星の界(ほしのよ)は、1910年(明治43年)に『教科統合中等唱歌』第2巻に掲載して発表された文部省唱歌です。
この楽曲は、1855年にカナダ在住のアイルランド人牧師ジョセフ・スクライヴェン(Joseph M. Scriven、1819-1886)が書いた詩にアメリカの弁護士チャールズ・クロザット・コンヴァース ( Charles Crozat Converse、1832年10月7日 – 1918年10月18日)が曲を付けた讃美歌 What a friend we have in Jesus (邦題:「たふときわが友」or「いつくしみ深き」賛美歌312番)に原詩とは全く無関係な歌詞を日本の詩人、劇作家、翻訳家である杉谷代水(すぎたに だいすい、1874年8月21日 – 1915年4月21日)が付けた替え歌です。
スクライヴェンの書いた原詩はイエス・キリストを信頼する気持ちを詠ずるものですが、杉谷代水が付けた歌詞は静かな夜の星空の景色を詠ずる叙景歌になっています。
この歌詞は文語体で書かれているので子供には分かりにくいことから、詩人であり評論家であった川路 柳虹(かわじ りゅうこう、1888年7月9日 – 1959年4月17日)が「星の世界」と題する口語体の歌詞を付けたものが、中教出版から1952年に出版された「小学校用音楽五」に掲載されていますが、星空を詠ずる詩想は「星の界」と似通っています。
https://ameblo.jp/igasanjin/entry-12506537709.html
賛美歌『いつくしみ深き』のメロディを用いた替え歌は『星の世界』にも何曲かある。中学校の音楽教科書に掲載された作品としては、「澄みゆくみ空に 夕日は落ちて」が歌い出しの『秋に寄せて』、「月影さやけき 近江の湖(うみ)に」が歌い出しの『懐古』などが知られている。
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映像:青森の星空 Starry sky Milky Way Time Lapse 2018 4K@nao NTV
