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足利十五代将軍義昭は、病み上がりの犬みたいに疲れた目をしていた。元管領家の細川家の家宰から成り上がった三好一族から、常に命を狙われている心労のせいかもしれない。
「相馬の海に石碑を建てると申すか」
それでも足利家最後の将軍は、高圧的に俺たちに御下問してくる。
「は! 」
俺、元康、信長の東海連合チーム(別名チームUJIZANE)は大げさに頭を畳に手をついて頭を下げた。力を失ったとはいえ、相手は天下の将軍様だからだ。
「相馬の海に大津波がやってくるという予言が、熱田神宮から報告された。そこまでは良い」
将軍は口内炎でもあるのか、顔をしかめている。彼にとって我々の願い事がそこまで引っかかるとは予想外だった。
「何故、”巨大建造物を建てるな”と石碑に書く?」
そう言った時の義昭の目は真剣そのものだった。相馬の海にUFO観測所でも作るつもりだったのか?
「巨大な建造物が大波に襲われないようにという、戒めでござる」
「しかし、相馬の海は相馬の自由ではないか」
将軍様はなかなかにしつこい。まあ、的確な質問ではあるが、天下の将軍がこだわるほどのことだろうか?
「何故上様はそこまで石碑の内容にこだわるのですか」
信長が堪らず質問した。やつも福島から転生してきた元美容師だから俺の意図は元康よりも理解してくれている。
「天下の仕置きに将軍が関わるなと申すか!」
義昭がブチ切れたので、俺たちはいったん撤収して対策を練り直すことにした。
「瑠璃たん帰ったよお」
京から帰ってから早速元教え子を後ろから抱きしめる。すっかり今川家の奥方として貫禄も出てきたみたいで、留守中に家老の朝比奈爺さんの相談にものってたらしい。
「三島の土地争いの調停手伝ったよ」と言って笑う幼妻、瑠璃たん。
どんな裁定下したのか、聞くのがちょっと怖かったけど俺は奥さんの頭を撫でてやった。
「偉い瑠璃さん、しかもエロい」
俺は後ろから彼女のこんもり膨らんだ胸元に手を大胆にさしれた。嫁の乳は俺のモン、! 精神発動である。
「だめだべよ、昼間っから嫁ッコの胸触んなよ」
瑠璃が無駄な抵抗をジタバタしてくれて、俺のハンター本能を刺激して止まない。
「まあ、ええでねえか奥さん、めんこいお乳だべ」
瑠璃は相変わらずいい匂いがして、エッチにうぶで、グッド女体で最高だった。
「ああん、氏真はん、ゆっくりやってえ、そんな急がないでってばよお」
そういう瑠璃の床叫びが尊すぎて、すぐイッテしまう駄目な駿河の太守様である。
寝物語で、俺は義昭の保健事業の話を聞かせた。
「保健事業って火災保険とかあ?」
「生命保険だってよ」
「生命保険かあ、あれば助かる人いっぱいだろうね」
「戦ばっかりだからなあ、残された家族には最高だよな」
「戦で死んだら将軍様が加入者の遺族に保険金支払うんだよね。大きな戦あると大変だね」
確かに俺も戦国でやるべきじゃないって止めたんだが義昭は聞き入れなかった。リスクが読めなさすぎて、事業として成立するかどうか。
「で、瑠璃にパンフレットを作って欲しいんだ」
「パンフレットっすか」
ちょっと意外だったようだが瑠璃はすぐにやる気をだして翌日から下絵を描き出した。