個人ゲームデベロッパーのMas氏は5月23日、RPG『Artis Impact』を8月7日にリリースすると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内は日本語表示に対応している。また、あわせて無料の体験版も公開された。

『Artis Impact』はなめらかなドット絵アニメーションとコミック風の演出で描かれる物語重視のRPGである。プレイヤーは落ち着いていて大人びた少女「茜」として、論理的で少し毒舌な相棒AI「ボット」とともに、世界の謎を解き明かす冒険をすることになる。舞台となる世界はAIの反乱により荒廃してしまっているが、日常的な描写や、おっちょこちょいで無邪気な一面もある茜の人柄によって、心温まるユーモラスな場面も多いという。ポストアポカリプスな未来世界での活き活きとした日常と、スリリングな冒険を味わうことができるだろう。

本作に使われているドット絵の1コマ1コマはすべて手描きで制作されている。戦闘はもちろんのこと、会話イベント、階段や扉にいたるまで、なめらかなアニメーションで描かれる。また、会話イベントや重要なシーンではキャラクターの表情がマンガのコマのように描かれることもあり、キャラクターのひとりひとりの人柄や感情までもが伝わってくるものとなっている。

戦闘はシンプルなターン制バトルで、事前にトレーニングによる能力向上や武器のアップグレードをおこない、ボスを攻略していくというものだ。単調な作業になるレベル上げやお金稼ぎは必要なく、余計なおつかい要素などは存在しない。攻撃モーションのひとつひとつや、被弾モーション、敵の動きなどに手描きのアニメーションが加わっていることもあり、戦闘も物語の演出の一部かのように見ているだけで楽しむことができる。

また、メインとなる冒険とは別に、家の拡張や装飾といったハウジング、アルバイト、お風呂、エクササイズ、料理といった日常生活を送るライフシム要素や、隠しイベントやランダムイベントもあるようだ。イベントの中には特定の場所や時間帯でしか発生しないものもあるという。世界観に魅力を感じた場合は探してみるのも良いかもしれない。荒涼とした世界の中で送る生活のさまざまな場面が詳細に描かれることで、ストーリーへの没入感も増すことだろう。

本作を手がけるMas氏はマレーシア在住の個人のインディーゲームデベロッパーだ。本作が初の商業作品である。同氏は本作の開発までにアニメーションやシナリオ制作などの正式なトレーニングはまったく受けていないとのこと。2019年から開発活動を開始し、2021年に本作の開発に着手。以降、4年間かけて4000枚ものドット絵フレームのひとつひとつを制作したほか、シナリオ、音楽なども含め、すべて一人で開発をおこなってきた。本作は、まさに同氏の情熱の結晶というわけだ。

『Artis Impact』はPC(Steam)向けに、8月7日リリース予定。ストアページにて無料の体験版が公開中だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。

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