タイトル:リバーズ・エンド
刊行:電撃文庫
著者:橋本紡
イラスト:高野音彦
皆さんは『ドラマ化』されたラノベをご存知だろうか?『アニメ化』こそ今では当たり前とまではいかないまでも、違和感はないと思います。ですが、そもそもドラマを見る層とラノベを読む層はかなり遠い存在。また、二次元・オタク文化の最たるコンテンツと言えるのがラノベです。そのラノベから『ドラマ化』を生んだ作者こそ、今作『リバーズ・エンド』の作者のヒット作『半分の月がのぼる空』なのです。
もちろん『半月』が極めてドラマに向いた作風だったことは間違いないでしょう。しかし『アニメ化』をある意味超えたコンテンツに突入したことは疑いようがありません。そんなドラマ化作家の橋本紡さんが描くややSF風味な作品が、今回ご紹介する作品です。
その作風は悪く言えば「重くて暗い」ですが、同時に「他作品では得られない満足感と感動」が得られます。それは90年代後期に大きな衝撃を残した2つのアニメ作品『新世紀エヴァンゲリヲン』と『無限のリヴァイアス』を視聴した時とよく似ている気がします。もちろんあの2作品ほどの巨大なインパクトはありませんが、最後まで読みきれば言わんとすることが多少は理解して頂けると思います。
