グッドスマイルカンパニーは、アニメ『翠星のガルガンティア』に登場する「チェインバー」をモデルキットシリーズ「MODEROID」で立体化。8月28日に発売した。

 「チェインバー」はアニメ『翠星のガルガンティア』の主人公、レドが搭乗するマシンキャリバー。人型とシルエットに丸みのあるボディラインが特徴的なデザインとなっている。人類銀河同盟軍の敵であるヒディアーズと戦うために高度な技術力を誇り、ビーム兵器や重力制御によるフローター飛行を可能とする。

MODEROID チェインバー

 また、パイロットと対話することでより優秀な兵士へと育成していくことを任務とする「パイロット支援啓発インターフェイスシステム」を搭載し、自律して行動が可能。そして、レドやガルガンティア船団の人たちとの交流を深めていく中で学習を深めていく。レドにとってかけがえのない存在であり、彼の成長を見守り、見届ける。

 物語の中で兵器としてだけでなく、「チェインバー」というキャラクターとして非常に魅力的な活躍を見せた。

 本稿では「MODEROID」シリーズで再現された「チェインバー」の魅力に迫る。

劇中造形を再現するパーツの数々に細かいディテールまで追求した水転写デカール

 最初はパッケージをチェック。イラストでは、ガルガンティア船団から飛び立つ「チェインバー」が描かれている。躍動感あるデザインとこれからの冒険を感じさせるものとなっている。

 背面には完成見本が掲載され、アクションポーズや商品仕様が記載されている。

 中にはランナーが合計14枚で素材はABS、PSとなっている。取扱説明書は2種あり、組み立て解説とデカールガイド、パーツリストとなっている。

 成型色はブラックとホワイトを中心としたカラーリングで、差し色のオレンジで構成されている。専用スタンドはクリアカラーとなっている。また一部パーツは塗装済みとなっており、「チェインバー」の目元や頭部正面のウィングパーツ、膝、そしてエフェクトパーツに塗装が施されている。

 また水転写デカールが付属し、特徴的なホワイトやオレンジラインを表現したものから細かいマークなど豊富な点数となっている。

 中身を確認したところで、続いて組み立て工程を紹介していく。

劇中のプロポーション再現と複雑なカラーディテールをデカールで再現

 最初は頭部の組み立てから見ていこう。

 頭部は丸みのあるデザインとなっており、レドが乗るコックピットブロックもある構造となっている。目元、頬から伸びるブレードアンテナが塗装済みパーツとなっている。

 組み立ての際はブレードアンテナパーツが細い造形なので、組み立ての過程で折ってしまわないように気を付けてほしい。

 胴体は大きく分けて胸部、腹部と腰部で構成されている。

 まずは胸部パーツは細かいパーツ構成で、多層構造のようなディテール造形を構築する。肩口は丸みを帯びたデザインとしつつ、正面、背面には小さめのプレート状のパーツを差し込む構造となっている。プレート状のパーツの胸部本体に差し込む際の向きに注意しつつ、組み立てていく。

 これによって劇中の複雑な造形が再現され、密度の高い造形が再現されている。

 そして、腹部は細めの造形で中央部には砲口造形がしっかりと施されている。

 腰部はボールジョイントを備えた股関節と腹部と接続するボールジョイントの受け口が備わっている。ジョイントパーツを囲うような構造となっており、簡単に組み立てることできる。

胸部の組み立て腹部、腰部の組み立て

 腕部の組み立てでは、両肩部のアーマーと左右の腕部を組み立てていく。

 肩部アーマーは丸みのあるアーマーパーツで可動部を覆うデザインとなっている。そして、前後、サイドにブレードアンテナパーツを組み立てていく。

 腕部は肘が2重関節構造で、細かいパーツを合わせていくことで色分けを実現。手首パーツは握り手、槍持ち手、銃持ち手を左右それぞれで組み立てる。

肩部組み立て腕部の組み立て

 脚部も厚みのある太ももから細い足先の独特なプロポーションを再現するため、細かいパーツ構成となっている。膝関節は二重関節に加え、太ももの正面と背部のスタスター部分の可動も備えた機構となっている。これによりスラスターとの干渉を避けて、大きく膝を動かすことが可能。

 また、足先、踵も可動を備え、立っている状態に加え、飛行状態の表情付けがしやすいものとなっている。

 そして、太もも左右に備わっているスラスターは基部となる円柱パーツに左右と噴射口、天頂部のカバーで囲う構造で、簡単に組み立てることができる。

脚部の組み立て脚部スタスターの組み立て

 ここまで組み立ててきた各パーツを組み合わせることで「チェインバー」本体が完成する。デカールなしの状態では劇中イメージに近いプロポーションが再現されているのがわかる。カラーリングはこの状態では大まかな色分けとなっている。

【チェインバー(デカールなし)】

 そこに水転写デカールを張り付けることで、一気にアニメで見た複雑なカラーリングやライン、マークが追加され、立体感と情報量が増加する。

 水転写デカールはデザインナイフなどでデカールを切り取り、水に浸してデカールを浮かせてから指定の箇所に滑らせて位置を調整する。位置が決まったら、綿棒などで余分な水分をふき取り張り付ける。

 本キットでは数多くのデカールがあり、大きいものから細かいものまで全身に使用するので、マークセッターを使用や貼り終わったら、トップコートを吹いてしっかりと定着させるのをオススメする。

 特にトップコートを施すことで、ポージングの際の干渉によるデカールの削れを防止できる。今回は缶タイプの半光沢のトップコートを使用した。トップコートを吹く際は、腕部、脚部、頭部、胴体、脚部スタスターと大まかに分けて、1回から3回薄く吹き重ねて乾燥することで完了となる。

【チェインバー(デカール貼り付け後)】

使用したマークセッター「Mr.マークセッター」(左)、「水性トップコート 半光沢」(右)

 また、「チェインバー」の武装である5連装ミサイルランチャー、ビームライフル、ガトリングガン、ピニオンハルバードも収録され、組み立てることができる。

 5連装ミサイルランチャーは中央のパーツにハッチパーツを前後に取り付ける構造となっている。

 ビームライフルは銃身部分を合わせる簡単な組み立てで、銃口や下部についているブレード造形も再現されている。

 ガトリングガンは2つのドラムマガジンに給弾ベルトパーツを組み立て、ガトリング砲身と銃身部分を組み立てる。そして2つの部位を合わせることでガトリングガンが完成する。

 ピニオンハルバードは特徴的な釣り針のような先端部と長い柄の部分で構築されている。

 そして、劇中でも印象的な飛行時のフローターのエフェクトパーツも再現できる。円形状の3段エフェクトは塗装済みパーツとなっておりクリアグリーンとなっており、下部には波形のような凸造形が細かく入っている。

 それらを軸可動を備えたクリアパーツで支える形となっており、本体の接続部は背面部のオレンジパーツとなっており、本体のオレンジ部分と差し替える形となる。

【エフェクトパーツ】

 付属の専用スタンドはクリアパーツで構成され、3箇所の可動部を備えたものとなっている。組み立ても円形の剤座に支柱パーツを合わせていくシンプルなデザインとなっている。

 組み立て工程が完了したところで、次は造形やアクションを見ていこう。

「MODEROID チェインバー」商品概要

価格:7,500円
仕様:組立て式プラスチックモデル・ノンスケール
サイズ: 頭頂高:約150mm
原型制作:瑞穂町デザインチーム
メーカー:グッドスマイルカンパニー

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