天官賜福(てんかんしふく 中国語: 天官赐福)は、墨香銅臭による中国のWeb小説作品です。その中国版アニメの主題歌、一花一剣。
日本だとシドの「慈雨のくちづけ」になっています。
この曲もBLとしてはピッタリなんですが、中国版の主題歌は、小説の内容やテーマがそのまま詩で表現されていて、とても素晴らしいので翻訳しました。
天官賜福は架空の古代中国大陸を舞台とし、さらに天界、人界、鬼界の三つの領域に分かれていて、これを三界と総称します。
この世界では功績を遺した才能ある者達が神官と呼ばれる神になり、多くの人間は彼らを信仰しています。
また、鬼(き)や妖魔の存在も信じられている。神官は信徒の願いを聞き、妖魔鬼怪が人間の領域を侵すようであれば下界に降り立ち対処します。
仙楽国の太子である謝憐(シェンリン)も天から与えられた才能を持ち、人々を救うために修行を積み、飛昇して神官となったのですが、2度にわたり天界から追放されてしまいます。
800年が経過し、謝憐は3度目となる飛昇を果たすも、「三界の笑い者」と呼ばれる彼に対して祈りを捧げる者はどこにも居ません。
謝憐はダメな武神なのでしょうか?
歌詞の中にこうあります。
「抵不过 一花一剑一人雨中笠 」
謝憐は自分の正しさを信じる信念の人です。
皆に笑われながら、迷いながらも優しさと不屈の精神を持つ人です。逆境に立ち向かう覚悟を持ち続けた人です。
自身の信念や目標に向かって進む姿勢が素敵です。
「任凡尘俗世笑我」
世俗の中で普通の人間として生きる私を笑う
世間の価値観や常識にとらわれず、自分の道を歩むことに対する周囲の批判や嘲笑に負けず、人として神様として生きる謝憐。
「拂古训 一闪 浮光掠影」
古き教えを払い、一瞬にして浮かび光が掠める
過去の教えの中には、今の人権の考えとそぐわないものも多々あります。
そうした古い教えを払うと一瞬にして光が掠める…
謝憐はとても素敵な愛すべきキャラクターで、小説から様々な事が読み取れます。
「济苍生 一花一剑一愿人间幸」
仙の存在が人々を救い、一輪の花、一本の剣、そして一つの願いが人間の幸福を願う
「听闻太苍山难复故国踪迹」
直訳すると
太蒼山がかつての国の跡を辿ることが難しいと聞く
となりますが、とても詩的な表現で
過去の国家や文化の痕跡が失われてしまったことを伝えています。太蒼山(タイツォンさん)は、古代中国の伝説的な山であり、かつての栄華と文明の象徴です。太蒼山の隆盛と崩壊は、文明の興亡や歴史の移り変わりを象徴しており、人々に過去の栄光や文化の再現を求める思いを呼び起こさせます。
戦乱による都市の崩壊、人々が疫病に苦しむ様子や戦争の被害…
謝憐はこれらに心を痛め、寄り添い、良かれと思いしたことが、更に人々を苦しめてしまったのでした。
天官賜福の神様は決して万能の神様ではなく、悩み苦しむ非常に人間的な神様です。
社会や人間の脆弱さ、困難な状況の中での苦難や損失
様々な感情を呼び起こし、そして考えさせられる設定です。
そしてそんな謝憐を子供の頃から慕い、鬼になりながらも側で惜しむことなく力を貸す花城(ホワチョン)がスパダリ過ぎて大好きです💕
「一花一剑一世与君行」
「一輪の花と一振りの剣とともに君と共に歩む一生となる」
いや~、素敵です💕
