白鳥のようなエレガンスと、航空機のような力強さを備えた奇跡のスクーター、それが〝べスパ〟の『FARO BASSO』(通称)だ。名前のとおりフロントフェンダーにヘッドライトを配したデザインをアイコンとするこちらは、細かな改良を繰り返しながら1946〜’57年の間生産。今や本国イタリアでも見かけることはまれである。フェンダーライトの〝べスパ〟といえば、外せないのが映画『ローマの休日』(1953年)。アン王女と新聞記者ジョーがローマの街中を流す、エレガントなタンデム姿に恋い焦がれた方は多いだろう。現代の交通事情においてはもはや非現実的な光景になってしまったが、その美しさだけは永遠に色褪せることはない。

●モデル名:VESPA125 VN1 ●生産国:イタリア ●生産年:1957年 ●価格相場:150万円~200万円程度 ●重量:約80㎏ ●排気量:124cc ●入手方法:〝べスパ〟専門店か個人輸入にて ●備考:写真の個体は新潟の旧車専門店「T-DRIVE」が輸入。実用性を鑑みてミラーやスピードメーターは後付けしているが、ほぼ当時の色やスタイルに忠実にレストア。希少な1960年代以前の〝#べスパ〟は、アジア製のコピー品も多く出回っているため、注意するべし。

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