小さなジャングルを奥に進むと、私たちのオールが水をかく音、鳥のさえずり、甘い香りに群がる蜜蜂の飛ぶ音と、至ってシンプルなサウンドに頭はぼんやりさせられるなか、サガリバナが水面に着水する音に気をとられた。
それは、抱いていたイメージとは少しばかり違っていて、一夜の命を終えて花が木から落ちていく儚げな…というよりは、どちらかというと楽し気に見えたのです。ポトン、ボトン、バスッと、なんとも言いがたい音を立てて次から次へと花を落として着水するそれは、せーの!そんなふうにはしゃいでダイブしているように私には感じたのです(笑)。闇夜に淡いピンク色の花を咲かせ、夜が明ければ、水面に花を咲かせながら旅にでも出かけるような…そんなふうに。

#すとりっぷ

 

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