2人でいることが、なぜ罪になるのですか?
<雪舞う音さえ聞こえるほどの静けさのなか、男はひとり、妻を葬(おく)った。
それが、妻の望みだった。
愛する者が死んでゆく時、人は、いったい何をしてやれるのだろう。
272日、6000km――
これは、とある夫婦の壮絶な愛の実話である。>
1999年12月2日。1人の男が逮捕された記事が、新聞の社会面にほんの小さく載った。
罪状は、「保護責任者遺棄致死」――老年や幼年、身体障害者や疾病のために扶助を
必要とするものを遺棄し、死に至らしめたことに対する罪であった。
男は末期癌の妻をワゴン車に乗せ、9カ月もの間、日本各地を彷徨っていた。
2000年秋、月刊誌「新潮45」に2号にわたって、逮捕された男・清水久典氏の手記が記載されて、大きな反響を呼ぶ。
2003年に発行されたその文庫化は、殆ど宣伝もなしに口コミで15万部を売り上げた。
事件の裏には、報道されなかった夫婦の深い愛の物語があった。
本作はその、清水夫妻の272日、6,000キロに及ぶ旅の記録の映画化である。
(c)2011 「死にゆく妻との旅路」製作委員会