約50校の高校から勧誘 エースが横浜を選んだ理由…村田浩明監督も称賛「横浜高校の1番を分かってきた」第97回センバツ高校野球大会第9日 ▽準々決勝 横浜5ー1西日本短大付(26日・甲子園)
【写真】実は親戚!ソフトバンクの選手
4強が出そろった。横浜(神奈川)はエース左腕の奥村頼人(3年)が同点の6回から登板。いきなり3者連続3球奪三振の「イマキュレートイニング」で流れを呼び込み、19年ぶりの準決勝進出。27日は休養日。28日に準決勝が行われる。
9球で聖地を制圧した。横浜・奥村頼は強く左拳を握った。6回から2番手で救援。今大会で3人とも本塁打を記録した西日本短大付が誇るクリーンアップが相手だ。見逃し、空振りで3球三振に封じると、5番の安田悠月には2ストライクから144キロ高め直球でバットに空を切らせた。遊び球なしの真っ向勝負。直前の5回に同点とした流れを一気に加速させた。
「チームとしては悪い流れ。変えたいと思って投げました。三振は一番流れを変えられる。全力で1球1球、魂を込めて投げた」。最終回は再び中軸との勝負。自己最速タイの146キロで右打者の内角を攻めた。4回完全5K。先発し5回1失点の2年生右腕・織田翔希からバトンを受け「織田が粘り強く投げていた。良くない投球をしては織田に失礼。思いもくんで投げた」と熱い言葉で振り返った。
滋賀・彦根市出身。遠い親戚にソフトバンク・前田悠伍がいる。約50校の高校から勧誘された。甘い言葉はうれしかったが、横浜は違った。「誘いの言葉とか一切なくて、『入ったら全員関係ないぞ』って。それで『ここだな』と」。鍛錬のため、故郷を出た。
厳しい環境に感謝する。25日の前日練習。村田浩明監督(38)はナインにカミナリを落とした。「『夏があるやん』みたいな練習をしている。このメンバーで戦えるのは今しかない。それで後悔しないのか?」。わずかな心のスキを指摘された男たちの、目の色が変わった。「泥臭くやるのが自分たちの野球」と奥村頼。41球全てに闘志を込めた。
村田監督は「頼もしい(背番号)1番に成長した。横浜高校の1番を分かってきた」とたたえた。チームは公式戦18連勝。横浜は過去、準決勝で4戦全勝だ。健大高崎戦に「手強い相手。チャレンジャーの気持ち」と左腕。どんな強打者が相手でも、横高のエースは絶対に負けない。(加藤 弘士)
◆奥村 頼人(おくむら・らいと)2007年9月8日、滋賀・彦根市生まれ。小1から高宮スポーツ少年団で野球を始め、小6ではタイガースジュニアに選出。中1から滋賀野洲ボーイズでプレー。中3時は鶴岡一人記念大会に関西選抜として出場し、優勝。高校では1年春からベンチ入り。2年春からエースナンバー。特技はスキー。習字1級。好きなタレントは新木優子。178センチ、82キロ。左投左打。
◆記録めも ▼3者連続3球奪三振 横浜・奥村頼人が6回、今大会でいずれも本塁打していた西日本短大付の強力クリーンアップ、斉藤、佐藤、安田の3人から、3者連続3球奪三振。米大リーグでは、「イマキュレート(完全無欠の)イニング」と言われる珍しい記録で、プロ野球では、昨年の森浦大輔、森下暢仁(ともに広)を含め、達成したのは20人(22度)。3、4、5番の主軸打者から記録したのは、2017年4月25日ロッテ戦の松井裕樹(楽)1人しかいない。
甲子園大会では、22年夏1回戦(対鳴門)の7回に、近江・山田陽翔(現西武)がマークした例がある。