をやり たがるものもいるわけがない。そんなわけ で結局ギルドも国へ丸投げしたのだ。この 手の公共事業は国の仕事である。ちなみに 魔獣狩りは兵の実践訓練や貴族の娯楽など を兼ねている。アルベルト様シルファが声 を発する。その張り詰めた気配に アルベルトとこのAたちも異変を感じ取っ たのか馬を止め武器を抜いた。もちろん俺 はすでに気づいている。独特の嫌な気が 周囲から感じ取れる。これは魔物だ。 アルベルトと俺を守るようにエンジンが 組まれ、シルファがメイド服のスカート から1本の投げナイフを取り出した。 ナイフは草むに吸い込まれていき、ズンと 何か柔らかいものに突き刺さるような音が した。 あおお ついで問の声が聞こえる。どうやら物に命中したらしい。むが揺れ犬のような顔をした人型の魔物が出てくる。あれは確かボルトだっけ? 森に息し 群れで狩ルトは手先が用で武器を扱うのが得意な魔物。その量はゴブリンなどは比べ物にならない。 加えてその手に持っているのは鋼の剣で ある。それを見たこの絵たちの表情が 明らかに変わった。く、こいつらいい武器 を持ってやがるな。ああ、冒険者たちから 奪ったのだろう。これは手こりそうだ。 身体能力が同程度ならば武器の性能差が そのまま戦力の差になることは多い。ふむ 。こちらと向こうの人数も同程度だし、 付与した武器の試し切りにちょうどいいな 。わあ、すごいですな。時々一般人に解放 しているらしいよ。動物園として国内でも 珍しい同植物が見れるからと解放の日は 大勢の人が訪れる。ちなみにその時の案内 人はエリス。アリーゼがやりたがっていた が、それはさすがに止められていた。部屋 の中央にある白いテーブルにアリーゼと共 に座った。エリス、お茶を用意して ちょうだい。かしこまりました。エリスは 頭を下げるといつの間にか手にしていたT で茶を注ぐ。ハーブの良い香りが辺りに 広がり、アリーゼは心地よさげに目をつる 。早速ですがアリーゼさんの魔獣を見せて もらいたいんですけど。あらせっかちさん ね。ふ、分かったわ。 ロイドの頼みですもの。リルアリーゼが 呼ぶと建物の屋根からふわっとした毛玉が 起き上がる。さらりとした長い足、全長 ほどもある長い尻尾。ぴょコンと立った耳 が動き、主人であるアリーゼの方を向いた 。ビルと呼ばれた巨大な狼は力強く跳ねる とアリーゼの元へ降り立つ。金色のけ並と 金色の瞳の美しい魔獣。背の高さは3mは あるだろうか。すごい威圧感である。紹介 するわ。この子はリルよ。さ、ご挨拶 なさい。ウん。か高かい声でリルが泣くと 白が俺の後ろに隠れた。でっかいから怖い のだろうか。それでも白は興味深ぶかげに リルをじっと見上げている。こいつは レッサーフェンリルですな。レアウルフの 上位種の割とやばめな魔獣ですぜ。上位種 かだから白も興味深影なのかもな。フェン リルってのは警戒心が強いため滅多に確認 されないと聞いたことがある。戦闘力も 高く倍でドラゴンを買ったりもするらしい 。劣等シュレッサーとはいえそんな魔獣を 買い鳴らすなんてアリーゼは俺が思うより すごいのかもしれない。これは教えて もらえる内容にも期待できそうだ。お願い します。俺もアリーゼさんとリルのように 白と石疎通をしたいな。あまりレベルが 高いとは言えない生成魔術だね。切を 無理やり金にしたのかい。順度が低すぎる し、中身もスカスカだ。これじゃあ 駆け出しの商人も騙せないよ。そもそも 魔術での金の生成は禁じられている。 というか俺は王子だし金には困ってないん だよな。むぐただったら不労士だ。お前 さんを不労士にしてやるよ。悪いが自分の 身体に他人の術式を施されるのは好きじゃ ない。特に不老不なんて強い術式を人体に 編み込むなんてどんなリスクがあるか 分かったものじゃないよ。魔術というもの は万能ではない。低レベルの魔術なら魔力 の消費だけでなんとかなるが、あまりに高 レベルな魔術は術者や比術車にも負荷が かかる。不老不なんてのは相当うまく術式 を編み込んでもかなり重いリスクをしう はずだ。例えば重度の神経麻痺や肉体の 欠損とかとてもそんな術式を追いそれとは 受けられない。壺だったのかグリモワール は顔を歪めている。やはりもう1度封印さ せてもらうよ。君は危険そうだしね。ま、 待て、待ってくれ。頼むから。俺は全然 危険じゃねえ。良い魔人なんだ。封印され たのだってちょっといたずらしただけなん だよ。うん。でも嘘言ってるかもしれない しな。やはり封印。俺が本に触れようとし た時であるな。なら魔術はどうだ?魔人が ぽつりと呟いた。何百年も前の古代魔術だ 。お前さんも魔術師なら興味あるんじゃ ねえのか。そいつを教えてやる。どうだ? ロイドしばし考え込んで俺は頷く。面白い 。今更言うまでもなく俺は魔術が好きだ。 古代の魔術か。伝説によると大地を揺がし 、洪水を起こし、海を割るなんてのも聞い たことがある。実物はどれほどのもの だろうか、是非見てみたい。俺の言葉に グリモワールはパッと表情を明るくした。 イント車を使って白を抜け出た俺は同じく 風景魔術である秘書にて町から遠く離れた 荒野へとたどり着いた。見渡す限りの荒野 周りには町も人もいない。 うん。ここなら思う存分魔術の実験ができ そうだ。おっと、その前にグリモに連絡を 入れておくか。米かに指を当て、目を閉じ てね念じる。グリモ、聞こえるか?ええ、 ロイド様聞こえますぜ。今は図書館で本を 読んでいやす。何人かとすれ違いやしたが 、特に気にしたものはいなさそうっす。 そうか。シルファが来たらその時は教えて くれ。勝手でさ、とりあえずグリモの方は 問題はなさそうである。これならしばらく は実験に専念できそうだ。そういえば 思いっきり魔術を使うなんて初めてかも しれないな。生まれた時に火球で部屋を 破壊して以来危険すぎるので攻撃魔術の 使用は控えてたのである。魔術書で理論 だけ習得し、結界を張って加減して打って みるのが精一杯。思いきり魔術を打ったら どうなるか怖いような楽しみなような戦 踊り地強としながら俺は手のひから口を 生み出すと20重を開始する。呪文族にて 影するのは家計トマ術モ神少熱園牙と 時計馬術モ神魔術新内岩牙場影と共に魔力 が集まっていきは8切れそうになったそれ を解き放つ ズん閉じ響きがなり地面が大きく流気した それと共に炎が吹き上がるただの岩では なく真っ赤に焼けただれた溶岩の塊だ。父 、ちょっと話すか。座標を前方に向け させると、溶岩は倒れながら荒野を焼いて いく。そこに触れた岩山が銃と白い煙 を上げて解け、溶岩団が地面に落ちて火柱 をあげた。これは思ったよりやばい威力だ な。前方200m司法が原になっちまった 。上位魔術でも効果範囲は10m四方も ないくらいなのだが、これが20章の威力 か。 しかし1土の20章で溶岩かイメージ通り だな。この調子なら他の組み合わせも多分 ともかくもっといろんな組み合わせを試し てみよう。俺は20重症魔術を気が済むと まで試し打ちした。お、俺様の黒戦法を 受けて向きずだと。ああ、魔力衝壁くらい 晴れるから気にしなくていいよ。 じゃんじゃん見せてくれ。驚く グリモワールに言葉を返す。やはり攻撃 魔術は実際に受けてみないと分からない ことも多いからな。うんうん。 グリモワールもそれを理解しているから いきなり俺目がけて放ってきたのだろう。 少しびっくりしたがよく考えたら俺は常に 魔力消壁を複数待機発動させており、ある 程度以上の衝撃には自動で展開する要制御 してある。そこまで察していたのだろう。 さすがは魔人。よく分かっているな。 グッジョブだぞ、グリモワール。ぐふざけ やがって。こいつは俺が5年も修行して身 につけた魔術だぞ。だがグリモワールは なぜか拳を振わせをしている。一体どうし たのだろうか。なあ、グリモワール何をし てるんだい?早く次を頼むよ。俺が忙すと グリモワールは髪をぐしャぐしャと かきむった。そして肉踊りじしげに俺を 睨みつけてくる。俺何かした?ちあくそ。 いいぜ。そこまで言うなら見せてやる。俺 様の最強の魔術をなあ。グリモワールは声 を荒らげると広げた右手を俺の前にかざし てきた。見れば手のひには1本の線が入っ ておりグねぐねとうめいている。 そして線が開いた。中から出てきたのは 赤い下と鋭い派。つまり口である。20 A賞。そうつくとグリモワールは2つの口 で同時に違う魔術のA賞を始めた。おお、 魔人というのはあんなこともできるのか。 塗りつぶせ黒く貫きえぐれ我が歯くしながら少了を待っているとグリモワールの身体が暗くり始める。 くばりやがれ戦法 5 と吹きや荒れる魔力の本流に押され俺の身体がほんの少し後ろへ流された放たれた二重の黒い魔力並が螺線を描きお礼と迫るから歯は俺の自動展開した魔力消壁と激突し凄まじい衝撃を発したぐ貫抜きやがれ クリモアールは何かすごく利きんでいる。 それにより少しずつ出力が上がっている ように思える。もちろん俺の魔力消壁には 傷1つ入らないが気合いで威力が上が るってのは面白い。それにしても螺線なん とかだっけか。わざわざ螺線を描く要制御 しているのか。何か意味があるのかな? ただの魔力並にしか見えないがうん。魔力 消壁越しじゃ分かりにくい。直接触れて みよう。俺は魔力消壁から指を出し、 魔力並にそっと触れてみた。パチンと 爆ゼる音がして衝撃波が吹きやれる。無駄 ね。ボスを倒すまで開かないよ。そういえ ばダンジョンには不思議な部屋がいくつか あるらしい。ワープする部屋や魔物が異常 にいる部屋、回復できる部屋など。特に ボスの部屋は1度入ると倒すまで出られ ないとかフーム魔術以外での結界か。実に 興味深い。ぐる 唸り声と共に部屋の奥から巨大な4速が 進み出てくる。灰色の毛に青い瞳。鋭い牙 の魔物だ。グレイウルフね。危ないから ロイドは下がってるよ。う、タオが構える と同時にグレウルフが飛びかかる。鋭い爪 による引っかきを少しだけ下がってかわし 、飛行団を放った。命中グレウルフは 引き飛びながらも姿勢を立て直し着地する 。戦闘はタオが優勢だ。接近線しかでき ないグレウルフはタオの身のこなしと 飛行団になす術がないようである。 とりあえず任せても問題なさそうだな。俺 はこっちの結界を調べさせてもらおう。 ボスを倒したら消えるみたいだし。 ロベルトにかっこいいとこミセルある。 そしてつられ念の彼氏ゲットね。そのため にお前には踏み台になってもらうよ。ご は何か独り言を言いながら戦っているが グレウルフの吠え声でよく聞こえない。 なるほど。この結界の魔力供給源は ダンジョンなのか?ということは結界は ダンジョンの能力 入った途端に発動するということは自動 制御だよな。これはどのダンジョンにも あるものらしいがそこまでして侵入者を ボスから逃したくない理由は何だろうか。 そもそもなぜ侵入者を招き入れる?人を 倒して栄養にしているのかも。ってこっち 見てない。あるう。ああ、うるさい。集中 できないぞ。風景討術音声団よし。これで うるさくない。集中して考え事ができると いうものである。ん、隣にいるのは誰 だろう?アルベルトの横にバンダナをした 黒髪の男がいた。かなり鍛えているようで 細いがマッチョである。年はアルベルトと 同じくらいだろうか。鋭い目つきで俺を じっと見ている。白は随分お前の言うこと を聞くようになったみたいだね。はい。 アリーゼさんにご教授いただきました。 アリーゼによ。よくあの説明で理解できた ね。あは少し難易度は高かったですけれど 。苦傷する俺を見てアルベルトは口元に手 を当てる。ふむ。まさかアリーゼのまとを 魔力の動きを読み、魔獣を操る技を推り 習得した。いやいや、いくらロイドでも さすがにそんなことはできないだろう。 単に魔獣がロイドに慣れただけだろうな。 うん。ない。アルベルトは日汗を浮かべ ながら首を振っている。なんだか顔色が 悪い気がするけど大丈夫だろうか。追いる 兄物言ってんだよ。男がしびれを切らした ように声をあげると、アルベルトは 思い出したように咳払いを1つした。夫 すまない。紹介するよ、ロイド。彼は ディアン。お前の兄だ。え、兄さんですか ?おお、久々だな、ロイド。でも俺はお前 が小さい頃から隣国バートラムに行ってた からな。覚えてないか?でっかくなった じゃないか。今帰ったぜ。ディアンディサ ルーム。大使王子で俺が3歳くらいの頃 アルベルトと一緒に俺を見に来たんだっけ ?顔にちょっとだけおかげがある。目つき が悪いとか。リアンは俺と同じくらいの年 の頃から優れた火事技術を持つ隣国 バートラムに留学に行っていた。多分政治 的な理由だろう。空港の証とか王子の見 ながら国のために勉強に行くとは立派だと 思った記憶がある。そんなディアンをなぜ アルベルトは俺の元へ連れてきたのだろう か。アルニーなんで俺をロイドのところへ 連れてきたんだ。顔合わせならいつでも いいだろう。どうやら向こうも同じことを 思ったようだ。アルベルトはにやりと笑う 。実はナディアン、このロイドこそが霊の 不与術師なのだよ。 な、嘘だろ、アルニー。こんなちびがこの 魔剣に不与を施したってのか。リアンは 以前俺がアルベルトに付与した魔剣を 指びさして驚いている。そして俺の目の前 にしゃがみ込むと顎に手を当てなめ回す ように見つめてきた。ヌー信じられんが アルニーが嘘を言うとも思えん。よし、 ロイド、お前を試す。こっち来い。そう 言うとディアンは俺を脇に抱え走り出した 。え 、おいディアン待て。どこへ行くんだ? 悪りなある兄ちょっと借りるぜ。リアンは アルベルトに手を振るとそのまま駆け出し た。うん。遠くからではよくわからないな 。だが単独行動はできないし機会があれば 言ってみるか。アルベルト様湖が見えてき ました。先行していたこの絵が声をあげる 。目を凝らせば木々の隙間から面が太陽の 光に反射してキラキラ光るのが見えた。 よし、ここらで休憩するとしよう。 アルベルトの号霊で俺たちは湖付近に陣を 取りしばし身体を休めることにした。ふう 。馬ってちょっと疲れるんだよな。走っ たり飛んだりした方が圧倒的に早いし楽だ 。俺が石に座って身体を休めていると シルファがお湯の立つTカップを差し出し てきた。どうぞロイド様ありがとう。ふー と息を吹きかけて覚ましちびっと飲む。 若もし爽やかな香りが疲れた身体に 染み渡るようだ。ふう。シルファの入れる お茶は相変わらず美味しいね。褒めに 預かり光栄です。うやうやしく霊をして 下がるシルファ。この絵たちは半分は テントを設営し、もう半分は弓矢を手に 夕食用の獣を狩に赴いていた。隣言いか? もちろんです。指示を出し終えた アルベルトが俺の横に腰を下ろした。 シルファにも紅茶をくれ。は、ただいま 用意いたします。アルベルトはシルファに そう命じるとこっそりと俺に顔を近づける 。ロイド、なかなかやるじゃないか。えな 、何のことですか?とぼけるなよ。あの タオって子さ、お前のことが気になってい たようだったぞ。はあ。い、一体何を言い 出すんですか?アルベルトの言葉にお茶を 吹き出してしまう。は照れなくていいとも 。愛する弟が女性に行為を寄せられている のを見るのは僕は嬉しいよ。いやいや、 ありえないでしょう。俺はまだ子供ですよ 。いいや、あり得るさ。少なくとももただ の子供を見る目ではなかったな。もちろん 今すぐどうこうというつもりはないだろう が、将来的にはて感じの目だったぞ。 気づいてないかもしれないが、最近 シルファがロイドを見る目も少し変わって きているんだぜ。シルファやタオが俺に 行為を持っているだと?ありえなさすぎる だろう。いきなり何を言い出すんだ?全く 。俺の冷たい視線を意味にも返さず、 アルベルトはうんうんと頷いている。俺の 言葉にエリスとグリモが驚いている。 アリーゼは顔をパーっと明るくして俺の手 を取りブンブンと振った。 ええ、そうよ、ロイド。愛なのよ。愛か どうかはともかくとしてアリーゼから 漏れる魔力を見ていて分かったことがある 。アリーゼはリルに命令を与える時、自身 とリルの頭を魔力でつげているのだ。そう やって自分の思考を読み取らせているの だろう。無意識に魔力の性質変化をして いるのだろうが、なるほど盲点だった。 あの方法ならリアルタイムで自分の思考を イメージで伝えられる。命じるのでなく 共有するのだ。そしてイメージなら得意で ある。白俺は同じように魔力を伸ばして白 の頭につなげる。そして俺は白にそうして 欲しいよう念。白ははっと目を丸くすると 駆け出した。そして俺たちの周りを大きく 回り始める。1週、2週、そして3週 回りん と元気よく吠えた。俺の思った通りにで ある。よし、俺の目ろみ通りだ。う、嘘 でしょう。あのアリーゼの説明で理解した のですか?エリスが目を丸くしている。 うん。うん。すごいわ、ロイド。さすが私 の可愛い弟。あいね。いえ、絶対違うと 思いますよ。違いませんよ。う2人はまた いい争いを始めてた。仲がいいことである 。まあ、もうよは済んだし長いは無要だ。 行くとするか。それじゃあアリーゼさん ありがとうございました。え、もう行っ ちゃうの?せっかく出しお茶を飲んでいき なさいな。いえ、今は喉が乾いていないの で。あんロイド。俺は手を振り、アリーゼ に別れを告げる。涙アリーゼの横でエリス が何やらブツブツ言っている。各かに庶民 である俺の家は貴族たちに比べると貧しい 。入学金も自分で働いてようやく払い、 教材も基礎の魔術書1冊しか買えなかった 。だがそれ1冊でもやれることはかなり 多く毎日新たな発見があった。潜術でも 術式の組み合わせ、職媒の組み合わせだけ でも無数の減少が起こせるほど魔術っての は奥が深い。そのために実験やら材料の 調達やらやることが多すぎて人のことに気 を取られている暇など全くなかったので ある。そう。彼に言ったら月行しながら俺 に血闘を申し込んできた。俺は戦いは嫌い だ。だからすぐに断ろうとしてふと思い とまった。彼ら貴族の使う魔術とは一体 どのようなものだろうと。庶民の俺と貴族 である彼らとでは資本も才能も全く違う。 俺が見たこともないような魔術を見せて もらえるのではないかと考えた。考えたら どうしてもそれが見たくなってしまいつい を受けてしまったのだ。少し痛い思いを するかもしれないが、負けても命まで取ら れるわけではないだろう。そんな甘い考え で結論から言えば彼らの魔術は 素晴らしかった。あれが上位魔術という ものだろうか。巨大な炎が渦を巻き、氷嵐 が吹きすぶ。俺はその光景にただただ 見惚れた。見惚れて無防美にそれを受けん だ。お前は夢中になると周りが見えなく なるから気をつけろ。なんてよく注意され ていたが、まさかこんな結末を迎えること になるなんて。自分のまま抜けさが 情けない。だが最後に考えていたのは ま抜けな自分を呪うことでも血闘を仕掛け てきた貴族を恨むことでも自分を育て学園 に入れてくれた両親への感謝でもなかった 。それは俺を殺傷せしめた魔術への考察。 どういう術式だったのか。その理屈は そもそもあれほどの出力を1人で 生み出せるものなのかだとすると必要な 魔力量は術式はあるいは何か特殊な発動 条件があるとかもしくは職媒を使用したか はたまた他人数で魔術を使ったのかなど など 考えれば考えるほど止まり行くはずの心臓 が高なるのを感じていた。 本当に無念だ。世界にはまだ俺の知らない 魔術がたくさんあるだろうに、その全てを 知らぬまま死んでしまうなんて。願わくば 全ての魔術を知りたかった。理解し、習得 し、極めたかった。もっと魔術の新に溺れ たかった。そんなことを考えながら俺の 意識は遠いていった。は、俺様の螺旋クロ 戦法を生身で受けたな。 てめは終わりだ。爆勢飛び上がれ。 グリモールが何やら方向を上げているその 間魔力並は俺の指先でとまっている。町 から派を停止させ、その構造を見ているの だ。ふむふむ。螺線であることにも黒色で あることにも特に意味はないか。それでも 威力は上がっているのはいわゆる気の 持ち用というやつである。怒りなどの感情 の高しぶりや思い込みなどで魔術の性質が 変わるというのは応にしてあるとはいえ それは良いことばかりではなく時には反動 を生む。なので一時期からはあまり推奨さ れなくなったのだが古代魔術はそちら方面 で進化していたのかもしれない。それで ここまで威力が出せるというのも面白い と時間切れか。停止させていたことで受者 からの魔力供給が立たれ、魔力並みは消滅 してしまった。まあ観察は十分か。そこ まで複雑なものでもなかったし。消えた 魔力並の先でグリモールは氷の表情を 浮かべている。ば、バカな俺の最大威力の 魔術だぞ。あれを使えるようになるのに 何十年努力を重ねたと思ってやがる。それ をあっさりと驚愕の表情を浮かべる グリモワール。なるほど。今の魔術には 確かに相当の思考錯誤と終練が感じられる 。け操作血のにむような努力の結果だ。 うん。さかし楽しかっただろう。魔術の 修行はとても楽しいものだ。魔人だって それは同じだよな。やっぱり人間も魔人も そこは同じなのだろう。うん。うん。たの ばバカか。てめえはなんだかびっくりして いるな。俺何か変なこと言ったかな?くそ 。ふざけやがって。今度こそグリモールは 再度宣の魔術を唱え始める。うん。同じ やつなら2度も見なくていいかな。 それにあまりレベルが高いとは言えないし 、古代魔術はあまり攻撃性の高いものじゃ ないのかもしれない。ああ、攻撃の方は もう大丈夫。分かったからさ。次は他のを 見せてくれよ。他の?うん。何でもいい けど。そうだね。防御魔術とか。ああ、俺 が攻撃すれば分かりやすいかな。そう言っ て俺は右手をかざし魔力を集めていく。 とりあえず普通の上位魔術から行って みよう。水形等魔術水融合と土系統魔術 土融合。お脳の液体と個体を融合させ、 新たな物質を作り出す魔術である。それを 20で発動させればあらゆる物体の調合が 可能。小瓶に入れた油と溶けた銀が 混ざり合っていく。黄色かった油は銀が かかりキラキラとした液体になった。 ロイド様こりゃ月銀役じゃねえですかい? うん。よく似ているな。月銀薬とは魔術師 ギルドで売っている薬品だ。魔法陣を描い たり、使い間を呼び出す媒介としたり用途 は様々。非常に効果だがそれ以上に数が 少なく普通の魔術師が購入するのはほぼ不 可能。どうやって作っているのかと思った が、なるほどこうして作っていたのか。 20A賞は理論上1さえば2人の魔術師で 行使。ただ水融合も土融合もかなり高 レベルの魔術だし、非戦頭系である合成系 等魔術の持ち主は少ないだろうからな。 それほどの使い手が2人も揃わなければ 作れない時点でそりゃ数も出回らない だろう。こんなところでレシピを発見する とは運がいいな。何かに使えるかもしれ ないし、ある程度はストックしておこう。 さて、あとはこいつに赤を加えれば完成だ な。月銀薬に赤をサラサラと入れていく。 銀がかかった油に落ちた粉が染み渡り、 赤い煙が水中を彩る。ぐるぐると かき混ぜるとほとんどまずい液と変わら ないものができた。おお。すげえですよ、 ロイド。見事です。見た目はな、実際に 使ってみないと効果のほどは不明だよ。か と言って俺の探検はもう不要済みだし、 武器として使う機会もほとんどないんだよ な。不要失敗の可能性もあるので、その辺 に飾ってある武器で試すわけにはいかない 。どこかに大量に武器が余ってないものか 使ってくれる人がいればなおよし。あ、 そうだ。考え込んでいるといい考えを 思いつく。そのためにはアルベルトの ところに行ってみるか。上中を探すと アルベルトは馬術の訓練中だった。俺を 見つけると馬を止め降りてきてくれた。 おはようございます。アルベルト兄さん。 やあ、おはよう。ロイドから会いに来て くれるなんて嬉しいよ。パワーもしかして 何かお願い事でもあるのかい?ぬーパズの 放った魔力派が雨荒られと振り注ぐがその 全てをかわしパズの足元にたどり着いた。 それまでに貯めていた力を解放し 切り上げる。ラングリス龍タ術交流3と 剣線が湖を新2つに割った。その勢いの まま点を貫き、雲もついでにパズの身体も 切り裂いていた。探検1本なので劣化 コピーだが威力は十分。ちゃんと性質変化 はできたようだな。グぐ。バカな。我が 肉体を切り裂くとは貴様も我と同じ技が 使えるというのか。いや、今初めて使った んだけどな。どうやらダメージを受けて 驚いているようだ。 そういえば魔人は魔術は効かないって言っ てたっけ?普通の魔術は術式で魔力を形 ある力に変化させているので、半分精神体 である魔人には効果が薄いのだろう。その 点、魔力の性質変化は単純に魔力の質を 上げて直接分殴るようなものである。だ から精神体である魔族にも効果があるん だろうな。いいですぜ、ロイド様。 ボコボコにやっちまってくだせ。 そうだな。もう少し試してみるか。今のは 出力が大きすぎた。もっと小さく鋭い方が 利力を効率的に与えられるはずだ。 イメージにより探検を大魔力は小さくより 鋭くなっていく。ラングリス流タ剣術 下り煙 高速でパズの背後へ飛消した俺は探検を 逆手に持って落下しながらの連撃を 叩き込む。無数の斬撃が切り裂いたパズの 左半神を消し飛ばした。うん。いい感じに 力が調節できているな。だがもっともっと 鋭くできるはずだ。己れ かとら顎残った方の反撃を避けながら2 連撃にてパズを3つに分断する。かずは 頭部のみを残し消滅してしまったが、その 代償として俺の手にしていた探検が こなご々なに砕け散る。おっと、魔力で 覆っているとはいえ、獲物に全く負担が かからないわけではないか。砕けた剣を見 てパズはにやりと笑う。笑いながら身体を 復言していく。くふ。なかなか驚きました が、そのような魔力量に何の変哲もない 探検が耐えられるはずがありません。 もちろんあなたの身体もね。パズの言葉で 俺は自身の自覚する。手足が震える。力が 入らない。力を使いすぎたのだろう。もう 動けないようだな。ど、どうしたんですか い?ロイド様。す、しまった。こテる グリモに俺はくぐった声で返す。まったな 筋肉痛になっちまった。ごく普通の庶民 だった俺は血闘で命を落とし、何の因果 王族として転生した。サルーム王国第7 王子ロイドディサルーム。それが俺の 新しい名だ。今では10歳この生活にも 随分慣れてきたと思う。ちなみに国の景色 や文化、雰囲気と照らし合わせてみると、 俺は死んだ直後にこの身体に転生したよう だ。俺が学園に通っていた頃、新しい王子 がもうすぐ誕生するらしいとか言ってたし な。少し申し訳ない気もするが、なって しまったものは仕方ない。兄たちはすでに 成人しており、年も離れていた俺は大い 継承争いともほとんど関係ない。おまけに 身体も小さく用姿も平凡、それに政治にも 全く興味を示さなかったので期待されて ないようだった。だが兄たちが王になる ために毎日毎日マナーや学問武術を みっちり学んでいるのを見るとそれで 良かったなと思う。おかげで俺は大好きな 魔術を思う存分勉強させてもらっている からだ。朝起きて図書館に引きこもり、 魔術書を読みふける日々。その増料は とんでもなく魔術書だけでも数百冊はある 。礎から始まり専門的なものに至るまで その全てに目を通した。前世で基礎を しっかりやっていたおかげか難しい魔術書 も理解はできた。もちろん魔術の再現も今 は色々と応用するための術式を編み上げて いる。ちなみにあの時俺を殺した魔術は 高価な媒体を使用したご師で、今見れば そう大した魔術でもなかっただったようだ 。ちょっと残念。なお魔術が好きなのは 隠してないが、実力というかあれだけの 威力が出せるのは隠している。あんな魔術 が使えると知られたら絶対面倒なことに なるだろうし、そうなったら魔術の研究 どころではないだろう。期待されて多いが どうこう言われても困るしな。 ちょっと変わった魔術好きの王子。これが 俺に対する周りの評価であるべきだ。 ロイド様どちらですか?ロイド様油ですか ?翌朝俺はシーツを干しに来たシルファに 声をかける。まずい液の原料である油。 まずはこれが大量に欲しい。うん。水瓶に 1杯欲しいんだ。魔術の実験で使いたくて 。それは構いませんが、ふむ。そうですね 。条件があります。シルファはそう言って にやりと笑う。私から堅術ごっこで1本 取ることができたら差し上げますよ。 やっぱりそう来るだろうと思ったよ。 シルファは俺がお願い事をする時は大体 そう言ってかわすのだ。いつもはそのまま 引き下がっていたが、今回はそういうわけ にはいかない。分かったよ。やろう。 シルファ。俺が頷くとシルファは驚き目を 丸くした。ほ、本当でございますか? 聞き違いではなく。うん。必要だから。 じゃあ俺は準備して中庭に行くから シルファも早く来てよ。はあ。ボケた返事 をするシルファに背を向け、俺は中庭へと 向かう。しばらくすると半カちで目元を 拭いながらシルファが現れた。う。グス ロイド様がこんなにもやる気を見せて くださるなんて。う、シルファは嬉し ございます。なぜか涙を流して感激して いるシルファ。はっきり言ってそこまで 完激されても困るんだが。言っておくけど シルファ魔術は使わせてもらうからね。 ええ、もちろんです。いくらロイド様でも 堅術のみで私から1本取るのは難しい でしょうし、まあ、そんな許可を得ずとも すでに使ってはいるのだが、要は 言い訳作りである。攻撃魔術を併用して 戦えばシルファ相手に勝ってしまっても 言い訳が効くだろう。さあ、いつでも いらしてください。うん。僕塔を片手で 持ち、もう片方の手で火球を生み出す。 制限は買魔術のみ威力は加減いっぱい。 このくらいなら魔術好きの子供が使って不 自然でないレベルだろう。当然シルファの 権技はすでにコピー済みである。行くよ。 先手必勝とばかりに火球を放ち、そのすぐ 後ろをかける。できるだけ断速を遅くだ。 どうせ早く打ってもかわされるしならこう して盾として使った方がいい。無駄です。 シルファが牧刀を振うとあっさり火球は 消し飛ばされてしまった。もちろん想定 ない火球はたのめくらましだ。俺は走り ながらすでに土球を発動させている。 書き消した炎の後には土の壁ができていた 。魔獣だ。まだいたのか。ぐる かおぐお。1匹だけではない。2匹、3匹 と森の中から飛び出してくる。あっという 間に俺たちはベオールフの群れに 取り囲まれてしまった。しかもそれだけで はない。森の奥からはどんどん遠えが 集まってきていた。バカな魔獣は群れない はず。それがなぜこんなに皆老倍言えて いるがこれはチャンスだ。この絵たちは 魔獣1匹でも苦戦してたし。これだけいる なら俺が倒してしまっても構わんだろう。 もちろん魔術以外を使うつもりはないが、 それだけでも十分だ。よっしゃ、 テンション上がってきた。アルベルト 兄さん、俺も戦います。ああ、分かった。 期待しているぞ、ロイド。来ます。 シルファの声とほぼ同時にベアウルフたち が飛びかかってくる。おく 。アルベルト様とロイド様をお守りしろ。 この絵たちは密集し、俺たちの前に壁を 作る。その奥からアルベルトが演列火球を 放った。燃え裂かる炎に焼かれの打ち回る ベアウルフ。よし、俺もやってやるぞ。 くらえ。やや棒読み君で放つのは火球だ。 飛び出した日の玉はベアウルフの鼻先を 焼きひませた。そこへこの絵たちの斬撃が 加わり交代させる。ドイド様、なんで もっと強力な魔術を使わないんですかい? 上位魔術の1つでも使えばこんな奴ら一発 で倒せるでしょう。だってすぐ全滅させ たら面白くないじゃないか。せっかく魔獣 相手に魔術を使う機会なのだ。どうせなら 長く楽しみたい。そうだ。倒れた魔獣に 血由魔術と掲けたらもっと長く楽しめるん じゃないか。ついでにこの絵たちにも かければ永久期間の完成だ。割れながら ナイスアイデア。悪魔ままとひらめきで ある。そう、そいつはさすがにやめた方が よろしいかと思いやすがだがグリモは ドん引きしながらダメ出しをしてきた。 各かによく考えたら中魔術でも気力までは 回復しないし長期戦で木の緩んだこの絵 たちが殺される可能性もあるか。さすがに 自分の実験で人が死んだら後味が悪いし やめておくかと言って確かに火球だけだと あまり面白くなさそうだ。じゃあせめて気 を試う。覚えたばかりだから生き物相手に 浜田ほとんど検証してないしな。敵も 大石当て放題である。俺は呼吸と共に右手 に体内の木を集めていく。タオのやってい た気候団だ。以前やった時は肺が めちゃくちゃ痛かったが、チ魔術を ピンポイントで肺に当てながらやれば かなり痛みを柔らげることができる。よし 、行ける。は、それを火球で覆って カモフラージュし、放つ。放たれたパイプ の玉飛行団はまっすぐ飛んでいき、ベア ウルフに命中した。ぐお 悲鳴を上げて吹っ飛ぶベアウルフだがすぐ に立ち上がってきた。いまい聞いてないか ?純粋な木の攻撃だとタオの足元にも及ば ない。ロロロイド様、今のは一体あ 木だよ。タオに教えてもらったんだな。俺 の言葉にグリモは驚いている。木ってのは 確か大昔に戦った異国人が使っていた技だ よな。長年の修行が必要って話だが、倒っ て小娘にあったのは数日前だろう。そんな 短期間で覚えたっていうのか。信じられ ねえ。グリモはまたドん引きしているよう だ。もしかして俺が手を抜いて長引か せようとしているとか考えているのだろう か。残念ながら全力なんだよな。やっぱり 木は難しい。準備を終えて翌日俺たちは 魔獣狩りに向かうことにした。アルベルと 引き入るこの絵たちが15人は馬に乗り 踊り地折れが付与した武器を持っている。 彼らに護衛されるようにアルベルトその隣 に俺が少し後ろをシルファがついてくる。 そういえばロイドは城を出るのは初めて だったね。どうだい?外の景色を見た感想 は実はちょいちょい抜け出してるんだけど な。と言うと前世で橋がない平民暮らし だったので外の景色なんてそう珍しくは ないものである。はい。いろんな人たちが たくさんいて見ていて飽きないですね。ま 、そんなこと言うはずないけど全力で喜ん でおけばまた連れてってもらえるしね。俺 の目ろみ通りアルベルトは満足に頷いて いる。あら、アルベルト様よ。を組んで どこへ行くかしら?きっと魔獣狩りよ。あ 、こっち見たわ。ひゃあ。アルベルト様。 街中を歩いていると裏たちがアルベルトを 見て黄色い声をあげている。モテモテだな 。確かにアルベルトはどこから見ても完璧 な王子様。世の女性たちがキャーキャー 言うのも無理はあるまい。ところで、あの 小さい子は誰かしら?初めて見るわ。立派 な服を着ているし、弟君なのかも。うん。 可愛らしい顔立ちではあるけどアルベルト 様と比べるとね。同時にお礼も視線が 注がえているようだ。あまり興味もなさ そうだけれど。俺がそんなことを考えて いるとシルファが重もしくた息を吐いた。 そして女性たちをきっと睨みつける。女性 たちはヒをあげ、そ草さと群衆へと紛れて いった。ふう。世の女性たちは分かってい ませんね。確かにアルベルト様は素晴らし 方です。ですがロイド様も負けず劣らず 素晴らしい。いえ、将来性を神すれば アルベルト様をも超える逸罪なんと見る目 のない。同じ女として投げかわしいこと です。何をブツブツ言ってるのだろうか。 さっきが漏れてて怖いんですけど。少し 離れよう。俺は馬の腹を蹴り前へと進ま せるのだった。燃える炎、前踊る炎、 振り注ぐ炎、等しく全てを滅ぼす炎よ。 来たれ、来たれ、来たれ。アルベルトが 影唱を開始する。あれは非系統も神魔術 消熱の影だな。白かアルベルトは上位魔術 まで使えなかったはずだがいつの間に身に つけたのだろうか。ただ呪文束場を使って の高速影象まではできないのか。通常の影 である。呪文が紡がれる度アルベルトの 周囲に魔法陣が生まれていく。美しい紋用 が鮮やかに浮かんでは消えていく。呪文族 だとそういうのも全て省略されるから ちょっと味けないんだよな。とはいえ振る だとかなり長かった記憶がある。影完了 までのその間タオとシルファがパズを 抑え込むという手はずなのだろう。はあ。 いや、2人の攻撃はまともに通ってない。 いや、多少の傷は与えているのだが、すぐ に言えてしまっている。どうやら半分精神 体である魔人には物理的なダメージは通り にくいようだ。ロイド様、いくら最上今 魔術だろうが魔人であるやには聞きません ぜ。そういや以前にそんなこと言ってたな 。その割にすぐ参ってたけどそりゃあんな もん食らったらね、結局どっちなんだよと 内心突っ込む。まあいいや。それより グリモは魔力の性質変化って得意な方か。 で、まだその話続いてタスカイまだとは なんだ?まだとは最優先事項だろうが。 わあ、そりゃ魔人は魔力の性質変化は得意 すからね。やり方くらいは分かりやすが さすがにあの人たちを放置して教えるのは まずいんじゃないっすかね。グリモが戦闘 中のアルベルトラに視線を送る。大丈夫だ よ。少し前から血魔術をかけているからな 。向こうが回復するならこっちもだ。 みんなには全国魔力国印を飛ばしてつけて おいたのだ。これは魔術を自動で当てる マーキングのようなもので1度つけておけ ばわざわざ狙い直す必要もなく魔術の対象 とできる。白濃いオン。俺が呼ぶと白い 大型県白が元気よくかけてくる。白は俺に 炊きつき、その重さと勢いで芝の上に 押し倒された。短い草が中に舞い草と土の 香りがした。俺はサルーム王国第7王子 ロイドディサルーム。魔術大好き10歳。 前世ではない貧乏魔術師で生まれて初めて 見る上位魔術に見惚れて死にこの身体に 転生した。星の離れた第7王子ということ で大い継承権もないし自由に生きろと言わ れた俺は好きな魔術ばかりやっているの 野田が最近は周りの人間に妙に期待されて いる気がする。まあきっと気のせいだよな 。地味で目立たない第7王子。それが俺の 立ち位置である。おんおん。ちなみに俺の 顔を舐めているこの犬は白。音は俺を襲っ てきた魔獣だが、俺のことが気に入ったの か随分抱かれてしまった。連れ返っても 良いと言われたので使い間としたのである 。白を撫でる手のひからぐパッと口が 生まれる。ええ、魔獣にまで慕えていると はさすがはロイド様ですな。こいつは魔人 グリモール。俺はグリモと呼んでいる。城 の地下禁封印されてたが色々あって俺の 使い間となったのだ。俺の手のひの川に 住まわせており、時折りこうして口を開い ては喋り出す。ぶひ。魔獣まで従いやがっ たか。いいぜ。てめがいろんなものを手に 入れてくれりゃ俺様がその身体を乗った時 にうまい思いができるからな。なお時々 ブツブツと独り言を言っている情緒不安定 なやつである。せめて聞こえる声で喋れよ な。おんおん夫とこら犬っこ 吠えるんじゃねえ。しし1人を言うグリモ に向かって吠えるしろ。どうも2人は あまり仲は良くなさそうだ。こらこら喧嘩 してないで続きをやるぞ。おんグリモに手 を握り口を閉ざさせると白が座り直した。 今こうなっているのは魔力に命令を乗せて 飛ばし念じるだけで使い間に命令を出せる という魔獣使いの技である。連れて行かれ た先は城の隅にあるレガを積み重ねて丸型 のドームにした建物。上部からは煙突が 生え、近くには井戸がある。昔この建物は 何だろうと中を覗いてみたが中は物置きに なっていたっけ。一体こんな場所に何の ようだろうか。お、ここだ、ここだ。 懐かしいな。リアンはそう言いながら扉を 開け中に入る。中は以前見た時とは全く 違った。部屋の中央には巨大な路が置かれ 、金とにハンマー、ペンチ、のみ、冬、 様々な薬品、様々な家事道具が並んでいた 。ここは俺がガキの頃に使っていた工房で よ。留学の際に道具を持っていってたんだ が、帰るってことで1速先に送り返して おいたのさ。今日から向こうで学んだ家事 仕事ができるってもんだぜ。花歌を歌い ながら道具を触るディアン。その顔は子供 のようにキラキラしていた。ディアン 兄さんは家事が好きなんですか?おお。だ から向こうで色々学んできたんだ。向こう はすごいぜ。冬魔術や魔剣政策の技術が 進んでいてよ。このままじゃ行けないと 思ってアルニーに相談したら優秀な不与 術師を紹介してくれるって言うから期待し たんだがまさかロイドとはな。わあと 従々しいため息を吐いてリアンは俺を 睨みつけた。ロイド悪いがアルニーの言う ことを鵜呑みにはできねえ。お前が本当に 不与術師として優秀なのかどうかまずは 試させてもらうぜ。わあ、くん。なんだか 厄介なことになってきたな。ついてきた城 が不安げに俺を見上げている。この液体が 何か分かるか?リアンは水瓶の中に入った キめく液体を差し示しす。まずい液ですね 。付与の際に術式と共に都付する液体です 。向こう基本は知っているようだな。だが 、これはどうだ?タオに連れられ、俺は 半ば無理やり町に向かっていた。ふん。 ふふふん。ふふふん。ふんふん。タオさん 、随分ご機嫌だね。タオでいいね。私も ロベルトと呼ぶよ。それに冒険者同士敬語 なんかいらないね。花歌を歌いながらタオ は答える。だろう。初めて会った俺に対し てここまで親切にここまで上期限になれる ものなのだろうか。見知らぬ他人同士普通 は警戒しそうなもんだが。あ、この格好か 。いつもの姿で模者姿したから王族の服の ままなのだ。多分タオは俺のことを貴族の ぼんボンだと思っており、助けて報酬金を たんまり取ろうという3段なのだろう。後 で逆恨みされても面白くないし釘をさして おくか。えっとタオ言っておくけど俺は金 とかは持ってないよ。そんなの関係ないよ 。あしロベルトからお金取る気ないね。 タオは俺の言葉にも首をかしげて返すのみ だ。ウーム本当に金目当てじゃないの だろうか。それにタオはさっきから顔が緩 みっぱなしだし。不ひ、金も強さも必要 ないよ。私が欲しいのはイケメンな彼氏 ある。道場の娘に生まれた私は物心ついた 時から彼氏の1人も作らず武道に明けくれ たね。そして18歳になった私は出会いを 求めて道場を飛び出し冒険者になった。で もイケメンたちは僧侶や魔術師みたいな 弱い女ばかりを狙って私みたいなのには目 もくれない。ならば考え方を逆転するよ。 向こうが来ないなら私から行けばいい。 すなわちピンチのイケメンを助けて惚れ られれば良いという寸法ね。襲いくる魔物 からロベルトを守り、いいところを見せれ ば私も念願のイケメン彼氏ゲットある。 このチャンス絶対に逃さないよ。ふひふひ 。すごくじゃな顔だ。じゃだけどアホな ことを考えている顔だ。っていうか ブツブツ言ってちょっと怖い。完全に自分 の世界に入っているな。俺がドん引きして いるといきなりタオの目がくわっと見開い た。ロベルト魔物ね。タオは跳ね上がる ように両手足を伸ばし姿勢を低くする。 あれが武道家の構えというやつだろうか。 まるで獣が今にも飛びかかりそうな体制だ 。タオはその姿勢のまま自ろりと周囲を 睨みつける。ほう。短く声を上げたかと 思うと、タオの足元の石が1つ空中に 跳ね上がった。瞬間、タオの身体がつム風 のように高速回転する。ビシと鋭い音と共 に石がはるか彼たへと飛んでいき、岩影に 吸い込まれ。ともかくなんとなくだが ダンジョンというものが分かってきたな。 たが、まだまだ仮説の息を出てないし、 もう少しサンプルが欲しいところだ。その うちまたダンジョンに潜りたいな。ロイド 様は魔術師でしょう。ダンジョンについて も調べるんですかい?何が魔術に使えるか 分からないからね。わあ、そういうもん ですかね。魔術というのは様々な要素が 組み合わさった学問だ。である以上の新羅 番賞との繋がりがある。 そもそも火水がなければ魔術でそれを 生み出すこともできなかったわけだ。まあ 、知識はあればあるだけ自分のためになる 。この知識がいつか何かに使える時が来る かもしれないしな。ダンジョンについては こんなもんだろう。さて、次は不与魔術だ な。不系統魔術に関する魔術書はそれなり にあったが、それを試すには特殊な職媒が 必要なのである。それがこの探検に塗付さ れたまずい液。魔力に対するとても強い 保持力があり、浸透性も高いのでよく職倍 に用いられるのだ。それなりに貴重なもの で基本的には有望な火事職人たちにしか 出回らないらしく、なかなか手に入れる 機会がなかったのである。やることは他に もたくさんあったので後回しになっていて 実際に試したことはない。まずはまずい液 を剥がすと。えっと、やり方は確か熱湯に 塗付された箇所をつけこすって落とすん だっけか。魔術で湯を沸かし、その中に 探検の刃をつけてブラシで擦すると油の ようなものが浮き出てくる。これがまずい 液だ。熱で剥がれるが水には溶けないので 湯の表面部分に浮き上がるのである。それ を救い取って小瓶に入れていく。ムー不純 物が浮いているな。多分何度もこうやって 再利用したんだろうな。まずい駅は不要に なるとこをして剥がし、また新たな不術の ために使える。だがその度に汚れが増えて いき、順度が下がる。そうすると当然不与 魔術の効果も薄れてしまうのだ。なら綺麗 にしてやればいい。小瓶に手をかざし魔力 で包み込む。すると液体の中から小さな ゴミが浮き出てきた。ロイド様、こいつは 何をしてるんですかい?不純物を取って いるんだよ。少女を取り囲むのは豚顔の体 。あれは確か多くだっけ?城にあった魔物 図鑑で見たことがある。せや 少女が気合いと共に小属を叩き込むと多く が吹き飛ばされた。倒された多くは口から 泡を吐きビクンビクンと痙攣している。 よく見れば周りには何体も多くが倒れふし ている。各か多くはかなり強い魔物だと 書いてた気がする。それをあれだけの数 1人で倒すなんてあの子結構すごいな。 ひんだ多くたちを少女は鋭い頑光でじろり と睨みつけた。ぷギ、プギー、プギー。 すると多くたちは悲鳴をあげて逃げ出して しまった。ああ、もっと見たかったのに 残念だ。そこにいるのは誰ね?そんなこと を考えていると少女が声をあげた。俺の ことだろうか。そう思い顔を出してみると 、少女はこちらに視線を向けていた。そう 離れていたのにづくとは武術の達人は離れ ているものの気配を察するというしここは 観念して出ていくか。俺は両手をあげ敵体 の意思なしとアピールしながら岩影から出 てくる。えっとこんにちは。怪しいもの じゃないよ。 俺を見た少女が一瞬驚いたように目を丸く した。まさか知り合い?いやいや、そんな はずはないか。この姿今俺が作ったんだし 。少女は長い沈黙の後ボそりとつやく。 何者かお前名前か?そういえば考えて なかったな。Aと俺はロベルト 冒険者なんだけど仲間とはぐれちゃって。 あまり怪しまえても面倒だし冒険者という ことにしておこう。俺の言葉に少女は少し 考えて言葉を発する。あしはタオ。冒険者 階級はB。ジョブは見ての通り部島かね。 なるほど。タオさんは1人なの?弱っちい 奴らとなれ合う趣味はないだけよ。俺の 問いにタオと名乗った少女はつまらなそう に返してきた。あまりよく知らない人間と の接触は良くない。時間も無限にあるわけ じゃないしな。ここは適当にずらかるべき か。俺はこっそりとタオに背を向ける。 ああ、じゃあ俺はこの辺で待つね。合死と 肩を掴まれた。いてすごい力だ。ここは 魔物の出る危険なこや。お前よは争田し町 へ帰るまでに食べられるよ。あしも今から 帰るとこだし町まで送るね。いやいや、俺 も冒険者。ちゃんと1人でも戦えるから 大丈夫だよ。だめね。ここで見捨てたら女 が廃るよ。うむを言わさぬその鋭い目。 この迫力なんとなくシルファを思い出さ せる。あまり人の親切を無にするのも良く ないか。冒険者と魔物の戦いを間近で観察 できるチャンスだし。分かったよ。お願い します。うん。任せるね。ため息を吐く俺 を見てタオは満面の笑を浮かべる。そして 俺に背を向け歩き始めた。来た。とんでも ないイケメンある。私の好みドストライク ね。ここで恩を売っておけば感謝の壁丼 くらいは期待できるね。ふひふひ。なん だろう。すごく邪悪な顔をしている気が する。まあいいか。 何かあったらダッシュで逃げよう。うおな 。なんだ?いきなり身体を揺さぶられ美と なる。振り向くとタオが口をパクパクさせ ていた。だが音が聞こえない。そういえば 音声遮断を使っていたんだった。解除する とタオの声が聞こえてきた。ロベルト やっと返事したよ。ああ、ごめん、ごめん 。集中しててさ。もう私がグレウルフ倒し たところ全然見てなかったね。タオは怒っ ているのかを膨らませている。ちょっと 悪いことをしちゃったな。でもおかげで ダンジョンの結界については色々調べられ た。まずこのボスのいる部屋がダンジョン の心臓とも言える部分だ。もっと言えば ボスを倒した先にあるお宝のある部屋が そうである。ボスを生み出したり結界を 張ったりそれらの出力源は全てそこから だった。その眼油魔力量は半端ではなく 術式などに頼る必要もなさそうだ。単純に 大量の魔力だけで結界や魔物の生成を行っ ているように感じられた。おそらくその 栄養はダンジョンで死んだ魔物や人間動物 だろう。魔物は死ぬとダンジョンに帰って いくからな。効率は死ぬほど悪いが、単純 な魔力の送量が多いからできることだ。 まだまだ分からないことはたくさんあるが 、そんなところかな。もういいね。 さっさとお宝を拝みに行くよ。そうだな。 ボスを倒した先にはお宝があるらしい。 駆しくもダンジョンの心臓部と同じなんだ な。ということはお宝が核なのか。いや、 それもおかしいはず。止まれタオ。突如 濃い魔力を感じ取った俺はタオの手を引く 。アンギーいきなりどうしたねロベルト? いくらなんでもこんなところじゃ。何か 言いかけたタオの元を黒い歯が通りすぎる 。あれは闇系と魔術市家か魔物が好んで 使う魔術だっけ?え、ボスは倒したのに どうしてある?どうやらまだ何か残って いるようだな。注意深く目を凝らすと芝を 打ってきた敵の姿が暗闇みに浮かび上がる 。おお、そうだ。群れないはずの魔獣を どうやって集めたのだろう。すごく気に なった俺は思わず尋ねる。一体どうやって こんな数のベアウルフを集めたんだ?くふ 、知れたこと。本来は決して群れぬ魔獣 どもをこの森に集めるため餌となる超獣 たちを我が魔力を餌に大量に集めたのだよ 。そうすれば魔力と餌に溢れたこの地に 魔獣が集まってくる。その中で生まれた晩 の親を殺し、子だけを集め育てあげたのだ 。本来は群れぬはずの魔獣だが幼虫の頃 から集団で育てればそれが普通となるのだ よ。まあおかげでかなり苦労させられたが その回合会ってみよ。この軍勢を。これ だけの魔獣を相手に勝てるものなど存在 すまい。くは。親を殺し、子供をさって 小さい頃から調京するとは何という悪い やつだ。俺でもそんなことはやらないぞ。 大笑いするパズを見てグリモが声をあげる 。ああ、そのちょっといいか。なんだ?ま 、抜けな魔人。お前さんそれいつからやっ ているんだ?ざっと100年だな。割れ ながら苦し藤させられたぞ。そりゃそう だろうな。グリモは呆れた顔でため息を 吐いている。100年気の遠くなるような 話である。人であるグリモから見ても すごいことなんだろう。準備を終えた我は 年には念を入れ手に村を襲わせた。そう すればこの国の軍が出てくるだろうからな 。それに勝利すれば我が軍勢の力は証明さ れる。そしてカ付なきまでに勝利した。 倒れぬ魔獣相手に貴様らはなす術がなかっ たであろう。今こそ信仰の準備は整ったの だ。ふははは。笑いするパズをグリモは鼻 で笑った。おいおい、カプなきまでに 叩きのめしただとどう見てもここに1人 残っているじゃねえか。むああ、そうだな 。ひわな子供とその使い間がな。問題ない 。すぐにすりつぶしてやる。パズが手 を上げるとベアウルフたち俺たちを 取り囲む。目を自ばらせ唸り声をあげてい た。さあ、行け。そやつらを食い殺すのだ 。 飛びかかってきたベアウルフたちが鋭い爪 と牙をお礼と突き立てようとしたその瞬間 である。ベアウルフたちは俺への攻撃を 止めるとそのまま着地し俺の橋元へ伏せた 。じゃあ行くとするか。アルベルトについ て城の裏側にある広場に向かう。入り口を 管理している兵に挨拶をして中に入ると 一面の芝フが広がっていた。ここが射撃場 。簡単に言えば魔術の的当てができる場所 だ。大掛かりな魔術の実験をする場として も使われるため危ないので子供の俺は1人 では入れないのだ。はあ。いつ来ても広い ですね。城の魔術師たちも的を狙って炎や 水の魔力級を飛ばしている。魔術を使用 する感覚は人によって異なる。例えば同じ 火球を放つ場合でも全身から集めた魔力を いつに集めて放つ流れのスムーズさ、速さ など連度は1人1人異なる。それを見て いるだけでも結構楽しいのだ。魔術師たち に興味心々な俺を見てアルベルトは微笑む 。母はロイドは本当に魔術が好きだな。 ええ、大好きです。そう、素直に喜んで くれると連れてきた会があるというものだ よ。さて、それじゃあ僕たちもやるかい。 はい。アルベルトは頷くと兵士たちに命じ て敵を用意させる。100mほど離れた 場所に1から9までの数字が刻まれた代償 様々な敵が並んだ。人のを見るのも楽しい がもちろん自分でやるのが1番だ。 中踊り地で大っぴらに魔術を使う機会は ないからな。そうこうしているうちに敵の 配置は終わったようだ。ではロイドから やるといい。分かりました。敵当ては説明 するまでもないような簡単な競技だ。先手 と5手に分れて10回ずつ魔術級を放ち、 大きな数字の書かれた的を多く倒した方が 勝ち。それだけである。もちろん数字の 大きな的ほどサイズが小さく当てにくく なっている。的を前にして俺は魔力を指先 に集めて火球を作り出した。もちろんただ のではない。現在研究中である回転運動を 取り入れた改造魔術だ。魔術を構成する 術式を持てり、魔力級の核に回転力を持た せることでただまっすぐ飛ばすだけでなく 様々な方向への変化が可能となる。 もちろんそんなことをしなくても普通に 動きを制御して中央無人に動かすことも 可能だが、そんなことをして当てても 面白くない。せっかく実験できる機会なの だから色踊りじてみたいもんな。拾った 三石はカに詰め込んでおく。このカには 空間系統魔術領域拡大の魔術をかけている 。袋や鞄など密閉されたものにしかける ことができないが、中の空間を自由に広げ られるというものだ。おかげでこの鞄には 本来の何十倍もの容量があると言っても 空間系統魔術はこれの他には1つ2つしか 使えないんだけどな。空間系統魔術は非常 に難易度が高く使いもいないので文献も 少ないのだ。待たせてすまなかったね。 早く先に進もうか。鉱石は興味深いが、 それだけに時間を取られている暇もない。 俺はダンジョンを進んでいく。止まるね、 ロベルト魔物よ。いきなりタオが 立ち止まる。猫のような柔らかい動きで壁 の方を向くと一気に距離を詰める。そして 壁に手のひ底を叩き込んだ。一体何を俺が そう思った瞬間である。ひ埋めき声をあげ 壁が崩れ落ちてきた。見れば壁は泥のよう な姿になって溶けていく。なんだこりゃ。 ストーンスライムね。岩に隠れて冬打ちを 仕掛けてくるよ。あのまま進んでいたら 危なかったね。ええ、面白いな。議退する 魔物か。しかもかなり出来が良かった。 タオの攻撃が当たった瞬間でも全然分から なかったしな。こいつの身体もちょっと 持って帰ろう。何かに使えるかもしれない し。俺は砕けったストーンスライムの破片 をこっそりカに入れた。それにしてもタオ はすごいな。俺には岩にしか見えなかった よ。火の使い手は不思議な力を持つという が、今のがそうなのかい。ほう。ベルトは 気を知ってるのか?大陸でそれ知ってる人 あまりいないね。勉強家ね。本を読むのが 好きなんだ。実際見るのは初めてだけどね 。それとてもいいことよ。知識は部と同じ くらい力になるね。タオはにっこり笑うと またダンジョンの奥へと歩き始める。その 後もゴブリンに多く様々な魔物が出てきた がタオの敵ではなかった。あんな細い腕な のにとんでもない威力が出るんだもんな。 聞か魔術に行かせるかもしれないな。タオ の呼吸法はこんな感じだっけか。全く呆え たものか関心したものか一応聞くが魔術書 以外には興味はないのかな。申し訳あり ませんが。ふむ。そうだろうな。やはり城 でやることもそろそろ限界があるよな。 アルベルトについていればたまに射場に 連れて行ってもらったりできるが、それで も大っぴらには動けない。せめてもう少し 上のレベルの魔術書があればいいんだが。 そういえば城の地下にショ庫があったっけ 。アルベルトがぽつりと漏らした言葉に俺 の耳が反応する。鹿子にはあまりの危険さ 故えに取り扱いを禁じられた魔所の類いが たくさん封印されていると聞く。その中に は金種も多数含まれており、昔この国を 滅亡寸前まで追い込んだ魔人が封印された ものもあるらしい。魔女とは本物に魔力を 込めた魔道具のようなもので誰が使っても 効果を発揮するのが特徴だ。ただその作成 にはかなり高度な魔術知識と時間が必要と されるためその貴重さは魔術書とは比べ物 にならない。魔術を封じたものでさえ なかなか市場には出回らず城にも数札しか ないので俺もじっくり見たことはない。 特に強大な魔術が込められたものはあまり の危険さ故えに禁扱いされ国で厳重に保管 されておりの際にしか使われないと聞く。 以前どこかの対戦で金所が使われたらしい がそれを唱えると敵軍に雷が振り注ぎ一瞬 にして壊滅させたという。ただし術者は その反動で50年以上年を取ってしまった とか魔人を封じるなんて魔術が込められた 金書がどんなものかなど全く想像もつか ない。どんな術式を浴み込んであるの だろう。すごく気になる。小さい転場に 随分脅されたものだ。悪いことをする子は 金に封じられた魔人に食べられちゃいます よなんてな。はは。言われてみれば確かに 城の地下には不自然に強力な結界が展開さ れているのを感じていた。きっと国の重要 書物などが入っているのだろうとあまり 興味を持たなかったがそういうことなら話 は別だ。家然ワクワクしてきたぞ。 アルベルト兄さんその話もっと詳しく聞か せてくれませんか?おいおいロイド妙に目 を輝かせているじゃないか。まさか入ろう としてるんじゃないだろうな。いきなり釘 を刺され同揺しつつも何もなかった風を 予想笑顔を返した。やだな。そんなこと するはずがないでしょう。アルベルト 兄さん。その割には笑顔が引きつっている ようだがも元踊りこんなものですよ。 あはあは。なんとか受け答えするが同様の 成果こちなくなってしまう。どうにも演技 をするのは苦手だ。しばらくじっと俺を見 ていたアルベルトだが、すぐに口元を緩め た。まあそうだな。そもそも城の地下には 城の魔術師が住人係かりで編み込んだ結界 が貼られている。人目を盗んではいるなど 不可能だ。僕でも入るには許可が必要だし ね。アルベルト兄さんは入ったことがある んですか?ああと言っても入り口だけだが ね。 というかそれ以上は入れなかったんだ。奥 から発せられるわ踊りじしい魔力の渦。 思い出しただけでもおじけが出る。魔人が 封じられた金所があるという話も信じて しまうよ。ブルルと身体を振わせる アルベルト。演技ではない。少しだけ顔が 青ざめていた。どうやら本当のようである と。まあそんなわけだ。ロイド、お前は 少し変わっているが無茶をする子ではない 。まさか行くわけがないと思うが。はい。 行くわけがありませんとも。俺は アルベルトの問に頷いて返すのだった。 シャールズの言葉を俺は驚きの声をあげる 。そんなことになればアルベルトラに 混じって王になるための勉強をしなければ ならなくなるし、他の王子たちと王いを 競そって争わねばならない。俺は気ままに 魔術の研究をしたいのだ。時期多い継承権 なんて真っぴらごめんである。おお、 アルベルトが立ち上がる。反対してくれる のだろう。助かった。まだ10歳である俺 に時期多い継承権を与えるなんていくら何 でも無茶な話である。ほっと胸を 撫で下ろす。とても良い考えです。ロイド はきっとこの国を支える存在になる。王と しての学びはその時きっと将来の役に立つ 。ロイドとの大い争いは僕としても脅威で はありますが、相手がロイドなら負けて やむなし。むしろ競い合えたことを公栄に すら思いますと思ったらアルベルトまで 賛成している。おいおい、ちょっと待て。 俺は慌てて立ち上がる。ま、待って ください。身に余る光栄感謝いたします。 ですが自分はとてもこの国の大たる器では ありません。慎しんで事態申し上げます。 む、俺の言葉にチャールズは少し考えて 頷いた。そうか。それは残念だ。ふう。 良かった。なんとか断れたようである。 いきなり大い継承権とかむちゃくちゃだぜ 。しかし夜けにあっさり引き下がったな。 まあいいや。これで安心だ。俺はアンドの 息を吐いた。なるほど。つまりロイドよ。 お前の器はこの国だけで収まるものでは ないと言いたいのだな。確かこの大陸は 未だ平穏とは言えぬ。それを統一するよう な世界の覇王となるとふ、我が息子ながら 大きく出たものだ。そういうことならその 考え尊重せねばなるまいてこの国では 収まりきらないうは確かにそうだ。例えば 世界をまたにかけた大魔術師ウィリアム ボルド氏のような人物に育つかもしれない 。そのためには王としての教育よりもっと 他にもっとやるべきことがあるのかもしれ ない。シャールズとアルベルトが何か ブツブツ言っている。2人ともニヤニヤし てるけど大丈夫だろうか。ロイドよ。では これからもしっかりと励むのじゃぞ。期待 しているぞ、ロイド。はい。なんだか2人 がすごく期待を込めた目で見てくるがとも あれ、なんとか大い継承権は継がずに住ん だようである。人安心だ。 ロイドディサルーム。ただいま参りました 。ある日俺は呼ばれて玉座の間へと赴いた 。呼び出し主はサルームの王であり、我が 父であるチャールズディサルーム。玉座に 座った大柄の老人チャールズは満面の笑ミ で俺を迎える。おお、よくぞ。まった ロイドよ。久しぶりだな。3年ぶりくらい かのは7歳の誕生日ぶりでございます。7 歳までに病気や怪我で亡くなる子供は多い ため、その誕生日は特別な意味を持つのだ 。その時ばかりは忙しいチャールズも俺の ために会いに来てくれた。まあ、その時 もらった言葉がお前は年の離れた七尾だ から王族争いには関係ない。清わずに好き なことをやりなさいというものだったのだ が、やはり国王だけあって色々と忙しいの だろう。たまに廊下を歩くのを遠めに見る くらいだ。なのに今されに何のようだろう 。緊張するな。頭を下げたままの俺に シャールズはつまらなさそうに言う。 ふーム。そういえばお前は前に会った時も そうであったな。堅苦しいというか子供 らしくないというか久しぶりに会った父親 に抱きついてきてもいいのじゃぞ。おは 群れをとてもそのような真似はできません 。ふむ。まあ良い。それだけ礼儀左作法を 学んでいる証だろうからな。これ少し違う よれ。は、とりあえず機嫌は悪くなさそう だし、怒られる雰囲気ではないか。俺は 立ち上がり言われるがママに行く。 シャールズは俺の顔をじっと見つめ ゆっくりと頷いた。ほう。いい顔つきに なったではないか。ありがとうございます 。シルファやアルベルトに聞いたぞ。堅術 に魔術にとかなり頑張っているようじゃ ないか。いえ、恐縮です。シャールズの 言葉に俺は慌てて頭を下げた。ふむ。見た 目通りただの上位版か。闇魔術という くらいだからもっと別種類の呪いもあるの かと思ったが期待外れだな。しらりと リッチを見ると攻撃を防がれるとは思わ なかったのか。かなり老媒る。あの様子で はこれ以上の魔術は持ってなさそうである 。こいつからはもう学ぶことはなさそうだ な。それにしても闇系統魔術か。さっき 調べてみてわかったが、この力は気に似て いるな。同じことができるかもしれない。 試してみるか。タオに教わった通り、体内 の木を右手に集め魔力と折り混ぜていく。 火に関してはまだまだだが、魔力の制御は それなりに自信はある。魔力と折り混ぜる ことで木は歯のような形をなしていく。む 、この技ちょっと負担が大きいのか。呼吸 の痛みで咳込みそうになってしまうのを なんとか耐える。普通に気を使うよりも はるかに肺が痛い。しかも難しい。木の 形状変化はなかなかうまく扱えず失敗し まくりだ。その度に呼吸をし直さねばなら ず結構手間る。だがそれよりもワクワク感 の方がはるかに強い。練り上げた木は失敗 を繰り返しながらも徐々に思い通りの形に なっていく。うん。なんとかなりそうだ。 思考錯誤の末え、俺はどうにかして木の歯 を生み出した。 それを見て魔力消壁を展開し防御を試みる リッチ。どれ火の歯の威力試してみると するかよ。掛け声と共に俺は生成した木の 歯を飛ばした。歯は子を描きながら飛んで いき、魔力消壁ごとリッチの上半身と下 半身を切り飛ばす 。弱は踊りじしい埋めき声を残しは 消滅してしまった。ええ、木の攻撃で倒す とチ理のようになるのか。そういえば アンデット系の魔物は生命エネルギーや 神聖な力に弱いと本に書いていたっけな。 消え方も本に書いてあった通りであるし 信じられないタオがそれを見てボそりと つく。あれは飛行団の奥義飛行牙。あが何 年修行してもできなかった技ね。それを あんなに良いく全く努力もせずに。いや、 違う。努力じゃないね。ロベルトはただ 楽しんで気に触れていた。そういえばじい ちゃんが言ってたある。 努力をするのは当然だから努力を楽しめる やは何より強いって。ふ、そういえば私も ちっちゃい頃は修行が楽しかった気がする な。やるたびに新しいことができるように なったよ。全く修行を楽しめなくなったの はいつからだったかもう覚えてない。ある 。やれやれ。1から修行のやり直しか。 今度はせぜいっぱい楽しむとするね。何を ブツブツ言っているのだろう。タオは俺を 見て悟ったような顔をしている。一体どう したのだろうか。まあいいや。高速で 迫りくるパズ。俺のそばにいたベアウルフ たちが立ちふがる。ガうぐるお。もしかし て俺を守ろうとしてくれてるのか。でも 危ないぞ。知りかせようとしたが間に合わ ない。邪魔をするな。 パズが両腕を振うとベアウルフたちは 引き飛ばされた。ヒャイン地面に叩きつけ られたベアウルフたち悲鳴をあげた。 こいつ自分の眷属をなんてやつだ。パズは タオレフスベアウルフたちには目もくれず 、俺目がけて体当たりをぶちかましてきた 。ドスんと自動発動した魔力衝壁ごと俺の 身体は湖へと吹き飛ばされる。だが風景 魔術非秘傷発動。風をまとった俺はコ面の 上を滑り中央あたりで止まった。しゃあ。 翼を広げ地面を蹴り即座に追撃してくる パズ。振り下ろされた右手から放たれる 魔力派を魔力消壁で受け止めた。おい、 自分で育てた大事な眷属だろ。殴るなんて ひどいじゃないか。何を言っている?我に 逆らう愚かな犬なども早や眷属でも何でも ないわ。貴様を殺した後に全て首り殺して くれる。ひどいな。モフモフ帝国を作るん じゃなかったのかよ。魔獣帝国だ。顔を 真っ赤にして俺を殴りつけてくるパズ。 ダメージは全くないがそれでも魔力消壁を きしませるほどの威力。ただ殴っただけは ならない。 これも魔力の性質変化か。両手に魔力を 集めて皇室化力を上げるようイメージして いるんだな。面白そうだ。俺もやってみる か。とはいえ素ではあれだし。そうだ。鞄 の中に武器があったっけ。以前不魔術で 使った鉄の探検。あれを使えば剣で同じ ことができるよな。やったね。すごい威力 よ。さすがはアルベルト様です。これなら 奴も立ち上がっては来ないでしょう。2人 は喜びの声をあげる。反対にアルベルトの 表情は曇っている。そうだといいがな。 と膝をつくアルベルト。呼吸は乱れ全身に 力が入らないのかガクガクと震えていた。 ま、力切れの症状だ。顔色が青くなって いる。アルベルト様 あるか?歯は全ての力を出し尽くして しまったな。魔力が限界だよ。これで生き ていたらもうどうしようもないね。力なく 笑うアルベルトを支えるタオもシルファも すでに疲労後輩といった具合だ。地の魔術 では数は癒せても魔力や疲労までは癒せ ないからな。当然この絵たちも立っている のがやっとの様子である。全員が祈るよう な顔で炎を見据える中、津身と地面が揺れ た。炎の中でゆらりと巨大な影が揺らめく 人間にしてはやるではありませんか?炎を 書き分け現れたのは傷1つないパズだ。 後ろにはよめきながらも立ち上がりつつ あるベアウルフたちもいる。その姿を見た 全員の顔が絶望に染まる。ば、バカな。 驚愕の顔を浮かべるアルベルトを見てパズ はニと広角をあげる。甘いですね。我は 魔人。人間の魔術など効かないのですよ。 パズが笑うと黒い吐息が吐き出される。 気づけばそれは辺りを包み込んでいた。ぶ 。この絵たちが埋めき声をもらし倒れて いく。タオもシルファもだ。みんな バタバタと倒れしていく。くわは。我が 魔力を吸い続けたものは何者であろうと 自我を失い、操り人形となるのですよ。 人間にしては持った方ですが、それもここ まで。安心しなさい。これからは我が下木 として使ってあげましょう。大笑いしてい たパズだが、すぐにその顔が怖る。視線は まっすぐお礼へと注えていた。バカな。 なぜ我が魔力を吸い込んで意識があるのだ 。え、さあ、ローバイエルパズに俺は首を かしげて返した。ていうか強くなりたかっ たのなら身体を鍛えるならなんなりやり用 はあったんじゃないか。面倒な思いをして まで部下を集めるよりよほど効率的だろ。 楽しいから雲なく続けられるのである。ず は戦闘スタイルからして肉段が得意な タイプ。部下を集めて命令を出すより身体 を鍛える方が賞にあってそうだしな。俺が 寝ても覚めても魔術をやってられるのも 純粋に楽しいからだ。魔術の修行は俺様も やってきたがそう楽なもんじゃねえ。シド を吐き地味な反復をし努力を重ねて少し ずつものにしていくもんだ。それをロイド はそりゃもう楽しそうにやりやがる。毎日 ジョージ今までもこれからもだろう。 そんなやに努力だなんだと言ってるやが 勝てるわけがねえ。グリモがブツブツ言っ ているが吹きすぐ風の音でよく聞こえない 。俺の言葉にパズは苦笑いを浮かべる。く ふ我の配は楽しめなかったことか全く無茶 を言ってくれる。そう言い残しパズの身体 は砂のようにサラサラと消滅していく。夫 と なって冷えゆくパズへグリモが大きく口を 開け吸い込み始める。どうやらその魔力を 食べているようだ。ええ、魔人の魔力って のはやっぱうまいぜ。力がかなり戻ってき やがった。こいつのそばにいれば上質な 魔力の補充にはこかねえ。この調子で魔力 を増やし、そのうちこいつの身体を乗って やるぜ。ブツブツ言いながら北へむりも。 その力はほんの少し増しているように 見える。どうやら魔力を食べて強くなる ようだな。どうでもいいけど腹壊すなよ。 そ、そりゃもうええ。俺の言葉にグリモは 慌てて返事をするのだった。 キュンキュキュン。そして鼻を鳴らし ながらすり寄ってくる。尻尾をブんブン 振りながら青向けになり腹を見せている ものもいた。10数匹いたベアウルフたち は皆俺の周りでじれついてきていたな。何 ?おい貴様が何をしている?早くそやを 殺すのだ。ブーパズが命令するが ベラウルフたちは俺のそばから離れようと はしない。それどころかテキに満ちた目で パズを睨んでいた。ふむ。こんな感じかな 。俺は手のひから魔力を生み出しながら つやく。俺の周囲を白い煙のような魔力が 包んでいた。ロイド様一体何をしたんです かい?さっきからやっていた魔力の性質 変化だよ。昼に食べた肉の味や匂いを強く イメージして発動させたんだ。さっきの シルファの料理微妙かったもんな。 思い出しただけでよだれが出てくる。 ベアウルフたちも気に入ったようで 心地よさそうな顔で浴びていた。 ボアーパズ が入っていたベアウルフも題始めた。どう やら俺の放つ魔力を吸い込んだようである 。おおおい貴様までふざけるなよ。やめろ 。吐き出すな。くぐお。 ベアウルフはよだれをボタボタ垂らし ながら口から黒いモヤを吐き出していく。 モヤは新潟に固まりパズとなった。おお、 あれが本体か。パズを吐き出し終えた ベアウルフは俺の元へ駆け寄ってきた。 くんくん。そして尻尾を振りながら俺の 周りをくるくると回っている。可愛い。 わあ、わグバカな子。こんなはずでは残さ れたパズは雲の表情を浮かべ息をあらげて いる。許さん、許さんぞ。おお。この クソガきが我が魔獣帝国の邪魔をしようっ てズタズタにしてくれる。辺りを漂ってい た黒いモヤがパズへと集まり、その身体を 包み込む。空気が震え、俺にくっついてい たベアウルフたちが警戒心を剥き出しにし た。モヤを取り込んだパズの魔力が ぐんぐん上がり、魔力もどんどん増して いく。パズは銀の毛と漆黒の翼を持つを 持つ巨大な猿へと変貌した。決まった実態 を持たないが故えの変貌。全ての力を 出し尽くした真の姿とでも言うべきか。 最初とは内放する魔力量が断違いだ。殺す 。巨大化したパズは短くそう呟いて俺に 飛びかかってきた。やあ、ロイド何をして いるんだい?いつものように読書をんで いると爽やかな青年の声が聞こえた。 振り向くと金髪のすらりと背の高い イケメンが立っている。俺のここの上の兄 アルベルトだ。サルーム国の第2王子で 大い継承権も第2位だが分部ともに非常に 優秀で時王との噂も立っているほどである 。アルベルトは俺が魔術書を読んでいるの を見てニこりと微笑む。魔術書を読んで いるんだね。僕も一緒してもいいかな? もちろん構いませんよ。アルベルト兄さん ありがとう。では失礼して。アルベルトは テーブルを挟んで俺の正面に腰かける。手 にしていたのは政治関係の本だった。俺が テーブルに積んでいる魔術書の山を一別し 、自分も読書に没頭し始める。他の兄たち は俺をあまり気にしていないようだが、 アルベルトはなぜか俺をよく気にかけて くれる。多分普通にいい人なんだろうな。 それにシルファと違って俺にあ、あ、白コ しろと言ってこないのもいい。俺は アルベルトから本に視線を戻し、また読書 に没頭し始めた。どれくらい経っただろう かパタンという音がしてアルベルトが本を 置く。ふう。ロイドの集中力はすごいね。 こん負けだよ。本当に魔術が好きなんだね 。アルベルトが立ち上がり腕を持ち上げる とバキバキと音が鳴った。首を傾けると またボキボキと。それを見た俺は思わず 苦傷する。お疲れ様です。アルベルト 兄さん。僕は気分転換に少し身体を動かし てくるとしよう。よかったらロイドも来る かい?射撃場ですか?ああ、好きだろう。 はい。俺はアルベルトの誘いに即頭する。 俺は身体を動かすのは好きではないが、 アルベルトの誘いは別だと言っても好感度 がどうとかいう話ではない。後継者として 期待されているアルベルトには様々な施設 の使用権があり、今から気分転換に行く 射撃場は魔術の練習に持って来いなのだ。 図書館の静寂を破ったのは女性の声。充実 した毎日を送っている俺だが面倒なことも いくつかある。その1つが声の主。俺の 教育を任さえているメイドのシルファだ。 シルファは俺を見つけると駆け寄ってきて しゃがみ込み優しく微笑む。長い銀髪がり と落ち、それを指で救った。やはりまた 図書館にいらっしゃったのですね。もう本 ばかり読んでいるのは身体によくありませ ん。私と一緒に外で遊びませんか?その 笑顔にはうを言わせぬ迫力があった。 シルファにとっては子供は元気に外を かけ回るのが普通で図書館に小もりきりな 俺を売れているのかしばしば連れ出そうと してくるのだ。余計なお世話なのだが俺の ことを思っていっているのはよく分かるの でなかなかそうも言えないんだよな。俺は ためを吐くと諦めて本を閉じる。分かった よ。シルファ、そんな悲しい顔をしないで くださいまし。本はいつでも読めますわ。 ほら、せっかくいい天気です。外へ参り ましょう。そんなわけでシルファに手を 引かれ、俺は庭に出るのだった。ロイド様 、今日は堅術ごっこで遊びましょう。え、 また男子たる物術の1つも確むべしですよ 。さあ、牧刀をお持ちくださいませ。 シルファは牧刀を俺に渡し、自分も構える 。さあ、どこからでも打ち込んできて ください。満面の笑を浮かべるシルファ。 その構えはリラックスしているが、堂々と したものだ。それもそのはず。シルファの 父は騎士団長で大々合族の堅術薬をして いるのだ。娘であるシルファもかなりの 腕前で以前兵士にしつこく絡まれていた時 あっという間に相手の剣を奪いその首元に 突きつけたのを見たことがある。ま面木で 美人だが融通が効かないちょっと追っか ない人。それがシルファだ。だから俺が手 を抜いていたらすぐ見抜いてくるので本気 でやる必要がある。俺は剣を握り直し正願 に構える。行きますよ。両手に魔力を集め て皇室化攻撃力を上げるようイメージして いるんだな。面白そうだ。俺もやってみる かとはいえ素ではあれだし。そうだ。鞄の 中に武器があったっけ。以前不魔術で使っ た鉄の探検。あれを使えば剣で同じことが できるよな。隙を見せたな。しねえと 思いカを漁さろうとした時である。かずは 魔力並を放ってきた。ロイド様危うね。 それを迎え打つべく俺の右手グリモが黒い 魔力波を放つ。2つの魔力波は互いに ぶつかり引け飛んだ。ぬー。魔人が人間に 組か。へ、鼻く素定の威力だぜ。パズと グリモが魔力並みを打ち合う。何度も何度 も俺の元で激しい先行が散っている。 を知りけ、そやつは失った輪が身体の新た な宿主とするのだ。誰がてめえなんぞに やらせるかよ。こいつの身体はゆくゆくは 俺様のもんになるんだからな。町から派の 激突音であまりよく聞こえないが2人は 何か喋っているようだ。魔人同士対抗心で も燃やしているのかな?ロイド様、ここは 自分に任せてやりたいようにやってくだせ 。ああ、グリモも無理すんなよ。っていう か、別に放っておいても魔力消壁で防げる んだけどな。まあ、せっかくやるって言っ てくれてるんだし、無限に断ることもない か。王族とは家のものの信源をむやみに 否定せぬものらしいしな。えっと、こんな 感じかな。戦国と同じ容量で強く硬い歯を イメージした魔力を生み出し、剣にまとわ せていく。さらに先ほど見たシルファの 権技も制御魔術でコピー。よし、これで やってみるか。グリモの口を閉じさせ、 ぎゅっと探検を握りしめた。行くぞ。俺は 米を蹴り、まっすぐパズに向かってかける 。低く構えたけ筋が水面で爆舌続け、水柱 となって俺のすぐ後を続く。なあ、グリモ 。あれって俺がお前に身体を貸している ようなもんか。こっちは完全にロイド様 主導なんで全然違いやすいよ。言うなら 自分は付属品のようなもんでさ。あっちは パズの野郎が魔獣の身体を乗ってるんです な。魔人の身体は実態がないので他の生物 の身体と一体化できるらしい。グリモが俺 の右手に入っているようにパズも魔獣の 身体に入っているのだろう。ただ向こうの 主導権は完全にやにあるようだ。巨大 ベアウルフパズが唸り声をあげながら こちらに歩み寄ってくる。さあ、 立ち上がる良い。我が属たちよ。パズの 言葉で今まで倒れふしていたベアウルフ たちに頑光が宿る。ゆっくりと立ち上がる ベアウルフたちの身体にはうっすらと黒い モヤのようなものがまとわりついていた。 あれはパズの魔力か。魔獣とは魔力を持っ た物質を食らい強く大きくなった獣だ。 そうして魔獣となった獣はより強くなる ために魔力を帯びたものを好んで処すよう になる。パズは自身の魔力を与えて傷を 負った魔獣を回復させているのだろう。 各か魔獣使いなどはそうして魔獣を操って いると書物で読んだことがある。ふむふむ 。実際に見てみるとよくわかるがあれは ただの魔力ではないな。魔獣たちの身体が 受け入れやすいよう魔力の性質を変化させ ているように見える。各下に他人の魔力と いうのは簡単に受け入れられるようなもの ではない。ゆえにその性質を変化させ 受け入れやすくしているのだろう。強い 魔力を持つものが近くにいるとかなり気に なるしな。だから俺は普段は魔力を抑えて 活動しているのだが、これが結構疲れるん だよな。なるほど。魔力にはああいう使い 方もあるのか。面白い。ガルルグーうー。 唸り声をあげるベアウルフにこの絵たちは 後ずる。立ち上がったベアウルフたちの 身体の傷はみるみる塞がり、心なしが 大きくなっているように見える。ば、バカ な。倒したはずなのに。だろだよな。 そりゃそうさ、魔術師にとって未知の魔術 は喉から手が出るほどのもんだからな。 ああ、本当に教えてくれるのか。当然だ。 だからよロイド、この意味踊りしい封印を 解いてくれ。そうだな。俺は本に手を触れ を開いた。すでに封印が呼びかけていた こともあり、あっさりと開いた本は パラパラとすごい勢いでまくれ始める。 その橋からページは炭のように黒く ボロボロになっていく。本の破片が中を 待っていた。そこへ風が吹き全てを消滅さ せてしまう。封印は完全に溶けた。くぐっ たような声が部屋に響く。くわは。ありえ ねえぜ、こいつはよ。マジで封印を解き やがった。黒いモヤは一家に集まっていき 、より人らしい形を作り出していく。青い 肌に額体に生えた2本の角、コウモのよう な翼に竜のような屈境な上半身、ヤギの ような下半身人ならざる姿は魔人と呼ぶに ふさわしい。こいつはいい気分だ。歌でも 歌っちまいそうだぜ。自由だ。俺は自由に なったんだ。ひは。嬉しそうに大笑いする グリモワールに俺は声をかける。そいつは 良かったな。で、そろそろいいか?うん。 ああ。古代魔術のことを教えて欲しいん だったか。グリモワールはニやりと笑うと 右手に魔力を集め始めた。おお、すごい 魔力だ。魔力量だけなら人間と比べ物に ならないぞ。さすがは魔人といったところ か。安心しているとグリモワールは右手を 俺の方へ向けてきた。途端視界が黒く 染まる。ドーン と大爆発が巻き起こり、もうもう土煙が 上がった。これが黒線方だ。どうだい? なかなかの威力だろう。まあ、聞こえて いるかは分からねえがよ。くっくっという 笑い声。もちろんちゃんと聞こえている。 風を生み出し、舞い上がった土煙を 吹き飛ばす。俺の姿を見たグリモワールは 驚愕の表情を浮かべていたな。うん。 なかなか面白い魔術だ。それが古代魔術な んだね。変わった術式だ。現代では使わ ないような魔力の流れ、構成、整形の仕方 、発動方法も独特だ。とても興味深い。 もう少し見せてもらえるかい?俺が声を かけるとグリモワールはなぜか息を飲んだ 。無事魔獣狩りは成功した。みんなの おかげだ。感謝する。おお。アルベルトの 言葉にこの絵たちがもろテをあげて換気の 声をあげる。うん。せっかく城から外に出 たのにもう終わりか。結局魔獣とは戦え なかったし物足りないな。はもう沈みかけ ている。今日はここで止まっては明日に しよう。気づけばもう夕暮れである。夕日 がコメに反射してとても綺麗だ。夜になっ たら抜け出して魔術の練習でもできないか ななんて考えていると。ロイド様、私たち のテントが用意できましたよ。テントの 設営を終えたシルファが俺に微笑耳かけて くる。かなり小さなテントだ。こんな ところで2人で寝るのか。こっそり 抜け出そうとしたら確実に目を覚ます だろうな。シルファだし間違いない。わあ 、残念だけど今回の外出はこれで終わりか 。俺も魔重を借りたかったな。さ、私は 夕食の準備をしてきます。ロイド様は こちらでお待ちを。おおんとシルファの声 と重なるように低い音が聞こえる。犬の 吠え声。いや、これは狼でしょうか?いや 、それにしては少し声が太いような気が する。普通の狼はもっとか高い声で吠える 。遠すぎて聞き取りづらいな、ベアウルフ のそれによく似ていた。おおん。おおん。 遠覚えは徐々に近くなっていく。しかも1 つではない。周りの森中から聞こえてくる ようだ。ここまで来るとこの絵も違和感を 感じたのか騒ぎ始めるな。なんだこの方向 は?どんどん近づいてくるぞ。休んでいる 奴ら全員出てこい。テントで休んでいた者 たちもゾろぞろと出てきた。皆緊張した お持ちで武器を構えている。ロイドこっち へ来い。アルベルトの元へ小走で行くと この絵たちが俺たちを中心にしてエンジン を組む。辺りをピリピリした空気が漂。 うう。もうすぐそこで唸り声が聞こえる。 ガサりガサリと草むが揺れ、そこから巨大 な狼が顔を出した。やはりベアウルフだ。 かけているのは支有系トマ術、回復呼吸、 呼吸の深さに応じて少しずつ傷を癒すと いうというものである。長い間じわじわと 回復するため魔力刻印と相性が良い。後れ がやったと映えにくいし雨 系統の魔術は全てかなり上位の魔術なので バレると面倒だ。傷つき倒れていた者たち もしばらくすると傷が治り立ち上がる。 うん。これならそう簡単には倒されない だろう。てなわけで話の続きだ。わあ、 分かりやすたお本。魔力の性質変化とは 術式ではなく魔力を生み出す際に行うん ですよ。ただ魔力を出すだけでなく手を 加えれば性質も変化させられるんです。 ええ、それは考えたこともなかったな。 魔力を生み出すのなんてただ満とやってい た。思えばグリ物使ってた古代魔術が色を 変えたり魔力並の形状を変えたりしていた のは術式ではなく性質を変化させていたの か。無意味だと思ってたが、やっぱり魔術 は奥が深い。まずは色の変化から始めるの が基本です。やってみますかい?もちろん 魔力の性質変化はイメージが大事でさ、色 のついた魔力を強く想像するんです。とは いえ、一丁一隻でできるもんではイメージ ね。姿を変える魔術模者姿みたいなものか だったら得意だぞ。イメージと俺は青色を 強くイメージし、手のひから魔力を 生み出していく。すると淡い青色の魔力が 溢れ出してきた。おお、これが魔力の性質 変化ってやつか。赤、白、緑、思うように 色を変えていく魔力。こりゃ面白い。俺 がいでいるとグリモは驚愕の表情を浮かべ ている。木聞いただけであっさりと動かし たりとかもできるな。あまり意味はなさ そうだけど。生み出した魔力に動けと イメージを送るとグねぐねと色を変え ながら動いていく。グリモは俺が事在に 動かしているのを見てあんぐりと口を開け ていた。なるほど。パズはこれに匂いや味 を加え、魔獣好みにしているんだな。炎 をいて全てを噛み砕く牙となれ。情熱 エキ場なんてことをしているとアルベルト の影承が終わったようだ。すぐ気づいた シルファとタオがパズから距離を取る。 直後萌える無数の炎がパズづらへと 振り注いだ。かー 高範囲に渡る炎が周囲を焼き尽くし、ベア ウルフラは悲鳴を上げながら次々と倒れて いく。 土シルファの牧刀は土の壁に埋まり抜け なくなる。無理やり抜こうとしている間に 俺はその背後へと回り込む。取った。牧刀 をシルファへと走らせ、首元で止めるはず だった。しかし目の前にいたはずの シルファは牧刀を残したまま姿を消してい た。うっそ。左右に目を動かすがシルファ の姿はないとなれば後ろ振り向くがいない ということは上即座に火球を念じ上空へ 向けて放つ残念下ですよ。また下から 聞こえる声に見下ろすとシルファが笑顔で 俺の真下にいた。驚く間もなく両足を掴ま れ転ばされてしまう。そのまままたがられ マウントを取らえてしまった。 にっこりと微笑むシルファを見上げ、俺は 目をつる。負けました。はい、私の勝ち です。よいしょと。これでいいんですか? ロイド様。シルファは油のたっぷり注がれ た水瓶を俺の部屋の隅に置く。多分と水面 が波打った。ありがとう。でもいいの?1 本取れなかったのに。一瞬とは言え思わず 本気を出してしまいました。1本取られた ようなものですよ。それにしても本気を 出したロイド様はこれほどまでにお強く なられていたのですね。シルファは嬉し ございます。ぐす。またも涙むシルファ。 やめてくれ。恥ずかしいから。俺が本気を 出して戦ったことがよほど嬉しいらしい。 かなり限定した状態での本気だったのだが 、まあ喜んでくれてるんだからよしと しよう。先日のあまりにふ抜けたおいぶり どうにかなってしまったのかと思いました が、調子を取り戻していただけたようで 幸いですわ。ふ。微笑みを浮かべる シルファを見て俺の右手がブルブルと震え ている。グリモのやつよほどビビっている のか。今日はずっと引っ込んだままだ。 前日の堅術ごっこで痛めつけられたのが 相当トラウマらしい。あわ、あの時は ちょっと体調が悪くてね。Aスランプと いうやつですね。そういう時は誰にでも あるものです。それを抜け出すのには1に も2にも鍛錬あるのみ。実際スランプを 抜けたロイド様の動きはとても素晴らしい ものでした。魔術と堅術の融合、この シルファ四国感復いたしました。シルファ はそう言ってうやうやしく霊をする。堅術 も魔術もまだまだ拙い。でもロイド様は 発展途上。そして凄まじい速度で腕を上げ ていらっしゃる。魔術が使える剣士自体 とても数が少ないのに堅術レベルはわずか 10歳とは思えません。それに魔術に 関する造形はアルベルト様も一目置かれる ほどです。ああ、なんと素晴らしいの でしょう。成長したロイド様には騎士団長 や牽制の称号すら不り合いかもしれません 。そんな方の指導薬をやらせていただける なんて。このシルファ光栄四国でござい ます。何をブツブツ言っているのだろう。 さっきから俺を見る目がなんか怖いんだが 。そういえばシルファは以前チャールズに 俺の現術の腕をすごく評価しているとか 言ってたっけか。いや、今回は魔術を使っ ただけだし、そこまで評価は変わらない だろう。そう思いたい。うん。アルベルト 様獲物を取ってまいりました。私もです。 私たちは鹿。しばらくすると続々とこの絵 たちが獲物を捉えて帰ってきた。うさギに 蛇、鳥に魚、鹿やイノシシまでである。 その大量ぶりにアルベルトは驚いている。 こりゃあなた随分捕まえたもんだ。大して 時間も経っていないのにどうしたんだ? いえいえ、アルベルト様、この森トでも なくたくさんの動物がいるんです。しかも どれもこれも警戒心が薄い。鳥放題ですよ 。後で狩などしてはいかがでしょう。この 絵たちは興奮した様子で語っている。まあ 、あれだけ取れれば楽しいだろうな。 アルベルトは並べられた獲物を見てふむと 考え込む。ふむだな。獣は村の貴重な資源 。いくら簡単に取れるからと言ってやり すぎるのは良くないだろう。僕たちは標準 の食事ができれば十分。これ以上の狩は 不要だ。他の者たちにもよく言っておく ように。は、アルベルトに注意され、この 絵たちは慌てて経をしたともあれ、食事の 用意が始まる。獣をさき、血を抜き、下 処理をした肉がシルファの前に運ばれて いく。シルファはそれを切って似て焼いて テーブルの上に並べていく。その手際の良 さにこの絵たちは簡単な声をあげていた。 皆様お待たせいたしました。どうぞお 召し上がりくださいませ。調理が終わり 合成な食事がテーブルの上に並んだ。 肉たるステーキや脳のスープ、鳥の串焼き に賛菜のさや。どれも微味そうだ。この絵 たちが幸せそうに食べているのを見ると こっちまでお腹が空いてきた。お二方も どうぞ。ああ、ありがとう。シルファ。 いただきます。手を合わせ綺麗に盛り付け られた料理に手をつけていく。まずはお肉 をもぐもぐ。おお、これはうまい。野生の 獣の肉というのはこんなにうまいものなの か。というわけで千里品の確認だな。その 夜夕食を終えた俺は早々に部屋へ戻りカを 広げた。ダンジョンから持ち帰った三石、 ストーンスライムのかけら、宝箱の消え、 魔術が付与された探検をベッドに転がす。 ロイド様何ですか?そそりゃダンジョン から持ち帰ったのさ。通りで遅いと思っ たらダンジョンを攻略してきたんですかい ?たにため息を吐くグリもだから悪かっ たって。まず手に取ったのは三石。タオの 言っていた通りダンジョンから出したこと で光を失っているようだ。ちょっと削って みるか。水形等魔術水場にて三石を ゴリゴリと削っていく。硬いものを削る 場合質量のない風場よりは質量のある水場 の方がやりやすい。削り出してみたが石の 内部には特に気になる点は見受けられない 。どこにでもあるごく普通の石だな。俺の 仮説と合わせて考えるとダンジョンの核は 様々なものを取り込んで成長する。 おそらくこういった石や土を取り込み ながらダンジョンを作ったんだろうな。と いうことはダンジョンで採取したものは その場を離れると元の物体に戻るのだろう 。こっちの宝箱の破片はダめだ。全く魔力 を感じない。というのはおそらく魔法生物 とでもいう存在切断した時に死んでしまっ たのだろう。ちなみにストーンスライムの かけらもただの土に戻っている。 ダンジョンから離れたので元の土に戻った のか。だがリッチは自分のダンジョンから 離れても平気そうだったな。高レベルの 魔物ともなればまた違うのかもしれない。 いや、ダンジョンが1匹の巨大な魔物と 考えるとどうだ?強力な魔物には単独で 活動できるよう核があると聞いたことが あるし、ま、赤説の息を出ないか。なんだ か生かい視線を向けた気がする。く、 使い間に手を噛まれるとはこのことだ。私 は冒険者のタオというね、怪しいものじゃ ないよ。そんなことをやっている間にも タオはアルベルトに声をかけている。ふむ 。僕はアルベルトディサルーム。この国の 第2王子だよ。お王子様。これは飛んだ ゴブレイを許してください。あるよ。いい さ。知らなかったのだろう。僕は気にして いないよ。ありがとうございますね。 たどたしい口調で頭を下げるタオ。他の国 ならともかく比較的平和なサルームでは 王族に少々ブレな口を聞いたからと言って 即刑罰なんてことはありえない。俺たち 自身国の方針で王規則だからとあまり存在 な態度は取らぬように言われているのだ。 おかげでうちの王族はフレンドリーという か民衆たちからも慕われており、魔獣狩り などで外へ赴いた時などは平民たちの家で 食事を振る舞われるなんてこともそう 珍しくはないのである。それより冒険者が こんなところで何をしていたんだい?この 先の湖で祠の修繕以来を受けてそれに 向かう途中よ。その道中白と見えたあなた の顔が少し知り合いに似ていてね。つい 追ってしまったよ。ペコリと頭を下げる タオだが上使いでアルベルトを見る目は どこかじゃに見える。怪しい。シルファが 無表情のまま馬から降りタオの前に 立ちふがる。怪しいですね、この女。気に なったなら堂々と声をかければいいのに。 なぜ気配を消して近づくのです?そもそも 喋り方からして怪しいではありませんか? なあ。 こ、この喋り方は単なる鉛りある。気配 だって別に消したわけじゃなく、そういう 呼吸が癖になってるだけよ。ああ、 なるほど。みんながタオの気配を感じ なかったのは木の呼吸のおかげか。俺だけ が感じ取れたのは同じく木が使えるから だろう。近づいた。今ならわかる。木の 呼吸を行うタオは体内の気を散らさず循環 させているため、あまり外へ漏れ出てい ないのだ。ほうでは先国からアルベルト様 に邪なし線を向けているのはただイケメン だなと思っているだけよ。邪なし線なんて とんでもない。分かりやすく同揺するタオ にシルファは随いと詰め寄る。ないのか あるのかはっきりしなさい。シルファ辺に してあげなさい。えとタお君も楽にすると いい。アルベルトが声をかけるとシルファ は一瞬タオを睨んだ後すぐに後ろへ下がっ た。それでもいつでも動けるよう絵に指先 を当てている。タオは緊張が切れたのか 大きく息を吐いて腰を下ろした。 ありがとね、アルベルト様。助かったよ。 この人美人だけどとんでもなく怖いね。 ところでタオ、僕が知り合いに似ている らしいが、僕は君を見たことがないんだ。 人違いではないのかい?ふむ。確かに私ら 探しているのはロベルト。名前違うよ。 それにアルベルト様とは少し雰囲気も 異なるね。げ、タオのや、俺のことを探し てたのかよ。いきなり飛んで逃げたからな 。探していてもおかしくはないか。はまあ 姿を変えてたし気づくことはないだろう。 ちらりと視線を向けるとタオが俺を元けし ていた。むむ。あの子どこかロベルトと木 の雰囲気が似てるよ。でも明らかに姿が 違うね。思い過ごし 嫌でもタオは俺を見ながらうんうん唸って いる。さすがに分かりはしないだろうが 心臓に悪いな。おおん。Obを上げながら 襲いかかってくるコボルトたち。この絵 たちは剣を抜き放ち迎え打つ。コボルトの 振り下ろすの剣が受けようとしたこの絵の 鋼の剣と接触した。え、驚きの声をあげた のはこの絵とこぼると両方だった。 コボルトの持っていた鋼の剣が抵抗なく へし折れ、この絵の剣は勢いのままに コボルトの銅を捉える。そのままざりと コボルトの身体を切り裂いた。ぐわー。 先血が吹き出てコボルトは倒れる。他の 場所でも俺の付与した鋼の剣がコボルト たちの武器をへしっていくな。なんだこの 切れ味は。これが付与の力というものか。 このように頑丈なコボルトの大毛を一なぎ で切り裂いてしまうとは。その切れ味に この絵たちはとても驚いているようだ。 どうやら不与はうまく働いているようだな 。武器で勝さるこの絵たちはあっという間 にこぼるとを追い払ってしまった。はは。 どうだお前たち。これが我が弟の実力だ。 恐れったろう。後でしっかり霊を言って おくことだな。アルベルトが祠らしげに 笑っている。おいおい、勘弁してくれよ。 俺は目立ちたくないんだが。俺がじと目を 向けていると、アルベルトが満面の笑を 浮かべ、俺の両肩を叩いた。素晴らしい じゃないか、ロイド。成功率も去ること ながらとんでもない切れ味だったぞ。あれ ほどの不術を使えるなんて本当に驚いたよ 。え、えと、母はまずい。やりすぎたか。 俺の想定以上に評価が高い。使い手が 少ないから少々やりすぎても大丈夫かと 思ったが、それが裏めに出たかもしれない 。俺がどう答えたものかと試案していると アルベルトは言葉を続ける。いつも本の虫 だったロイドが実質に小もりっぱなしだっ たからきっと何かやっているのだろうとは 思っていたがまさか不術をここまで極めて いるとはね。道具はシルファに集めさせた んだね。とんでもない才能だ。さすがは僕 の弟だよ。どうやら俺の思い過ごしだった らしい。俺はアンドの息を吐いた。はい。 アルベルト兄さんの言う通りです。どう やら不術に向いてたみたいで。あはは。 うんうん。そうだろう。そうだろう。どう これからも不要をお願いしてもいいだろう か。道具は僕が融通するからさ。頼むよ。 道具を。本当ですか?ああ、もちろんだと も。今回使った道具は基本のものばかり、 不術には他にも色々な材料が必要だ。それ をアルベルトの力で集めてもらえるなら、 これからはもっと色々なことができそうで ある。ふふふ。ロイドは良き才能を開化さ せたな。こんな年齢から純宅な資金を使っ て思う存分不術の修行ができるものなど そうはあるまい。このまま行けば国1番 いや世界一の不術師になることも不可能で はないな。アルベルトが何かブツブツ言っ ているが、俺は様々な付与の組み合わせを 考えるので頭がいっぱいだった。行け。 放たれた火球が高速回転しながら1番 高得点の区の的を狙って飛んでいく。 ちなみにこいつは強烈な横回転をかけて いる。やや左に曲がって当たるはずだ。 火球は俺の予定通り飛んでいき、的の縁り をかめた。倒れなかったため、これは得点 にはならない。だがこれでいい。敵の 真ん中に当ててあまり注目されても困る からあえてギリギリ当たっても倒れない ポイントを狙ったのだ。この回転数角度 射室速度で打てば命中するのは計算通りだ が実際やってみると案外思った通りには 飛ばないものだからな。実験は大事だ。 惜しかったね、ロイド。では僕の番だ。 今度は俺に変わってアルベルトが的の前に 立つ。そして集中し、手元に生み出した 火球を放った。俺のより回りは大きな火球 化が真っすぐに飛んでいき、俺が倒し損ね た的の中央に命中した。お見事です。 アルベルト兄さん、ありがとう。さあ、次 はロイドだよ。今度は俺が的の前に立つ。 次は下から上に競り上がっていくように 回転を加えて火球を放つ。火球は俺の思っ た通りの曲線を描き、的の上部をかめた。 次もその次も火球は俺の思い通りの奇跡を 描き狙い通りの箇所にあたる。ふむふむ。 魔力級に回転力を加えて変化させるのは 悪くないな。普通にコントロールして 曲げるよりも圧倒的に魔力を使わずに住む し、速度も比較にならない。実験成功と いったところか。そんなことを考えている と遠くからひそひそ声が聞こえてきた。 アルベルト様はさすがだな。見事に全て 命中させておられる。それに比べてロイド 様はやはり子供だ。高徳点の的ばかり狙っ て外しておられる。自分にあったのを狙え ば良いのに。俺たちを見ていた魔術師の 言葉だ。よしよし。うまくごまかせている ようである。やれやれ。お前たち見てて わからないのか?するといきなり アルベルトが魔術師たちに声をかけた。う 、まさか俺のやっていることに気づいたの か。ドキドキしながら聞き耳を立てる。 かすっているだけとはいえ、ロイドが放っ た魔術は全て的に命中している。しかも 1番小さな区間にな、それにわずかだが、 火球が敵に向かって動いていた。おそらく 制御系統魔術の才能があるのだろう。おお 、そ、そうだったのですか?それは気づき ません。全く不穴だな。お前たちはふう。 どうやら完全にバレているわけではない ようである。ちなみに制御系統魔術は7歳 の頃に極めた。俺がよくその手の本を読ん でいたからそう勘違いしてくれたのだろう 。ロイドは魔術の才能がある。小さな頃 から才能を伸ばしていけばゆくゆくは大魔 術師や賢者も夢ではあるま。今のうちに こうして仲良くしておけば僕が大いに着く 頃にはきっと大きな力になってくれる だろう。アルベルトは微笑みを浮かべ ながら小声で何か言っている。よく聞こえ ないが。ま、いいか。俺には関係なさそう だしね。これが不魔術か。なかなか面白い 。もっと試したいところだがまずい液が ないんだよな。ないなら作ってみるか。 どんなことができるんですかい?原料の 段階まで分解すれば配合材料と比率が 分かる。それを組み合わせれば再現できる はずだというわけで余ったまずい液を小便 に入れ度上昇を発動させる。ただし今度は 強化の術式を編み込んでただ。こうする ことで原料にまで戻すことが可能。術を かけてしばらくまずい液の色が黄色く 変わり始める。 さらに液体の中から様々な決晶が集まり、 そこに溜まっていく。よし、分解完了。 ええ、こいつがまずい液の原料ってわけ ですか?そういうこと。液体部分はただの 油だな。油は魔術とも金属ともに相性が 良い。だからある程度想定していた。中の 決晶は主に銀貨。火幣で代用できそうだ。 こっちの赤い粒は赤まコナだな。赤まは 強力な魔物の心臓部にある核をすりつぶし てできた粉。魔力を非常によく通し、液体 とも混ざりやすいので様々な素材に用い られるのだ。そしてこの赤ダンジョンの角 と並べてみると非常によく似ている。 やはりダンジョンというのは俺の予想通り 魔物の一種なのだろう。 つまり手に入れたダンジョンの角をすりつせば使えるな。こっちの材料もクリアだ。ってことはここにあるものでまずい駅はできそうだな。 おお、すげえぜ様。 構想が分かればやってやれないことはないはずだ。よし、明日材料集めて調合してみるか。海が地面を貫き、稲妻が空をかけ、竜巻きが巻き起こる。 すごまじい 破壊音と衝撃派が吹きやれるのを見ながら俺はむと頷く。ほど。はり二重症術は元となった魔術をけ合わせた形になるのか。魔術というのはイメージが強く影響する。火のを強くイメージしなければ動しない。水は水の球は土のも同様だ。 上位魔術となるとイメージだけでは足り ないので、呪文の影や術式、媒体の使用 などでそれを補強するのだ。なので20 重症は元となる2つの魔術を掛け合わせた イメージの通りに発動する。霊ば火と土で 溶岩、水と土で氷、火と風で雷、風と土で 砂とそんな具合だ。まあ、これは想定ない というか、実はこれらの組み合わせは本で 読んでて知っていた。滅多に見られるもの ではないが、二重症自体は昔から存在して いる。グリモのような技を持つものや息の あった魔術師2人であれば行使可能だから な。実際試すとどうなるかという確認だっ たのである。それよりも他に試したい 組み合わせはあるんだよな。まずはこれ 幻想系等魔術模者姿。これは魔力の膜で 自分の身体を覆い、別人の姿に変えると いうものだ。特にイメージが重要な魔術で よく知った姿でないと返信できないという ものだが、これを二重で発動させればどう なるか。俺の想像通り事が運べば物は試し とばかりに模者姿を二重。発動と共に俺の 身体が光に包まれていく。えっと、鏡鏡と おいい感じだな。鏡の前に移るのは少し だけ背を高くし、少しだけの色素を薄くし 、結構イケメン化した俺の姿。そう、模者 姿を二重し、片方を自分、もう片方を アルベルトにて発動させたのだ。俺と アルベルトの姿のイメージが混じり、 ちょうど中間ぐらいの用姿になったので ある。この姿漫画違いで俺の姿を見られて も正体を知られることはない。ついでに アルベルトにも迷惑をかけないしな。て いうかさっき上位魔術を打ちまくったし誰 か近寄ってくるかもしれないか。一旦場所 を映した方がいいだろう。何せ目の前は 凄まじい破壊の嵐が吹きや荒れた後である 。こんなものの近くにいては知らぬ存ぬも 無理がある。と決まれば秘少にて俺はその 場を後にする。岩山と岩山の間を文字通り 秘障し、宣の場所から大分離れた辺り だろうか。うん。あれは眼下を見れば何者 たちかが争っているのが見える。どうやら 人間と魔物の群れが戦っているようだ。 おお、魔物って見たことがなかったんだよ な。よし、隠れて観察するとしよう。俺は 岩山の影に降りるとそこから戦いの様子を 覗く。魔物と戦っているのは年若い少女 だった。艶のある黒髪を両サイドで括くり 、お団子にしてそこから垂らすようにして 伸ばしている。憲法服とでも言うのだろう か。動きやすそうな服の胸源は涼し毛に 開き、背にはぶっという文字が刻まれてい た。少女は軽やかな足取りで魔物を翻弄し つつ拳1つで戦っている。あれは多分冒険 者だな。冒険者というのは便利屋のような もので金を稼ぐために魔物を買ったり素材 なんかを集めたりする連中だ。強さによっ て階級分けがさえておりからAまでランク があるんだっけか。正直あまり興味が なかったしよくわからないんだよな。タオ は顔をあらめ、くねくねと腰をよじって いる。まさかまだ気を失っていなかったと は。だが幸運なことにちょっと勘違いして いるようで正体がバレたわけではなさそう だ。ていうかといつの間に将来を誓い合っ たのだろうか。全く記憶にないんぞ。ふむ 。魔人を倒すとは相当名が知えた冒険者 だろう。今度探して霊を言わなければな。 いや、ロベルトなんて冒険者はいないんだ が。まあいいや。知らんをしておこう。 おん といきなり森の中から吠え声が聞こえてき た。しみから飛び出してきたのは真っ白な 大型県たちだ。犬の群れは俺にすり寄って くる。わ、なんだお前たち。うん。よく 見ればこの犬たち見た目はすっかり 可愛らしくなっているがさっきのベア ウルフだ。触れれば分かるが、体内を巡る 魔力の流れが同じなのである。成長や修行 により魔力の方は変われど、どう1個体で あればこの流れのパターンが違うのは基本 的にありえない。一体なぜこんなことに なったんだろうか。魔獣は食らった魔力に より姿や性格が変化しやす。ロイド様の 魔力を浴びたからこいつらもこんな姿に なったんでしょう。ポングリモの言葉を 肯定するように犬が吠えた。その1匹が俺 の前でちょコンと座ると他の犬たちもそれ に習う。戦闘の犬は俺をキラキラした目で 見上げ尻尾を振っている。どうやらこいつ パツが直接操っていたやつですな。ロイド 様を主と認めたようですぜ。どうもそう みたいだな。とはいえ城に連れ変わるわけ にもいかないよな。可愛いけど魔獣だし。 俺はそう思い、ちらりとシルファを見た。 あらあら、この犬ロイド様に随分抱いて いるようですね。だがシルファは俺に抱い た犬を見て嬉しそうに微笑んでいる。あれ 、絶対連れ帰っちゃだめですとか言うと 思ったのになぜか交換色だ。何を不思議 そうな顔をしているのですか?ロイド様。 犬は中義に熱く戦士たちの良き相棒となる 。それ故えングリスケでも昔からたくさん 買っております。ロイド様にもいつか犬を 勝っていただこう思っていましたが良い 機会です。この子は身体も丈夫そうだし よろしければ買われてはいかがでしょうか ?シルファの言葉にアルベルトも頷く。 そうだね。犬は僕も好きだ。それに白い 魔獣は演技が良いと言われている。これ ほど抱いているならきっとロイドの良きと なってくれるだろう。おんおん。そうしろ と言わんばかりに何度も吠える犬。2人が いいって言うならいいか。魔獣に関しても 色々研究したいことはあったしね。あ、 いや、別にグいことをするじゃないからな 。ロイドその子に名前をつけてやるといい 。名前ですか?うん。じゃあ白でおん。 白いからという安直な理由だけど白は気に 入ったようだ。撫でとばかりに俺に頭を すり付けてくる。俺が撫でてやると白は 千技連に尻尾を振って喜びを表現していた 。可愛い。扉を開けると部屋の中から異様 な空気が漂ってくる。様々な色、匂いの 魔力の本流。これはすごいな。広域殲滅や 生命生成、空間転移の魔所なんてのもある 。こりゃすごいな。まさにお宝の山だ。だ が特に気になるのは奥から発せられる気配 。一言で言えば甘くかしい花のような香り に紛れ、わざわい踊りじしい何かが手招き をしているような感覚だろうか。おそらく これがアルベルトの言っていた金所だ。 さてどうしたものかなんて考えているうち に俺の足は禁種の気配いつの間にか部屋の 奥へと進んでいく。おお、これは制御系統 の魔術か。かなり強制力が強いな。匂いを 嗅がせることで相手の行動力を制限する タイプの術式を浴み込んでいるのか。 おそらく霊の魔人が使っているのだろう。 何も知らないものがこの部屋に入ったら フラフラと吸い寄せられるように金所の 封印を解いてしまうだろうな。厳重な結界 がされているのも頷ける。もちろん俺は そうはならない。制御系トマ術への対策は 簡単だ。身体のコントロールを取られても 落ち着いてこちらから上書きすれば解除 できるというわけで自身に制御系統魔術を かけると身体が自由になった。自由になっ た身体で改めてショ庫の奥へ足を 踏み入れる。おいおいおいおい。生えてる のか?てめえはよ。重く響くような声が 聞こえた。見れば部屋の採用真っ黒な本の 上にモヤのようなものがある。それは人の ような形をしており、赤い瞳がラン乱ンと 輝き俺を見つめていた。俺の支配を逃えて なお逃げずに向かってくるとはな。よほど の夕敢かただのバカか。夫名乗り忘れたな 。俺様は魔人グリモール。よろしくな。 黒いもや魔人グリモワールは俺を見て容気 に笑う。ええ、驚いた。君は本に封じられ ているんじゃないのかい。くくく長い年月 が経ち、封印が誇び始めているんだよ。だ から身体の1部分だけは外に出れるのさ。 見れば確かにグリモワールが尻に敷いて いる本はボロボロだ。本に編み込まれた 封印はボロボロでいつ効果を失っても おかしくない。なあ坊主てめの名は何と いう?ロイドふむナーロイド俺様はあと数 年もすれば封印を破り完全な形で復活し外 に出る。そうしたらこの国を滅ぼし尽くす つもりだ。この国の魔術師どもに封じられ たわけだからな。 俺にはそれをやる資格がある。だがロイド 、今から俺様の言うことを聞いてくれる なら、てめの命だけは助けてやってもいい 。そう言ってグリモワールは口元を歪める と指で本を差し示した。こいつの封印を 破壊してくれねえかい?ぐ体が痛くて思っ たように動けない。シルファの全力を コピーしたからだろう。あと若いからすぐ 筋肉痛が来たんだろうな。なんせ10歳だ し。ひ、筋肉痛すか。うん。これ以上の 運動は控えた方がいいだろう。そう言って 腕をマッサージする。あまり無理すると 治りが遅くなるもんな。そんな俺を見て グリモはなぜか呆きれた様子だ。ぐふざけ おって。そんな俺礼へ繰り出されるパズの 打撃。打撃打撃。魔力消壁が痛々しい岸し 音を上げていた。やはりかなりのパワーで ある。なあ、ちょっと聞きたいんだけど、 そんなに強いのになぜ魔獣を集めてたんだ 。知れたこと。我1人が強くなるより部下 を集めた方がより効率的に戦力を増大 できるからよ。強くなるために仲間を 増やしたってことか。ああ、そうだ。苦労 と努力を重ねた日々だった。わざわざ魔獣 の住みやすい環境を整えてやり、扱い やすくなる様子も繰り返した。面倒極まり 作業だったが、それもようやくようやく これからという時だったのに。貴様のせい で ガッスンと怒りに任せた一撃で俺の身体は 中に飛ばされる。強烈な一撃により魔力 消壁はこなご々なに砕けちった。二ばれ だが放たれた魔力並は俺ので消滅した。俺 の前に貼られた透明な壁を見てパズは 下打ちをする。地また魔力消壁か。だが そんなもの何度でも破壊して左右を見渡し たパズが言いかけた言葉を飲み込む。展開 したのは魔力消壁ではなく結界だ。空間系 透魔術次元展開かなり魔力を食うので短 時間しか持たないがあらゆる攻撃を通さぬ 次元の壁それでパズを包み込んだのだん 俺はふと思い立つ グリモは魔人に魔術は聞かないと言ってた が結局聞くのか聞かないのかどっちなの だろう魔人と遭遇する機会なんてそうは ないだろうし試してみるべきだよな20 俺は右手の口を開き呪文の影を開始する。 新内岩牙大塩み少熱円牙列空嵐しげ土水風 4系統も神魔術を順じぐりに100 高速術式を展開し本来の3倍速にて 編み込んでいく。それでよというのは 何かしら。はい。つい最近魔獣を買い始め たのでシ法け方など色々聞きたいなと思い まして紹介しますね。白です。オン背中を 撫でると白が吠える。それを見てアリーゼ は目をキラキラさせた。あらあらあら。 まあまあ可愛い子ね。しろちゃん焼けに 丸くて小さいけれどベアウルフかしら。 当たりです。北の森にアルベルト兄さんと 魔術狩りに行った時に懐かれました。それ にしてもよくわかりましたね。本来の姿と は大きく違うはずですが。うふ。なんと なくそんな感じがしたのよ。なんとなくね 。やはりなと思いながら俺は目を細める。 以前俺が魔力の波長を感知して生物の同一 個体を識別したようにアリーゼもまた無 意識に似たようなことをしたのだろう。 魔力ってのが関係してるのよね。よく わからないけれど。はい。それで聞きたい のですな。ネロイドこんなところで立ち話 もなんだし中で話さない。美味しいお茶を 出すわよ。あ、そうですね。つい話し込ん でしまった。中に入ればアリーゼの魔獣も いるだろうし、それを見ながらの方が話し やすいか。というわけで、俺はアリーゼに 案内され、塔の中へと足を踏み入れる。中 は大広間となっており、塔の外壁に螺線 階段と小部屋がいくつかある以外は完全に 吹き抜けとなっていた。地面には柴け、池 、草む、さらに木々まで生えており、 まさに自然のままといった感じだ。それを 見たグリモが簡単な声をあげる。魔術には 全て影象が存在する。ただほとんどどの 魔術師は各々自分にあった形で術式で 無営症かあるいは観略化しているのだ。貝 の魔術なんかは影も魔力もほぼ必要ないが 上位魔術になってくるとさすがに術式だけ では補えないため呪文の影が必要となって くる。それを二重で同時発動させる。 果たしてどんな効果が生まれるのか ワクワクするな。行くぞ。グリモ。えい。 俺の言葉と共に右手にグリモの口が開いた 。改めて呪文の影を開始する。やあ。突如 グリモが悲鳴をあげた。なナな。今のは 一体何なんですさ。え、呪文を影承した だけだが、今のがなんかとんでもない量の 呪文が一気に聞こえたんですが、ああ、 呪文束だよ。呼吸に100 の呪文を束にして突っ込んでいる。宣告いだがその束である。魔人ともなればこのくらいできると思ったのだが。 いや、無理っすよ。 呪文束くらいは知ってますが、束ねられるのは生ぜ 2つか3 つくらいっす。その影象速度についていくには開魔術の例えば火球とかでないと無理っすよ。火球に承は不要だろ。 いえ、自分は普通に必要すよ。驚いた。 火球みたいな会魔術にも影が必要なのか。 古代魔術は影少重視の文化なのかもしれ ないな。こっちは逆に影縮に特化した術式 を編んでいるから開魔術に影承はできない んだよな。まあそういうことなら仕方ない 。じゃあ俺1人でやるしかないか。人って ことは2人分の影を1人でや るってことっすか。ああ、とりあえず こっちの口で普通に喋れるかだが。ああ。 うん。普通に行けるな。手の口から声を 出してみる。妙な感覚だが難しくはない。 これなら1人20もできそうだ。念のため 結回を貼っておくか。では改めて 円列火球と滝列水求2つの上位魔術を20 影するや上空に座標を指定したそれは正確 に発動しているのだがなんだこりゃ とんでもない魔力の氷を感じる。これ以上 やると結界が持たない。そう判断した俺は 魔力供給を立ち強制的に発動させる。極後 混じり合った2つの魔術が破裂する。 ドーン と大爆発を引き起こし結界は消滅。周囲の 雲が消し飛んでいたな。南通威力。ああ、 こりゃすごいな。これが20重か。かなり 威力を抑えたつもりだったが、それでも俺 の結界を破るとは全力で打ったらどうなる ことやら。なんだ?城の上空ですごい音が 聞こえたぞ。まさか竜でも現れたか?走れ 走れ。絵花から見張の兵士たちの声が 聞こえてきた。やべ、見つかったら怒られ ちまう。俺は屋上から飛び降り自分の部屋 へと駆け戻るのだった。高速で迫りくる パズ。俺のそばにいたベアウルフたちが 立ちふがる。ガう。ぐるお。もしかして俺 を守ろうとしてくれてるのか?でも危ない ぞ。知りかせようとしたが間に合わない。 邪魔をするな。パズが両腕を振うと ベアウルフたちは引き飛ばされた。 ヒャイン地面に叩きつけられたベアウルフ たちが悲鳴をあげた。こいつ自分の眷属を なんてやつだ。かずは倒れすベアウルフ たちには目もくれず、俺目がけて体当たり をぶちかましてきた。ドスンと自動発動し た魔力消壁ごと俺の身体は湖へと 吹き飛ばされる。だが風景魔術非秘障発動 。風をまとった俺はコ面の上を滑り中央 あたりで止まった。しゃあ。翼を広げ地面 を蹴り即座に追撃してくるパズ。 振り下ろされた右手から放たれる魔力派を 魔力消壁で受け止めた。おい、自分で育て た大事な建属だろ。殴るなんてひどいじゃ ないか。何を言っている?我に逆らう愚か な犬なども早や眷属でも何でもないわ。 貴様を殺した後に全て首り殺してくれる。 ひどいな。モフモフ。帝国を作るんじゃ なかったのかよ。魔獣帝国だ。顔を真っ赤 にして俺を殴りつけてくるパズダメージは 全くないがそれでも魔力消壁をきしませる ほどの威力ただ殴っただけ邪高はならない これも魔力の性質変化かあれから1週間が 経った基本的には俺の日々はほとんど 変わらず好きなことをやっていた。少し 変わった点といえばアルベルトが頻繁に 魔術の練習上へ誘ってくれるようになり、 シルファの剣術ごこの頻度とそのレベルが 上がったくらいだろうか。アルベルト様、 今からロイド様は堅実の稽古をなさるの です。それは先日もやっただろう。今日は 魔術の練習をするのだよ。何をおっしゃい ます?現術です。いいや。魔術だね。2人 は火バを散らし睨み合っている。ただ 時踊りじれを取り合っているのを見るので 気が重い。しかもチャールズも最近何かと 俺を呼び出して近況を聞こうとするし、風 の噂ではタオもロベルトについて聞き回っ ているそうだ。モテモテっすな。ロイド様 グえ。この調子で周りの評価が上がれば俺 が身体を乗った時にうまい思いができるぜ 。ポン。グリモがニヤニヤ笑い、白が元気 よく吠える。全く騒がしいことだ。俺は ただ魔術を極めたいだけなんだけどな。 この世界には未だ俺の見たことのない魔術 が存在する。それを全部見たい、覚えたい 、モて遊りたい。俺はまだ身ぬ魔術の新を 望み、真っさな空を見上げた。魔術師とし て大切なものはまずは家柄、次に才能、 そして最後に努力である。最後というのは 言葉通り努力を努力として受け止めるもの にとってであり、楽しんでそれを積み重ね られるものにとっては最後ではなく最大の 力となりる。え、それら全て持つものがい たらってあはそれはぞっとしない話だね。 なくとも私は戦いたくはないな。なんて あの野郎は言ってたっけか。グリモが ボソりとつやく。どうかしたかグリモ。 いいえ。何でもあ、じゃんけんはシルファ の姉子が勝ったようですぜ。見ればいつの 間にか2人はじゃんけんをしていたようで 勝利したシルファがかけてくるのが見える 。ロイド様嬉しそうに僕を手に手を振って くるシルファ。俺はため息を吐きながら 中庭へと向かうのだった。普通に考えて これだけの動物を買い鳴らすなんて常人に は無理だろう。俺と同じ血を引いてるし、 魔術師としての才能が発言していても おかしくはない。生まれつき知筋や才能に 優れたものの中には無意識に魔力を扱う ものも珍しくないのだ。塔にたどり着いた 俺は正面にある大きな扉をノックする。 姉さん、アリーゼさんいますか?ロイド です。少し待っていると中から黒髪メイド が出てきた。か名前はエリスだっけ?覚え ていただけて光栄です。ロイド様、お久し ぶりでございます。うん。久しぶり。 アリーゼさんに会いたいんだけど。 かしこまりました。少々お待ちください ませ。ペコリと頭を下げ、塔へと戻るメド 。さらにしばらく待っていると扉が開いた 。ロイドガバといきなり抱きしめられた。 ワプふカふカの柔らかな感触をぎゅっと 押し付けられる。苦しい。 ロイドロイドロイド。もう久しぶりね。 あなたから会いに来てくれるなんて姉さん とっても嬉しいわ。さらにグリグリと頭も 撫でてくる。痛い。アリーゼ様、おやめ ください。ロイド様が苦しがっておられ ます。え?あら、本当ごめんなさいね。 アリーゼは謝ると俺を抱きしめる腕を緩め た。ふう。苦しかった。だからあまり来 たくなかったんだよな。アリーゼは昔から 俺を見つけては抱きついたりキスしたりと おもちゃにしていたのである。咳込み ながら顔をあげる俺の目の前にいたのは 薄べに色の長い髪をふわふわとさせた女性 。髪だけではなくドレスにもファーや ポンポンがついており全体的にふわふわだ 。ちなみに胸もふごめんねロイド姉さん 嬉しくなっちゃってそれで一体何のよう かしら。アリーゼはそう言ってにっこりと 微笑むのだった。タオがアルベルトを食事 に誘っている。おいおい、相手は一応王子 だぞ。なんというか強いな。ロイド様 ちょっといいですかい?心妙な口調で グリモが言う。どうしたんだい?あの祠ら 思い出しやしたぜ。あれは俺と同じ魔人が 封じられている祠だ。何?しかしあの祠ら 破壊されているようだが。ええ、中の魔人 は外に出た後でしょう。そしてかなり近く にいやすグリモの言葉とこ応するように ボコンと1匹のベアウルフの身体が大きく 跳ねる。2本足で立ったベアウルフは だらんと力なく両腕を下ろした。いを 吹き返したのか。全員武器を取れ、 アルベルトの号霊でこの絵たちがベア ウルフを取り囲む。だが起き上がったのは 1匹だけではなかった。倒れていたベア ウルフたちが次々と起き上がってくる。 よく見ればその身体にはうっすと黒いモヤ のようなものがかかっていた。くふ。人間 どもがなかなかやりよるではないか。 ベアウルフの口の中からしがれた声が 聞こえてきた。鋭い牙の奥に覗く青白い顔 は老人のようでもあり猿のようでもある。 異様に大きい目と額体に生えた鋭く長い角 もちろん人間ではありえない。その異様さ にこの絵たちは怯えんでいるな。何者だ 貴様。アルベルトが振り絞るように声を あげると老人は広角をあげ君に笑う。我は パズ。魔人パズよ。愚かな人間どもよ。 よくも我が眷属を痛めつけてくれたな。 その代償命にて支払ってもらうぞ。老人 パズはベアウルフに口を閉ざさせると2 本足で立ち上がらせる。その巨はパズの 魔力かさらにさらに大きく見えた。ベア ウルフのシンクの目に老人の災わい 踊りじしい目が重なった。何が恐縮なもの か。息子たちに現術を叩き込んだシルファ はお前の現術の際は歴代王子で1番国1番 の剣士になるなどと対鼓を押しておる。城 でも屈の魔術師であるアルベルトもお前の 才能に嫉妬しておったよ。自分があの年頃 だった時はまともに過など飛ばせなかった 。それを見事に制御しておるとな。若き 実力者であるあの2人にそこまでしめると 花。大したものだよ。シャールズは腕組を したまま嬉しそうにうんうんと頷いている 。うは2人ともそんなことを言ってたのか よ。俺なりに実力は隠してたつもりだった が、まだ甘かったようだ。やはり城の中で 魔術を使うのは危険だな。あまり俺の評価 が上がると大い継承に巻き込まれる可能性 もありそうだし、そうなったら面倒だ。 少しは自調しなければ。でも俺の性格上 魔術の研究は止められないしな。お前には 大いに期待しておる。これからも励むの じゃぞ。えっと、そうですね。返事を濁す 俺を見てチャールズは顔を曇らせる。だな の。いくらお前が優秀だからとて今から お前を大い継承候補に加えるのは難しいの じゃ。すでにアルベルトラを含む上位の 王子たちにはそのための教育をさせておる からな。お前がそう考えて頑張っておる なら心苦しい。先に言っておこうと思い こうして呼び出したのじゃよ。あ、そう いうことか。つまりチャールズは俺が大い を継承権すべく頑張っていると勘違いして いるのだ。もちろん俺にそんなつもりは み人もないのでほっと胸を撫で下ろした。 お気になさらないでください。父上 私は言われた通り好きなことをしている だけです。多い継承権などに最初から興味 はございません。俺の言葉にチャールズは 目を丸くした。そして気は真ったかのよう に目を細める。うむうむ。わしの言葉に 腐るでもなくよくぞ申した。できた息子を モてて嬉しいぞ。しかもちょっと涙んで いるようだ。本心なんだけどな。完激して いるチャールズを見ながら俺はポリポリと 本を書いた。安心せロイドよ。その努力が 無駄になることは決してないだろうからの 。だからその調子で埋進するのじゃぞ。 はあ。うむ。では下がって良い。なんだか 分からないが、とりあえず今までの生活は 維持できそうで安心だ。俺はアンドの息を 吐きながらチャールズに背を向ける。それ にしても大いにも興味を示さず、ただ ひたすらに努力を積み重ねるか。霊わずか 10にして大したものよ。いやはや真の 大たるもの。どれくらい出なくてはいかん のかもしれんな。これは大い継承候補に ついて考え直さねばならんのかもしれぬ。 シャールズは何かブツブツ言ってるが あまりよく聞こえない。まあ多分政治に ついてだろうな。悪いけど興味なしだ。 それより早く帰って本を読みたい。俺は 足早に玉座の間を後にするのだった。それ じゃあみんな再見またね。町へ戻った俺 たちはタオと別れを告げた。ちなみに城 以外のベアウルフたちは俺については来ず 森に残るらしい。おそらくまだ成長してい ない子供たちがいるのだろうとグリムが 言っていた。白に人を襲ったりさせるなよ と言っておいたがどこまで理解しているか は不明だ。ま、俺の言ってることは分 るっぽいし大丈夫だろう。多分。ポン。 大丈夫だというように自信たっぷりに 吠える城。ま、姿はどう見てもただの犬だ しな。村人たちもむやみに怖がることは ないか。ただこいつら内放する魔力量が 以前よりもずっと増えている気がするが 深く考えないようにしよう。それから数日 が経ち、俺は玉座の間へと呼び出された。 アルベルトも一緒だ。いつもなら目が合う とウインクの1つでも横してきそうなもの なのに重もしい顔をしている。一体どうか したのだろうか。大アルベルト。そして ロイドよ。よくぞ参った。俺の心配をよそ にチャールズは俺たちを迎える。まずは アルベルトよ。魔獣討伐の人よくぞ成功さ せた。だが色々とトラブルがあったようだ な。複数の魔獣と魔人に襲われ、被害が なかったのは運が良かったとしか言いよう がある前。お前は第2王子の身だ。お前 自身が優秀な魔術師であるのも知っておる 。しかしこの絵だけを連れていくのは行く のはいさだったと言わざるを得ないだろう な。は、申し開きの余地もありません。 シャールズの厳しい言葉にアルベルトは 神戸を耐えたままだった。に祝えてみれば 少し軽卒だった気もする。魔人が出たのは 計算外にしても魔獣討伐はやはり危険が 伴う行為だもんな。アルベルトも随分反省 しているようだ。うむ。今後はしむように 。そしてロイドよ。はい。う、やはりお 説教か。俺は緊張しながらチャールズの 言葉を待つ。よくやったな。が予想に反し 、俺に投げかけられた言葉は賞賛であった 。思わず顔をあげるとシャールズは蓄えた 髭の下に笑ミを浮かべ頷く。アルベルト から聞いたぞ。この絵たちに力を与え、 魔獣に囲まれても果間に立ち向かっていた と。その年で大したものじゃ。はあ。 てっきり俺も怒られるかと思ったのだが 表紙抜けである。シャールズはやや 前のめりになり言葉を続ける。お前の才能 はシルファからもよく聞きんでおる。堅術 の腕もメキメキあげておるようだな。与え られた課題に応じ結果を出すというのは王 として最も大事なことの1つじゃ。どう だろう。少々慰例だがお前に時い継承権を 与えようと思うのじゃがな。続けて ラングリス竜拳術安か秘パズの背に 突き立つ双剣 ガガガガガガガガガガガガガガガ と激しい斬撃を繰り出しながらシルファは 着地した。目にも止まらぬ見事な検査だ。 おお、すごい。これがシルファの本気か。 このチョコマかしをってだがダメージは ないのか。着地したシルァを狙いパズの 蹴りが放たれる。しかし遅い。捉えたのは シルファの残像だった。残った足の前には 双剣を十時に構えたシルファがいた。 ニトラ2個相がそう画上下左右から 繰り出される4連撃により先結が吹き出す 。 シルファの顔色が変わる。深く食い込んだ 一撃にて剣が折れていたのだ。即座に剣を 捨てて離脱すると地陣に戻りボりとつく。 硬いですね。どうか皆様の持つ件私に預け ていただけますか?おお。この絵たちは コクコ頷くと余剰の剣を集めて地面に 突き刺す。その数12本。やや心なさそう にそれを見るシルファだがすぐに気を 取り直し剣を抜く。サルーム王国旧事係 権術師難シルファングリス 押してまるシルファの構えた双剣が冷たい 光を放っていたぬ女不勢がパズがシルファ に釘付け気けになっていたその時である。 数深い呼吸音 足元には両手を交差させる小さな影があっ た。タオだ。腰を低く落とし、構えたを ひねるようにして打ち出す。は、ズんと 重点音が響く気を込めた一撃。衝撃波が パズの足に走り、その巨体がよめき倒れた 。深めなリアブレ動作が長くて当てにくい けど威力はピカイチね。タオはニっと笑う と倒れたパズに向けて手のひを返し クイくイと手招きをした。が兼108代目 見習いタオイファ かかってくるある2人の攻撃を見たこの絵 たちの表情が変わる。お俺たちもやるぞ。 そうだ。男を見せる時だ。震える手に剣を 握りしめベアウルフラに向き直った。どう やら気を取り直したようである。それを見 たアルベルトが覚悟を決めたように頷く。 皆もう少しだけ持ちえてもらえるか。 そしてパズを見据え言葉を続ける。最上位 魔術を使う。なるほど。なるほど。そんな ことより魔力の性質変化ってどうやるん だろう。俺は興味心身にパズの放っている 魔力をじっと見ていた。視界がぼやける みたいが思うように動かない。一体何が 起きているのだろう。自分が自分ではない みたいだ。誰かの声が聞こえる。女性の声 だ。目を凝らすと顔が見える。美人だ。 そして胸を裸させている。だが妙に大きい 気がする。女性は何か喋りながら俺に 近づいてくる。身の危険を感じた俺は懸命 に手を動かし火球を念じた。勝査な炎を 生み出す。俺が唯一使える攻撃魔術。弱い 魔物を追い払うことしかできないが威嚇に はなるはず。そのはずだ。だが何か妙だ。 違和感を感じた俺はとっさに女性から狙い を外した。その直後ドゴン と爆音が響いた。見れば壁に巨大な穴が 開いていた。女性は驚いているが、それは 俺も同じだ。俺の火球でこんな威力が出る のはありえない。一体何がそう思った時目 の前にある姿鏡に自分の姿が映る。小さな 身体短い手足。クリッとした大きな目。 赤子だ。俺は赤子になっているのだ。そう いえば何かで聞いたことがある。死した ものが記憶を許したまま生まれ変わること があると。いわゆる転生というやつだ。 そう考えれば今の火球にも納得がいく。 魔術師としての核は家柄と才能つまり ほとんど生まれた時に決まる。優秀な魔術 師の家計では幼少期から魔術を使えるもの もそこそこいる。今の俺にそれほどの才能 があるならこれだけの魔術を使えても 不思議ではない。だが待てよ。いくら何で も生まれた時からこんな魔術が使える なんて例は聞いたことがないぞ。 周りで騒いでいる人たちも俺がやったとは 認識していないようだしな。というか、 よく見れば部屋がやたら広い気がする。 部屋に置かれているちょうど品は美術館で 見るような高級品が並んでいるし、メイド らしき女性も数人いる。こんな部屋そこら の貴族ではありえない。高校貴族や泊、 はたま股た工爵とかそんなことを考えて いると太立派な装飾が施された紋章が目に 止まる。その紋章には見覚えがあった。俺 の住んでいたサルーム王国その王家の紋章 である。俺もしかしてとんでもないところ に生まれてしまったんじゃないだろうか。 や、悲鳴。そして倒れる音。よし、当たり ね。 小作ポーズをするタオ。すぐに岩影から ゾろぞろと小さな人影が出てきた。土色の 身体にのような体育。小さな角に 大きく不気味な赤い目。手には棒やら錆び たナイフやらを持っている。あれは確か ゴブリンだっけか 最弱クラスの魔物だ。しかしそれは単体で の評価都を組むとかなりやばいとも書いて あった。姿を表したね。高二もかかって くるある。一速にてゴブリンたちの懐は 勢いのまま飛び蹴りを放つ。ゴブリンは 吹き飛び眼璧に叩きつけられメリコンだ。 タオの攻撃はそれだけで終わらない。一瞬 だけ着地すると老倍エルゴブリンたちに 回し蹴りを食らわせた。なキリスが ゴブリンたちの脳点をこごとく捉え、一体 また一体と倒れしていく。やあ。着地した タオにゴブリンが反撃しようとコ棒を 振り下ろすがタオはすでにそこにはない。 残像を残して消えたタオはゴブリンの背後 に回り込んでいた。遅いよ。ズンと拳が めり込みゴブリンはぐらりと崩れ落ちた。 呼吸を整えるタを見ながらも帯えんだ ゴブリンたちは動くことができない。強い 。素であんな威力が出るはずがない。そう いえばタオの髪や瞳の色、顔立ちは遠くに ある異国のものだな。異国には気を使い、 それをまとわせた素で戦うという話を何か の書物で見たことがある。呼吸で体内に気 を巡らせ練り込むことで凄まじい力を発揮 することができるとか眉つだったがこうし て実際に見ると信じざるない。そういえば いつも独特の呼吸をしていたな。あれが そうなのだろうか。ギャーギャギャー。 後ろから聞こえる寄制に振り返ると目の前 には2匹のゴブリンがいた。うお、 びっくりした。覇の戦闘に夢中になりすぎ たようだ。もちろん魔力消壁を張ってある ので問題はないが。ほア町 まるで滑るように移動してきたタオが ゴブリンに引きのどてっぱらにそれぞれ 小速を叩き込んだ。衝撃で天高く飛んで いくゴブリンたちはちょい対空時間を経て 地面に激突した。やあ。それを見て悲鳴を あげるゴブリンたち。タオの強さに恐れを なしたのか気づけばゴブリンたちはいなく なっていた。ありがとう。助かったよ。ふ 、霊は無用ある。タオは背を向けたまま 匂立ちをしている。どうしたのかな? さっきからずっとその体勢のままだ。 しかも物欲しそうにこっちをチラチラ見て いる。一体何だろう?さっき言ったお礼 以外の言葉を待っているような無逃げる ゴブリンたちを目で追っていると大きな穴 の中に逃げ込むのが見えた。あれはもしや ダンジョンか?ダンジョンとはたくさんの 魔物が存在する不思議な場所だ。奥にはお 宝もあり、貴重な魔道具や魔所なんかも あるらしい。こうしちゃいられない。俺は 矢も盾もたまらず走り出す。風景魔術失走 風をまとった身体は羽のように軽くなり 高速での移動が可能となる。地面を蹴ると 文字通り飛ぶようにかける。あ、ちょっと ロベルトどこ行くある?あへの愛の告白を 忘れてるよ。後ろからタオが何か叫び ながらついてくるが風の音でよく聞こえ ない。そんなことよりダンジョンだ。俺は 全力失走でダンジョンへ向かうのだった。 倒したはずの魔獣の復活による同様。それ を畳みかけるようにパズが上げる。ぐお。 それを川切りにベアウルフたちが突っ込ん できた。この絵たちも防御を試みるが すでに気迫で負けている。その上さらなる 巨体であるパズもいるのだ。誰も彼もお 呼び越しである。そんなことでパズが遠慮 するはずもなく、大きく振りかぶった一撃 がこの絵数人をまとめて捉える。ぐわあ。 1振りでこの絵たちは投ぎ飛ばされて しまった。続いての蹴りを受けようとした この絵の剣がへし折れ、地面に投げ出され た。1人、また1人とパずに倒されていく この絵たち。レアウルフと相対していた者 たちもそれを顔色を青くする。 す、強い。あれが魔人と止められるわけが ない。圧倒的な戦力差にこの絵たちは繊維 を失いつつあった。戦は乱れ獣輪を待つ のみと思われたその時である。彼らの間に 一人の風が吹いた。借りますよ。リンとし た声と共に駆け抜けたのはシルファだ。 その両手にはそれぞれこの絵のさやから 抜き取ったでアロー剣が握られていた。 双剣が太陽の光に反射しらりと光る。 ラングリス流ソ剣術登り送竜。構えた剣を 地にすらせながらシルファはパズに向かっ て走る。2本の線を地面に描きながらパズ の足元にたどり着くと垂直に飛んだ。その 登り様に繰り出される牽線。両客から銅 そして肩には剣筋の跡がはっきりと残され ていた。むぐ巨体を駆け登りながらの 凄まじい斬撃にパズは埋めき声をあげる。 トンとパズの肩を足場にシルファは空中で 反回転する。両手の剣は逆手に握られてい た。地子供だから呼吸量が少なくそれで 聞いていないのか。ならば直接食らうが いい。かずは大きく息を吸い込むと真っ黒 な煙を勢いよく吐き出してきた。黙々と 黒園が俺を包み込む。わけむ 。目を閉じパタパタと手を振って払う。く もん吹きかけやがってびっくりするじゃ ないか。しかもなんか変な匂いがするし歯 を磨いてないんじゃないか。俺が咳込み ながら煙を抜けると、その先ではパズが 驚愕の表情を浮かべていた。なんだと? なんだとじゃないよ。いきなり何するんだ お前。ため息を吐く俺を見てパズは息を 飲んでいる。き貴様。我が魔力を食らって 何ともないのか。ん?別にどうもないけど 。さっきから何を驚いているのだろう? もしかして何か攻撃でもしてたのだろうか ?そういえば何か甘い香りがするような。 首をかしげているとグリモがグパッと口を 開けた。はあ。てめえのくせ息なんて聞か ないとよ。俺の手のひグリモを見たパズは 驚いたのか目を丸くした。ぬ。お前は魔人 か。なぜ人間の手のひにいる。う、 うるせえな。てめえにゃ関係ねえだろ。 こっちにゃこっちの都合があるんだよ。 ふむ。そうかなるほど。お前はその人間の 使い間となっているのか。大方復活の際に 好きでも使えて強制的に獣魔契約を強い られたのであろうが人間ごときに使い間に されるなど魔人の風情にもおけん。全く もって投げかわしい。同じ魔人として 恥ずかしいぞ。へえ、そうなのか。各かに 本に閉じ込められていたのだからグリモも 本調子じゃなかったんだろうな。だが我は そのような油断はせぬ。万全を騎士で復活 し、晩弱の備えで動いているのだ。見たで あろう我が軍勢を。ロベルト 何をニヤニヤしてるね。ああ、うん。なん でもないよ。それよりこの探検大して価値 がないならもらっても構わないか。元より そのつもりね。お好きにどうぞ。 ありがとう。魔術付与された探検は ちょっと欲しかったんだよな。もちろん上 にもそういった武器などはあるが高価な ものばかりだし気軽に分解したりはでき ないのだ。だから不与系統魔術については まだ試していなかったのだがこれで不与 魔術の実験ができるぞ。宝箱の破片と共に カへと放り込んだ。すると午後ごと辞りが し始める。夫ダンジョンは宝箱を取ると 消滅するんだっけか。うん。早く外に出る よ。俺はタオと共にダンジョンの外へと かけるのだった。外へ出ると空は薄暗く なっていた。げしまった。グリモのことを 完全に忘れていた。こんな遅くまで放置し て大丈夫だろうか。どうしたね、ロベルト そワそわして。悪いがちょっと用事を 思い出してね。すまん。俺はタオに謝罪 すると即座に秘傷を念じ、空中へと 飛び上がった。あ、どこへ行くね?悪い。 急いでるんだ。待つよ。せめて連絡先を 交換するあるう。顔のよく響く声を聞き ながら俺は城へと飛んでいく。少し残念だ がもう2度と会うこともないだろう。それ にしても気についても知れたし、魔物も いっぱい見れたしダンジョンでも色々拾え たな。大満足の1日だった。入ってきた時 と同じように姿を隠して城内へと戻る。 ホクホク顔で実質に戻るとベッドでは俺の 姿をしたグリモが倒れふしていた。 ただいま。ああ、そのグリも大丈夫か?声 をかけるとギと首を動かし俺の方を向く。 その表情は完全に死んでいた。ロイド様、 メイドが来たと何度もお知らせしたんです がね。母は悪いな。忘れてた。やはり何度 か連絡してきたようである。多分魔物に 夢中になってた辺りだろうか。どうも集中 すると周りの声が聞こえなくなるんだよな 。反省半省。ええ、きっとお忙しいん でしょうとなんとか会話はごまかしやした ですが堅術ごっこは結局やることになり ましてね。まあずタズタのボコボコにされ やしたよ。あのメイド半端な強さじゃねえ ですな。だろうな。グリモが乗り移って いる人形は俺の身体をコピーして作って いるからな。自慢じゃないが運動神経のな さには自信がある。それだけならいいんで さ。問題はあのメ度自分をぶちのめした後 になぜか泣きながらロイド様のふ抜けた 根性を鍛え直しますとか言い出したんすよ 。ああ、サボってると思われたんだろうな 。普段は魔術でシルファの権技をコピーし てるからな。残念ながらそれが俺の実力だ 。そんなわけでついさっきまで打ち合いし てました。昼からずっとね。すまん。俺は 素直に謝罪した。しばらく外出はできそう にないな。王族たるもの。女性からそう いう視線を向けられることは少なくない。 周り体に言えば持てるということだが、 あまり彼女たちを甘く見るなよ。女性が僕 たちを見る目はとてもシビアだ。あまり だらしなくしていると霊水をぶっかけられ ちまうぞ。はわあ。すごく真面目な顔で何 を言っているんだろう。この人は。もしか してアルベルトは女性関係でひどい目にで も会っているのだろうか。アルベルト様。 うわ。いきなり後ろから声をかけられ、 アルベルトはビクっと肩を振わせる。 振り向くと満面の笑ミを浮かべるシルファ がいた。シルファは笑顔のまま手にしたT を差し出した。驚かせて失礼いたしました 。お茶が入りましたよ。あ、ありがとう。 シルファから茶をついでもらった アルベルトはTカップをずっとすする。 そしてぶっ吹き出しそうになり、なんとか 耐えた。暑かったのか渋かったのか、 はたまた両方か。アルベルトはゲホゲほと 咳込んでいる。アルベルト様と言えど、 あまりロイド様に余計な知識を与えませぬ ようお願いします。ああ、もちろんだとも それを聞いて安心いたしました。ではご ゆっくり。シルファはにっこり笑うと俺 たちに背を向け去っていったな。怖いだろ 。そう言ってアルベルトは苦傷する。いや 、どう考えても自業自得だろう。 はあ。歩きながら俺は息を深く吸い込み 長く吐く。なんとなくまだ魔力を誓でき ない魔術師の卵なんかが行う修行に似て いるな。精神を統一し呼吸に全を集中、 体内を循環する魔力の流れを意識する。 魔術師の修行でも処歩の処歩才能ある魔術 師は必要とすらしない修行。前世で魔術の 才能がなかった俺は最初の頃はずっとこれ をやっていたのである。うん。身を見まね だがなんとなく体内に力がみな切っていく ような感じがする。魔力を完全に誓覚して いるからこそわかる。みたいの奥底に 感じる力。これがきっというやつだろうか 。自分だけでなくタオの呼吸。ダンジョン のあちこちからもかな呼吸の気配が 感じ取れる。前方に何かいる。曲がりの 向こう側から濃い気配を感じた。俺の言葉 にタオは驚いたように目を丸くする。驚い た。ロベルトも気を使えるか。似たような 修行をしたことがあるからね。ちょっと 真似てみた。面白そうだったしね。面白っ て気配殺地だけでも普通は5年は修行し ないと身につかないよ。それを見ただけで 使えるようになるなんてとんでもない才能 ね。放れた様子でため息を吐くタでも面白 そうだからって理由とてもこうよしね。 好きこそ物の上手なれよ。そういうこと ならいいものを見せてあげるね。よく見て おくといいよ。そう言うとタオは縁を描く ように身体を動かしていく。タオのへそ から生み出された木は全身を循環するよう に回りながらタオの両腕に集まっていくは 掛け声と共に十分に集まった木の塊を放つ それは前方敵の気配がする方へと飛んで いく直後ズんと衝撃音がなり魔物の気配が 消滅した。ふ、これが飛行団ね。今のは 見せるためにわざとゆっくり打ったけど、 もちろん高速で放つことも可能よ。おお、 すごいな。タオ。まね。タオはふと鼻を 鳴らすと俺に背を向けた。木まで使える なんてこいつは飛んだ広いものね。それに ロベルトは木に興味心身教えてあげる名目 で師匠と弟子でラブなロマンスも期待でき そうよ。しかも立派な武道家に育てあげれ ばうるさいじいちゃんも私の言い付けとし て認めるに違いない。ふひこいつは飛んだ 広いものあるな。タオは何やらブツブツ 言いながら不気味に笑っている。なんか 怖いし放っておいて先に進むか。こうよし 。なかなか筋が良いよ。俺が気を巡らせ 手元に集めるのを見てタオが嬉しそうに手 を叩く。タオは俺が日に興味を持ったのが よほど嬉しかったのか親切にも色々と教え てくれている。教え方もうまく俺自身に 下地があったこともありおかげである程度 木の操作はできるようになっていた。 大したものね。こんな短期間で気を物に するとはびっくりよ。タオの教え方がいい んだよ。実際に気を使っているのを見 ながらだと分かりやすいしね。は、そんな こと言って褒めても何も出ないあるよ。 タオは嬉しそうに腰をくねながら俺の背中 をツンツンしてくる。教えてくれるのは ありがたいがちょっと気持ち悪いのが玉に 傷だ。しかしロベルト木の呼吸辛くないか ?慣れないうちは肺にすごく負担かかる はずよ。そうでもないよ。なはずないね。 火の呼吸は肺が焼けつくような痛みあるよ 。あ、で、でもピリピリするから長期は 無理なのに。うん。確かに痛いけどでも 楽しいしね。全然苦じゃない。前世でやっ てた瞑想で慣れてたからかな。全然平気だ 。そ、そうあるか。俺の言葉に明れ顔に なる。なんか変なこと言ったかな?それに してもお宝が全く落ちてないな。かなり 深くまで潜っているはずなのに。全くお宝 に出くわさない。ダンジョンにはお宝が 眠っていると聞いていたが不良品なの だろうか。この程度の魔物しか出てこない ダンジョンじゃ1番奥にしお宝は眠って ないよ。多分このダンジョン出来たてね。 ああ、そうなのか。ダンジョンはまるで 生き物のように成長する。生まれて間も ないダンジョンにいるのは弱い魔物ばかり で回層も浅くボスも弱いが見入りも少ない らしい。高レベルダンジョンはその逆で どんどん敵が強く深くなっていく。何百年 も攻略されてないダンジョンはその上には 町が立てられ人々の制業にすらなっている とか。そしてどうやらここが最を見たいよ 。階段を降りた先にてタオが立ち止まると 目の前にはぽっかりと大穴が開いていた。 中には今まで感じたことのないような強い 気配が感じられる。感じ取ったようね、 ロベルト。そう、ダンジョンの採用には ボスがいる。それを倒せばお宝ゲットね。 おお、ついにか。生まれてすぐの ダンジョンみたいだし、大したお宝は期待 できそうにないけどね。タオはそう言って 笑っているが、なんとなく妙に大きな魔力 を感じる。弱い割には魔力が大きくないか 。魔術タイプの魔物だろうかともあれ、 ここでグズグズしても仕方ないね。中に 入るよ。そう言ってズンズンと中へ入って いくを。俺はやや警戒しながらついていく 。中は薄暗らく広い空間だった。妙な結界 が張られているようだ。感じた魔力の正体 はこれか。俺が中に入った瞬間、入り口が 結界で閉ざされた。なんだこりゃ。外に出 られなくなっているぞ。触ってみると引か れる。この手触り魔術ではないのか?感覚 的にだが三石と同じダンジョンが持つ魔力 によるもののようだ。夫が開けるな。その 前に片付けてから帰るとするか。地下子は 俺がグリモワールと遊んでいたことで少々 散らかっていた。あかじめ結界を張って あったので損傷などの被害はほとんどない が本棚やちょうど品に少々の乱えがある。 手伝いましょうかい?ロイド様それには 及ばないさよ。俺が術式を展開すると 散らばっていた本や魔道具がふわりと 浮き上がり元あった場所へと帰っていく。 これは俺の編み上げたオリジナル術式。 物体そのものの記憶をたどり、力を与えて 自ら元あった場所へと戻すというもので ある。その効果は物体であればチ理でも 誇りでも全てに有効で俺が消滅させた グリモワールの本も元通りだ。ただし外観 だけであるが。おお、こりゃすごい魔術 ですな。魔術というほどのものではない けどね。でも探し物や片付けなどには便利 だよ。ちなみに魔力を編み込んだものを 術式、それを束ねて特定以上の効果を発揮 させるものを魔術という。このくらいでは 魔術とは呼ばないのである。ところで グリモはワール。お前その姿じゃ目立つよ な。小さくなったり姿を消したりはでき ないのか?できなくはないっすが。言葉を 濁すグリモワール。姿を変える魔術は かなり高レベルだからな。それに使い勝手 の悪さから使い手を選ぶ魔術だ。使えなく ても仕方ないか。じゃあ俺の身体に住むと いい。右手をかそう。俺が右手を差し出す とグリモワールは信じられないと言った顔 になる。はいいいんですかい?その方が 目立たないだろ。グリモワール戸惑った 様子だったが、俺から顔を背け、口元をけ させる。くひ、こいつありえねえぜ。 使い間をその身に宿すなんてのはよほどの 信頼関係がなければ常に命を狙われる覚悟 をせねばならない。そんなことも知らねえ のかよ。あまちゃん目。腕1本も使わせて くれるんなら本体を殺すのは良い。眠って いる時にでもぶち殺して身体を乗ってやる ぜ。おい、何物言ってるんだよ。早く来い 。えい。ただ今透け立ちするある。おお と完成が上がる。タオよく来てくれた。 助かったよ。間に合ってよかったよ。 さっさとケ散らすね。アルベルトの言葉に ウインクを返すとタオは魔獣の群れを相手 に戦い始めた。その活躍はまさに四士ふ人 。身軽なタオは無人に戦場をかけ回り隙を 見せたベアウルフから仕留めていく。俺 たちが防御重視で戦っていたこともあり、 ちょうどハサミ打ちのような形となり、 魔獣たちはどんどん数を減らしていった。 まさか本当にスケットタオが来るとは思わ なかったぜ。タオの前で気を使えば俺の 正体がバレてしまうし、戦いも長引きはし ないだろう。ああ、もう終わったな。俺は やる気なく火球を放つのだった。これで ラスト王。タオの気候団で最後に残った ベアウルフが大木に叩きつけられ気を失う 。周りに倒れている10数匹のベアウルフ たちはもはや動くこと叶わない。うお、俺 たちの勝利だ。この絵たちが互いに身体を 抱き、喜びを分かち合っている。わあ、 残念だ。もう少し楽しみたかったのに。 ふう。なんとか全部倒せたね。タオが額体 の汗を拭いを整えていると、アルベルトが 握手を求めて両手を差し出した。 ありがとう。本当に助かった。気にしなく ていいね。間に合ってよかったよ。ふひ。 タオが握手を返す。めっちゃ嬉しそうな顔 でアルベルトの手を握ぎしている。 アルベルトは若干引いていたとところで タオ。よく僕たちが魔獣に襲われていると 分かったね。うん。祠は高いところにある でしょう。ちょうどアルベルト様たちが 魔獣の群れに襲われてるところが見えたよ 。タオが指刺したところ、切り立った崖の 上には石の祠が見えた。ただ祠は古さゆえ かほとんど崩れている。あれを修繕するの は大変だろう。随分崩れているね。そう いえば修繕に向かったのだったか。中断さ せてしまったようだ。僕たちが後で 手伝おう。命を助けてもらったレイだ。 それとても助かるね。お礼するよ。よかっ たら今度食事でもどうね?アルベルト 兄さん大丈夫ですか?パズを倒した俺は 陸地に戻り倒れていたアルベルトを ゆり起こす。すでにパズの魔力の影響は 抜けていたようですぐに目を覚ました。 うろロイド一体何がはみんなは無事か? 魔人はどうなった?起き上がり キョロキョロと辺りを見渡すアルベルト。 しまったな。どう説明したもんか。まさか 俺が倒したとは言えないし。落ち着いて ください。アルベルト兄さんへ。エトです ね。そう。俺も気絶してて起きたらみんな が倒れてたんです。魔人もどこにもいませ んでした。慌てて言い作ろうとアルベルト はどこか納得していなさそうな顔をした。 そうか。すまない取り乱したようだ。 とりあえずみんなを起こそう。はい。それ でもなんとかごまかせたようである。 アンドの息を吐いていると他の者たちも 起き上がり始めた。アルベルトは全員の 無事を確認し、頷く。皆まずは無事で 何よりだ。魔人に襲われたにも関わらず命 があったのは奇跡としか言いようがある前 。だが、魔人との戦闘中、僕は奴の出す 黒いモヤを浴びて気を失い、なぜ奴がい なくなったのか覚えていないのだ。誰か見 たものはいるか?アルベルトは全員を 見渡すが、誰も声をあげるものはいない。 シルファも首を振って返した。ふう。 助かった。どうやら俺の正体はバレてない ようだな。あ、見たよ。 タオの言葉に思わず吹き出してしまう。 どうかしましたか?ロイド様。いや、別に シルファに背中をさせられながら何度も 咳込む。まさか見られた?俺はドキドキし ながらタオの言葉に耳を傾ける。倒れた 私たちを助けて魔人を倒したのはロベルト よ。ぶ思わずもう1度吹き出した。ロイド 様ゲほゲほ咳込む俺の背中をシルファが 心配そうに何度も撫でた。ロベルトと言う と以前タオを助けた冒険者だったか。うん 。私が意識を失いかけもうダめかと思った その時にさと登場したよ。そして魔人と 退治し湖の上ですっごい戦いを繰り広げた ね。魔人の攻撃を物ともせずとんでもない 魔術を打ち込んであっさりと勝利したよ。 さすがは私と将来を誓い合った中ね。それ は人の骨。骸骨が黒いボロボロのフードを かぶり、魔術師のような格好をしている。 あ、あれはリッチある。おお、リッチと 言うとかなり高レベルの魔物じゃなかった か。タオは無言で頷く。魔物図鑑によると リッチとは魔術を使うアンデッド系の魔物 らしい。顔が気を感じ取れなかったのは それが原因だろう。俺は魔力で感じ取った から気づいただけだ。戦国から感じていた 妙な魔力こいつだったのか。かなり高 レベルで注意すべき魔物の一種だとか抱え ていた気がする。だがそんな魔物がなぜ こんなところにおそらくあのリッチはぐれ ね。それがここに迷いついてねじろにした よ。最悪タオは肉踊りしげにつく はぐれとは理由あってもいたダンジョンを 出た魔物のことだ。ダンジョン消滅かは たまた自らの意思かともあれそういった 魔物は地上で生活したりまた他の ダンジョンに潜ったりする。だがここまで レベル差がある魔物がいることは滅多に ないらしく遭遇した場合はパーティー全滅 の危機だとかここは私に任せて逃げるね。 私の身のこなしなら奴の魔術もある程度 買わせる。ロベルトが逃げる時間くらいは 稼げるはずよ。タオはどうするつもりだ? 心配無用。私はなんとかして逃げるね。だ から早く。言が早いか。タオはリッチに 向かって駆け出す。おそうだ。逃げたふり して感染しよう。俺は物影に隠れ戦いの 様子を見守ることにした。黒い刃を避け ながら気候弾を放つ。だがリッチは魔力 消壁を展開しそれを防ぐし下打ちをし ながらもタオは魔力消壁へと突っ込んで いく。呼吸は深く踏み込む足で地面が揺れ た。津眼とてつもない衝撃音が成り響く。 見れば魔力衝壁にヒが入っていた。気を 込めた手のひ底だな。あのレベルの魔力 消壁に素で傷をつけるなんて大したもんだ 。さらにタオは流れるように肘打ちを放つ 。そこから左鍵つき美手な回し蹴り。それ らは全て最初の一撃と寸分違わぬ場所へ 打ち込まれていく。タオは止まらない。 そして日々はさらに大きく深くなっていく 。こんなところではない。私は5歳の 頃から毎日毎日短を続けてきたね。雨の日 も雪の日も休まず毎日彼氏も作らずよ。 そんな努力を積み重ねてきた私がこんな ところで彼氏も作らず死ねるか。一泊置い ての飛び膝蹴り、魔力消壁が砕け散ちり、 ぽっかりと穴が開いた。あ、でもまずいな 。好きだらけだぞ。しかもリッチもぼっと していたわけではない。カタカタとリッチ のラン食いが揺れる。魔術の影少だ。黒い 先行が他を包む。島どんと爆発が 巻き起こる。吹き飛ばされたタオが地面に 落ち何度か転がった。ぐったりしている。 やばそうだ。タオて てより抱き起こす。タオは苦しげな表情で 顔をあげ、目を開く。うな。なぜ戻ってき たね?実は逃げてなどおらず近くで感染し ていたとはとても言えず口をつむ。もしか して私のためにもうバカあるな。でもいい よ。ロベルトみたいなイケメンと一緒に 死ねるなら本もある。そう言って俺から顔 を背ける。ておいおい、もう諦めるのか。 もうダメある。身体動かないよ。それに 動いたとしても相手に勝てるわけが ないね。何言ってるんだよ。俺の言葉に 被せるように黒い先行が辺りを包む。背を 向けていた俺たちにが魔術を放って きたのだ。ぎゅっと目をつるタオ。直後 衝撃派が俺たちを襲うことはなかった。俺 の張っていた魔力消壁がリッチの魔術を 防いだのだ。壊る目を開けたタオは不思議 そうに目をパチくりしている。俺は 立ち上がるとをまっすぐに見据えに やりと笑った。ここからが楽しいんじゃ ないか。俺に背を向け何かブツブツ言って いる。なんだろう。やっぱり剣を折りすぎ て怒っているのかな?ロイドは 思わずピンと背筋を伸ばしてしまう。俺の 想像に反して振り返ったアルベルトは 微笑みを浮かべていた。ありがとう。これ だけ武器があればこの絵たちも喜ぶだろう 。ところで実は父上から魔獣の討伐を 申しけられているんだがよかったらロイド も来ないか。魔獣狩りですか?魔獣とは 魔力を持つ巨大な獣のことだ。とても知能 が高く人の言葉を理解するものもいる。 基本的には人になつくことはなく群れも 作らず単独で生活しており水路や畑を 荒らしたり時には小さな村を滅ぼすことも ある厄介な獣だ。前世で1度見たことが あるが、その時は身の竹5mほどはある 巨大なイノシシで町の壁を破壊して建物を いくつも東壊させていた。その時は警備の 兵士10人係かりでなんとか追い払えたん だっけ?ちなみに王子になって知ったこと だが、庶民にとっては危険な魔獣も一部の 貴族たちにとっては狩の対象である。 シャールズやアルベルトラ兄王子たちから 魔獣狩りの話は何度か聞いていた。1 度行ってみたいと思ってたんだよな。ああ、父上から使っていてね。明後日の絵たちを連れて大児に行くんだよ。どうだい?行く。行きます。 2 つ返事で承諾する。大ぴらに城の外へ出られるし、この絵が戦うなら魔術の効果も実際に見るいだ。それに魔獣と戦うのであれば試したい魔術もある。 断る理由は1つもない。お話中失礼します 。アルベルト様、私も同行してよろしい でしょうか?シルファが半保前に出て うやうやしく頭を下げる。ああ、君は ロイドの護衛権世話係かりだからね。当然 ついてくるといい。ありがとうございます 。そしてまた霊をして下がる。よし、 決まりだ。それでは明後日の朝2人で僕の 部屋に来るように。分かったね。はい。俺 は元気よく答えアルベルトの部屋を後にし た。上期限で廊下を歩く俺の後ろを シルファは音を立てずついてくる。そう いえばシルファは魔獣って見たことある? ええ、何度か父の魔獣狩りについて行き ました。騎士団の者たちで追い立てるの ですか?すごく楽しいですよ。きっと ロイド様も気にいると思いますよ。うん。 楽しみ。満面のエミを返す俺を見て シルファはやや顔を背ける。初めての 魔獣狩り。日々の堅術ごっこでロイド様の 腕はかなりのものになりましたし、ここら 一度実践というのも悪くはないかもしれ ませんね。やはり実際に剣を使って戦って みなければ現術というものは分からない ですから。ロイド様も剣士としての自覚を 持たれるちょうどいい機会ですね。それに もしかしたらロイド様の全力を見る機会も あるかもしれません。ふっ楽しみになって きましたね。何をブツブツ言ってるの だろうか。えへ、皆様方ロイド様に興味 心身なんですよ。そうか。地味な七尾に そこまで注目もするはずがないだろう。 まあいいや。とにかく明後日が楽しみだ。 演列火球極大の炎を指先に集めグリモール 目がけて放つ。ぬわあ。炎が命中し、 グリモワールは悲鳴をあげた。あれ?なん で魔力消壁で防御しなかったのだろうか? おいグリモワール大丈夫か?慌てて声を かけると炎の中で影が揺らめいた。見れば グリモワールの身体には火傷1つついてい ない。く、驚かせやがってだが魔人である 俺様を魔術で倒すことはできねえよ。残念 だったな。え、そうなのか。あ、そうさ。 新刊どもが使う神聖魔術なら少々の ダメージは受けるがよ。高が魔術ごきが俺 様を倒す術はねえ。残念だったな、ロイド 。お様を復活させた時点では積んでたの サブ。今度は滝列水求をぶつける。滝の ような水撃を食らいながらもグリモワール は確かにダメージを受けているように見え ないわ。話を聞きやがれ無駄だと言って いるだろう。ガフアー。すごいな。本当に 聞いてないのか?私列球を放ちながらつく 。岩石に押しつされながらもグリモワール は平気そうである。これは驚きだ。魔人 ンって本当に魔術が効かないのか?一体 どこまで聞かないんだろう?知りたい、 試したい。おいててめえ。なんキラキラし た目を向けて来やがる。ちょ、やめろって 。コラー。俺は思いつく限りの魔術を グリモワールにぶつけるのだった。すみ ませんでした。俺の目の前でグリモワール が両手を地面についた。おいおい、 いきなりどうしたんだよ。土下座なんかし てさ。許してくだせえ、ロイド様。もう悪 さはしねえ。だからな。頼むよ。涙を流し ながら訴えてくるグリモール。ちょっと 攻撃魔術を数百回ぶつけただけなのだが よくわからん。何でもいいが早く続きを やろう。俺はもっと古代魔術が知りたいん だ。ひぎま、待ってくれ。もう身体が持た ねえよ。え、そうなのか。でもまだ全然物 足りないんだが。俺の言葉にグリモワール はなぜか仰ざめるとざざっと後ろに下がり 、地面に頭を埋め込むほどの勢いで頭を 下げた。このグリモールロイド様に精神 誠意尽くすことを誓います。使い間でも何 でもなります。だからお願いだ。もう勘弁 してくだせ。使いまかよくわからないが そこまで言うなら今日はこの辺でやめても いいかな。間になってくれるなら魔術の 実験はいくらでもできるし。うん。悪く ない。俺はにっこり笑うとグリモールに手 を差し伸べた。分かったよ。じゃあ俺と 契約するか。えい。俺の差し出した手に グリモワールはすがりつく。暗い光が俺 たちを包み契約が完了した。クそ。この グリモアール様が人間の使い間になるとは なんたる屈辱だがこいつの実力は半端じゃ ねえ。十分な信頼を得た後にうまく そのかして利用してやれば俺が世界を影 からぎじることだって可能。くひ、その時 までの辛抱だぜ。ん?何物言ってるんだ? い、いいえ。なんでも何でもありませんぜ 。ロイド様皇帝 2グリモワール なんだか情緒不安定なやつだな。まあいい かともあれこしてグリモワールは俺の 使い間になったのである。移動は順調。 もうすぐ霊の湖にたどり着こうかという時 である。俺はふと何かの気配を感じ取った 。なんだろう適ではないが確実にこちらを 見ている感覚。気配を隠しているようにも 感じないが、他の者たちは誰も気づいてい ないようだ。シルファ、何か感じない? どういうことでしょう?拠トと首を かしげるシルファ。ムー、シルファですら 気づいていないのか?おかしいな。絶対 いるはずなんだが。仕方ない。向こうから 出てきてもらうか。俺は風景魔術風説を 最弱で気配の方に向けつ。俺の指先から 放たれた小さな風の歯が誰にも気づかれる ことなく草むへと消えていく。やあ。会長 家と聞き違うような声が辺りに響いた。 この絵たちはすぐに武器を構える。やはり いたか。それにしても今の悲鳴どこかで 聞いた声な気がするのだが。何者だ?姿を 見せろ。アルベルトが声をあげると悲鳴の 主はゆっくりとこちらに近づいてくる。 あたたいきなり何かの虫に噛まれたよ。 少し晴れた手をさすりながら草むの中から 出てきたのは以前あった憲法少女タオで あった。た言いかけて思わず口をつむ。 危うない危ない声を出すところだったぜ。 ちゃんと知らんぷりしないとな。ロイド様 、あの娘っこお知り合いですかい?バカ 言うな。知るわけないだろ。いきなり グリモに突っ込まれ驚きで声が少し震える 。 ええ、もしかしてですけど、以前外出した時にあったんですかい? な、なぜ分かるんだ? 最近気づいたんすけど、ロイド様って嘘が下手なんすね。時なんで分かるんだ?見かされたような口ごもる俺を見てアルベルトはおかしそうに。はっは、イドは可愛いな。いいよ、話しご覧。お兄ちゃんが聞いてあげよう。ありがとうございます。 えっと、そのですね、実は最近不術を勉強 中でして、試してみたいから大量の武器が 欲しいのです。よかったらアルベルト 兄さんのこの絵たちの武器を貸してもらえ ませんか?アルベルトのような上位王子に はこの踊りジ数人のこの絵がいる。当然 テレ彼らであれば数本の検所持している だろう。踊り地訓練を行っているだろう から使用感も聞きやすいしアルベルトの この絵だから話も漏れにくい。不要魔術か 。かなり使い手が少ない魔術らしいが そんなものを使えるようになるとはさすが 勉強家だな。まだ始めたばかりです。失敗 するかもしれませんし、あまり効果では ない武器で構わないのですが。ふむ。 なるほど。実験材料が欲しいというわけだ ね。 ウインクをするアルベルトに頷いて返す。 察しが早くて助かります。母はロイドの 考えてることは全て分かるよ。魔術不要し た件はこの絵たちも欲しがっていたからね 。ある程度なら武器を無駄にしても文句は 言うまい。分かった。話をつけてこよう。 ありがとうございます。アルベルトに霊を 言い、俺はその場を鳩にするのだった。 シルファは牧刀を握り、まっすぐに 切りかかっていく。振り下ろす剣を軽く いなしながらシルファへと牧刀の喫先を 返した。シルファはそれを受け距離を取っ た。うん。いいですよ、ロイド様。口元に 笑を浮かべながら俺と剣を交えるシルファ 。よし。いい感じにごまかせているな。 初めてシルファから堅術ごっこを持ちかけ られた時、俺は泣かれた。あまりに弱すぎ てである。当時7歳くらいだった俺を 捕まえてそれはないと思うのだが、 シルファ曰くふざけているとしか思えない 弱さだったらしい。俺は本気でやっていた つもりだったが、その恥ずかしながら前世 の頃から運動は苦手なのだ。それから シルファのスパルタが始まった。毎日刀を 握らされ、非妊相手に何度も何度も 打ち込みをさせられた。運動嫌の俺にとっ てはまさに地獄。完全に堅術ごっこの息を 超えており、その後の読書に師障が出る レベルだった。なので俺は少しずルをさせ てもらうことにした。魔術の中には物体を 操作制御する類いのものがある。それが 制御系統魔術。これを使えば自身の身体を プログラムした通りに自動操作することが 可能。現在はシルファの動きをトレースし 、俺の身体で再現しているのだ。カキ刀 がぶつかり合う音が辺りに響く。あは、 素晴らしいです。ロイド様。シルファの 動きをトレースしているので当然互角で 打ち合えている。棒よりの様子みにして おけば比較的肉体への負担も少ない。ふう 。では今日はこの辺にしておきましょうか 。しばらくすると満足したのか。シルファ は額体の汗をぐった。ふう。やっと終わっ たか。自動で動かしていただけとはいえ、 それでも結構耐えるな。みたいが少し重い 。座り込んで休んでいるとシルファが キラキラした目を向けてきた。ロイド様の 権技メキメキ上がっていますね。これなら 私と互格にやり合う日もそう遠くないかも しれません。あはそそうそうかな。 シルファの件技をトレースしているからな とは口が避けても言えない。向こうも当然 手加減をしているのだろうが最初に比べて も少しずつ早く強くなっているにも関わら ず俺が対応しているからメキメキ強くなっ ているように感じているのだろう。俺が 制御系統魔術でやっているのはあくまでも 相手の動きに合わせているだけだからな。 まあ本気で切りかかってくることはない だろうし、しばらく魔術でずるしているの はバレないだろう。バレたらその時考える 。とりあえず本が読みかけだし早く図書館 に戻りたい。じゃあ俺は図書室に帰るから 。はい。お疲れ様でした。うんうん。 素晴らしい神立てぶりですね。ゆくゆくは 騎士団長か牽制かふ将来が楽しみです。 シルファは何やら恐ろしげなことを ブツブツ言っているが多分気のせいだろう 。図書室へと帰る俺をシルファは笑顔で 送り出すのだった。大量の油を手に入れた ことで改めて実験再開だ。まずい駅の調合 に成功すれば色々とできることは増えそう だしね。ちなみにこの手の調合は前世でも よくやっていた。安い素材を市場で手に 入れてきては学園の実験室を借りて職媒の 調合をしたものである。城にも実験に使え そうな部屋はあるがそんなところでやっ たらさすがに目立ちすぎる。実質を汚さ ないようにしてやるしかない。まずは結界 を貼っておこう。先外で部屋の一角1m 四方ほどを結界で囲い実験室とする。水の 結界は音や衝撃を防ぐ効果が高い。これ なら中で少々爆発しても大丈夫だ。調合の 材料は揃っている。大量の油にダンジョン の核、そしてお小遣いとしてもらっていた 十分な銀価。今日ほど王族で良かったと 思った日はない。そして銀を溶かす。 まずは石型台で石の器を作り、その上に 銀貨を入れる。銀の優点は意外と低いので 炎で炙っていれば普通に溶ける。念のため も1枚滝を重ねがけし、内部に円列火球を 放り込む。これでしばらく放置しておけば 銀は溶けるだろう。その間にダンジョンの 角をすりつぶしておくか。もう1つ石の器 を作り出し角を水場でザ切りにする。 そして水場に形状変化の術式を加え、歯を 増やす。角に押し付け、さらに高速回転の 術式を加え押し付ける。ガガガ と音を立て、核は削れていく。よし、いい 感じにこなご々なになったぞ。これで赤ま の完成だ。ドイド様、一体いくつの魔術を 同時に発動してるんですかい?見ていた グリモが呆れたような口調で聞いてくるん ?待機発動させているのも含めれば20 くらいだが。そ、そうすか。なぜか ドん引きしているグリモ。同時発動が可能 な魔術の数なんて試したこともないから わからんな。魔術ならそれこそ数えきれ ないくらいは同時発動できるし、真面目に 答える意味がないと思うんだがな。夫が 溶けた頃だな。調合開始と行くか。 取り出した銀は水滴のように転がせば動く 。だからと言ってこれを油に入れても 混じるわけはないのだがそこでこいつの 出番である。俺は右手の口を開いた。 攻撃を防がれ困惑していたリッチだったが 気を取り直したのか再度視任を飛ばしてき た。だが無駄だ。すでに展開していた魔力 消壁がそれを防いだ。黒い歯は衝壁に 当たると共にへし折れ粉ごな肉だけ無散し ていく。今一体何をしてあるか?魔術だよ 。言い忘れてたけど俺は魔術師なんだ。 ダンジョンに入ってからずっと戦闘はタオ に任せきりだったからな。隠していたわけ ではないが木の練習に集中してたし見せる 機会がなかったのだ。声泣き声をあげ ながら黒い歯を連発してくるリッチ。ふむ 。闇系統魔術か。魔物の使う魔術という ことでけ嫌いされているから魔術書が ほとんど存在しないんだよな。せっかくだ から調べさせてもらうとしよう。と、その ためには魔力消壁の強度を下げて代わりに 男性を目いっぱい上昇とよしオッケードン と来いズんと鈍い音を立て、黒い歯が衝壁 に突き刺さる。だが歯は衝壁を貫くことは なく勢いを殺され、完全に停止した。攻撃 力を失った黒い歯を手に取りる。ピリピリ したしびれを感じる。これは毒か。A魔力 を毒に変化させて飛ばしているのか。毒と いうのもちょっと語弊があるか。実際に ある毒物を使うものよりは魔術な側面が 強いので精神的な毒、つまり呪いを固めて 飛ばしているというのが1番近い表現かな 。肉体よりもその内部生命力に作用する 攻撃。まともに食らえば生命力を直接削ら れるため、見た目よりも攻撃力は高そうだ 。それでも術式としての考え方は火や水 などとそこまで変わらないので魔力消壁で 問題なく防御可能である。俺に軽くされた のに驚いたのかは慌てて魔力を練り 始める。両手に集まった魔力は宣告とは 比べ物にならない。キッチは両手に集めた 魔力の塊を鋭く尖らせ、獣の牙のように 上下に広げる。ロベルト、それはやばい。 ある。避けるね。あれは闇系登場今術市げ か。似たような構造だが市人とは比べ物に ならないほど強い魔力が込められている。 それとも他にも何か追加効果があるのかな ?気になる。かの俺を見てにやりと笑うと は黒い歯を上下から繰り出してきた 。高速で迫りくる歯が魔力衝壁に激突する が突破することは叶わない。勢いを殺され 転がった歯を拾い上げる というわけでその夜俺は城の地下へ向かう ことにした。信じてくれたアルベルトを 裏切るのは少しだけ心がいたんだが、 そんなことより禁じっくり 見て触ってどんな術式が編み込まれている のか観察したい。入ってちょっと見てすぐ 帰れば問題ないだろう。多分深夜目を 覚ました俺はベッドから起き上がると動き やすい服に着替えて廊下へ出る。夫 見つからぬよう姿を隠さなければな。を 呟いてねじると空気の渦が俺の身体を 包み込む。風景等魔術イント車。これは風 の流れで空気のレンズを浸り出し光の屈折 を利用して自分の姿を見えなくする魔術だ 。不自然な風の動きを作り出すのでそれ なりの使い手が近くにいると刻られて しまうが城の兵士たち相手なら十分機能 する。ちなみに本来のイント車は術者が 動けば解除されてしまうが、俺のは ゆっくり動けばついてくる要制御してある と言ってもあまり早く動きすぎると残像の ように見えるが歩く速度なら問題なし。 どう中兵士とすれ違ったが俺に気づいた 様子はなかった。道中は順調。あっさりと 地下への階段へたどり着く。入り口には 特に見張りはおらず、俺は階段を降りて いく。古い螺線階段を降りていくにつれ、 ピリピリと肌を刺すような感覚に襲われる 。これが結界か。近づくとより分かり やすいな。しかもこの結界外からの侵入を 防ぐというよりも中から破られないよう 編み込まれているようだ。どうやら中に やばいものがあるのは確定か。階段を 折り切ると周囲は石の壁で囲まれており、 正面には小さな扉があった。これが結界の 中心か。触れようとすると強い抵抗を 感じる。まずは結界を解かなきゃだなかと 言って力任せに壊すわけにもいかない。 侵入の痕跡は残せないからな。とりあえず 結界を制御し、通貨許可を得る形で通過 するベストだろう。その前に一応結界を 貼っておいた方がいいか。結界の外側から もう1枚結界を展開しておけば中で何か 起きても安心だ。俺が念じると泡のような 形をした魔力が俺を中心に広がっていく。 水形等魔術滝。単純な結界能力はもちろん 主に衝撃や音を柔らげる能力に特化して おり、この中で大爆発が起こっても他に 知られることはない。その後ゆっくりと 結界の構成を調べる。ふむふむなるほど かなり強固な結界だがどうやら王族の地下 それに許可を与えられたものであれば比較 的要因に通過許可を得られるようだな。 結界の制御系統を書き換えてとよし。これ で問題なく通過できる。あとは物理的に鍵 を開けるだけだ。土計灯魔術石型台で 作り出した鍵を差し込みひねると扉は あっさり開いた。ん?しばらくじっと見て みると剣の真ん中に細い日が入った。ピシ ピシとひび割れるような音が鳴り剣は真2 つに折れてしまった。ありゃ、なんでだ? 鉄よりは鋼の方が硬いはずなのになぜ同じ 不魔術をかけて壊したのだろう。首を かしげているとグリモが口を開く。まずい 液が新品だったから不与魔術の効果を従に 伝えちまったのかもしれませんね。ロイド 様の魔力は半端じゃねえですから、ただの 鋼じゃ耐えられねえですよ。あのまずい駅 は劣化してたってことか。しかしそんな ことよく知ってたね。エーマー家事につい ては足しもそれなりの知識がありぜ。カジ グリモールといや、甘かじゃちょっとは 売れてましてね。えへ。得意に笑うグリも どうやらかなり家事としての知識がある らしい。これなら不魔術の助けになるか。 ありがとう。グリモを使い間にしてよかっ たよ。古代魔術は古臭いだけでいまい使え なかったが、家事師としての知恵は助かる 。俺自身魔術以外にはそこまで詳しくない しな。うんうんと頷いているとグリモは ポカンと口を開けていた。ん、どうかした のかい?い、いいえ。何でもありませんぜ 。あっけに取られたようなグリモだったが 、小声で何かブツブツとつぶやき始める。 こいつ魔人である俺様を使い間にできて よかっただとけ?いい気になっているのも 今のうちだぜ。だがなぜだ?不思議と気分 は悪い気分じゃねえだと。あ、くそ。調子 が狂うぜ。なんだかわからんが上緒不安定 はいつものことか。それより不魔術の続き に取りかかるとするか。結局色踊りじめし たが鋼の剣は強度増加を二重が限度だった 。他の武器も似たようなもので普通の武器 にはあまり何枚もの強化術式をかけるのは 難しいらしい。ちなみに3割くらいは失敗 してへしおった。てへ残るはこれだな。 最後に残ったのは赤い等身の探検である。 には綺麗な装飾がされており、歯また同様 の紋用が刻まれている。術式が元から 組み込まれているのか。こいつは魔剣です な。ああ、おそらくアルベルト兄さんの だろう。鋼の剣ばかりじゃ飽きると思って 俺の練習ようにおまけで入れてくれたのか な。ちなみに魔剣というのは付与した武器 と違い剣を鍛える段階から術式を組み込ん だものである。鉄を叩きながら術式を編み 折り曲げてまた術式を編む。それを何度も 繰り返すことにより通常の付与とは比べ物 にならないほどの術式を編み込んでいる。 一呼吸に7つがれる呪文タ。それを2つの 口で同時に唱えていく。術問が無数に 並び内がまばゆく輝き始めたな。なんだ その高速A賞は?あれほどの密度を持つ 呪文束を簡単なく編み込んでいるだと。 ぐーあ、頭が痛くてはえそうだ。行くぞ。 そして術式を解放する。術問が開き、そこ から放たれる無数の魔術。ぶパズの声が 一瞬聞こえたが、結界内部に吹き荒れる 破壊の本流ですぐかき消されてしまった。 1秒に1サイクル1分で240回の最上位 術の連続魔以前グリモにやったのと同じ 攻撃だん数秒後異変に気づく結界内の 手応えがなくなっている。俺は術式を消し 結界を解除した。黙々と上がる煙の中から ミーラのように光らびたパズが湖海に落ち た。 パズずのミーイラはわずかに口を動かしながらプカプカと浮いている。う、そんなパズを見下ろし、グリモがうへ、あれだけでかい靴叩いた割に随分あっけなかったな。こらこら煽るなよ、グリモ。ていうかお前も大概でかい口叩いていただろ。でもグリモは 30 分くらい耐えてたっけ?まあ、あまり変わらないか。 しかし結局ダメージ受けてるじゃないか。 本当に魔人に魔術は効かないのか?普通は そうす。ただ半分精神体である魔人には音 や光などで感じる不快感がそのまま ダメージとなるんですよ。ほんのわずか ですが、それを続けて浴び続けるとこう なっちゃうわけか。音や光でダメージを 受けるなんて意外と繊細なやつはだな。 魔人ンって意外と大したことないのかも しれないん?パズが何か言ってるな。俺は 光びたパズをひょいとつまみ上げる な。なぜだ我の努力がこんなにもあっさり となぜ勝てぬパズ。お前はずっと大変だっ たとか苦労したとか言ってたけどさ、そう いうのもっと楽しんでやった方がいいよ。 楽しんで?うん。だって楽しくないのに 無理してやっても身につかないだろう。 それにそういう気持ちはハ花の魔獣たちに も必ず伝わる。伝わればそんなやの命令 なんて聞きたくないよ。お前自身がもっと 楽しんで魔獣たちと接していたら俺が ちょっと暗い魔力を与えても願らなかった と思うぜ。ほんの少し退治しただけだった がパズの魔獣たちへの態度は決して良いと は言えなかった。俺が魔力を与えたのは 単なるきっかけでいつを向けられても おかしくはなかったろう。そう言って木箱 を漁さり中から取り出してきたのは赤茶色 の土だ。赤泥ですね。性鉄の際に使われる 原料の1つ。確か隣獄では良い赤泥が 取れると聞きますな。知っているのか?A 本で得た知識だけで恐縮なのですが、不術 を知るには家事の技術も当然必要だ。 おかげでそれなりの本を読み知識を得て いる。見れば木箱の中には様々な素材が 入っていた。おお。鉄鉱石に石炭石銀道 魔石粉すごいいろんな素材がたくさんあり ますね。 まるで宝の山だ。これだけの素材があれば 不与もやり放題、魔剣も作れるかもしれ ない。アルベルトがディアンを紹介して くれたのはあの時の約束不術の応援すると いうのを果たしてくれたのか。あれ赤石や 月銀役はないのですか?なんだそりゃ。 不与に使う原料の1つですが。拠トと首を かしげるとリアンはごっくりと息を飲んだ 。こいつ半端ねえ知識量だ。まずい液だけ ならともかくそれ以外の素材の知識も かなり豊富。ちょっとかじっただけじゃ ない。下手したら俺と同等の知識があり やがるだと。へ、あるも人が悪いぜ。 こんななりだがどうやら少しは使える らしい。こいつと一緒なら俺の夢、俺だけ のオリジナル魔剣を完成させられるかもな 。そして何かブツブツ言い始める。一体 どうしたんだろう?ロディボ えさっきまでと違う呼び方に聞き直す。 おお、お前のことだよ。ロディボ、お前 少しは不魔術ってのお分かってるじゃない か。いいだろう。認めるぜ。ちなみに俺の ことは親方と呼ぶといい。はあ。親指で 自分を指すディアン。 なんだかわからないがいつの間にか認め られたようである。水形等魔術準度上昇。 これは液体に作用する魔術で文字通り不純 物を排除するものだ。皮の水を飲料水とし たり、燃料などに混じったゴミを取ったり と使える幅は広い。ただあまり準度を上げ すぎるとക്合物は完全に分解されて しまうのだ。以前茶の順度を上げすぎて水 にしてしまったことがある。そんな繊細な ことを魔術でわあ、改めて思いやすが ロイド様の魔術は大したもんですな。俺が 開発したわけじゃないよ。魔術は常に進歩 しているグリモがいた頃よりいろんなこと ができるようになっているのさ。よし、 ゴミを救ってと。うん。綺麗になった。 まずい駅は宣告と違い、かなり透明度が 増しているように見える。そういえばこの まずい駅には何の術式が込められているの だろう。ちょっと見てみるか。液体に込め られた術式へと意識を集中させていく。 ふむ。これは強度増加の術式かな。物体に 込める術式の中でも最もポピュラーな術式 だ。効果な件などはこれで強化しておけば 簡単には折れない。だがこの術式相当昔 から使い回してるな。めちゃくちゃ古臭い し非効率な術式だ。ちょっと書き換えよう 。こんな術式はもう吐棄してもいいか? 大分容量が開いたな。これなら強度増加も 3くらい編み込める。ついでに男性増加も しておこう。これがあると金属に粘りが出 てとても丈夫になるからな。よし、こんな もんか。あとは探検にもう一度してとでき た。手にした探検のは全国と違いピカピカ だ。試しに宝箱には当ててみると面白い ようにスパッと切れた。おお、見事なもん ですな。うん。いいね。というわけで品の 確認だな。その夜夕食を終えた俺は早々に 部屋へ戻りカを広げた。ダンジョンから 持ち帰った三石、ストーンスライムの かけら、宝箱の切れ端、魔術が付与された 探検をベッドに転がす。ロイド様なんです か?そそりゃダンジョンから持ち帰ったの さ。通りで遅いと思ったらダンジョンを 攻略してきたんですかい。たにため息を 吐くも。だから悪かったって。まず手に 取ったのは三師。青の言っていた通り、 ダンジョンから出したことで光を失って いるようだ。ちょっと削ってみるか。水形 と魔術水場にて三石をゴリゴリと削って いく。硬いものを削る場合失量のない風場 よりは質量のある水場の方がやりやすい。 削り出してみたが石の内部には特に気に なる点は見受けられない。どこにでもある ごく普通の石だな。俺の仮説と合わせて 考えるとダンジョンの核は様々なものを 取り込んで成長する。おそらくこういった 石や土を取り込みながらダンジョンを作っ たんだろうな。ということはダンジョンで 採取したものはその場を離れると元の物体 に戻るのだろう。こっちの宝箱の破片は ダめだ。全く魔力を感じない。核というの はおそらく魔法生物とでもいう存在。決断 した時に死んでしまったのだろう。ちなみ にストーンスライムのかけらもただの 土くれに戻っている。ダンジョンから離れ たので元の土に戻ったのか。だがリッチは 自分のダンジョンから離れても平気そう だったな。高レベルの魔物ともなればまた 違うのかもしれない。いや、ダンジョンが 1匹の巨大な魔物と考えるとどうだ?強力 な魔物には単独で活動できるよう核がある と聞いたことがあるし、ま、赤説の息を出 ないか。なんだか生かい視線を向けられた 気がする。く、使い間に手を噛まれるとは このことだ。私は冒険者のタオというね。 怪しいものじゃないよ。そんなことをやっ ている間にもタオはアルベルトに声をかけ ている。ふむ。僕はアルベルト ディサルーム。この国の第2王子だよ。お 王子様、これは飛んだゴブレイを許して ください。あるよ。いいさ。知らなかった のだろう。僕は気にしていないよ。 ありがとうございますね。たどたしい口調 で頭を下げるタオ。他の国ならともかく 比較的平和なサルームでは王族に少々ブレ な口を聞いたからと言って即刑罰なんて ことはありえない。俺たち自身国の方針で 王行貴族だからとあまり存在な態度は取ら ぬように言われているのだ。おかげでうち の王族はフレンドリーというか民衆たち からも慕われており、魔獣狩りなどで外へ 赴いた時などは平民たちの家で食事を 振る舞われるなんてこともそう珍しくは ないのである。それより冒険者がこんな ところで何をしていたんだい?この先の湖 で祠の修繕以来を受けてそれに向かう途中 よ。その道中白と見えたあなたの顔が少し 知り合いに似ていてね。ついてしまったよ 。ペコリと頭を下げるタオ。だが上使いで アルベルトを見る目はどこかじゃに見える 。怪しい。シルファが無表情のまま馬から 降りタオの前に立ちふがる。怪しいですね 、この女。気になったなら堂々と声を かければいいのになぜ気配を消して近づく のです?そもそも喋り方からして怪しいで はありませんか?なあ。 こ、この喋り方は単なる鉛りある。気配 だって別に消したわけじゃなく、そういう 呼吸が癖になってるだけよ。ああ、 なるほど。みんながタオの気配を感じ なかったのは木の呼吸のおかげか。俺だけ が感じ取れたのは同じく木が使えるから だろう。近づいた。今ならわかる。木の 呼吸を行うタオは体内の気を散らさず循環 させているため、あまり外へ漏れ出てい ないのだ。ほう。では先国からアルベルト 様に邪し戦を向けているのはただイケメン だなと思っているだけよ。じゃなし線 なんてとんでもない。分かりやすく同揺 するタオにシルファは随詰めよる。ないの かあるのかはっきりしなさい。シルファ辺 にしてあげなさい。えっと、タオ君も楽に するといい。アルベルトが声をかけると、 シルファは一瞬タオを睨んだ後、すぐに 後ろへ下がった。それでもいつでも動ける よう絵に指先を当てている。タオは緊張が 切れたのか、大きく息を吐いて腰を下ろし た。 ありがとね、アルベルト様。助かったよ。 この人美人だけどとんでもなく怖いね。 ところでタオ、僕が知り合いに似ている らしいが、僕は君を見たことがないんだ。 人違いではないのかい?ふむ。確かに私ら 探しているのはロベルト。名前違うよ。 それにアルベルト様とは少し雰囲気も 異なるね。け、タオのやつ俺のことを探し てたのかよ。いきなり飛んで逃げたからな 。探していてもおかしくはないか。はまあ 姿を変えてたし気づくことはないだろう。 ちらりと視線を向けるとタオが俺を元検し ていた。むむ。あの子どこかロベルトと木 の雰囲気が似てるよ。でも明らかに姿が 違うね。思い過ごし 嫌でもタオは俺を見ながらうんうん唸って いる。さすがに分かりはしないだろうが 心臓に悪いな。かけているのは支有計 トマ術回復呼吸呼吸の深さに応じて少し ずつ傷を癒すというというものである。 長い間じわじわと回復するため魔力刻印と 相性が良い。後れがやったと映えにくい し雨 系統の魔術は全てかなり上位の魔術なので バレると面倒だ。傷つき倒れていた者たち もしばらくすると傷が治り立ち上がる。 うん。これならそう簡単には倒されない だろう。てなわけで話の続きだ。わあ、 分かりやす本。魔力の性質変化とは術式で はなく魔力を生み出す際に行うんですよ。 ただ魔力を出すだけでなく手を加えれば 性質も変化させられるんです。ええ、それ は考えたこともなかったな。魔力を 生み出すのなんてただ万全とやっていた。 思えばグリ物使ってた古代魔術が色を変え たり魔力並の形状を変えたりしていたのは 術式ではなく性質を変化させていたのか無 意味だと思ってたがやっぱり魔術は奥が 深い。まずは色の変化から始めるのが基本 です。やってみますかい?もちろん魔力の 性質変化はイメージが大事でさ、色のつい た魔力を強く想像するんです。とはいえ 一兆一隻でできるもんではイメージね。姿 を変える魔術模者姿みたいなものかだっ たら得意だぞ。イメージと俺は青色を強く イメージし、手のひから魔力を生み出して いく。すると淡い青色の魔力が溢れ出して きた。おお、これが魔力の性質変化って やつか。赤、白、緑、思うように色を変え ていく魔力。こりゃ面白い。俺 がしいゃいいでいるとグリモは驚愕の表情 を浮かべている。なき聞いただけで あっさりと動かしたりとかもできるな。 あまり意味はなさそうだけど。 に動けとイメージを送るとグねぐねと色を 変えながら動いていく。クリモは俺が事在 に動かしているのを見てあんぐりと口を 開けていた。なるほど。パズはこれに匂い や味を加え、魔獣好みにしているんだな。 炎をいて全てを噛み砕く牙となれ。消熱 なんてことをしているとアルベルトの影承 が終わったようだ。すぐ気づいたシルファ とタオがパズから距離を取る。直後 萌えもる無数の炎がパズづらいと振り注い だか 後範囲に渡る炎が周囲を焼き尽くし ベアウルフらは悲鳴をあげながら次々と 倒れていく。うおななんだいきなり身体を 揺さぶられ美となる。振り向くとタオが口 をパクパクさせていた。だが音が聞こえ ない。そういえば音声遮断を使っていたん だった。 解除するとタオの声が聞こえてきた。 ロベルトやっと返事したよ。ああ、ごめん 、ごめん。集中しててさ。もう私が グレウルフ倒したところ全然見てなかった ね。タオは怒っているのかを膨らませて いる。ちょっと悪いことをしちゃったな。 でもおかげでダンジョンの結界については 色々調べられた。まずこのボスのいる部屋 がダンジョンの心臓とも言える部分だ。 もっと言えばボスを倒した先にあるお宝の ある部屋がそうである。ボスを生み出し たり結界を張ったりそれらの出力源は全て そこからだった。その眼油魔力量は半端で はなく術式などに頼る必要もなさそうだ。 単純に大量の魔力だけで結界や魔物の生成 を行っているように感じ合えた。おそらく その栄養はダンジョンで死んだ魔物や人間 、動物だろう。魔物は死ぬとダンジョンに 帰っていくからな。効率は死ぬほど悪いが 単純な魔力の送量が多いからできることだ 。まだまだ分からないことはたくさんある が、そんなところかな?もういいね。 さっさとお宝を拝みに行くよ。そうだな。 ボスを倒した先にはお宝があるらしい。不 もダンジョンの心臓部と同じなんだな。と いうことはお宝が核なのか。いや、それも おかしいはず。止まれタオ。突如濃い魔力 を感じ取った俺はタオの手を引く。 アンギーいきなりどうしたね、ロベルト? いくらなんでもこんなところじゃ。何か 言いかけたタオのを黒い歯が通りすぎる。 あれは闇系統魔術死人家か 魔物が好んで使う魔術だっけ?え、ボスは 倒したのにどうしてある?どうやらまだ 何か残っているようだな。注意深く目を 凝らすと芝を打ってきた敵の姿が暗闇みに 浮かび上がる。美味しいよ、シルファ。 ああ、さっき取ったばかりの獣の肉なのに ちな臭さをほとんど感じない。見事な腕だ 。アルベルトも下つみを打っている。お口 にあって良かったです。肉の中でも特に血 の匂いが薄いVを使いましたのでそれに 役味もたくさん生えていましたので 煮い消しにとええ詳しいんだね。やっぱり シルファはすごいな。メイドの足並みです のでうやうやしく頭を下げるシルファ。俺 は思う存分食事を楽しむのだった。ふ、 満腹みるく。食後のお茶が終わり、俺たち はゆっくりしていた。すでに日は落ちかけ ているので、魔獣狩りは明日の朝からの 予定である。デザートの甘い果実を食べて いるとアルベルトが難しい顔をしているの に気づく。どうしたんですか?アルベルト 兄さん。いや、妙だと思ってね。焼けに たくさんの獣が取れすぎている。うさぎも 鹿もイノシシも活動時期が微妙にずれて いるんだ。にも関わらずこんなにあっさり 取れるのはやはり何かおかしい。 アルベルトは顎に手を当て考え込んでいる 。あまり獣の生体は分からないが言われて みればこの森には入った時から何か違和感 を感じていた。何かあるのだろうか。 うおおん。突如獣の方向が響く。音の方を 向くと森の中から巨大な狼が出てくるのが 見えた。ま、魔獣だ。ゆっくり休んでいた この絵たちは慌てながらも武器を手に 立ち上がり魔獣を取り囲む。針金のような 分厚く黒い毛にシンクの瞳。大きな口から は鋭い牙が覗いている。そして狼というに はあまりにも巨大な身体。あれは確か ベアウルフ。 魔力により大化した身体はクと見うほどだ。やるぞ。ロイドも来い。はい。言われるまでもなく俺は立ち上がりアルベルトに続く顔お。 それでよというのは何かしら。はい。つい最近魔獣を買い始めたので飼育法やし付け方など色々聞きたいなと思いまして紹介しますね。白です。 おん。背中を撫でると白が吠える。それを 見てアリーゼは目をキラキラさせた。あら あらあら。まあまあ可愛い子ね。しろ ちゃん焼けに丸くて小さいけれど ベアウルフかしら?当たりです。北の森に アルベルト兄さんと魔獣狩りに行った時に 懐かれました。それにしてもよくわかり ましたね。本来の姿とは大きく違うはず ですが。うふふ。なんとなくそんな感じが したのよ。なんとなくね。やはりなと思い ながら俺は目を細める。以前俺が魔力の 波長を感知して生物の同一個体を識別した ようにアリーゼもまた無意識に似たような ことをしたのだろう。魔力ってのが関係し てるのよね。よくわからないけれど。はい 。それで聞きたいのですが、ネロイド、 こんなところで立ち話もなんだし中で話さ ない。美味しいお茶を出すわよ。あ、そう ですね。つい話し込んでしまった。中に 入ればアリーゼの魔獣もいるだろうし、 それを見ながらの方が話しやすいか。と いうわけで俺はアリーゼに案内され、塔の 中へと足を踏み入れる。中は大広間となっ ており、塔の外壁に螺線階段と小部屋が いくつかある以外は完全に吹き抜けとなっ ていた。地面には柴け、池村さらに木々 まで生えており、まさに自然のままといっ た感じだ。それを見たグリモが簡単を あげる。ともかくなんとなくだが ダンジョンというものが分かってきたな。 だが、まだまだ仮説の息を出てないし、 もう少しサンプルが欲しいところだ。 そのうちまたダンジョンに潜りたいな。 ロイド様は魔術師でしょう。ダンジョンに ついても調べるんですかい?何が魔術に 使えるか分からないからね。わあ、そう いうもんですかね。魔術というのは様々な 要素が組み合わさった学問だ。である以上 、この世の新羅番賞との繋がりがある。 そもそも火水がなければ魔術でそれを 生み出すこともできなかったわけだ。まあ 、知識はあればあるだけ自分のためになる 。この知識がいつか何かに使える時が来る かもしれないしな。ダンジョンについては こんなもんだろう。さて、次は不与魔術だ な。不系等魔術に関する魔術書はそれなり にあったが、それを試すには特殊な職媒が 必要なのである。それがこの探検に塗付さ れたまずい液。魔力に対するとても強い 保持力があり、浸透性も高いのでよく職倍 に用いられるのだ。それなりに貴重なもの で基本的には有望な家事職人たちにしか 出回らないらしく、なかなか手に入れる 機会がなかったのである。やることは他に もたくさんあったので後回しになっていて 実際に試したことはない。まずはまずい液 を剥がすとえっとやり方は確か熱湯に塗付 された箇所をつけこすって落とすんだっけ か魔術で湯を沸かしその中に探検の刃を つけてブラシで擦すると油のようなものが 浮き出てくる。これがまずい液だ。熱で 剥がれるが水には溶けないので湯の表面 部分に浮き上がるのである。それを 救い取って小瓶に入れていく。ムー不純物 が浮いているな。多分何度もこうやって再 利用したんだろうな。まずい駅は不要に なるとこうして剥がし、また新たな不魔術 のために使える。だがその度に汚れが増え ていき、順度が下がる。そうすると当然不 魔術の効果も薄れてしまうのだ。なら綺麗 にしてやればいい。小瓶に手をかざし魔力 で包み込む。すると液体の中から小さな ゴミが浮き出てきた。ロイド様、こいつは 何をしてるんですかい?不純物を取って いるんだよ。なあ、グリモ。あれって俺が お前に身体を貸しているようなもんか。 こっちは完全にロイド様主導なんで全然 違いやすいよ。言うなら自分は付属品の ようなもんでさ。あっちはパズの野郎が 魔獣の身体を乗ってるんですな。魔人の 身体は実態がないので他の生物の身体と 一体化できるらしい。グリモが俺の右手に 入っているようにパズも魔獣の身体に入っ ているのだろう。ただ向こうの主導権は 完全に奴にあるようだ。巨大ベアウルフ パズが唸り声をあげながらこちらに 歩み寄ってくる。さあ立ち上がる良い。 我が属たちよ。ハズずの言葉で今まで 倒れしていたベアウルフたちに頑光が宿る 。ゆっくりと立ち上がるベアウルフたちの 身体にはうっすらと黒いモヤのようなもの がまとわりついていた。あれはパズの魔力 か。魔獣とは魔力を持った物質を食らい 強く大きくなった獣だ。そうして魔獣と なった獣はより強くなるために魔力を帯び たものを好んで処すようになる。数ずは 自身の魔力を与えて傷を負った魔獣を回復 させているのだろう。各か魔獣使いなどは そうして魔獣を操っていると書物で読んだ ことがある。ふむふむ。実際に見てみると よくわかるがあれはただの魔力ではないな 。魔獣たちの身体が受け入れやすいよう 魔力の性質を変化させているように見える 。各下に他人の魔力というのは簡単に 受け入れられるようなものではない。ゆえ にその性質を変化させ受け入れやすくして いるのだろう。強い魔力を持つものが近く にいるとかなり気になるしな。だから俺は 普段は魔力を抑えて活動しているのだが、 これが結構疲れるんだよな。なるほど。 魔力にはああいう使い方もあるのか。 面白い。ガルルグーうー。唸り声をあげる ベアウルフにこの絵たちは後ずさる。 立ち上がったベアウルフたちの身体の傷は 見るみるふがり、心なしが大きくなって いるように見える。ば、バカな。倒した はずなのに。鉛大 の炎を指先に集めグリモール目がけて放つ 。ぬわあ。炎が命中し、グリモワールは 悲鳴をあげた。あれ?なんで魔力消壁で 防御しなかったのだろうか?お、 おいグリモール 大丈夫か?慌てて声をかけると炎の中で影 が揺らめいた。見ればグリモワールの身体 には火傷1つついていない。く、驚かせ やがって。だが魔人である俺様を魔術で 倒すことはできねえよ。残念だったな。え 、そうなのか。ああ、そうさ。 神官どもが使う神聖魔術なら少々の ダメージは受けるがよ。高が魔術ごきが俺 様を倒す術はねえ。残念だったなロイド。 俺様を復活させた時点では積んでたのサブ 。今度は滝列水求をぶつける。滝のような 水撃を食らいながらもグリモワールは確か にダメージを受けているように見えないわ 。話を聞きやがれ無駄だと言っている だろう。ガフアー。 すごいな。本当に聞いてないのか?私列球 を放ちながらつやく 岩石に押しつされながらもグリモワールは 平気そうである。これは驚きだ。魔人ンっ て本当に魔術が効かないのか?一体どこ まで聞かないんだろう?知りたい、試し たい。おいまてめえ。なんキラキラした目 を向けて来やがる。ちょ、やめろって。 おいコら。俺は思いつく限りの魔術を グリモワールにぶつけるのだった。すみ ませんでした。俺の目の前でグリモワール が両手を地面についた。おいおい、 いきなりどうしたんだよ。土下座なんかし てさ。許してくだせえ、ロイド様。もう悪 さはしねえ。だからな。頼むよ。涙を流し ながら訴えてくるグリモール。ちょっと 攻撃魔術を数百回ぶつけただけなのだが、 よくわからん。何でもいいが早く続きを やろう。俺はもっと古代魔術が知りたいん だ。ひぎま、待ってくれ。もう身体が持た ねえよ。え、そうなのか。でもまだ全然物 足りないんだが。俺の言葉にグリモワール はなぜか青ざめるとざざっと後ろに下がり 地面に頭を埋め込むほどの勢いで頭を下げ た。このグリモールロイド様に精神誠意 尽くすことを誓います。使い間でも何でも なります。だからお願いだ。もう勘弁して くだせ。使いまかよくわからないがそこ まで言うなら今日はこの辺でやめてもいい かな。間になってくれるなら魔術の実験は いくらでもできるし。うん。悪くない。俺 はにっこり笑うとグリモールに手を 差し伸べた。分かったよ。じゃあ俺と契約 するか。えい。俺の差し出した手にグリモ ワールはすがりつく。暗い光が俺たちを 包み契約が完了した。クそ。この グリモアール様が人間の使い間になるとは なんたる屈辱だがこいつの実力は半端じゃ ねえ。十分な信頼を得た後にうまく そのかして利用してやれば俺が世界を影 から牛じることだって可能。くひ、その時 までの辛抱だぜ。ん?何物言ってるんだ? い、いいえ。なんでも何でもありませんぜ 。ドイド様皇帝2グリモワール なんだか情緒不安定なやつだな。まあいい かともあれこしてグリモワールは俺の 使い間になったのである。や悲鳴。そして 倒れる音。よし当たりね。小作ガッツ ポーズをするタオ。すぐに岩影から ゾろぞろと小さな人影が出てきた。土色の 身体にのような体育、小さな角に 大きく不気味な赤い目。手には棒やら錆び たナイフやらを持っている。あれは確か ゴブリンだっけか 最弱クラスの魔物だ。しかしそれは単体で の評価を組むとかなりやばいとも書いて あった。姿を表したね。2度もかかって くるある。一速にてゴブリンたちの懐は 勢いのまま飛び蹴りを放つ。ゴブリンは 吹き飛び眼璧に叩きつけられメリコンだ。 タオの攻撃はそれだけで終わらない。一瞬 だけ着地すると老倍エルゴブリンたちに 回し蹴りを食らわせた。勝査なキスが ゴブリンたちの脳点をこごとく捉え、一体 また一体と倒れしていく。 やあ。着地したタオにゴブリンが反撃 しようとコ棒を振り下ろすが、タオは すでにそこにはない。残像を残して消えた タオはゴブリンの背後に回り込んでいた。 遅いよ。つんと拳がめり込みゴブリンは ぐらりと崩れ落ちた。呼吸を整えるタオを 見ながらもえくんだゴブリンたちは動く ことができない。強い。素であんな威力が 出るはずだない。そういえばタオの髪や瞳 の色、顔立ちは遠くにある異国のものだな 。異国には気を使い、それをまとわせた素 で戦うという話を何かの書物で見たことが ある。呼吸で体内に気を巡らせ練り込む ことで凄まじい力を発揮することができる とか眉つだったがこうして実際に見ると 信じざるをない。そういえばいつも独特の 呼吸をしていたな。あれがそうなのだろう か。ギャーギャギャー。後ろから聞こえる 寄制に振り返ると目の前には2匹の ゴブリンがいた。うお、びっくりした。 タオの戦闘に夢中になりすぎたようだ。 もちろん魔力消壁を張ってあるので問題は ないが。あっちまるで滑るように移動して きたタオがゴブリンに引きのどてっぱに それぞれ小底束を叩き込んだ。衝撃で 天高く飛んでいくゴブリンたちはちょい 対空時間を経て地面に激突した。やあ。 それを見て悲鳴をあげるゴブリンたち。 タオの強さに恐れをなしたのか気づけば ゴブリンたちはいなくなっていた。 ありがとう。助かったよ。ふ、霊は無要 ある。タオは背を向けたまま仁立ちをして いる。どうしたのかな?さっきからずっと その体勢のままだ。しかも物欲しそうに こっちをチラチラ見ている。一体何だろう ?さっき言ったお礼以外の言葉を待って いるような無逃げるゴブリンたちを目で 追っていると大きな穴の中に逃げ込むのが 見えた。あれはもしやダンジョンか。 ダンジョンとはたくさんの魔物が存在する 不思議な場所だ。奥にはお宝もあり、貴重 な魔道具や魔所なんかもあるらしい。こう しちゃいられない。俺は矢も盾もたまらず 走り出す。風景魔術失走風をまとった身体 は羽のように軽くなり高速での移動が可能 となる。地面を蹴ると文字通り飛ぶように かける。 ちょっとロベルトどこ行く?あへの愛の 告白を忘れてるよ。後ろからタオが何か 叫びながらついてくるが風の音でよく 聞こえない。そんなことよりダンジョンだ 。俺は全力失走でダンジョンへ向かうの だった。翌日大量の件と共にアルベルトが 俺の部屋を訪れた。100本以上はある だろうか。 車を引く従とても重にしている。アルベルトはいつも通り爽やかな笑を向けてきた。や、おはよう。 約束通りこの絵たちの剣を集めてきたよ。これはすごいですね。昨日のことをみんなに話したら今朝こんなにたくさんの件を持ってきてね。 1人で30 本持ってきたものもくらいだよ。よほど不術をかけて欲しいらしいね。 多分違うな。アルベルトが俺のことを話し たからその点数稼ぎとして剣を持ってきた のだろう。主人が剣を集めよと言えばそれ に使える騎士たちなら剣の10本や20本 集めてくるよな。そこまで考えてなかった が嬉しい誤参だ。ロイドが不術を使うよう を見てみたかったがこれから経済の授業で ね。とても残念だがこれで失礼するよ。 ありがとうございます。アルベルト兄さん 。アルベルトは俺にウインクを1つして扉 を閉めた。良かったですね、ロイド様。 これだけありゃ相クラでも不魔術を試せ ますぜ。そうだな。不魔術は武器にかなり の負担をかけるし、失敗の可能性も高い。 数はあるに越したことはない。魔術に使用 するまずい液だが、あまり強力な術式を 編み込むと武器を汚染する。それは金属の つがりを蝕み、その結果簡単にへし折れて しまうかと言って術式を弱めれば貴重な液 を使った効果が薄い。濃すぎてもダめ、薄 すぎてもダめ。その見極めがとても難しい のだ。しかも同じ武器でも金属疲労などに より同じ術式でも負荷になる可能性もある 。その辺りは身体で覚える必要があるため 不術は大量の練習が不可欠なのだ。さて 早速始めるか。安そうな武器から扱って いこう。とはいえどれも良いものばかりだ な。神物の鉄を焼いて強くした鋼の武器が 主だが、中にはかなり高華そうな件もある 。魔剣か?これ。アルベルトに差し出す 武器だし。安物というわけにもいかないか 。まあいいや。遠慮なく使わせてもらおう 。まず手に取ったのは1番数のある鋼の剣 。この辺りから試してみるか。鋼の剣用に まずい液を小分けにして術式を編み込んで いく。とりあえず強度増加を30+男性 増加くらいでやってみるか。あの鉄の探検 と同じくらいの容量はあるだろう。術式を 編み込んだまずい液を1本目の鋼の剣に 塗りかけて乾かす。拾った三石は鞄に 詰め込んでおく。この鞄には空間系統魔術 領域拡大の魔術をかけている。袋や鞄など 密閉されたものにしかかけることができ ないが中の空間を自由に広げられるという ものだ。おかげでこの鞄には本来の何十倍 もの容量があると言っても空間系統魔術は これの他には1つ2つしか使えないんだ けどな。空間系統魔術は非常に難易度が 高く使いてもいないので分献も少ないのだ 。待たせて済まなかったね。早く先に 進もうか。鉱石は興味深いがそれだけに 時間を取られている暇もない。俺は ダンジョンを進んでいく。 止まるね、ロベルト魔物よ。いきなりタオ が立ち止まる。猫のような柔らかい動きで 壁の方を向くと一気に距離を詰める。 そして壁に手のひ底を叩き込んだ。一体何 を俺がそう思った瞬間である?ひ埋めき声 をあげ壁が崩れ落ちてきた。見れば壁は泥 のような姿になって溶けていく。なんだ こりゃ。ストーンスライムね。岩に隠れて 冬打ちを仕掛けてくるよ。あのまま進んで いたら危なかったね。ええ、面白いな。 辞退する魔物か。しかもかなり出来が 良かった。タオの攻撃が当たった瞬間でも 全然分からなかったしな。こいつの身体も ちょっと持って帰ろう。何かに使えるかも しれないし。俺は砕けちったストーン スライムの破片をこっそり鞄に入れた。 それにしてもタオはすごいな。俺には岩に しか見えなかったよ。日の使い手は不思議 な力を持つというが、今のがそうなのかい 。ほう。ロベルトは気を知ってるのか。 大陸でそれ知ってる人あまりいないね。 勉強家ね。本を読むのが好きなんだ。実際 見るのは初めてだけどね。それとてもいい ことよ。知識は部と同じくらい力になるね 。タオはにっこり笑うとまたダンジョンの 奥へと歩き始める。その後もゴブリンに 多く様々な魔物が出てきたがタオの敵では なかった。あんな細い腕なのにとんでも ない威力が出るんだもんな。聞か魔術に 行かせるかもしれないな。顔の呼吸法は こんな感じだっけかん?しばらくじっと見 てみると剣の真ん中に細い日が入った。 ピシピシとひび割れるような音が鳴り剣は 真2つに折れてしまった。ありゃなんでだ ?鉄よりは鋼の方が硬いはずなのになぜ 同じ不術をかけて壊したのだろう。首を かしげているとグリモが口を開く。まずい が新品だったから不魔術の効果を従に伝え ちまったのかもしれませんね。ロイド様の 魔力は半端じゃねえですから、ただの鋼 じゃ耐えられねえですよ。あのまずい駅は 劣化してたってことか。しかしそんなこと よく知ってたね。エマーカジについては 足しもそれなりの知識がありぜ。カジ グリモワールといや雨じゃちょっとは 長売れてましてね。えへ。得意に笑うグリ もどうやらかなり家事としての知識がある らしい。これなら不魔術の助けになるか。 ありがとう。グリモを使い間にしてよかっ たよ。古代魔術は古臭いだけでいまい使え なかったが、家事師としての知恵は助かる 。俺自身魔術以外にはそこまで詳しくない しな。うんうんと頷いているとグリモは ポカンと口を開けていた。どうかしたのか い?いえ、何でもありませんぜ。あっけに 取られたようなグリモだったが、小声で 何かブツブツとつぶやき始める。こいつ 魔人である俺様を使い間にできてよかった だとけ。いい気になっているのも今のうち だぜ。だがなぜだ。不思議と気分は悪い 気分じゃねえだと。あ、くそ。調子が狂る ぜ。なんだかわからんが上緒不安定はいつ ものことか。それより不術の続きに 取りかかるとするか。結局色踊りじめした が鋼の剣は強度増加を二重が限度だった。 他の武器も似たようなもので普通の武器に はあまり何枚もの強化術式をかけるのは 難しいらしい。ちなみに3割くらいは失敗 してへしおった。てへ残るはこれだな。 最後に残ったのは赤い等身の探検である。 さやには綺麗な装飾がされており股また 同様の紋用が刻まれている。術式が元から 組み込まれているのか。こいつは魔剣です な。ああ、おそらくアルベルト兄さんの だろう。鋼の剣ばかりじゃ飽きると思って 俺の練習ようにおまけで入れてくれたのか な。ちなみに魔剣というのは付与した武器 と違い剣を鍛える段階から術式を組み込ん だものである。鉄を叩きながら術式を編み 折り曲げてまた術式を編む。それを何度も 繰り返すことにより通常の付与とは比べ物 にならないほどの術式を編み込んでいる。 ぐ身体が痛くて思ったように動けない。 シルファの全力をコピーしたからだろう。 あと若いからすぐ筋肉痛が来たんだろうな 。なんせ10歳だし。ひ、筋肉痛すか。 うん。これ以上の運動は控えた方がいい だろう。そう言って腕をマッサージする。 あまり無理すると治りが遅くなるもんな。 そんな俺を見てグリモはなぜか呆きれた 様子だ。ぐふざけおって。そんな俺礼へ 繰り出されるパズの打撃。打撃打撃。魔力 消壁が痛々しい岸しみ音を上げていた。 やはりかなりのパワーである。なあ、 ちょっと聞きたいんだけど、そんなに強い のになぜ魔獣を集めてたんだ。知れたこと 。我1人が強くなるより部下を集めた方が より効率的に戦力を増大できるからよ。 強くなるために仲間を増やしたってことか 。ああ、そうだ。苦労と努力を重ねた日々 だった。わざわざ魔獣の住みやすい環境を 整えてやり、扱いやすくなる様子も 繰り返した。面倒極まり作業だったが、 それもようやくようやくこれからという時 だったのに。貴様のせいで ガッスンと怒りに任せた一撃で俺の身体は 中に飛ばされる。強烈な一撃により魔力 消壁は粉々なに砕けちった。二ばれ だが放たれた魔力並は俺ので消滅した。俺 の前に貼られた透明な壁を見てパズは 下打ちをする。地また魔力消壁か。だが そんなもの何度でも破壊して左右を見渡し たパズが言いかけた言葉を飲み込む。展開 したのは魔力消壁ではなく結界だ。空間系 透魔術次元展開かなり魔力を食うので短 時間しか持たないがあらゆる攻撃を通さぬ 次元の壁それでパズを包み込んだのだん 俺はふと思い立つ グリモは魔人に魔術は聞かないと言ってた が結局聞くのか聞かないのかどっちなの だろう魔人と遭遇する機会なんてそうは ないだろうし試してみるべきだよな20 俺は右手の口を開き呪文の影を開始する。 新内岩牙大塩み少熱円牙列空嵐しげ土水風 4系統も神魔術を順じぐりに100 高速術式を展開し本来の3倍速にて 編み込んでいく。全くえたものか関心した ものか一応聞くが魔術書以外には興味は ないのかな?申し訳ありませんが。ふむ。 そうだろうな。やはり城でやることも そろそろ限界があるよな。アルベルトに ついていればたまに射場に連れて行って もらったりできるが、それでも大っぴらに は動けない。せめてもう少し上のレベルの 魔術書があればいいんだが。そういえば城 の地下にショ庫があったっけ。アルベルト がぽつりと漏らした言葉に俺の耳が反応 する。しかしにはあまりの危険さゆ故えに 取り扱いを禁じられた魔所の類いが たくさん封印されていると聞く。その中に は金所も多数含まれており、昔この国を 滅亡寸前まで追い込んだ魔人が封印された ものもあるらしい。魔女とは本物に魔力を 込めた魔道具のようなもので誰が使っても 効果を発揮するのが特徴だ。ただその作成 にはかなり高度な魔術知識と時間が必要と されるためその貴重さは魔術書とは比べ物 にならない。初級魔術を封じたものでさえ なかなか市場には出回らず白にも数札しか ないので俺もじっくり見たことはない。 特に強大な魔術が込められたものはあまり の危険さ故えに禁止扱いされ国で厳重に 保管されておりの際にしか使われないと 聞く。以前どこかの対戦で近所が使われた らしいがそれを唱えると敵軍に雷が 振り注ぎ一瞬にして壊滅させたという。 ただし術者はその反動で50年以上年を 取ってしまったとか魔人を封じるなんて 魔術が込められた金書がどんなものかなど 全く想像もつかない。どんな術式を 編み込んであるのだろう。すごく気になる 。小さい転場に随分脅されたものだ。悪い ことをする子は金に封じられた魔人に食べ られちゃいますよ。なんてな。はは。言わ れてみれば確かに城の地下には不自然に 強力な結界が展開されているのを感じてい た。きっと国の重要書物などが入っている のだろうとあまり興味を持たなかったが そういうことなら話は別だ。画然ワクワク してきたぞ。アルベルト兄さん、その話 もっと詳しく聞かせてくれませんか? おいおいロイド妙に目を輝かせているじゃ ないか。まさか入ろうとしてるんじゃない だろうな。いきなり釘を刺され同揺しつつ も何もなかった風を予想笑顔を返した。や だな。そんなことするはずがないでしょう 。アルベルト兄さん。その割には笑顔が 引きつっているようだがも元踊りじこんな ものですよ。あはあはは。なんとか受けえ が同様の成果こちなくなってしまう。どう にも演技をするのは苦手だ。しばらく じっと俺を見ていたアルベルトだが、すぐ に口元を緩めた。まあそうだな。そもそも 城の地下には城の魔術師が住人係かりで 編み込んだ結界が貼られている。人目を 盗んではいるなど不可能だ。僕でも入るに は許可が必要だしね。アルベルト兄さんは 入ったことがあるんですか?ああと言って も入り口だけだがね。 というかそれ以上は入れなかったんだ。奥 から発せられるわ踊りじしい魔力の渦。 思い出しただけでもおじけが出る。魔人が 封じられた金所があるという話も信じて しまうよ。ブルルと身体を振わせる アルベルト。演技ではない。少しだけ顔が 青ざめていた。どうやら本当のようである と。まあ、そんなわけだ。ロイド、お前は 少し変わっているが無茶をする子ではない 。まさか行くわけがないと思うが。はい。 行くわけがありませんとも。俺は アルベルトの問いに頷いて返すのだった。 視界がぼやけるみたいが思うように動か ない。一体何が起きているのだろう。自分 が自分ではないみたいだ。誰かの声が 聞こえる。女性の声だ。目を凝らすと顔が 見える。美人だ。そして胸をけさせている 。だが妙に大きい気がする。女性は何か 喋りながら俺に近づいてくる。身の危険を 感じた俺は懸命に手を動かし火を念じた。 小さな炎を生み出す俺が唯一使える攻撃 魔術。弱い魔物を追い払うことしかでき ないが威嚇にはなるはず。そのはずだ。だ 何か妙だ。違和感を感じた俺はとっさに 女性から狙いを外した。その直後ドゴン と爆音が響いた。見れば壁に巨大な穴が 開いていた。女性は驚いているがそれは俺 も同じだ。俺の火球でこんな威力が出るの はありえない。一体何がそう思った時目の 前にある姿鏡に自分の姿が映る。小さな 身体短い手足クリッとした大きな目。赤子 だ。俺は赤子になっているのだ。そういえ ば何かで聞いたことがある。死したものが 記憶を許したまま生まれ変わることがある と。いわゆる転生というやつだ。そう 考えれば今の火球にも納得がいく。魔術師 としての核は家柄と才能、つまりほとんど 生まれた時に決まる。優秀な魔術師の家計 では幼少期から魔術を使えるものも そこそこいる。今の俺にそれほどの才能が あるなら、これだけの魔術を使えても 不思議ではない。だが待てよ。いくら何で も生まれた時からこんな魔術が使える なんて例は聞いたことがないぞ。周りで 騒いでいる人たちも俺がやったとは認識し ていないようだしな。というか、よく見れ ば部屋がやたら広い気がする。部屋に置か れているちょうど品は美術館で見るような 高級品が並んでいるし、メドらしき女性も 数人いる。こんな部屋そこらの貴族では ありえない。高校貴族や泊、は股た工爵と かそんなことを考えていると不立派な装飾 が施された紋章が目に止まる。その紋章に は見覚えがあった。俺の住んでいた サルーム王国その王家の紋章である。俺 もしかしてとんでもないところに生まれて しまったんじゃないだろうか。さて、お宝 をもらって帰るとするか。ボスのいた部屋 のさらに奥に小部屋がある。そこには豪華 な宝箱が置かれていた。あれね、宝箱? ロベルトが開けるといいよ。いいのか? このダンジョンはほとんどタオが1人で 攻略したようなもんだろう。でもロベルト がいなかったら私死んでたよ。だから ロベルトに開ける資格あるね。分かった。 そういうことなら俺は宝箱の前に進みおに 開けた。中には探検が1本入っていた。お 探検か。どれどれちょっと見せるね。俺の 後ろでそれを見ていたタオが探検をじっと 見つめる。そしてペチンとおでこを叩いた 。あ、じゃあ残念。はれあるな。そうなの か。何かの魔力が込められている感じが するがうん、言う通りこれは魔術の付与さ れた探検だけど大したものじゃないよ。 まず元となっているこの探検が何の変哲も ない鉄ナイフだし何の装飾もさえてない。 そんな探検には強い魔術が付与できないよ 。多分付与の練習台あるな。何者かが練習 用に魔術付与した探検ね。見た感じ少し 箱ぼれもしているし、使い込んだ後もある 。まるで誰かが所持していたようなものだ 。それがダンジョンのお宝になっているの は変だな。そんなことを考えていると宝箱 が地面にゆっくり埋まっていく。まさか 俺はとさに風景トマ術風説で風の刃を 生み出すと宝箱の一部を切断した。 知り取った宝箱の一部からはとても強い 魔力を感じる。そうか。これがダンジョン の核とも言える存在。こいつは普段は地中 に生息し、誰かの落とした魔道具などを 取り込んでダンジョンとして成長するのだ 。そして攻略されそうになったら宝箱の 振りをして中身を差し出しその隙に逃げる となるほど面白い。よくできている。魔獣 だ。まだか。ぐるる顔おう。ぐお [音楽] 1匹だけではない。 2匹、3 匹と森の中から飛び出してくる。あっという間に俺たちはベオールフの群れに取り囲まれてしまった。もだけではない。森の奥からはどんどん吠えが集まってきていた。なれないはず。 それがなぜこんなに皆老倍ているがこれは チャンスだ。この絵たちは魔獣1匹でも 苦戦してたしこれだけいるなら俺が倒して しまっても構わんだろう。もちろん買魔術 以外を使うつもりはないがそれだけでも 十分だ。よっしゃ、テンション上がってき た。アルベルト兄さん、俺も戦います。 ああ、分かった。期待しているぞ。ロイド 来ます。シルファの声とほぼ同時に ベアウルフたちが飛びかかってくる。おお 。くアルベルト様とロイド様をお守りしろ 。この絵たちは密集し、俺たちの前に壁を 作る。その奥からアルベルトが演列火球を 放った。燃え裂かる炎に焼かれの打ち回る ベアウルフ。よし、俺もやってやるぞ。 くらえ。やや棒読みで放つのは火球だ。 飛び出した日の玉はベアウルフの鼻先を 焼きひませた。そこへこの絵たちの斬撃が 加わり交代させる。ロイド様なんでもっと 強力な魔術を使わないんですかい?上位 魔術の1つでも使えばこんな奴ら一発で 倒せるでしょう。だってすぐ全滅させたら 面白くないじゃないか。せっかく魔獣相手 に魔術を使う機会なのだ。どうせなら長く 楽しみたい。そうだ。倒れた魔獣に魔術と 掲けたらもっと長く楽しめるんじゃないか 。ついでにこの絵たちにもかければ永久 期間の完成だ。割れながらナイスアイデア 。悪魔ままとひらめきである。そう、 そいつはさすがにやめた方がよろしいかと 思いやすが。だがグリモはドん引きし ながらダメ出しをしてきた。各かによく 考えたら血魔術でも気力までは回復しない し長期線で木の緩んだこの絵たちが殺さ れる可能性もあるか。さすがに自分の実験 で人が死んだら後味が悪いしやめておくか と言って確かに火球だけだとあまり面白く なさそうだ。じゃあせめて気を試う。覚え たばかりだから生き物相手に浜田ほとんど 検証してないしな。敵も大石当て放題で ある。俺は呼吸と共に右手に体内の木を 集めていく。タオのやっていた気候団だ。 以前やった時は肺がめちゃくちゃ痛かった が、チ魔術をピンポイントで肺に当て ながらやればかなり痛みを柔らげることが できる。よし、行ける。はそれを火球で 覆ってカモフラージュし放つ。放たれた パイプの玉飛行団はまっすぐ飛んでいきに 命中した。ぐお 悲鳴を上げて吹っ飛ぶベアウルフだがすぐ に立ち上がってきた。いまい聞いてないか 。純粋な木の攻撃だとタオの足元にも及ば ない。ロロロイド様、今のは一体ああ、木 だよ。タオに教えてもらったんだな。俺の 言葉にグリモは驚いている。きってのは 確か大昔に戦った異国人が使っていた技だ よな。長年の修行が必要って話だが、倒っ て小娘にあったのは数日前だろう。そんな 短期間で覚えたっていうのか。信じられ ねえ。グリモはまたドん引きしているよう だ。もしかして俺が手を抜いて長引か せようとしているとか考えているのだろう か。残念ながら全力なんだよな。やっぱり 木は難しい。連れて行かれた先は城の隅に あるレガを積み重ねて丸型のドームにした 建物。上部からは煙突が生え、近くには 井戸がある。昔この建物は何だろうと中を 覗いてみたが中は物置きになっていたっけ 。一体こんな場所に何のようだろうか。お 、ここだ、ここだ。懐かしいな。リアンは そう言いながら扉を明る。中は以前見た時 とは全く違った。部屋の中央には巨大な路 が置かれ、金とにハンマー、ペンチ、のみ 、不ご、様々な役品、様々な家事道具が 並んでいた。ここは俺がガキの頃に使って いた工房だよ。留学の際に道具を持って いってたんだが、帰るってことで一速先に 送り返しておいたのさ。今日から向こうで 学んだ家事仕事ができるってもんだぜ。 花歌を歌いながら道具を触るディアン。 その顔は子供のようにキラキラしていた。 ディアン兄さんは家事が好きなんですか? おお。だから向こうで色々学んできたんだ 。向こうはすごいぜ。冬魔術や魔剣政策の 技術が進んでいてよ。このままじゃ行け ないと思ってアルニーに相談したら優秀な 不与術師を紹介してくれるって言うから 期待したんだが、まさかロイドとはな。 わあと重しいため息を吐いてリアンは俺を 睨みつけた。ロイド悪いがアルニーの言う ことを鵜呑みにはできねえ。お前が本当に 不与術師として優秀なのかどうかまずは 試させてもらうぜ。わあ、くん。なんだか 厄介なことになってきたな。ついてきた城 が不安げに俺を見上げている。この液体が 何か分かるか?リアンは水瓶の中に入った キめく液体を差し示しす。まずい液ですね 。付与の際に術式と共に都付する液体です 。向こう基本は知っているようだな。だが これはどうだ?王族たるもの女性からそう いう視線を向けられることは少なくない。 周り体に言えばモテるということだが、 あまり彼女たちを甘く見るなよ。女性が僕 たちを見る目はとてもシビアだ。あまり だらしなくしていると霊水をぶっかけられ ちまうぞ。はわあ。すごく真面目な顔で何 を言っているんだろう、この人は。もしか してアルベルトは女性関係でひどい目にで も会っているのだろうか?アルベルト様、 うわ。いきなり後ろから声をかけられ、 アルベルトはビクっと肩を振わせる。 振り向くと満面の笑を浮かべるシルファが いた。シルファは笑顔のまま手にしたTを 差し出した。驚かせて失礼いたしました。 お茶が入りましたよ。あ、ありがとう。 から茶をついでもらったアルベルトはT カップをずっとすする。そしてぶっと 吹き出しそうになり、なんとか耐えた。 暑かったのか渋かったのか、はたまた両方 か。アルベルトはゲホゲほと咳込んでいる 。アルベルト様と言えど、あまりロイド様 に余計な知識を与えませぬようお願いし ます。ああ、もちろんだとも。それを聞い て安心いたしました。ではごゆっくり。 シルファはにっこり笑うと俺たちに背を 向け去っていったな。怖いだろ。そう言っ てアルベルトは苦傷する。いや、どう考え ても自業自得だろう。手間のかかり具合も 全く違うのでかなり効果らしく俺も見るの は初めてだ。こんなもんをポンと不用に 差し出せるとはこの国は豊かなんですな。 くもってその通りである。俺がこうして 気まに魔術で遊べるのも国が豊かなおかげ だな。父チャールズには感謝しかない。 それじゃあ魔剣への付与試してみるか。 魔剣はすでに式が編み込まれているため、 それに付与を加えるのはかなり何度が高い とされている。相性の悪い付与だと術式が 総裁し事態が破壊されてしまうのだ。慎重 に行かないとな。俺は魔剣に手を触れ、 意識を集中。術式を読み取っていく。ふむ 。剣に編み込まれているのは魔術増幅の 術式だな。魔剣には2つのタイプがあり、 1つはそれ自体に魔術が込められたもの。 もう1つは魔術を増幅するものでこれは 校舎だ。アルベルトも魔術師だし間違い ある前。増幅なら術式を書き換えて売化に してみるか。見たところ増幅倍率は2 割増しといったところか。これを2倍増 マしにすれば格段に効果は向上する。ただ 一部とはいえ術式を書き換えるのもまた 結構なリスクを伴うんだよな。下手したら 粉なごなになってしまう。だったら付与 するのは補強の術式だな。つまり強度を 上げるものである。これを塗布すれば多分 耐えられるだろう。多分。まあ、あずる よりうむが優しいというしてみるか。まず は術式の書き換え。2割増しの術式を2 倍増しへと書き換えていく。書き換えが 終わると剣から白い煙が登り始める。 ロイド様やべえですよ。何度か剣を破壊し たから分かる。これは壊れる兆候だ。早く 補強の付与を終わらせる。俺は呼吸を 落ち着かせながらまずい液を塗布していく 。すると煙が収まる。術式が馴染んだのか 安定してきたようだ。ふう。危なかったな 。危うく高価な魔剣がへしれるところだっ た。しょっぴり日々が入ってるがギリギリ 政府だともあれ多少の犠牲は出したものの 無事付与は終わったのである。僕普通の 庶民だった俺は血統で命を落とし、何の 因果王族として転生した。サルーム王国第 7王子ロイドディサルーム。それが俺の 新しい名だ。今では10歳この生活にも 随分慣れてきたと思う。ちなみに国の景色 や文化雰囲気と照らし合わせてみると俺は 死んだ直後にこの身体に転生したようだ。 俺が学園に通っていた頃、新しい王子が もうすぐ誕生するらしいとか言ってたしな 。少し申し訳ない気もするが、なって しまったものは仕方ない。兄たちはすでに 成人しており、年も離れていた俺は大い 継承争いともほとんど関係ない。おまけに 身体も小さく用姿も平凡、それに政治にも 全く興味を示さなかったので期待されて ないようだった。だが兄たちが王になる ために毎日毎日マナーや学問武術を みっちり学んでいるのを見るとそれで 良かったなと思う。おかげで俺は大好きな 魔術を思う存分勉強させてもらっている からだ。朝起きて図書館に引きこもり魔術 書を読みふける日々。その増料はとんでも なく魔術書だけでも数百冊はある。基礎 から始まり専門的なものに至るまでその 全てに目を通した。前世で基礎をしっかり やっていたおかげか難しい魔術書も理解は できた。もちろん魔術の再現も今は色々と 応用するための術式を編み上げている。 ちなみにあの時俺を殺した魔術は高価な 媒体を使用したご師で今見ればそう魔術で もなかっただったようだ。ちょっと残念。 なお、魔術が好きなのは隠してないが、 実力というかあれだけの威力が出せるのは 隠している。あんな魔術が使えると知られ たら絶対面倒なことになるだろうし、そう なったら魔術の研究どころではないだろう 。期待されて多いがどうこう言われても 困るしな。ちょっと変わった魔術好きの 王子。これが俺に対する周りの評価である べきだ。ロイド様、どちらですか?ロイド 様。 ん、隣にいるのは誰だろう?アルベルトの 横にバンダナをした黒髪の男がいた。 かなり鍛えているようで細いがマッチョで ある。年はアルベルトと同じくらいだろう か。鋭い目つきで俺をじっと見ている。白 は随分お前の言うことを聞くようになった みたいだね。はい。アリーゼさんにご教授 いただきました。アリーゼによ。よくあの 説明で理解できたね。あは少し難易度は 高かったですけれど。苦傷する俺を見て アルベルトは口元に手を当てる。ふむ。 まさかアリーゼのまと魔力の動きを読み 魔獣を操る技を推り習得した。いやいや、 いくらロイドでもさすがにそんなことは できないだろう。単に魔獣がロイドになれ ただけだろうな。うん。ない。アルベルト は冷汗を浮かべながら首を振っている。 なんだか顔色が悪い気がするけど大丈夫 だろうか?追いやる兄物言ってんだよ。男 がしびれを切らしたように声をあげると アルベルトは思い出したように咳払いを1 つした。夫すまない。紹介するよ、ロイド 。彼はディアン。お前の兄だ。え、兄さん ですか?おお、久々だな、ロイド。でも俺 はお前が小さい頃から隣獄バートラムに 行ってたからな。覚えてないか?でっかく なったじゃないか。今帰ったぜ。 ディアンディサルーム。大使王子で俺が3 歳くらいの頃、アルベルトと一緒に俺を見 に来たんだっけ?顔にちょっとだけおかげ がある。目つきが悪いとかリアンは俺と 同じくらいの年の頃から優れた火事技術を 持つ隣国バートラムに留学に行っていた。 多分政治的な理由だろう。有効の証とか 王子の見ながら国のために勉強に行くとは 立派だと思った記憶がある。そんな ディアンをなぜアルベルトは俺の元へ連れ てきたのだろうか。アルニーなんで俺を ロイドのところへ連れてきたんだ。 顔合わせならいつでもいいだろ。どうやら 向こうも同じことを思ったようだ。 アルベルトはにやりと笑う。実は ナディアンこのロイドこそが霊の不与術師 なのだよな。嘘だろ。アルニー。こんな ちびがこの魔剣に付与を施したってのか。 リアンは以前俺がアルベルトに付与した 魔剣を指さして驚いている。そして俺の目 の前にしゃがみ込むと顎に手を当て なめ回すように見つめてきた。ぬー信じ られんがアルニーが嘘を言うとも思えん。 よしロイドお前を試す。こっち来い。そう 言うとディアンは俺を脇に抱え走り出した 。え ?おいディアン待て。どこへ行くんだ? 悪りなある兄ちょっと借りるぜ。リアンは アルベルトに手を振るとそのまま駆け出し た。ていうか強くなりたかったのなら身体 を鍛えるならなんなりやり用はあったん じゃないか。面倒な思いをしてまで部下を 集めるよりよほど効率的だろ。楽しいから 雲なく続けられるのである。パズは戦闘 スタイルからして肉段線が得意なタイプ。 部下を集めて命令を出すより身体を鍛える 方が賞にあってそうだしな。俺が寝ても 冷めても魔術をやってられるのも純粋に 楽しいからだ。魔術の修行は俺様もやって きたがそう楽なもんじゃねえ。シドを吐き 、地味な反復をし、努力を重ねて少しずつ ものにしていくもんだ。それをロイドは そりゃもう楽しそうにやりやがる。毎日常 今までもこれからもだろう。そんなやに 努力だなんだと言ってるやが勝てるわけが ねえ。グリモがブツブツ言っているが 吹きすぐ風の音でよく聞こえない。俺の 言葉にパズは苦笑いを浮かべる。くふ我の 配は楽しめなかったことか全く無茶を言っ てくれる。そう言い残しパズの身体は砂の ようにサラサラと消滅していく。夫と sirリとなって消えゆくパズへグリモが 大きく口を開け吸い込み始める。どうやら その魔力を食べているようだ。ええ、魔人 の魔力ってのはやっぱうまいぜ。力が かなり戻ってきやがった。こいつのそばに いれば上質な魔力の補充にはこかねえ。 この調子で魔力を増やし、そのうちこいつ の身体を乗ってやるぜ。ブツブツ言い ながら北へむりも。その力はほんの少し 増しているように見える。どうやら魔力を 食べて強くなるようだな。どうでもいい けど腹壊すなよ。そ、そりゃもうええ。俺 の言葉にグリモは慌てて返事をするのだっ た。もちろんいいわよ。ロイドならきっと できると思うから。本当ですか?ええ、 そうね。まず大切なのはたっぷり貯めた後 アリーゼはにっこりと笑った。あいよ。 一瞬の沈黙。アリーゼは言葉を続ける。私 思うの。愛こそが言葉の通じない私たちを つぐ絆なんだって。どんな魔獣だって こちらから愛を与えてあげれば絶対に 分かり合えるわ。目を輝かせながらようと 語るアリーゼを見てエリスは疲れた顔で息 を吐く。わあ、アリーゼ様は生まれつき 勝手に動物が寄ってくる余さのような方 です。そんな特殊事例など参考になるはず がないでしょう。妖精さ、ちょっとエリス 、それはひどいわ。本当のことです。2人 は言い争いを始めた。争いというか、 じレ合いというか、この2人は姉妹のよう である。難しいことなんて必要ないわ。 ふわーっとしてパーっとすればいいのよ。 ねえ、リル、私の思い、私の言葉よく 伝わるでしょう。ほら、ウンリルはそうだ とばかりに頷くとアリーゼに頭を すりつける。アリーゼが手を広げ楽しそう にくるくる回るとその周囲に鳥やウさぎ などの小動物が集まってきた。まるで花で も浮かんでいるような空気メルヘンで ファンタジーな絵本みたいである。エリス はそれを見てドん引きしていた。確かに 余さだ。ゼックしていたグリモがようやく 口を開く。ロイド様ありゃダめですぜ。 よく言えば天才派。悪く言えばお花畑でさ 。まともに話のできるタイプじゃねえです よ。ひどいこと言うな、お前。まあ、概 同意見だけど、各かにアリーゼは理屈な話 ができるタイプではない。ただそれでも やり用はあるのだ。なるほど。大体分かり ました。アリーゼ姉さんな。グリモワール は勢いよく返事すると黒いになり、俺の 右手に入っていくな。なんだこりゃ。体内 の魔力密度が半端じゃね。こんなギチギチ に詰まってやがったら俺が入るスペースが ねえ。ミ腕では無理だ。ならせめて手首 からぐだめだ。指先1本すら入れねえ。 おお。方向の後、手のひに1本の線が入り 、グパッと口が開いた。グリモワールはぜ と息を吐いている。はあ。はあ。って 手のひの川1枚が限界だった。何つ魔力 密度だ。何かブツブツ言ってるが無事入れ たようである。お、その手もしかし二重し てた時のか。え、え、そうでさ。ロイド様 が20章に興味を持っていたのは分かって 癒したからね。もちろんこの身体はロイド 様のものですから自分の意思で動かせます 。 本当か?それは面白そうだ。20重症か。 使い方によっては色々なことができそうだ 。うん。ワクワクしてきた。後で早速試し てみよう。身体を乗っるのは無理だったが 、こうして取り入っておけば奴もそのうち 油断するだろう。何焦ることはねえ。 じわじわ行くぜ。くひ。ん、何か言ったか ?グリモール いえ。何も。そ、そうだ。ロイド様、自分 のことはグリモでいいっすよ。そっか。 これからもよろしくな。グリモ。えい。 噴骨最新ロイド様のために働かせて いただきますぜ。そうこうしているうちに 部屋の片付けが終わり、俺は諸庫から外へ 出て部屋へ戻り、そのまま眠りに着いた。 翌日俺は城の屋上へ来ていた。ロイド様、 こんなところに来て一体何をなさるんで? 早速二重賞を試してみようと思ってね。今 は昼休みなので見張の兵士たちも休憩に 行っており誰もいない。当然結界は展開 済み。時間は短いが今なら心起きなく魔術 の実験ができるのだ。それじゃ力を貸して くれるか。クリもまずは影合わせをして みよう。演列火球の影はできるかい? もちろんでさ、無駄ね。ボスを倒すまで 開かないよ。そういえばダンジョンには 不思議な部屋がいくつかあるらしい。 ワープする部屋や魔物が異常にいる部屋、 回復できる部屋など。特にボスの部屋は 1度入ると倒すまで出られないとか。 ブーム魔術以外での結界か。実に興味深い 。ぐるル。唸り声と共に部屋の奥から巨大 な4速が進み出てくる。灰色の毛に青い瞳 。鋭い牙の魔物だ。グレイウルフね。 危ないからロイドは下がってるよ。ガウ。 タオが構えると同時にグレウルフが 飛びかかる。鋭い爪による引っかきを少し だけ下がってかわし、飛行団を放った。 命中グレウルフは引き飛びながらも姿勢を 立て直し着地する。戦闘はタオが優勢だ。 接近線しかできないグレウルフはタオの身 のこなしと飛行団になす術がないようで ある。とりあえず任せても問題なさそうだ な。俺はこっちの結界を調べさせて もらおう。 ボスを倒したら消えるみたいだし。ロベルトにかっこいいとこミルある。そして釣られ念願の彼氏ゲットね。そのためにお前には不議台になってもらうよ。 ゴー タオは何か独り言を言いながら戦っているがグレウルフの吠え声でよく聞こえない。なるほど。この結界の魔力供給源はダンジョンなのか。 ということは結界はダンジョンの能力。 入った途端に発動するということは自動 制御だよな。これはどのダンジョンにも あるものらしいがそこまでして侵入者を ボスから逃したくない理由は何だろうか。 そもそもなぜ侵入者を招き入れる?人を 倒して栄養にしているのかも。ってこっち 見てない。あるう。ああ、うるさい。集中 できないぞ。風景討術音声団良し これでうるさくない。集中して考え事が できるというものである。普通に考えて これだけの動物を買い鳴らすなんて常人に は無理だろう。俺と同じ血を引いてるし、 魔術師としての才能が発言していても おかしくはない。生まれつき知筋や才能に 優れたものの中には無意識に魔力を扱う ものも珍しくないのだ。にたどり着いた俺 は正面にある大きな扉をノックする。 姉さん、アリーゼさんいますか?ロイド です。少し待っていると中から黒髪メイド が出てきた。各か名前はエリスだっけ? 覚えていただけて公栄です。ロイド様、お 久しぶりでございます。うん。久しぶり。 アリーゼ姉さんに会いたいんだけど。 かしこまりました。少々お待ちください ませ。ペコリと頭を下げ、塔へと戻るメド 。さらにしばらく待っていると扉が開いた 。ロイドガバといきなり抱きしめられた。 ワプふカふカの柔らかな感触をぎゅっと 押し付けられる。苦しい。 ロイドロイドロイド。もう久しぶりね。 あなたから会いに来てくれるなんて姉さん とっても嬉しいわ。さらにグリグリと頭も 撫でてくる。痛い。アリーゼ様、おやめ ください。ロイド様が苦しがっておられ ます。え?あら、本当ごめんなさいね。 アリーゼは謝ると俺を抱きしめる腕を緩め た。ふう。苦しかった。だからあまり来 たくなかったんだよな。アリーゼは昔から 俺を見つけては抱きついたりキスしたりと おもちゃにしていたのである。咳込み ながら顔をあげる俺の目の前にいたのは 薄べに色の長い髪をふわふわとさせた女性 。髪だけではなくドレスにもファーや ポンポンがついており全体的にふわふわだ 。ちなみに胸もふごめんねロイド姉さん 嬉しくなっちゃってそれで一体何のよう かしら。アリーゼはそう言ってっこりと 微笑むのだった。移動は順調。もうすぐ霊 の湖にたどり着こうかという時である。俺 はふと何かの気配を感じ取った。なん だろう適ではないが確実にこちらを見て いる感覚。気配を隠しているようにも感じ ないが他の者たちは誰も気づいていない ようだ。シルファ何か感じない?どういう ことでしょう?巨団と首をかしげる シルファ。ムーシルファですら気づいてい ないのか?おかしいな。絶対いるはずなん だが。仕方ない。向こうから出てきて もらうか。俺は風景魔術風説を最弱で気配 の方に向けつ。俺の指先から放たれた 小さな風の歯が誰にも気づかれることなく 草むへと消えていく。やあ。会長家と 聞き違うような声が辺りに響いた。この絵 たちはすぐに武器を構える。やはりいたか 。それにしても今の悲鳴どこかで聞いた声 な気がするのだが。何者だ?姿を見せろ。 アルベルトが声をあげると悲鳴の主は ゆっくりとこちらに近づいてくる。あたた いきなり何かの虫に噛まれたよ。少し晴れ た手をさすりながら草むの中から出てきた のは以前あった憲法少女タオであった。た 言いかけて思わず口をつむ。危うない 危ない声を出すところだったぜ。ちゃんと 知らんぷりしないとな。ロイド様、あの 娘っこお知り合いですかい?バカ言うな。 知るわけないだろ。いきなりグリモに 突っ込まれ、驚きで声が少し震える。ええ 、もしかしてですけど、以前外出した時に あったんですかい?な、なぜ分かるんだ? 最近気づいたんすけど、ロイド様って嘘が 下手なんすね。少女を取り囲むのは豚顔の 巨体。これは確か多くだっけ城にあった 魔物図鑑で見たことがある。せや少女が 気合いと共に小族を叩き込むと多くが 吹き飛ばされた。倒された多くは口から泡 を吐きビクンビクンと痙攣している。よく 見れば周りには何体も多くが倒れしている 。各か多くはかなり強い魔物だと書いてた 気がする。それをあれだけの数1人で倒す なんてあの子結構すごいな。ひんだ多く たちを少女は鋭い頑光でじろりと睨みつけ た。ぷギギプギープギー。すると多くたち は悲鳴をあげて逃げ出してしまった。ああ 、もっと見たかったのに残念だ。そこに いるのは誰ね?そんなことを考えていると 少女が声をあげた。俺のことだろうか。 そう思い顔を出してみると少女はこちらに 視線を向けていた。そう遠離れていたのに 勘づくとは武術の達人は離れているものの 気配を察するというし、ここは観念して出 ていくか。俺は両手を上げ敵体の意思なし とアピールしながら岩影から出てくる。 えと、こんにちは。怪しいものじゃないよ 。 俺を見た少女が一瞬驚いたように目を丸く した。まさか知り合い?いやいや、そんな はずはないか。この姿今俺が作ったんだし 。少女は長い沈黙の後ボそりとつく。何者 かお前名前か。そういえば考えてなかった な。Aと俺はロベルト 冒険者なんだけど仲間とはぐれちゃって あまり怪しまえても面倒だし冒険者という ことにしておこう。俺の言葉に少女は少し 考えて言葉を発する。あしはタオ。冒険者 階級はB。ジョブは見ての通り部島かね。 なるほど。タオさんは1人なの?弱っちい 奴らとなれ合う趣味はないだけよ。俺の 問いにタオと名乗った少女はつまらなそう に返してきた。あまりよく知らない人間と の接触は良くない。時間も無限にあるわけ じゃないしな。ここは適当にずらかるべき か。俺はこっそりとタオに背を向ける。 ああ、じゃあ俺はこの辺で待つね。ガしと 肩を掴まれた。いてすごい力だ。ここは 魔物の出る危険な子や。お前よは争田し町 へ帰るまでに食べられるよ。あしも今から 帰るとこだし町まで送るね。いやいや、俺 も冒険者。ちゃんと1人でも戦えるから 大丈夫だよ。だめね。ここで見捨てたら女 が廃るよ。うを言わさぬその鋭い目。この 迫力なんとなくシルファを思い出させる。 あまり人の親切を無にするのも良くないか 。冒険者と魔物の戦いを間近で観察できる チャンスだし。分かったよ。お願いします 。うん。任せるね。た息を吐く俺を見て タオは満面の笑を浮かべる。そして俺に背 を向け歩き始めた。来た。とんでもない イケメンある。私の好みドストライクね。 ここでオを売っておけば感謝の壁丼くらい は期待できるね。ふひふひ。なんだろう? すごく邪悪な顔をしている気がする。まあ いいか。何かあったらダッシュで逃げよう 。やあ、ロイド何をしているんだい。いつ ものように読書をんでいると爽やかな青年 の声が聞こえた。振り向くと金髪のすらり と背の高いイケメンが立っている。俺の ここの都上の兄アルベルトだ。サルーム国 の第2王子で大い継承権も第2位だが分部 ともに非常に優秀で時王との噂も立って いるほどである。アルベルトは俺が魔術書 を読んでいるのを見てニコりと微笑む。 魔術書を読んでいるんだね。僕も一緒して もいいかな?もちろん構いませんよ。 アルベルト兄さんありがとう。では失礼し て。アルベルトはテーブルを挟んで俺の 正面に腰かける。手にしていたのは政治 関係の本だった。俺がテーブルに積んで いる魔術書の山を一別し、自分も読書に 没頭し始める。他の兄たちは俺をあまり気 にしていないようだが、アルベルトはなぜ か俺をよく気にかけてくれる。多分普通に いい人なんだろうな。それにシルファと 違って俺にあ、あ、白ロコしろと言ってこ ないのもいい。俺はアルベルトから本に 視線を戻し、また読書に没頭し始めた。 どれくらい経っただろうかパタンという音 がしてアルベルトが本を置く。ふう。 ロイドの集中力はすごいね。こん負けだよ 。本当に魔術が好きなんだね。アルベルト が立ち上がり腕を持ち上げるとバキバキと 音が鳴った。首を傾けるとまたボキボキと それを見た俺は思わず苦傷する。お疲れ様 です。アルベルト兄さん。僕は気分転換に 少し身体を動かしてくるとしよう。よかっ たらロイドも来るかい?射撃場ですか? ああ、好きだろう。はい。俺はアルベルト の誘いに即頭する。俺は身体を動かすのは 好きではないが、アルベルトの誘いは別だ と言っても好感度がどうとかいう話では ない。光継者として期待されている アルベルトには様々な施設の使用権があり 、今から気分転換に行く射撃場は魔術の 練習に持って来いなのだ。あれから1週間 が経った。基本的には俺の日々はほとんど 変わらず好きなことをやっていた。少し 変わった点といえばアルベルトが頻繁に 魔術の練習上へ誘ってくれるようになり、 シルファの堅術ごっこの頻度とそのレベル が上がったくらいだろうか。アルベルト様 、今からロイド様は堅実の稽古をなさるの です。それは先日もやっただろう。今日は 魔術の練習をするのだよ。何をおっしゃい ます?現術です。いいや魔術だね。2人は 火バを散らし睨み合っている。ただ 時踊りじれを取り合っているのを見るので 気が重い。しかもチャールズも最近何かと 俺を呼び出して近況を聞こうとするし、風 の噂ではタオもロベルトについて聞き回っ ているそうだ。モテモテっすな。ロイド様 グえ。この調子で周りの評価が上がれば俺 が身体を乗った時にうまい思いができるぜ 。ポン。グリモがニヤニヤ笑い、白が元気 よく吠える。全く騒がしいことだ。俺は ただ魔術を極めたいだけなんだけどな。 この世界には未だ俺の見たことのない魔術 が存在する。それを全部見たい、覚えたい 、モてたい。俺はまだ身ぬ魔術の新を望み 、真っさな空を見上げた。魔術師として 大切なものはまずは家柄、次に才能、 そして最後に努力である。最後というのは 言葉通り努力を努力として受け止めるもの にとってであり、楽しんでそれを積み重ね られるものにとっては最後ではなく最大の 力となりうる。え、それら全て持つものが いたらってあはそれはゾっとしない話だね 。なくとも私は戦いたくはないな。なんて あの野郎は言ってたっけか。グリモが ボソりとつぶやく。どうかしたかグリモ。 いいえ。何でもあ、じゃんけんはシルファ の姉子が勝ったようですぜ。見ればいつの 間にか2人はじゃんけんをしていたようで 勝利したシルファがかけてくるのが見える 。ロイド様嬉しそうに僕を手に手を振って くるシルファ。俺はため息を吐きながら 中庭へと向かうのだった。ロベルト 何をニヤニヤしてるね。ああ、なんでも ないよ。それよりこの探検大して価値が ないならもらっても構わないか。元より そのつもりね。お好きにどうぞ。 ありがとう。魔術付与された探検は ちょっと欲しかったんだよな。もちろん上 にもそういった武器などはあるが、高価な ものばかりだし、気軽に分解したりはでき ないのだ。だから不与系統魔術については まだ試していなかったのだが、これで不与 魔術の実験ができるぞ。宝箱の破片と共に 鞄へと放り込んだ。すると午後と辞りがし 始める。 そういやダンジョンは宝箱を取ると消滅 するんだっけか。うん。早く外に出るよ。 俺はタオと共にダンジョンの外へとかける のだった。外へ出ると空は薄暗くなってい た。げしまった。グリモのことを完全に 忘れていた。こんな遅くまで放置して 大丈夫だろうか。どうしたね、ロベルト そワそわして。悪いがちょっと用事を 思い出してね。 すまん。俺はタオに謝罪すると即座に秘傷 を念じ、空中へと飛び上がった。あ、どこ へ行くね?悪い。急いでるんだ。待つよ。 せめて連絡先を交換するあるう。タオの よく響く声を聞きながら俺は城へと飛んで いく。少し残念だがもう2度と会うことも ないだろう。それにしても気についても 知れたし、魔物もいっぱい見れたし、 ダンジョンでも色々拾えたな。大満足の1 日だった。入ってきた時と同じように姿を 隠して城内へと戻る。ほクホク顔で実質に 戻るとベッドでは俺の姿をしたグリモが 倒れふしていた。ただいまああ、その グリモ大丈夫か?声をかけるとギと首を 動かし俺の方を向く。 その表情は完全に死んでいた。 ロイド様、メ度が来たと何度もお知らせしたんですがね。母は悪いな。忘れてた。やはり何度か連絡してきたようである。多分魔物に夢中になってた辺りだろうか。どうも集中すると周りの声が聞こえなくなるんだよな。反省。ええ、きっと忙しいんでしょうとなんとか会話はごまかしやした。 ですが、剣術ごっこは結局やることになり ましてね。まあ、ズタズタのボコボコにさ れやしたよ。あのメ度半端な強さじゃねえ ですな。だろうな。グリモが乗り移って いる人形は俺の身体をコピーして作って いるからな。自慢じゃないが運動神経のな さには自信がある。それだけならいいんで さ。問題はあのメイド自分をぶちのめした 後になぜか泣きながらロイド様のふ抜けた 根性を鍛え直しますとか言い出したんすよ 。ああ、サボってると思われたんだろうな 。普段は魔術でシルファの権技をコピーし てるからな。残念ながらそれが俺の実力だ 。そんなわけでついさっきまで打ち合いし てました。昼からずっとね。すまん。俺は 素直に謝罪した。 しばらく外出はできそうにないな。さらに タオは流れるように肘打ちを放つ。そこ から左鍵つき美け手刀な回し蹴り。それら は全て最初の一撃と寸分違わぬ場所へ 打ち込まれていく。タオは止まらない。 そして日々はさらに大きく深くなっていく 。こんなところではないある。私は5 歳の頃から毎日毎日短続けてきたね。雨の 日も雪の日も休まず毎日彼氏も作らずよ。 そんな努力を積み重ねてきた私がこんな ところで彼氏も作らず死ねるか。一泊置い ての飛び膝ゲり、魔力衝壁が砕け散り ぽっかりと穴が開いた。あ、でもまずいな 。好きだらけだぞ。しかもリッチもぼっと していたわけではない。カタカタとリッチ のラン食い場が揺れる。魔術の影少だ。 黒い先行が他を包む。島ドーンと爆発が 巻き起こる。吹き飛ばされたタオが地面に 落ち、何度か転がった。ぐったりしている 。やばそうだ。タオて より抱き起こす。タオは苦しげな表情で顔 をあげ開く。うな。なぜ戻ってきたね?実 は逃げてなどおらず近くで感染していたと はとても言えず口を継ぐむ。もしかして私 のためにもうバカあるな。でもいいよ。 ロベルトみたいなイケメンと一緒に死ねる なら本もある。そう言って俺から顔を 背けるをておいおい、もう諦めるのか? もうダメある。身体動かないよ。それに 動いたとしても相手に勝てるわけが ないね。何言ってるんだよ。俺の言葉に 被せるように黒い先行が辺りを包む。背を 向けていた俺たちにが魔術を放って きたのだ。ぎゅっと目をつるタオ。直後 衝撃派が俺たちを襲うことはなかった。俺 の張っていた魔力消壁がリッチの魔術を 防いだのだ。壊る目を開けたタオは不思議 そうに目をパチクりしている。俺は 立ち上がるとをまっすぐに見据えに やりと笑った。ここからが楽しいんじゃ ないか。おおん。遠覚えを上げながら 襲いかかってくるコボルトたち。この絵 たちは剣を抜き放ち迎え。コボルトの 振り下ろすの剣が受けようとしたこの絵の 鋼の剣と接触した。え、驚きの声をあげた のはこの絵とこぼると両方だった。 コボルトの持っていた鋼の剣が抵抗なく へし折れ。この絵の剣は勢いのままに小ぼ の銅を捉える。そのままざりとコボルトの 身体を切り裂いた。ぐわあ。先血が吹き出 てコボルトは倒れる。他の場所でも俺の 付与した鋼の剣がコボルトたちの武器を へしっていくな。なんだこの切れ味は。 これが付与の力というものか。このように 頑丈なコボルトの大毛を一なぎで切り裂い てしまうとは。その切れ味にこの絵たちは とても驚いているようだ。どうやら不与は うまく働いているようだな。 武器で勝さるこの絵はあっという間に小ぼを追い払ってしまった。はは。どうだお前たち?これが我が弟の実力だ。恐れったろう。後でしっかり霊を言っておくことだな。アルベルトが誇らしげに笑っている。おいおい勘弁してくれよ。俺は目立ちたくないんだが。 俺がじと目を向けていると、アルベルトが 満面の笑を浮かべ、俺の両肩を叩いた。 素晴らしいじゃないか、ロイド。成功率も 去ることながらとんでもない切れ味だった ぞ。あれほどの不術を使えるなんて本当に 驚いたよ。え、えと、母はまずい。やり すぎたか。俺の想定以上に評価が高い。 回手が少ないから少々やりすぎても大丈夫 かと思ったが、それが裏めに出たかもしれ ない。俺がどう答えたものかと試案して いるとアルベルトは言葉を続ける。いつも 本の虫だったロイドが実質にこも りっぱなしだったからきっと何かやって いるのだろうとは思っていたがまさか不術 をここまで極めているとはね。道具は シルファに集めさせたんだね。とんでも ない才能だ。さすがは僕の弟だよ。どう やら俺の思い過ごしだったらしい。俺は アンドの息を吐いた。はい。アルベルト 兄さんの言う通りです。どうやら不魔術に 向いてたみたいで。あはは。うんうん。 そうだろう。そうだろう。どうこれからも 不要をお願いしてもいいだろうか。道具は 僕が融通するからさ。頼むよ。道具を。 本当ですか?ああ、もちろんだとも。今回 使った道具は基本のものばかり、不魔術に は他にも色々な材料が必要だ。それを アルベルトの力で集めてもらえるなら、 これからはもっと色々なことができそうで ある。ふふふ。ロイドは良き才能を開化さ せたな。こんな年齢から純宅な資金を使っ て思う存分不術の修行ができるものなど そうはあるまい。このまま行けば国1番 いや世界一の不術師になることも不可能で はないな。アルベルトが何かブツブツ言っ ているが俺は様々な付与の組み合わせを 考えるので頭がいっぱいだった。じゃあ 行くとするか。アルベルトについて城の 裏側にある広場に向かう。入り口を管理し ている兵に挨拶をして中に入ると一面の 芝フが広がっていた。ここが射撃場。簡単 に言えば魔術の的当てができる場所だ。 大掛かりな魔術の実験をする場としても 使われるため、危ないので子供の俺は1人 では入れないのだ。はあ。いつ来ても広い ですね。城の魔術師たちも的を狙って炎や 水の魔力級を飛ばしている。魔術を使用 する感覚は人によって異なる。例えば同じ 火球を放つ場合でも全身から集めた魔力を 1点に集めて放つ流れのスムーズさ、速さ など連度は1人1人異なる。それを見て いるだけでも結構楽しいのだ。魔術師たち に興味心々な俺を見てアルベルトは微笑む 。母はロイドは本当に魔術が好きだな。 ええ、大好きです。そう、素直に喜んで くれると連れてきた会があるというものだ よ。 さて、それじゃあ僕たちもやるかい。はい 。アルベルトは頷くと兵士たちに命じて敵 を用意させる。100mほど離れた場所に 1から9までの数字が刻まれた大償様々な 敵が並んだ。人のを見るのも楽しいが もちろん自分でやるのが1番だ。中踊りじ で大っぴらに魔術を使う機会はないからな 。こうしているうちに敵の配置は終わった ようだ。ではロイドからやるといい。 分かりました。敵当ては説明するまでも ないような簡単な競技だ。先手と5手に 分れて10回ずつ魔術級を放ち、大きな 数字の書かれた的を多く倒した方が勝ち。 それだけである。もちろん数字の大きな的 ほどサイズが小さく当てにくくなっている 。的を前にして俺は魔力を指先に集めて 火球を作り出した。もちろんただのでは ない。現在研究中である回転運動を 取り入れた改造魔術だ。魔術を構成する 術式を持てり、魔力級の核に回転力を持た せることでただまっすぐ飛ばすだけでなく 様々な方向への変化が可能となる。 もちろんそんなことをしなくても普通に 動きを制御して中央無人に動かすことも 可能だが、そんなことをして当てても 面白くない。せっかく実験できる機会なの だから色踊りじ試してみたいもんだ。上 期限で花歌を歌いながら俺たちの戦闘を 行く。行先が同じだからと同行を申し出 アルベルトもそれを許可したのだ。 もちろんただついてくるわけではなく魔物 が出てきたら戦闘もこなしている。戦闘力 はこの絵たちより2段は上といったところ かというか以前あった時より技がさえて いる気がする。あれから修行でも積んだの だろうか。1人で魔物を半分くらいは倒し ている。その強さと性格から最初は警戒し ていたこの絵たちもタオに心を許し始めて いた。全くアルベルト様もあんな怪しげな 少女に同行を許すなんてどうかしています ねえ。ロイド様。あは。そうだね。ただ シルファはタオのことが気に入らないのか 。不機嫌そうだ。俺もタオとは目を合わさ ないようにしているのだがちらこちらを見 てくる。まさか俺のこと気づいてないよな 。じいつの間にかタオが俺の近くにまで来 てじっと見つめていた。 うお、びっくりするじゃないか。ねえ、君 、私たちどこかで会ったことないか?さ、 さあ、わからないな。いきなりの質問に ついが泳いでしまう。ムー、なんだか 怪しいね。でも会ってるはずがないのは私 にも分かるなのに。何なのこの感じ。 やばいな。この視線怪しまえている気が する。その原因は間違いなく木の呼吸だ。 ついさっきまで修行のために木の呼吸をし ていたからな。呼吸の仕方がロベルトと似 ているから怪しんでいるのだろう。 しくじった。とはいえいきなりやめたら不 自然だし、ここは知らぬゾで押し通すしか ない。あの時姿を変えていたのは不幸中の 幸いだったな。ロイド様森の方を見て くだせえ。あの娘が探しているという祠ら あれがそうじゃないんですかい?グリモの 声に従い森の方へ視線を向けると木々の 隙間から古ぼけた石の建物が見えた。 ナイスだりも追い払うチャンスである。 あれが君の向かおうとしている祠じゃない のかい。おお、まさしくあの祠よ。 ありがとね。兵士の皆さんにもお世話に なったね。それでは私はこれで失礼するよ 。タオは慌たしく頭を下げるとすごい速さ で走っていった。ふう。よかった。なんと かバレる前に追い払えたか。ありがとな グリモ。へ、気にしないでくだせえ。 ロイド様の使い間として当然のことをした だけっすよ。それにこの程度であんたの 信頼を変えるなら安易もんだぜ。くん。 何か言ったか?い、いえ、何も。そ、それ よりあの祠らなんだか妙な感じがしますぜ 。そうなのか。おお、ここがダンジョンか 。目の前にぽっかりと開いた穴を見て俺の 口元が思わず緩む。様々な種類の魔物、 さらに魔道具などのお宝、ダンジョン自体 なぜのかよく分かっておらず、内部は危険 なのでろな調査がされてないのだ。だから 1度入ってみたかったんだよな。ワクワク しているとタオが追いついてきた。わあわ ロベルトお前めっちゃ足早いあるな。 息きらしながら呼吸を整えるタオ。あ、 すまん。忘れてた。ふう。2あっという間 に呼吸を整えるタオ。魔法も使わず俺の 失踪についてくるなんて。これが火の力か 。もちろんタオの持つ気も興味がある。 いや、しょっぱなからこんなにいろんな ものが見れて外に出て本当に良かったな。 ってこれダンジョンあるか?うん。さっき ゴブリンたちがここへ逃げていくのが ちらっと見えたんだ。俺は中に入るけど タオはどうする?俺の問いにタオは 考え込んでいる。ダンジョン正直危険ある でも危険度が高い分ロベルトの好感度を 上げやすいはずね。見たところロベルトは かなりの2部人。100回は助けないと私 を好きにさせるには難しそうね。しばらく ブツブツ行った後、タオは頷いた。分かっ たよ。ロベルトが行くなら私も行くね。 よし、決まりだ。というわけで、俺たちは ダンジョンへと足を踏み入れる。中は岩石 に囲まれた洞窟。明りはないが全く見え ないというわけでもない。光る石が各所に 埋まっており、それが光原になっている ようだ。これは確か三石だったか。術式も なしでこれだけの光を放つとは素晴らしい な。魔術の実験に利用できそうだし、いく つか持って帰ろう。その様子をタオは 呆きれた様子で見ている。そんなもの持っ て帰ってどうするよ。三師はダンジョン から外に出すとただの石頃になるね。いい んだよ。理屈を知りたいだけだから。ふん 。変わってるな。図書館の静寂を破ったの は女性の声。充実した毎日を送っている俺 だが面倒なこともいくつかある。その1つ が声の主。俺の教育を任さえているメイド のシルファだ。シルファは俺を見つけると 駆け寄ってきてしゃがみ込み優しく微笑む 。長い銀髪がりと落ち、それを指で救った 。やはりまた図書館にいらっしゃったの ですね。もう本ばかり読んでいるのは身体 によくありません。私と一緒に外で遊び ませんか?その笑顔にはうを言わせぬ迫力 があった。シルファにとっては子供は元気 に外をか駆け回るのが普通で図書館に 小もりきりな俺を売れているのかしばしば 連れ出そうとしてくるのだ。余計なお世話 なのだが、俺のことを思っていっているの はよく分かるので、なかなかそうも言え ないんだよな。俺はためを吐くと諦めて本 を閉じる。分かったよ。シルファ、そんな 悲しい顔をしないでくださいまし。本は いつでも読めますわ。ほら、せっかくいい 天気です。外へ参りましょう。そんなわけ でシルファに手を引かれ、俺は庭に出るの だった。ロイド様、今日は堅術ごっこで 遊びましょう。え、また男子たる物術の1 つも確むべしですよ。さあ、僕をお持ち くださいませ。シルファは僕を俺に渡し、 自分も構える。さあ、どこからでも 打ち込んできてください。満面の笑を 浮かべるシルファ。その構えはリラックス しているが堂々としたものだ。それもその はず。シルファの父は騎士団長で大々合族 の堅術難薬をしているのだ。娘である シルファもかなりの腕前で以前兵士に しつこく絡まれていた時あっという間に 相手の剣を奪いその首元に突きつけたのを 見たことがある。ま面木で美人だが融通が 効かない。ちょっとおっかない人。それが シルファだ。だから俺が手を抜いていたら すぐ見抜いてくるので本気でやる必要が ある。俺は剣を握り直し正願に構える。 行きますよ。これが不魔術か。なかなか 面白い。もっと試したいところだがまずい 液がないんだよな。ないなら作ってみるか 。そんなことができるんですかい。原料の 段階まで分解すれば配合材料と比率が 分かる。それを組み合わせれば再現できる はずだというわけで余ったまずい液を小瓶 に入れ度上昇を発動させる。ただし今度は 強化の術式を編み込んでただ。こうする ことで原料にまで戻すことが可能。術を かけてしばらくまずい液の色が黄色く 変わり始める。さらに液体の中から様々な 決晶が集まりそこに溜まっていく。よし。 分解完了。 ええ、こいつがまずい液の原料ってわけ ですか?そういうこと。液体部分はただの 油だな。油は魔術とも金属ともに相性が 良い。だからある程度想定していた。中の 決晶は主に銀貨。下兵で代用できそうだ。 こっちの赤い粒は赤まこなだな。カマは 強力な魔物の心臓部にある核をすりつぶし てできた粉。魔力を非常によく通し、液体 とも混ざりやすいので様々な素材に用い られるのだ。そしてこの赤ダンジョンの角 と並べてみると非常によく似ている。 やはりダンジョンというのは俺の予想通り 魔物の一種なのだろう。つまり手に入れた ダンジョンの角をすりつせば使えるな。 こっちの材料もクリアだ。ってことはここにあるものでまずい駅はできそうだな。 おお、すげえぜ、ロイド様。 構想が分かればやってやれないことはないはずだ。よし、明日材料集めて調合してみるか。方向を上げながら突っ込んでくるベアウルフ。この絵たちは剣を構え迎え打つかだめ。ベアウルフは斬撃をともせずの絵を吹き飛ばした。 その勢いのままこちらへと向かってくる。 お2人ともお下がりください。シルファが スカートをひ返し、俺たちの前に立つ。 しらりと見えたスカートの裏側からは無数 の投げナイフが見えた。それを目にも 止まらぬ速さで抜き放ちベアウルフに到的 する。1本は額、2本は固め、もう1本は 大きく開けた口の中へと命中した。 [音楽] 円苦しみ 暴れるベアウルフにアルベルトが巨大な炎 の塊を放つ ズんと炎がベアウルフに命中し大毛を 焼き尽くしていく。しばらく暴れ回ってい たが、魔術の炎は消えず、そのうち力尽き てしまった。だ、ベアウルフは埋めき声を あげ、倒れした。動かなくなったベア ウルフを見てこの絵たちが完成をあげる。 うお、さすがはアルベルト様だ。 素晴らしい魔術でございました。あっと いう間にアルベルトはこの絵たちに 取り囲まれてしまう。あげでもしそうな 勢いだ。け、あれはロイド様の魔剣の おかげですぜ。奴自身の力じゃねえ。 ドイツもこいつも見る目がねえっすな。 グリモがそれを見て毒づいている。なんだ か苛立っている様子だ。何を起こってるん だ?そりゃ怒りやすぜ。評価されるべきは ロイド用なのになんであいつが言いかけて グリモは口を継ぐむな。何を言ってんだ、 俺様は。こいつがみんなに評価されたら後 で利用しにくくなるじゃねえか。むしろ 高都合のはずなのに。クそわけがわから ねえだが。なんだこの苛立ちは。そして またいつものようにブツブツ言い始めた。 相変わらずよくわからんやだ。ロイド、 この絵たちの中からアルベルトが声を 張り上げた。お前が付与してくれた魔剣の おかげだぞ。 そう言ってブンブンと手を振ってくる。俺 は愛そ笑いをしながら同じようにして返し た。とりあえず付与した魔剣はうまく作用 しているようだな。うんうん。ふむ。見た 目通りただの上位版か。闇魔術という くらいだからもっと別種類の呪いもあるの かと思ったが期待外れだな。しらりと リッチを見ると攻撃を防がれるとは思わ なかったのか。かなり老媒る。あの様子で はこれ以上の魔術は持ってなさそうである 。こいつからはもう学ぶことはなさそうだ な。それにしても闇系統魔術か。さっき 調べてみて分かったがこの力は気に似て いるな。同じことができるかもしれない。 試してみるか。タオに教わった通り体内の 木を右手に集め魔力と折り混ぜていく。に 関してはまだまだだが、魔力の制御はそれ なりに自信はある。魔力と折り混ぜること で木は歯のような形をなしていく。む、 この技ちょっと負担が大きいのか。呼吸の 痛みで咳込みそうになってしまうのをなん とか耐える。普通に気を使うよりもはるか に肺が痛い。しかも難しい。木の形状変化 はなかなかうまく扱えず失敗しまくりだ。 その度に呼吸をし直さねばならず結構 手間る。だがそれよりもワクワク感の方が はるかに強い。練り上げた木は失敗を 繰り返しながらも徐々に思い通りの形に なっていく。うん。なんとかなりそうだ。 思考錯誤の末え、俺はどうにかして木の刃 を生み出した。 それを見て魔力消壁を展開し防御を試みる リッチ。どれ火の歯の威力試してみると するかよ。掛け声と共に俺は生成した木の 歯を飛ばした。歯は子を描きながら飛んで いき、魔力消壁ごとリッチの上半身と下 半身を切り飛ばす だ。弱は踊りじしい埋めき声を残し は消滅してしまった。ええ、木の攻撃で 倒すとチ理のようになるのか。そういえば アンデッド系の魔物は生命エネルギーや 神聖な力に弱いと本に書いていたっけな。 消え方も本に書いてあった通りであるし 信じられないあるタオがそれを見てボそり とつく。あれは気候団の奥義気候牙 が何年修行してもできなかった技ね。それ をあんなに良いく全く努力もせずに。いや 、違う。努力じゃないね。ロベルトはただ 楽しんで気に触れていた。そういえばじい ちゃんが言ってた。ある。努力をするのは 当然だから努力を楽しめるやは何より強 いって。ふ、そういえば私もちっちゃい頃 は修行が楽しかった気がするな。やるたび に新しいことができるようになったよ。 全く修行を楽しめなくなったのはいつから だったか。もう覚えてない。ある。やれ やれ。1から修行のやり直しか。今度は せいぜいっぱい楽しむとするね。何を ブツブツ言っているのだろう。タオは俺を 見て悟ったような顔をしている。一体どう したのだろうか。まあいいや。シルファは 牧刀を握り、まっすぐに切りかかっていく 。振り下ろす件を軽くいなしながら シルファへと牧刀の喫先を返した。 シルファはそれを受け距離を取った。うん 。いいですよ、ロイド様。口元に笑を 浮かべながら俺と剣を交えるシルファ。 よし。いい感じにごまかせているな。 初めてシルファから剣術ごこを持ちかけ られた時、俺は泣かれた。あまりに弱すぎ てである。当時7歳くらいだった俺を 捕まえてそれはないと思うのだがシルファ 曰くふざけているとしか思えない弱さだっ たらしい。俺は本気でやっていたつもり だったがその恥ずかしながら前世の頃から 運動は苦手なのだ。それからシルファの スパルタが始まった。毎日刀を握らされ妊 相手に何度も何度も打ち込みをさせられた 。運動議嫌の俺にとってはまさに地獄。 完全に堅術ごっこの息を超えており、その 後の読書に支障が出るレベルだった。なの で俺は少しずるをさせてもらうことにした 。魔術の中には物体を操作制御する類いの ものがある。それが制御系統魔術。これを 使えば自身の身体をプログラムした通りに 自動操作することが可能。現在はシルファ の動きをトレースし、俺の身体で再現して いるのだ。カかカキン 牧刀がぶつかり合う音が辺りに響く。あは 、素晴らしいです。ロイド様。シルファの 動きをトレースしているので当然互角で 打ち合えている。棒よりの様子みにして おけば比較的肉体への負担も少ない。ふう 。では今日はこの辺にしておきましょうか 。しばらくすると満足したのか。シルファ は額体の汗をぐった。ふう。やっと終わっ たか。自動で動かしていただけとはいえ、 それでも結構耐えるな。みたいが少し重い 。座り込んで休んでいるとシルファが キラキラした目を向けてきた。ロイド様の 権技メキメキ上がっていますね。これなら 私と互格にやり合う日もそう遠くないかも しれません。あはそそうそうかな。 シルファの権技をトレースしているからな とは口が避けても言えない。向こうも当然 手加減をしているのだろうが、最初に比べ ても少しずつ早く強くなっているにも 関わらず俺が対応しているからメキメキ 強くなっているように感じているのだろう 。俺が制御系統魔術でやっているのは あくまでも相手の動きに合わせているだけ だからな。まあ、いきなり本気で 切りかかってくることはないだろうし、 しばらく魔術でずるしているのはバレない だろう。バレたらその時考える。 とりあえず本が読みかけだし、早く図書館 に戻りたい。じゃあ俺は図書室に帰るから 。はい。お疲れ様でした。うんうん。 素晴らしい神立てぶりですね。ゆくゆくは 騎士団長か牽制か。ふふ。将来が楽しみ です。シルファは何やら恐ろしげなことを ブツブツ言っているが、多分気のせい だろう。図書室へと帰る俺をシルファは 笑顔で送り出すのだったな。あまりレベル が高いとは言えない生成魔術だね。切を 無理やり金にしたのかい。順度が低すぎる し、中身もスカスカだ。これじゃあ 駆け出しの商人も騙せないよ。そもそも 魔術での金の生成は禁じられている。 というか俺は王子だし金には困ってないん だよな。むぐた。だったら不老不だ。お前 さんを不老不にしてやるよ。悪いが自分の 身体に他人の術式を施されるのは好きじゃ ない。特に不労士なんて強い術式を人体に 編み込むなんてどんなリスクがあるか 分かったものじゃないよ。魔術というもの は万能ではない。Aレベルの魔術なら魔力 の消費だけでなんとかなるが、あまりに高 レベルな魔術は術者や比術車にも負荷が かかる。不労士なんてのは相当うまく術式 を編み込んでもかなり重いリスクをしう はずだ。で言えば重度の神経麻痺や肉体の 欠損とかとてもそんな術式をおそれとは 受けられない。壺だったのかグリモワール は顔を歪めている。やはりもう1度封印さ せてもらうよ。君は危険そうだしね。ま、 待て、待ってくれ。頼むから。俺は全然 危険じゃねえ。良い魔人なんだ。封印され たのだってちょっといたずらしただけなん だよ。うん。でも嘘言ってるかもしれない しな。やはり封印。俺が本に触れようとし た時であるな。なら魔術はどうだ?魔人が ぽつりと呟いた。何百年も前の古代魔術だ 。お前さんも魔術師なら興味あるんじゃ ねえのか。そいつを教えてやる。どうだ? ロイドしばし考え込んで俺は頷く。面白い 。今更言うまでもなく俺は魔術が好きだ。 古代の魔術か。伝説によると大地を揺がし 洪水を起こし海を割るなんてのも聞いた ことがある。実物はどれほどのものだろう か。是非見てみたい。俺の言葉にグリモ ワールはパッと表情を明るくした。 アルベルト兄さん大丈夫ですか?パズを 倒した俺は陸地に戻り倒れていた アルベルトをゆり起こす。すでにパズの 魔力の影響は抜けていたようで、すぐに目 を覚ました。うろ、ロイド、一体何がは、 みんなは無事か?魔人はどうなった? 起き上がり、キョロキョロと辺りを見渡す アルベルト。あ、しまったな。どう説明し たもんか。まさか俺が倒したとは言えない し。落ち着いてください。アルベルト 兄さんへ。エトですね。そう。それも気絶 してて、起きたらみんなが倒れてたんです 。魔人もどこにもいませんでした。慌てて 言い作ろうとアルベルトはどこか納得して いなさそうな顔をした。そうか。すまない 。取り乱したようだ。とりあえずみんなを 起こそう。はい。それでもなんとかごまか せたようである。アンドの息を吐いている と他の者たちも起き上がり始めた。 アルベルトは全員の無事を確認し、頷く。 皆、まずは無事で何よりだ。魔人に襲われ たにも関わらず命があったのは奇跡としか 言いようがある前。だが魔人との戦闘中僕 は奴の出す黒いモヤを浴びて気を失い、 なぜ奴がいなくなったのか覚えていないの だ。誰か見たものはいるか?アルベルトは 全員を見渡すが、誰も声をあげるものはい ない。シルファも首を振って返した。ふう 。助かった。どうやら俺の正体はバレて ないようだな。あし見たよ。ぶタオの言葉 に思わず吹き出してしまう。どうかしまし たかロイド様。いや、別にシルファに背中 をさせられながら何度も咳込む。まさか見 られた。俺はドキドキしながらタオの言葉 に耳を傾ける。倒れた私たちを助けて魔人 を倒したのはロベルトよ。ぶ思わずもう 一度吹き出したロイド様。ゲホゲほ咳む俺 の背中をシルファが心配そうに何度も撫で た。ロベルトと言うと以前タオを助けた 冒険者だったか。うん。私が意識を 失いかけ、もうだめかと思ったその時に 殺そうと登場したよ。そして魔人と退治し 、湖の上ですっごい戦いを繰り広げたね。 魔人の攻撃を物ともせずとんでもない魔術 を打ち込んであっさりと勝利したよ。 さすがは私と将来を誓い合った中ね。高速 で迫りくるパズ。俺のそばにいたベア ウルフたちが立ちふがる。ガう。ぐるお。 もしかして俺を守ろうとしてくれてるのか ?でも危ないぞ。知りかせようとしたが 間に合わない。邪魔をするな。パズが両腕 を振うとベアウルフたちは引き飛ばされた 。ヒャイン地面に叩きつけられたベア ウルフたち悲鳴をあげた。こいつ自分の 眷属をなんてやつだ。数ずは倒れす ベアウルフたちには目もくれず、俺目がけ て体当たりをぶちかましてきた。ドスンと 自動発動した魔力消壁ごと俺の身体は湖へ と吹き飛ばされる。だが風景魔術非秘傷 発動。風をまとった俺はコ面の上を滑り 中央あたりで止まった。しゃあ。翼を広げ 地面を蹴り即座に追撃してくるパズ。 振り下ろされた右手から放たれる魔力派を 魔力消壁で受け止めた。おい、自分で育て た大事な建属だろ。殴るなんてひどいじゃ ないか。何を言っている?我に逆らう愚か な犬なども早や眷属でも何でもないわ。 貴様を殺した後に全て首り殺してくれる。 ひどいな。モフモフ。帝国を作るんじゃ なかったのかよ。魔獣帝国だ。青を真っ赤 にして俺を殴りつけてくるパズダメージは 全くないがそれでも魔力消壁をきしませる ほどの威力ただ殴っただけ邪高はならない これも魔力の性質変化か両手に魔力を集め て皇室化攻撃力を上げるようイメージして いるんだな。面白そうだ。俺もやってみる かとはいえ素ではあれだし。そうだ。鞄の 中に武器があったっけ。以前不術で使った 鉄の探検。あれを使えば剣で同じことが できるよな。無事魔獣狩りは成功した。 みんなのおかげだ。感謝する。おお。 アルベルトの言葉にこの絵たちがもろテを あげて換期の声をあげる。うん。せっかく 城から外に出たのにもう終わりか。結局 魔獣とは戦えなかったし物足りないな。日 はもう沈みかけている。今日はここで 止まっては明日にしよう。気づけばもう 夕暮れである。夕日がコ面に反射して とても綺麗だ。夜になったら抜け出して 魔術の練習でもできないかななんて考えて いると。ロイド様、私たちのテントが用意 できましたよ。テントの設営を終えた シルファが俺に微笑耳かけてくる。かなり 小さなテントだ。こんなところで2人で 寝るのか。こっそり抜け出そうとしたら 確実に目を覚ますだろうな。シルファだし 間違いない。わあ、残念だけど今回の外出 はこれで終わりか。俺も魔獣を借りたかっ たな。さあ、私は夕食の準備をしてきます 。ロイド様はこちらでお待ちを。おおんと シルファの声と重なるように低い音が 聞こえる。犬の声。いや、これは狼 でしょうか?いや、それにしては少し声が 太いような気がする。普通の狼はもっと か高い声で吠える。遠すぎて聞き取り づらいがベアウルフのそれによく似ていた 。おおん。おおん。遠覚えは徐々に近く なっていく。しかも1つではない。周りの 森中から聞こえてくるようだ。ここまで 来るとこの絵も違和感を感じたのか騒ぎ 始めるな。なんだこの方向は?どんどん 近づいてくるぞ。休んでいる奴ら全員出て こい。テントで休んでいた者たちも ゾろぞろと出てきた。皆緊張したお持ちで 武器を構えている。ロイドこっちへ来い。 アルベルトの元へ小走で行くとこの絵たち が俺たちを中心にしてエンジンを組む。 辺たりをピリピリした空気が漂。うう。 もうすぐそこで唸り声が聞こえる。ガサり ガサリと草むが揺れ、そこから巨大な狼が 顔を出した。やはりベアウルフだ。そう 言って木箱を漁さり、中から取り出してき たのは赤茶色の土だ。赤泥ですね。性鉄の 際に使われる原料の1つ。確か隣獄では 良い赤泥が取れると聞きますな。知って いるのか?ええ、本で得た知識だけで恐縮 なのですが、不魔術を知るには家事の技術 も当然必要だ。おかげでそれなりの本を 読み知識を得ている。見れば木箱の中には 様々な素材が入っていた。おお。血構石に 石炭石 金銀道魔石粉すごいいろんな素材が たくさんありますね。 まるで宝の山だ。これだけの素材があれば 付与もやり放題魔剣も作れるかもしれない 。アルベルトがディアンを紹介してくれた のはあの時の約束不術の応援するというの を果たしてくれたのか。あれ、赤石や月銀 役はないのですか?なんだそりゃ。付与に 使う原料の1つですが、拠トと首を かしげるとリアンはごくりと息を飲んだ。 こいつ半端ねえ知識量だ。まずい液だけ ならともかくそれ以外の素材の知識も かなり豊富。ちょっとかじっただけじゃ ない。下手したら俺と同等の知識があり やがるだと。へ、あるも人が悪いぜ。 こんななりだが、どうやら少しは使える らしい。こいつと一緒なら俺の夢、俺だけ のオリジナル魔剣を完成させられるかもな 。そして何かブツブツ言い始める。一体 どうしたんだろう。ロディボ え、さっきまでと違う呼び方に聞き直す。 おお、お前のことだよ。ドディボ、お前 少しは不魔術ってのお分かってるじゃない か。いいだろう。認めるぜ。ちなみに俺の ことは親方と呼ぶといい。はあ。親指で 自分を指すディアン。なんだかわからない がいつの間にか認められたようである。 続けてラングリス竜拳術安非秘長。パズの 背に突き立つ双剣。ガガガ。 と激しい斬撃を繰り出しながらシルファは 着地した。目にも止まらぬ見事な検査だ。 おお、すごい。これがシルファの本気か。 このチョコマカしようって。だがダメージ はないのか。着地したシルファを狙いパズ の蹴りが放たれる。しかし遅い。捉えたの はシルファの残像だった。残った足の前に は双剣を十字に構えたシルファがいた。 ニトラニコ相が相が上下左右から繰り出さ れる4連撃により先結が吹き出す。 シルファの顔色が変わる。深く食い込んだ 一撃にて剣が折れていたのだ。即座に剣を 捨てて離脱すると地陣に戻りボそりとつく 。硬いですね。 どうか皆様の持つ件私に預けていただけますか? おお。この絵たちはコ々こく頷くと余情の件を集めて地面に突き刺す。その数 12 本。やもなさそうにそれを見るシルファだがすぐに気を取り直し剣を抜く。 サルーム王国旧事係権術師難 シルファラングリス 押して参る。シルファの構えた双剣が 冷たい光を放っていた。ヌー女不勢がパズ がシルファに釘付けになっていたその時で ある。数深い呼吸音。その足元には両手を 交差させる小さな影があった。タオだ。腰 を低く落とし、構えたをひねるようにして 打ち出す。は、鈴と重音が響く気を込めた 一撃。衝撃波がパズの足に走り、その巨体 がよめき倒れた。深みなリアブレ動作が 長くて当てにくいけど威力はピカ値ね。 タオはニと笑うと倒れたパズに向けて手 のひを返しクイくイと手招きをした。 党手見習いタオイファ かかってくるある2人の攻撃を見たこの絵 たちの表情が変わる。お、俺たちもやるぞ 。そうだ。男を見せる時だ。震える手に剣 を握りしめ、ベアウルフラに向き直った。 どうやら気を取り直したようである。それ を見たアルベルトが覚悟を決めたように 頷く。 もう少しだけ持ちえてもらえるか。そして パズを見据え言葉を続ける。最上位魔術を 使う。なるほど。なるほど。そんなこと より魔力の性質変化ってどうやるんだろう 。俺は興味心身にパズの放っている魔力を じっと見ていた。は、俺様の螺旋クロ戦法 を生身で受けたな。てめは終わりだ。爆勢 飛び上がれ。 グリモールが何やら方向を上げているその 間魔力並は俺の指先でとまっている。町 から派を停止させ、その構造を見ているの だ。ふむふむ。螺線であることにも黒色で あることにも特に意味はないか。それでも 威力は上がっているのはいわゆる気の 持ち用というやつである。光などの感情の 高しぶりや思い込みなどで魔術の性質が 変わるというのは応王にしてあるとはいえ それは良いことばかりではなく時には反動 を生む。なので一時期からはあまり推奨さ れなくなったのだが古代魔術はそちら方面 で進化していたのかもしれない。それで ここまで威力が出せるというのも面白いと 時間切れか。停止させていたことで術者 からの魔力供給が立たれ、魔力並は消滅し てしまった。まあ観察は十分か。そこまで 複雑なものでもなかったし。消えた魔力並 の先でグリモワールは氷学の表情を浮かべ ている。ば、バカな俺の最大威力の魔術だ ぞ。あれを使えるようになるのに何十年 努力を重ねたと思ってやがる。それを あっさりと驚愕の表情を浮かべる グリモワール。なるほど。今の魔術には 確かに相当の思考錯誤と終練が感じられる 。け操作血の滲むような努力の結果だ。 うん。さかし楽しかっただろう。魔術の 修行はとても楽しいものだ。魔人だって それは同じだよな。やっぱり人間も魔人も そこは同じなのだろう。うん。たのばバカ か。てめえはなんだかびっくりしているな 。俺何か変なこと言ったかな?くそ。 ふざけやがって。今度こそグリモールは 再度宣告の魔術を唱え始める。うん。同じ やつなら2度も見なくていいかな。 それにあまりレベルが高いとは言えないし 、古代魔術はあまり攻撃性の高いものじゃ ないのかもしれない。ああ、攻撃の方は もう大丈夫。分かったからさ。次は他のを 見せてくれよ。他の?うん。何でもいい けど。そうだね。防御魔術とか。ああ、俺 が攻撃すれば分かりやすいかな。そう言っ て俺は右手をかざし魔力を集めていく。 とりあえず普通の上位魔術から行って みよう。アルベルト様獲物を取ってまいり ました。私もです。私たちは鹿。しばらく すると続々とこの絵たちが獲物を捉えて 帰ってきた。ウさギに蛇、鳥に魚、鹿や イノシシまでである。その大量ぶりに アルベルトは驚いている。こりゃあなた 随分捕まえたもんだ。大して時間も経って いないのにどうしたんだ?いえいえ、 アルベルト様、この森トでもなくたくさん の動物がいるんです。しかもどれもこれも 警戒心が薄い鳥放題ですよ。後で狩などし てはいかがでしょう。この絵たちは興奮し た様子で語っている。まあ、あれだけ 取れれば楽しいだろうな。アルベルトは 並べられた獲物を見てふむと考え込む。 ふむだな。獣は村の貴重な資源。いくら 簡単に取れるからと言ってやりすぎるのは 良くないだろう。僕たちは標準の食事が できれば十分。これ以上の狩は不要だ。他 の者たちにもよく言っておくように。は。 アルベルトに注意され、この絵たちは慌て て経をしたともあれ、食事の用意が始まる 。獣をさき、血を抜き、下処理をした肉が シルファの前に運ばれていく。シルファは それを切って似て焼いてテーブルの上に 並べていく。その手際の良さにこの絵たち は簡単な声をあげていた。皆様お待たせ いたしました。どうぞお召し上がり くださいませ。調理が終わり、合成な食事 がテーブルの上に並んだ。肉たるステーキ や脳のスープ、鳥の串焼きに賛菜のさや。 どれも微味だ。この絵たちが幸せそうに 食べているのを見るとこっちまでお腹が 空いてきた。お二方もどうぞ。ああ、 ありがとう。シルファ。いただきます。手 を合わせ綺麗に盛り付けられた料理に手を つけていく。まずはお肉をもぐもぐ。おお 、これはうまい。野生の獣の肉というのは こんなにうまいものなのか。血子供だから 呼吸量が少なくそれで効いていないのか。 ならば直接食らうがいい。パズは大きく息 を吸い込むと真っ黒な煙を勢いよく 吐き出してきた。黙々と黒園が俺を 包み込む。わ、煙。目を閉じ、パタパタと 手を振って払う。くもん吹きかけやがって びっくりするじゃないか。しかもなんか変 な匂いがするし、歯を磨いてないんじゃ ないか。俺が咳込みながら煙を抜けると、 その先ではパズが驚愕の表情を浮かべてい た。なんだと?なんだとじゃないよ。 いきなり何するんだお前。息を吐く俺を見 てパズは息を飲んでいる。き貴様。我が 魔力を食らって何ともないのか?ん?別に どうもないけど。さっきから何を驚いて いるのだろう?もしかして何か攻撃でもし てたのだろうか?そういえば何か甘い香り がするような。首をかしげているとグリモ がぐパッと口を開けた。はあ。てめのく息 なんて聞かないとよ。俺の手のひグリモを 見たパズは驚いたのか目を丸くした。ぬ。 お前は魔人か。なぜ人間の手のひにいる? う、うるせえな。てめえにゃ関係ねえだろ 。こっちにゃこっちの都合があるんだよ。 ふむ。そうかなるほど。お前はその人間の 使い間となっているのか。大型復活の際に 好きでも使えて強制的に獣魔契約を強い られたのであろうが人間ごときに使い間に されるなど魔人の風上にもおけん。全く もって投げかわしい。同じ魔人として 恥ずかしいぞ。へえ、そうなのか。各かに 本に閉じ込められていたのだからグリモも 本調子じゃなかったんだろうな。だが我は そのような油断はせぬ。万全を騎して復活 し、晩弱の備えで動いているのだ。見たで あろう我が軍勢をやったね。すごい威力よ 。さすがはアルベルト様です。これなら奴 も立ち上がってはこれないでしょう。2人 は喜びの声をあげる。反対にアルベルトの 表情は曇っている。そうだといいがな。 かりと膝をつくアルベルト。呼吸は乱れ、 全身に力が入らないのかガクガクと震えて いた。ま、力切れの症状だ。顔色が青く なっている。アルベルト様、大丈夫あるか ?歯は全ての力を出し尽くしてしまったな 。魔力が限界だよ。これで生きていたら もうどうしようもないね。力なく笑う アルベルトを支えるタオもシルファも すでに疲労後輩と言った具合だ。の魔術で は数は癒せても魔力や疲労までは癒せない からな。当然この絵たちも立っているのが やっとの様子である。全員が祈るような顔 で炎を見据える中心 と地面が揺れた。炎の中でゆらりと巨大な 影が揺らめく 人間にしてはやるではありませんか。炎を かき分け現れたのは傷1つないパズだ。 後ろにはよめきながらも立ち上がりつつ あるベアウルフたちもいる。その姿を見た 全員の顔が絶望に染まる。ば、バカな。 驚愕の顔を浮かべるアルベルトを見てパズ は2位と広格を上げる。甘いですね。我は 魔人。人間の魔術など効かないのですよ。 パズが笑うと黒い吐息が吐き出される。 気づけばそれは辺りを包み込んでいた。ぶ ぐ。この絵たちが埋めき声をもらし倒れて いく。タオもシルファもだ。みんな バタバタと倒れしていく。くわは。我が 魔力を吸い続けたものは何者であろうと 自我を失い操り人形となるのですよ。人間 にしては持った方ですがそれもここまで。 安心しなさい。これからは我が下木として 使ってあげましょう。大笑いしていたパズ だが、すぐにその顔が怖る。視線は まっすぐお礼へと注えていた。ば、バカな 。なぜ我が魔力を吸い込んで意識があるの だ。え、さあ、ローバイエルパズに俺は首 をかしげて返した。わあ、すごいですな。 時々一般人に解放しているらしいよ。 動物園として国内でも珍しい同植物が 見れるからと解放の日は大勢の人が訪れる 。ちなみにその時の案内人はエリス。 アリーゼがやりたがっていたがそれは さすがに止められていた。部屋の中央に ある白いテーブルにアリーゼと共に座った 。エリスお茶を用意してちょうだい。 かしこまりました。エリスは頭を下げると いつの間にか手にしていたTで茶を注ぐ。 ハーブの良い香りが辺りに広がり、 アリーゼは心地よさげに目をつる。早速 ですなアリーゼさんの魔獣を見せてもらい たいんですけど。あらせっかちさんね。ふ 、分かったわ。ロイドの頼みですもの。 リルアリーゼが呼ぶと建物の屋根から ふわっとした毛玉が起き上がる。さらりと した長い足、全長ほどもある長い尻尾、 ぴょコンと立った耳が動き、主人である アリーゼの方を向いた。ビルと呼ばれた 巨大な狼は力強く跳ねるとアリーゼの元へ 降り立つ。金色のけ並と金色の瞳の美しい 魔獣。背の高さは3mはあるだろうか。 すごい威圧感である。紹介するわ。この子 はリルよ。さ、ご挨拶なさい。ウん。 か高かい声でリルが泣くと白が俺の後ろに 隠れた。でっかいから怖いのだろうか。 それでも白は興味深ぶかげにリルをじっと 見上げている。こいつはレッサー フェンリルですな。ベアウルフの上位種の 割とやばめな魔獣ですぜ。上位種か。だ から白も興味深影なのかもな。フェンリ ルってのは警戒心が強いため滅多に確認さ れないと聞いたことがある。戦闘力も高く 倍でドラゴンを買ったりもするらしい。 劣等シュレッサーとはいえそんな魔獣を 買い鳴らすなんてアリーゼは俺が思うより すごいのかもしれない。これは教えて もらえる内容にも期待できそうだ。お願い します。俺もアリーゼアネさんとリルの ように白と石疎通をしたい。水形等魔術 水融合と土系統魔術土融合 各々の液体と個体を融合させ新たな物質を 作り出す魔術である。それを20で発動さ せればあらゆる物体の調合が可能。小瓶に 入れた油と溶けた銀が混ざり合っていく。 黄色かった油は銀がかかりキラキラとした 液体になった。ロイド様こりゃ月銀役じゃ ねえですかい?うん。よく似ているな。 月銀薬とは魔術師ギルドで売っている薬品 だ。魔法陣を描いたり、使い間を呼び出す 媒介としたり用途は様々。非常に効果だが 、それ以上に数が少なく、普通の魔術師が 購入するのはほぼ不可能。どうやって作っ ているのかと思ったが、なるほどこうして 作っていたのか。20A賞は理論上さえ 合えば2人の魔術師で行使。ただ水融合も 土融合もかなり高レベルの魔術だし、 非戦闘系である合成系等魔術の持ち主は 少ないだろうからな。それほどの使い手が 2人も揃わなければ作れない時点でそりゃ 数も出回らないだろう。こんなところで レシピを発見するとは運がいいな。何かに 使えるかもしれないし、ある程度は ストックしておこう。さて、あとはこいつ に赤を加えれば完成だな。月銀薬に赤を サラサラと入れていく。銀がかかった油に 落ちた粉が染み渡り、赤い煙が水中を彩る 。ぐるぐるとかき混ぜるとほとんどまずい 液と変わらないものができた。おお。 すげえですよ、ロイド様。見事です。見た 目はな、実際に使ってみないと効果のほど は不明だよ。かと言って俺の探検はもう 付与済みだし、武器として使う機会も ほとんどないんだよな。不要失敗の可能性 もあるので、その辺に飾ってある武器で 試すわけにはいかない。どこかに大量に 武器が余ってないものか使ってくれる人が いればなおよし。あ、そうだ。考え込んで いるといい考えを思いつく。そのためには アルベルトのところに行ってみるか。上中 を探すとアルベルトは馬術の訓練中だった 。俺を見つけると馬を止め降りてきてくれ た。おはようございます。アルベルト 兄さん。やあ、おはよう。ロイドから会い に来てくれるなんて嬉しいよ。パワーもし かして何かお願い事でもあるのかい?ぬー パズの放った魔力派が雨荒られと振り注ぐ がその全てをかわしパズの足元に たどり着いた。それまでに貯めていた力を 解放し切り上げる。ラングリス竜タ術交流 3と剣線が湖を新2つに割った。その勢い のまま点を貫き、雲もついでにパズの身体 も切り裂いていた。探検1本なので劣化 コピーだが威力は十分。ちゃんと性質変化 はできたようだな。ぐバカな。我が肉体を 切り裂くとは貴様も我と同じ技が使えると いうのか。いや、今初めて使ったんだけど な。どうやらダメージを受けて驚いている ようだ。 そういえば魔人は魔術は効かないって言っ てたっけ?普通の魔術は術式で魔力を形 ある力に変化させているので、半分精神体 である魔人には効果が薄いのだろう。その 点、魔力の性質変化は単純に魔力の質を 上げて直接分殴るようなものである。だ から精神体である魔族にも効果があるん だろうな。いいですぜ、ロイド様。 ボコボコにやっちまってくだせ。 そうだな。もう少し試してみるか。今のは 出力が大きすぎた。もっと小さく鋭い方が 利力を効率的に与えられるはずだ。 イメージにより探検を大魔力は小さくより 鋭くなっていく。ラングリス流タ剣術 下り煙 高速でパズの背後へ飛支障した俺は探検を 逆手に持って落下しながらの連撃を 叩き込む。無数の斬撃が切り裂いたパズの 左半神を消し飛ばした。うん。いい感じに 力が調節できているな。だがもっともっと 鋭くできるはずだ。己れ かとら顎残った方の反撃を避けながら2 連撃にてパズを3つに分断する。ずは頭部 のみを残し消滅してしまったが、その代償 として俺の手にしていた探検が粉々なに 砕け散る。おっと、魔力で覆っているとは いえ、獲物に全く負担がかからないわけで はないか。砕けた剣を見てパズはにやりと 笑う。笑いながら身体を復言していく。 くふ。なかなか驚きましたが、そのような 魔力量に何の変哲もない探検が耐えられる はずがありません。もちろんあなたの身体 もね。パズの言葉で俺は自身の自覚する。 手足が震える。力が入らない。力を使い すぎたのだろう。もう動けないようだな。 ど、どうしたんですか?ロイド様。す、 しまった。凍るグリモに俺はくぐった声で 返す。まったな筋肉痛になっちまった。 高速で迫りくるパズ。俺のそばにいたベア ウルフたちが立ちふがる。ガウぐるお。 もしかして俺を守ろうとしてくれてるのか 。でも危ないぞ。知りかせようとしたが 間に合わない。邪魔をするな。かずが両腕 を振うとベアウルフたちは引き飛ばされた 。キャイン地面に叩きつけられた ベアウルフたち悲鳴をあげた。こいつ自分 の眷属をなんてやつだ。パズはタオレフス ベアウルフたちには目もくれず、俺目がけ て体当たりをぶちかましてきた。すと自動 発動した魔力消壁ごと俺の身体は湖へと 吹き飛ばされる。だが風景魔術非傷発動。 風をまとった俺はコ面の上を滑り中央 あたりで止まった。しゃあ。翼を広げ地面 を蹴り即座に追撃してくるパズ。 振り下ろされた右手から放たれる魔力派を 魔力消壁で受け止めた。おい、自分で育て た大事な眷属だろ。殴るなんてひどいじゃ ないか。何を言っている?我に逆らう愚か な犬なども早や眷属でも何でもないわ。 貴様を殺した後に全て首り殺してくれる。 ひどいな。モフモフ帝国を作るんじゃ なかったのかよ。魔獣帝国だ。顔を真っ赤 にして俺を殴りつけてくるパズ。ダメージ は全くないが、それでも魔力消壁をきしま せるほどの威力。ただ殴っただけ邪高は ならない。これも魔力の性質変化か。 燃える炎、前を取る炎、振り注ぐ炎、 等しく全てを滅ぼす炎よ。来たれ、来たれ 、来たれ。アルベルトが影唱を開始する。 あれは非系とも神魔術消熱炎の影だな。か アルベルトは上位魔術まで使えなかった はずだが、いつの間に身につけたのだろう か。ただ呪文束を使っての高速影象までは できないのか。通常の影である。呪文が 紡がれる度アルベルトの周囲に魔法陣が 生まれていく。美しい紋用が鮮やかに 浮かんでは消えていく。呪文族だとそう いうのも全て省略されるからちょっと味け ないんだよな。とはいえ振るだとかなり 長かった記憶がある。A賞完了までのその 間タオとシルファがパズを抑え込むという 手はずなのだろう。はあ。いやあ、2人の 攻撃はまともに通ってない。いや、多少の 傷は与えているのだがすぐに言えてしまっ ている。どうやら半分精神体である魔人に は物理的なダメージは通りにくいようだ。 ロイド様いくら最上今魔術だろうが魔人で あるやには聞きませんぜ。そういや以前に そんなこと言ってたな。その割にすぐ参っ てたけどそりゃあんなもん食らったらね 結局どっちなんだよと内心突っ込む。まあ いいや。それよりグリモは魔力の性質変化 って得意な方か。で、まだその話続いて タスカイまだとはなんだ?まだとは最優先 事項だろうが。わあ、そりゃ魔人は魔力の 性質変化は得意すからね。やり方くらいは 分かりやすがさすがにあの人たちを放置し て教えるのはまずいんじゃないっすかね。 グリモが戦闘中のアルベルトラに視線を 送る。大丈夫だよ。少し前から血魔術を かけているからな。向こうが回復するなら こっちもだ。みんなには全国魔力国印を 飛ばしてつけておいたのだ。これは魔術を 自動で当てるマーキングのようなもので 1度つけておけばわざわざ狙い直す必要も なく魔術の対象とできる。こよしなかなか 筋が良いよ。俺が気を巡らせ手元に集める のを見てタオが嬉しそうに手を叩く。歯は 俺が日に興味を持ったのがよほど嬉しかっ たのか親切にも色々と教えてくれている。 教え方もうまく俺自身に下地があったこと もありおかげである程度木の操作はできる ようになっていた。大したものね。こんな 短期間で木を物にするとはびっくりよ。 タオの教え方がいいんだよ。実際に気を 使っているのを見ながらだと分かりやすい しね。は、そんなこと言って褒めても何も 出ないあるよ。タオは嬉しそうに腰を くねらせながら俺の背中をツンツンして くる。教えてくれるのはありがたいが ちょっと気持ち悪いのがたまに傷だ。 しかしロベルト木の呼吸辛くないか?慣れ ないうちは肺にすごく負担かかるはずよ。 そうでもないよ。なはずないね。木の呼吸 は肺が焼けつくような痛みあるよ。あしで もピリピリするから長期は無理なのに。 うん。確かに痛いけどでも楽しいしね。 全然苦じゃない。前世でやってた瞑想で 慣れてたからかな。全然平気だ。そ、そう あるか。俺の言葉にあげれ顔になる。なん か変なこと言ったかな?それにしてもお宝 が全く落ちてないな。かなり深くまで潜っ ているはずなのに。全くお宝に出くわさ ない。ダンジョンにはお宝が眠っていると 聞いていたが不良品なのだろうか。この 程度の魔物しか出てこないダンジョンじゃ 1番奥に鹿は眠ってないよ。多分この ダンジョン出来たてね。ああ、そうなのか 。ダンジョンはまるで生き物のように成長 する。生まれて間もないダンジョンにいる のは弱い魔物ばかりで回層も浅くボスも 弱いが見入りも少ないらしい。高レベル ダンジョンはその逆でどんどん敵が強く 深くなっていく。何百年も攻略されてない ダンジョンはその上には町が立てられ人々 の制御にすらなっているとか。そしてどう やらここが最後を見たいよ。階段を降りた 先にてタオが立ち止まると目の前には ぽっかりと大穴が開いていた。中には今 まで感じたことのないような強い気配が 感じられる。感じ取ったようね、ロベルト 。そう、ダンジョンの最にはボスがいる。 それを倒せばお宝ゲットね。おお、ついに か。生まれてすぐのダンジョンみたいだし 、大したお宝は期待できそうにないけどね 。青はそう言って笑っているが、なんと なく妙に大きな魔力を感じる。弱い割には 魔力が大きくないか。魔術タイプの魔物 だろうかとも。あれ、ここでグズグズして も仕方ないね。中に入るよ。そう言って ズんズンと中へ入っていくを。俺はやや 警戒しながらついていく。中は薄暗らく 広い空間だった。妙な結界が張られている ようだ。感じた魔力の正体はこれか。俺が 中に入った瞬間、入り口が結界で閉ざされ た。なんだこりゃ。外に出られなくなって いるぞ。触ってみると引かれる。この 手触り魔術ではないのか。感覚的にだが 三石と同じダンジョンが持つ魔力による もののようだ。わあわあさ。さすがに疲れ てきたな。もう何十回気候団を打った だろうか。魔術ならともかく木に関しては 初心者だ。呼吸にも気を使うし精神的疲労 が溜まっていた。でも大分慣れてきたぞ。 最初の時と比べると明らかに気を寝る速度 が上がっている。速度だけではない。飛 距離も威力もやればやるほど上達を感じ られてすごく楽しい。魔獣たちとの戦いも いい感じでき行してるし、この戦いもっと 長引かないかな。そんなことを考えている と、隣にいたアルベルトが息を荒らげて いるのに気づく。魔獣どもの数が一向に 減らない。この絵たちもシルファも顔には 出さないが動きがかなり鈍くなっている。 それにロイドもかなり息が上がっているな 。あの年齢であれだけの魔術を使っている のだ。無理もないかなんて人のことを気に している余裕はないな。僕の方もそろそろ きつくなってきた。だが兄として情けない 姿を見せるわけにはいかない。笑え笑うん だアルベルト。こういう時こそ不に何か ブツブツ言いながらアルベルトは口元に笑 を浮かべている。おっさすがアルベルト。 まだまだ余裕ありそうだな。 どいど頑張れるか?はい。まだまだいくらでも行けますよ。いい子だ。さて、ここからが踏ん張りだぞ。魔剣を振い演列球を放つ。本来なら猛くに魔力切れを起こしてもかくはないはずなのに。あんな顔をしているということは魔剣により威力が上がっているのが嬉しいんだろう。 やはり攻撃魔術は威力という分かりやすい 指標があるからやる気が維持しやすいもん な。うんうん。俺も負けてられない。何か 特別な要素。例えばスケットでも来なけれ ばき行状態は続くだろうし、その間は ずっと木の練習をしてほったと考えている と規制と共に小柄な人影タオが飛び込んで くる。飛び蹴り一戦。それを食らった ベアウルフは湖にまで吹っ飛んでいった。 くるりと空中で回転し着地したタオは ビシッとポーズを決めた。それは人の 骸骨な黒いボロボロのフードをかぶり、 魔術師のような格好をしている。あ、あれ はリッチある。おお、リッチと言うと かなり高レベルの魔物じゃなかったか。 タオは無言で頷く。魔物図鑑によると リッチとは魔術を使うアンデッド系の魔物 らしい。タオが気を感じ取れなかったのは それが原因だろう。俺は魔力で感じ取った から気づいただけだ。先国から感じていた 妙な魔力こいつだったのか。かなり高 レベルで注意すべき魔物の一種だとか抱え ていた気がする。だがそんな魔物がなぜ こんなところにおそらくあのリッチはぐれ ね。それがここに迷いついてねじろにした よ。最悪。タオは肉踊り自しげにつやく はぐれとは理由あっても解いたダンジョン を出た魔物のことだ。ダンジョン消滅かは たまた自らの意思家ともあれそういった 魔物は地上で生活したりまた他の ダンジョンに潜ったりする。だがここまで レベル差がある魔物がいることは滅たに ないらしく、遭遇した場合はパーティー 全滅の危機だとか。ここは私に任せて 逃げるね。あの身のこなしなら奴の魔術も ある程度買わせる。ロベルトが逃げる時間 くらいは稼げるはずよ。タオはどうする つもりだ?心配無用。私はなんとかして 逃げるね。だから早く。言が早いか。タオ はリッチに向かって駆け出す。お、面白 そうだ。逃げたふりして感染しよう。俺は 物影に隠れ戦いの様子を見守ることにした 。黒い歯を避けながら気候弾を放つ。だが リッチは魔力消壁を展開しそれを防ぐし 下打ちをしながらもタオは魔力消壁へと 突っ込んでいく。呼吸は深く踏み込む足で 地面が揺れた。津眼とてつもない衝撃音が なり響く 見れば魔力消壁にヒが入っていた。気を 込めた手のひ底だな。あのレベルの魔力 消壁に素で傷をつけるなんて大したもんだ 。透け立ちするある。おお と完成が上がる。タおよく来てくれた。 助かったよ。間に合ってよかったよ。 さっさとケ散らすね。アルベルトの言葉に ウインクを返すとタオは魔獣の群れを相手 に戦い始めた。その活躍はまさに四士ふ人 。身軽なタオは無人に戦場をかけ回り隙を 見せたベアウルフから仕留めていく。俺 たちが防御重視で戦っていたこともあり、 ちょうどハサミ打ちのような形となり、 魔獣たちはどんどん数を減らしていった。 まさか本当にスケットタオが来るとは思わ なかったぜ。タオの前で気を使えば俺の 正体がバレてしまうし、戦いも長引きはし ないだろう。ああ、もう終わったな。俺は やる気なく火球を放つのだった。これで ラスト王。タオの気候団で最後に残った ベアウルフが退木に叩きつけられ気を失う 。周りに倒れている10数匹のベアウルフ たちはもはや動くこと叶わない。うお、俺 たちの勝利だ。この絵たちが互いに身体を 抱き、喜びを分かち合っている。わあ、 残念だ。もう少し楽しみたかったのに。 ふう。なんとか全部倒せたね。タオが額体 の汗を拭いを整えていると、アルベルトが 握手を求めて両手を差し出した。 ありがとう。本当に助かった。気にしなく ていいね。間に合ってよかったよ。ふひ。 タオが握手を返す。めっちゃ嬉しそうな顔 でアルベルトの手を握ぎしている。 アルベルトは若干引いていたとところで タオ。よく僕たちが魔獣に襲われていると 分かったね。うん。祠は高いところにある でしょう。ちょうどアルベルト様たちが 魔獣の群れに襲われてるところが見えたよ 。タオが指差したところ、切り立った崖の 上には石の祠が見えた。ただ祠は古さゆえ かほとんど崩れている。あれを修繕するの は大変だろう。随分崩れているね。そう いえば修繕に向かったのだったか。中断さ せてしまったようだ。僕たちが後で 手伝おう。命を助けてもらった例だ。それ とても助かるね。お礼するよ。よかったら 今度食事でもどうね?白来い。おん。俺が 呼ぶと白い大型県白が元気よくかけてくる 。白は俺に炊きつき、その重さと勢いで芝 の上に押し倒された。短い草が中に舞い草 と土の香りがした。俺はサルーム王国第7 王子ロイドディサルーム。魔術大好き10 歳。前世ではない貧乏魔術師で生まれて 初めて見る上位魔術に見惚れて死にこの 身体に転生した。星の離れた第7王子と いうことで大い継承権もないし自由に 生きろと言われた俺は好きな魔術ばかり やっているの野田が最近は周りの人間に妙 に期待されている気がする。まあきっと気 のせいだよな。地味で目立たない第7王子 。それが俺の立ち位置である。おんおん。 ちなみに俺の顔を舐めているこの犬は白。 音は俺を襲ってきた魔獣だが、俺のことが 気に入ったのか随分抱かれてしまった。 連れ返っても良いと言われたので使い間と したのである。白を撫でる手のひから ぐパッと口が生まれる。ええ、魔獣にまで 慕えているとはさすがはロイド様ですな。 こいつは魔人グリモール。俺はグリモと 呼んでいる。城の地下禁封印されてたが 色々あって俺の使い間となったのだ。俺の 手のひの川に住まわせており、時折りこう して口を開いては喋り出す。ぶひ。魔獣 まで従いやがったか。いいぜ。てめが いろんなものを手に入れてくれりゃ俺様が その身体を乗った時にうまい思いができる からな。なお時々ブツブツと独り言を言っ ている情緒不安定なやつである。せめて 聞こえる声で喋れよな。おんおん夫とこら 犬っこ 吠えるんじゃねえ。しし1人を言うグリモ に向かって吠えるしろ。どうも2人は あまり仲は良くなさそうだ。こらこら喧嘩 してないで続きをやるぞ。おんグリモに手 を握り口を閉ざさせると白が座り直した。 今こうなっているのは魔力に命令を乗せて 飛ばし念じるだけで使い間に命令を出せる という魔獣使いの技である。今したロイド 様が使われたのは魔獣使いの技。アリーゼ の力は天生の際によるもの。自覚がないが ゆえにアンコントローラブルですがロイド 様は確実に自覚して使われていた。しかも 他の魔獣使いはアリーゼ様の前ではまとも にコントロールできなくなっていたのに あれほど見事にこのままアリーゼを超える 魔獣使いの技を習得していただければ 集まってくる動物たちを追い払って いただけるかもしれません。ここが動物 だらけなせいで他のメイドたちは怖がって 近寄りもしないし餌やり汗も大変。おかげ で私の休みはなくショッピングやカフェに 行く暇もなし。ええ、そうです。ともここ は是非ともロイド様に頑張っていただかね ば何か強烈な念を感じ振り向くとエリスが 期待を込めたような目で俺をじっと見つめ ている。ロイド様またいらしてください。 アリーゼ様はもっと色々なことを教え られるようですよ。まあナイスだわ、 エリス。え、そうよロイド。私はもっと たくさんのことを教えてあげられますから 。だから是非また来てね。各かに魔獣使い の技がこれだけなはずがないよな。また 何か疑問が生まれたら聞きに来るとしよう 。あまりまともな返事は期待できないけど な。よしろ。いい子だぞ。ポ

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